キレたら手が付けられないです。
「クラウスさん……。」
「ハク、ア……くん……来て、くれ、た……のか。」
「喋らないで。傷を止血します。」
ハクアはクラウスの傷を凍らせて、止血を行おうとしたが、クラウスに止められる。
「ハクア、くん……妻を、クラウディアを……頼む……。」
「……そんな事を言わないで下さい。今「頼むっ…っゴホッ!」……クラウディアさん、クラウスさんとここで待っててください。もうすぐエミリア達が来ます。」
「……「クラウディアさん!!」っ!は、はい……!」
茫然自失とするクラウディアに、強めに名を呼び返事をさせたハクアは、彼の傷口の止血を終わらせると、ゆっくりと立ち上がり、グラーヴへと歩いていく。
そんな中、グラーヴはハクアに対して睨みを利かせる。
「獣風情が……よくも邪魔をしてくれたな。我がレーヴァンタイン家の恥曝しを「恥曝しはテメェだろが、老いぼれ。」なに?」
「クラウスさんはあんたよりも芯のある人だ。俺やあんたにはない強い芯を持ってる、そんな人を恥曝しとか言うな。」
「子1人作ることのできない種無しに、強い芯だと?笑わせてくれる。家の役にも立たん者など、レーヴァンタインには「黙れ。」『ドゴッ!』ガハッ!?」
ハクアのアッパーが、グラーヴの腹に決まり、ゲロを吐きながら大きく吹き飛ぶグラーヴ。
「ダサいんだよ。家の役に立つ?んなもので幸せになれるのか?腹は膨れるのか?クラウスさんは妻であるクラウディアさんの事を一番に考えてた。そこには、そんなダサい考えなんてなかった。」
「獣には分かるまい。家が、家名が全てなのだ!!貴様のような者には分かるまい!!」
「分かりたくもないよ。だけど、あんたみたいな哀れな人が父親で、クラウスさんが可哀想だ。」
「儂が哀れだと……!この、獣風情が「ドラァァァッ!!」『ドゴオオオオオッ!』がっ!?」
ハクアのコークスクリューが、グラーヴの顔に直撃し、メキッ、ボキッと骨が砕ける音がし、老体が大きく宙を舞う。
しかし、ハクアは雪嶺も抜かず、能力も使わず、グラーヴが落下して倒れてもただ静かに立っている。
「くっ!?がはっ!?」
「立て。あんた如きに刀を抜く必要も、能力を使う必要もない。拳と足だけで十分だ。」
「っっっっっ!!!この、小僧がぁぁぁぁぁ!!!?」
「ふんっ!!」ダァンッ!!
ボキッ!!
「〜〜〜っ!!!?」
ハクアの蹴りでグラーヴの右足の骨が砕け、足を押さえ痛みに悶えるグラーヴをハクアは、グラーヴを無理やり立たせると、彼の腹を何度もアッパーを放ち、膝打ちで砕けた顔面を打つ。
「ぐあっ!?」
「内臓はイカれたな。右足も骨が砕けたし、今度は腕の骨でも折るか?」
「この、外道が!!年寄りを虐めて楽しいか!!?」
「は?戦場に出てたら老若男女なんて関係無いんだよ。そもそもあんた、平気で戦ってたじゃん。……はぁ、何か冷めたからトドメ刺すわ。ぶち割れろ。」
「っ!?や、やめ―――」
バキィィィィンッ!!!
ハクアはグラーヴを凍結させて氷像にすると、握力を込めてバラバラに砕き、グラーヴは完全に砕けて破片に変わった。
一方、そんな様子を隠れて見ていた黒犬の所属であるヒックスは、ハクアの力に戦慄していた。
「(何だよあいつ!?人を平気でバラバラに!!?あんなのに見つかったら、俺までバラバラにされちまう!!早く逃げねぇと!!)」
ヒックスはハクアにバレる前に、その場から去り、黒の城へと逃げ延びたのであった……。
◆◆◆
七盾同盟は4の砦と7の砦に襲撃を受けながらも、4の砦をマイアが護り、7の砦をハクアが来るまでオリガ、クロエ、ルカが護ったことで損害自体は少なく済んだ。
しかし、グラーヴ・レーヴァンタインの裏切りによって、クラウディアの夫であるクラウス・カーティスが命を落とした。
それによってクラウディアは部屋に籠もってしまい、その代理をハクアがする事になったのであるが、ハクアはクラウディアの事が心配であった。
「クラウディアさん。何か食べないと倒れてしまいますよ。」
ハクアはクラウディアの部屋を訪ねて声を掛けるも、返事は返ってこない。
「クラウディアさん……。」
「ハクアくん。」
「ソフィアさん、アンナさん、グレースさん。」
ハクアに声を掛け、現れたのは今回の戦争によって夫を亡くしたソフィアとアンナ、そして夫の死を受け入れて乗り越えたグレースであった。
「ここは私達に任せてくれませんか?」
「今のクラウディアさんには、私達の方が接せれると思うから。」
「……分かりました。クラウディアさんの事をお願いします。」
ハクアはクラウディアを3人に任せるのであった……。
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