※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

73 / 80
黒“犬”が黒“狗”に変わります。


落ちる黒犬と新たな黒狗

「ふざけるなヒックス!!!」

 

 

「ガハッ!?」

 

 

ガシャアアアアンッ!

 

 

「た、隊長!?お、落ち着いてください!?」

 

 

「黙れキーン!!どいつもこいつも役立たずどもが!!」

 

 

 ヴォルトは黒の城の玉座から立ち上がると、顔を青くして帰ってきた部下、ヒックスからの報告を受けて憤慨している。

 

 

 ヴォルトが計画を立てた内通策は、ハクア達七盾同盟によって破られ、味方につく筈だったグラーヴ・レーヴァンタインは命を落とし、足掛かりとなる筈だったミシェルも捕らえられてしまい、ヴォルトの機嫌は最悪なものになっていた。

 

 

「ちぃ!どいつもこいつも役立たずどもばかり!!これじゃあ大損ばかりじゃねぇか!?」

 

 

「(隊長、ものすごい機嫌悪いな……。)」

 

 

「(両腕を失っても隊長の士気はそのままです。ですが、あのハクアという、白い餓狼族の子供に負けてから隊長はケチが着いたと……。)」

 

 

「(ディレクはどうしたんだ?今どこにいるんだよ?)」

 

 

「(エルドニア攻略の為に、軍を動かしています。そろそろ戻る筈ですが……。)」

 

 

「ヴォルト。戻ったぞ。」

 

 

 ヒックスとキーンがどうするべきかを話し合っていると、ディレクがエルドニア攻略から戻ってきた。

 

 

 途中で拾ったモーガンを引き連れて。

 

 

「ディレク、そいつは何だ?」

 

 

「あぁ、モーガンという流れの傭兵だ。使えそうだから連れてきた。」

 

 

「よろしくな。傭兵王さんよぉ。」

 

 

 軽い感じで挨拶をするモーガン、しかしヴォルトはそんなモーガンを一瞥すると、ディレクに対して冷たく言い放つ。

 

 

「勝手な事をするな。使えるかどうかは、俺が判断する。流れの傭兵なんぞ何が出来る。」

 

 

「今のお前よりはマシだろ。」

 

 

「……なんだと?」

 

 

 ディレクの発言にムカッと来たヴォルトは、ディレクを睨むが当のディレクはどこ吹く風の如くであった。

 

 

「あんたみたいな臆病風に吹かれた奴に、使える使えないと判断されるのがどうかと思うがな?あのハクアとかいう餓狼族の子供に負けてから、奴にビビって前線に出ない癖に、態度ばかりデカいものな。」

 

 

「ディレク、お前ぇ……!!」

 

 

「どうした?キレたか?小さな小さなプライドに傷でもついたか?お前にもプライドがあった事は知らなかったがな。」

 

 

「っ!!!貴様ぁぁぁぁっ!!」

 

 

「ふんっ!」

 

 

 ヴォルトがディレクに向かって、噛み付こうとした時、ディレクは自身の得物である魔剣をヴォルトの心臓に突き刺す。

 

 

「っ!?が、がはっ!?」

 

 

「「隊長!!?」」

 

 

「ディ、ディレク……!!貴様……!?」

 

 

「お前の時代は終わったんだ。後は俺が上手くやるからお前は死んどけ。」ズバッ!

 

 

「ぐっぁ!?」

 

 

「ディレク!てめぇ!!」

 

 

「ヒックス!?」

 

 

 ヴォルトを斬ったディレクに睨みを利かせるヒックスに、キーンが止めるように手で制する。

 

 

「弱い黒犬(ヴォルト)は死んだ。これから黒狗(俺)が指揮を執る。従わない奴には死が待ってると思え。」

 

 

 ヴォルトが率いていた黒犬は終わり、新たにディレク率いる黒狗が指揮を執る事になった……。

 

 

◆◆◆

 

 

 ディレクが新たに行動を起こしているまさにその時、ハクアはコハクから砂漠の国エルドニアが、ディレクによって落とされたと聞いて、ショックを受けていた。

 

 

「エルドニア王まで死んだか……。これでエルドニアが取られて、取り返すのがかなりキツくなってきたなぁ。」

 

 

 自室のベッドに横になって、天井を見上げながらそう呟くハクア。

 

 

 エルドニア王は態度は悪かったが、悪い人間ではなかったので、そんな王が死んだ事がショックで仕方なかった。

 

 

「落ち込んでるばかりじゃ駄目だな。対策考えなきゃ。」

 

 

「ハクアくん、ソフィアです。今よろしいですか?」

 

 

「ソフィアさん?はいどうぞ、開いてますよ。」

 

 

 ハクアが扉を開けると、そこにはソフィアとクラウディア、そして何故かラドミラまでいたのだ……。




次回、人妻とのくんずほぐれつです。


コメントなど待ってます。

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