ゴゴゴ……!ゴゴゴ……!と巨大な足音を立てて、アルバスに向けて鈍重に進んでいく巨神アシッド。それを遠目に見ながら悲痛な表情になる女神セレスティン。
その側にはクラウディアとエミリアがおり、クラウディアは腰にセレスティンから賜ったロングソードを差しており、エミリアはランスを携えていた。
2人の視線の先には巨神アシッドがこちらに向かってきている。その表情は巨神アシッドの放つ腐臭に歪ませていた。
「なんて腐臭……!あの巨神から漂っているの!?」
「何という禍々しさ……!」
「“闇の毒巨神アシッド”……セレヌス大陸北部の奥地に封印されていた魔の巨神……これ以上は進ませないです!白陣の巨壁!」
セレスティンが両手を前に出すと、アルバスを覆うように白い巨壁が姿を現し、アシッドの侵攻を阻む。すると、アシッドは拳を振り上げて巨壁を破壊しようとする。
その衝撃にセレスティンは、表情を苦しそうに歪ませていく。何度も何度も拳を振り下ろすアシッドの一撃でアルバスの地が揺らぐ。
そんなセレスティンを助けようと、クラウディアはロングソードを抜くと、アシッドの拳を切り裂き、エミリアもランスでアシッドの拳を刺す。しかし、その巨体にはクラウディアの斬撃とエミリアの突きは意味をなさず、ロングソードとランスを見ると刀身の半分がグズグズに崩れていた。
「なっ!?なんて身体なの!?触れるものは全て崩れてしまうの!?」
「これが…アシッドの異能……“腐敗し朽ちる肉”!?」
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!』
雄叫びを挙げ、アシッドは巨壁を破壊しようとする。
その拳を見て、潰されると思い、3人が目を伏せたその時……。
「
ビュオオオオオオオオ……!!!と、凄まじい吹雪と共に聞こえてきた声と共に、アシッドの身体の前面を凍り付かせて、5つの斬撃が大きく切り裂いた。
「これは……?!」
「クラウディア!」
「クラウス!大聖堂に行ったのでは!?」
「はぁ、はぁ……!せ、聖ベルナルドと黎明の2団に任せて来た!私は、ハクアくんを追ってきたんだ……。」
3人がクラウスの言葉を聞き正面を見ると、そこには白髪ショートに白い耳、白い尻尾した餓狼族らしき青年、氷狼族の青年ハクアが雪嶺を手に後ろに下がったアシッドを見て、警戒をしていた。
ハクアの雪嶺は氷を纏わせた事で、刀身が崩されずに済んだ。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』
けたたましい雄叫びを挙げて拳を振り上げるアシッドに、ハクアは眼光を鋭くして跳び、アシッドに斬りかかる。
幾度となく切り裂いていくが、アシッドの身体には斬撃が意味をなさない。
「ちっ、やり辛いな。雪嶺は何とか無事だが、不死か?(なら……。)」
ハクアは冷気を使ってアシッドの脚を凍らせると、そこからバラバラに砕いていく。
しかし、脚もゆっくりと再生して立ち上がる。
「ちっ……!冷気が足りない。もっと強く……芯まで凍らせないと……!」
その時、ハクアの頭の中に声が響く。
【ハクア、すまない!スキルの方の覚醒が起きたから伝えに来た!】
「(スキルの覚醒?良いタイミングだな!)」
ハクアは笑みを浮かべた……。
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