そして、“彼女”との再会。
イリスと“エンシェントハイエルフ”のセラフィーナとの出会いを果たしたハクアであったが、鼻血を吹き出して気絶してしまった。
そんなハクアは今……何故かセラフィーナの膝に頭を乗せて横になっている、所謂“膝枕”をしてもらっている。
「(いやなんで膝枕!!?すっごい恥ずかしいけど……けど、なんか嬉しい……。)」
「大丈夫ですか?何処か痛みますか?」
「ア、イエ……ダイジョブ、デス…。」
ハクアは上を見れなかった。
理由は簡単、もしセラフィーナの方を見れば、美しい美乳を直視してしまい、また気絶してしまうからだ。
というか、この男は何故初心なのだろうか?
「(喧しい!!誰だって鼻血は噴くだろ!!?)」
……この狼は誰にツッコミを入れてるのだろうか?
「あの、どこかお怪我をされているのでは?
良ければ治癒の魔法を。」
「っ!!い、いいえ!ほ、ほほ、本当に大丈夫です!
と、というか、俺は何で膝枕を……?」
ハクアが尋ねると、セラフィーナは優しく微笑みながら答えた。
「突然血を出して倒れたので、どうなさったのかと思って……。治癒魔法も念の為に掛けておきましたが、身体に違和感などはありませんか?」
「……そういえば、凄い身体は楽に感じる。
本当にありがとうございます。」
「いいえ、あなたはアウレリア王国の恩人。
これくらいの事はさせてください。」
「は、はい……。」
「ゴホンッ!!!それで?い・つ・ま・で寝ているつもりだ……?」
ハクアがセラフィーナを横目に見ていると、傍で見ていたイリスが咳払いをするのが、見えたハクアはハッとなり、セラフィーナから勢いよく離れ、それを見てセラフィーナは一瞬寂しげになる。
「あぁ、えっと……すみません。」
「謝らなくて良い。しかし、セラ……ごほんっ……セラフィーナ様はこの国の象徴であり、女神ラーレンティアの生まれ変わりの1人。
その、簡単に触れて良い存在ではない。そこは分かってほしい。」
「え?あぁ、それは分かった。
そういえば、あの凍らせたおっさんは?」
「レイモンドゥスか……。
奴は今、氷に包まれたまま牢に封じてある。
それだけの大罪を犯し、何人もの民を犠牲にしたのだからな。
だが……奴の邪な心に気付けなかった私にも責任はあるがな……。」
「イリス……。」
切なげに俯くイリスにセラフィーナも悲しげに俯く。すると、ハクアはそんな2人に言った。
「でも、イリスさんとセラフィーナさんがいたからこの国は救われたんじゃないか?」
「え?」
「イリスさんが助けて廻って、セラフィーナさんが力を使って命がけで国を護ったから、犠牲者は増えなかったんじゃないか?」
「ハクア殿……。ありがとう。」
「ありがとうございます、ハクアさん。」
「いや、こっちこそ偉そうな事を言って申し訳ない。」
その後、ハクアはイリス、セラフィーナと話をした後イリスに連れられて、街を案内してもらった後、イリスから礼として金の入った袋が渡された。
「あの……これは?」
「謝礼だ。少ないが持っていってくれ。」
「いやいらないって。あれは勝手にやったんだから。
だいたい俺、そういうのが欲しくてやったわけじゃない。」
「いいや、受け取ってくれ。これは私なりの誠意だ。
受け取ってもらわなくてはこちらが困る。
……お前には親友であるセラを助けてもらった。その大きな借りもあるからな。」
イリスに袋を渡され、ハクアは袋を開けると、そこには数十枚の金貨が入っており、その中から5枚だけ受け取ると、イリスに返した。
「え?」
「謝礼ならこれだけで十分、金貨5枚もあれば宿に泊まるのに事足りるし。」
「なっ!?いや、それでは」
「無駄金持ってたら使いすぎるから、持たないようにしてんだ。んじゃ、お元気で!」
「あっ!!ま、待ってくれ!そんな、これでは……行ってしまったか……変わった男だったな。」
イリスは元気よく旅立ったハクアを見て、優しげな笑みを浮かべるのであった……。
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