※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

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今回はここまでです。


謀る黒犬と裏切りの老将

 エヴリン、エレオノーラ、ラドミラとの交わりの翌日、ラドミラとエレオノーラがいなくなっていて、先に帰ったと知った後、ハクアはエヴリンに連れられて、一緒に湯浴みをしに行き、その帰り道に部屋で仕事をしていた時。

 

 

 クラウディアが団長を務める黎明騎士団の団員が、ハクアの部屋に駆け込んできた。

 

 

「ハクア様!黒犬が七盾に向かっているとの知らせが!その数、およそ600!」

 

 

「分かった。他には何処が動いてる?」

 

 

「はっ!1の砦のアリシア・アルクトゥールスの聖アイリス騎士団、イリス・アルケーディアの軍、4の砦のアストリット・フラメルのゴーレム部隊にレオナの餓狼兵団、そしてこの7の砦からエミリア様、及び聖ベルナルド騎士団が動いております。」

 

 

「分かった。俺も出る。民達には外出しないように伝えてくれ。あと、何かあればすぐに報告してくれ!エヴリンも砦で待っててくれ。」

 

 

「承知いたしました!」

 

 

「うん!気を付けてね❤️」

 

 

 ハクアは雪嶺を腰に下げて、走って向かう。すると、途中ある人物と鉢合わせた。

 

 

「あんたか、グラーヴさん。」

 

 

「ふん、子犬が。退け。」

 

 

 鉢合わせした人物、グラーヴ・レーヴァンタインは、ハクアを一睨みして退かせると歩き去っていった。

 

 

 ハクアはグラーヴが苦手だ。

 

 

 クラウスに対しても冷たく接しているグラーヴは、クラウスを助けたハクアに対して冷たかったからである。

 

 

「(あの爺さん、なんか苦手なんだよなぁ。なんか見下してくるし。)あ、急がなきゃな!」

 

 

 ハクアが全速力で走って向かっていると、遠くの高原で混戦状態となっている七盾と黒犬の軍を見つけ、ハクアは氷の道を作ると、そこを滑って向かっていく。

 

 

 そして、黒犬の真上に到達すると、空から巨大な氷塊を放つ。

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオッ!!!

 

 

「「「「うわああああああああああああああああっ!!?」」」」

 

 

「なんですか!?あの氷塊は!?」

 

 

「ハクアだ!援軍みたいだぜ!」

 

 

「無茶なやり方だけど、大助かりね。」

 

 

「全軍、ハクアの起こした好機を逃すな!!黒犬を押し返せ!!」

 

 

「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」

 

 

 ハクアの参戦に士気を高めた七盾同盟は、迫ってきていた黒犬軍を倒し始めるのであった。

 

 

「はあああっ!!」ズバッ!ザンッ!

 

 

「たぁぁ!!」ズバッ!ズババッ!

 

 

「「「「ぎゃああああああああああああああああっ!!?」」」」

 

 

 アリシアとイリスの剣技が閃き……。

 

 

「はああああああああ!」ドゴオオオオオッ!!

 

 

「「「「ぐおおおおおっ!!?」」」」

 

 

 アストリットのゴーレム部隊が巨大な魔物を潰し……。

 

 

「うらあああああああっ!!!」ズガアアアアアアアッ!!

 

 

「「「「ぐああああああああっ!!?」」」」

 

 

 レオナの大剣による一撃が、大地と敵兵を討ち破り……。

 

 

「せいやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 エミリアの槍が敵を貫いていく。

 

 

 そんな彼女達を見たハクアも、負けじと雪嶺による斬撃、蹴り、氷魔法などで敵を倒していき、ものの数分で黒犬軍は残数僅かとなって撤退したのであった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 その頃、七盾同盟、7の砦にあるグラーヴの自室では片腕を失い、隻腕となった黒犬団の軍師兼魔術士であるキーンはグラーヴと密談を行っていた。

 

 

「グラーヴ将軍、この書状に書いてある条件でよろしいですな。あなたに加え、ミシェル殿にも声を掛けています。」

 

 

「戦にも出ない奴からの言葉に頷くと思うか?奉仕国家なぞ妄想を抱いた者の言葉など。」

 

 

「あなたならば、我々にお力を貸して頂けると思っております。あなたのレーヴァンタイン家には女が必要な筈。我々に力をお貸し頂ければ、望みは全て叶います。」

 

 

「……。」

 

 

 キーンの言葉にグラーヴは、顎髭を撫で………。

 

 

◆◆◆

 

 

 その頃、ハクア達は七盾同盟に向かって帰っていた。

 

 

「はっ!ざまあみやがれってんだ!負け犬(ヴォルト)の腰巾着共!悔しかったら強くなってみやがれってぇの!」

 

 

「レオナ、品が無いわよ。あんまり騒がないの。」

 

 

「負け犬に負け犬って言って何が悪いんだよ、アストリット。あいつら弱すぎんだっての。」

 

 

「しかし何故突然攻めてきたのだ?今まで籠っていたのに……何かあるのか?」

 

 

「恐らく何かの策だろうな。奴らは恐らく陽動だろう、こちらの目を他に向けるために。」

 

 

「だとしたら油断できませんね。クラウディア様やセレスティン様、セラフィーナ様に進言しなければ。」

 

 

 レオナ、アストリット、アリシア、イリス、エミリアの言葉にハクアも顎に手を置いて考え込む。

 

 

 今まで動きを見せていなかった黒犬が、突如として動きを見せて攻めてきた事には、ハクアも疑問に思っており、何かを企んでいるのではと思っている。

 

 

 まるで自分達を同盟から離すような動きに、ハクアは嫌な予感がしてならなかった。

 

 

 すると、目の前にコハクが現れたが、ひどく慌てた様子であった。

 

 

「みな、ここにいたか!」

 

 

「コハクさん?どうかしたのか?」

 

 

 ハクアがコハクに尋ねると、コハクが驚くことを知らせてきた。

 

 

「4の砦のミシェル・パンティエール、7の砦のグラーヴ・レーヴァンタインが謀反を起こした!!4と7の砦が黒犬に襲われている!!!」

 

 

「「「「「「!!!!?」」」」」」

 

 

 ハクアの嫌な予感が的中してしまったのであった……。




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