ハクアがシスター達を助けてからすぐ、ハクアは衛兵達にシスター達を預けると黒犬との戦線に向かっていった。
雪嶺で敵を斬り伏せながら、背後から迫ってきた敵も容赦なく凍りつかせ、さらに囲まれても構わずに技を仕掛ける。
「氷創、刀剣乱舞!」
ハクアは氷の剣を四方八方に展開し、鋭く冷たい氷の刃で黒犬の喉を切り裂いて首を落としていく。
その様に黒犬の傭兵達の顔に恐怖が現れており、ハクアが近づくと後ろに下がり始める。
「どうした?俺みたいな子ども1人に随分な怯えようじゃないか。まぁ100人近く殺せば怖いだろうな。けど、お前らだって散々好き勝手やったんだ。代償は払うもんだぞ。」
「ば、バケモンだ……!こいつ、やべぇよ!」
「何がバケモンだ。俺は餓狼族の一種だ。それよりもさっさと楽にしてやるから首出せ。」
「な、舐めやがって!たかだか犬ころが人様に勝てるとがへっ!?」
「「「「「「「っ!!?」」」」」」」
「口開く暇あるなら掛かってこいよ、野良犬。ヴォルトとディレクに伝えろ。無駄な事する暇があるなら降伏しろとな。……さっさと失せろ!」
黒犬傭兵団の残党、50人はハクアに恐れをなして逃げ去っていき、それを見ていた兵士達は歓喜の歓声を挙げる。
ハクアの参戦によって、黒犬は大きく弱体化し、前に出るはずだったヴォルトとディレクは前に出られないために兵士達の士気も下がっていた。
「ハクア!」
「イリス、無事だったか。」
「あぁ。お前には助けられたな。まさか城門が破壊されるとは思わなかったからな。」
「そうか。セラフィーナさんは?あと、ここにはアリシア達もいただろう?」
「セラは今、セレスティン様と一緒にいる。あと、アリシア達も一応避難はしている。」
「……そうか。」
「?どうかしたか?」
「イリス、多分内通者がいる。まだ外に出てはいないだろうが、夜に動きがあるかもしれないからな。警戒はしておいてくれ。」
「っ!分かった。」
その後、五の砦からマイアとその仲間達も来たが今回は戦闘の後ということもあり、ハクア達は一の砦に宿を取る事にした……。
♧◆♧
その夜、1人の老人と豚の亜人の兄弟が大きなズタ袋を抱えて夜の城を抜け出し、馬車へと乗って黒の城へと向かっていた。
3人の名はベアズリーとモルデラッタ兄弟。
黒犬傭兵団の内通者であるが、彼らは黒犬が逃げ帰ったのを見て城に隠れていたが、ヴォルトからの書状を受け取ってしまった為に逃げることも出来ず、仕方なく“手土産”を持って黒の城へと向かっていた。
「(こんな筈では……あの男、あの白い男さえ現れなければ今頃は!!)……っ!!?」
「こんな時間に馬車飛ばして何処行くんだ、おっさん達。」
「き、貴様、何故ここに!?」
「……こんな物を部屋で見つけてなぁ。駄目だぜ灰になってもちゃんと燃やさないと。」
ハクアが見せたのは、ベアズリー達が処分したはずの黒犬とのやり取りを記した書状であった。
ハクアが見つけた灰をアストリットに魔術で直してもらい、その書状を見たイリスがベアズリー達を捕らえようと探すが、既に彼らは砦にはいなかった。
ハクアは神感知で3人の居場所を知り、単独で追い掛けて来たのである。
「さて、どういうつもりだったのかな?」
「ま、待て!わしの話を「聞くわけねぇだろ、ボケ。」や、やめ……!」
ハクアはベアズリーを氷漬けにすると、逃げようとするモルデラッタ兄弟も氷の槍で貫き、凍りつかせる。
そして馬車に乗せられていたズタ袋2つを開けると、そこにはプリムと彼女の侍女であるトリスがおり、眠らされていた。
「薬を使って眠らされたか。このまま一の砦まで戻ろう。」
ハクアは氷漬けにした3人を放置して、眠っているプリムとトリスを連れて一の砦へと戻るのであった……。
短いです。
すみません。
またしばらく間が空きます。
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