「ふざけるなヒックス!!!」
「ガハッ!?」
ガシャアアアアンッ!
「た、隊長!?お、落ち着いてください!?」
「黙れキーン!!どいつもこいつも役立たずどもが!!」
ヴォルトは黒の城の玉座から立ち上がると、顔を青くして帰ってきた部下、ヒックスからの報告を受けて憤慨している。
ヴォルトが計画を立てた内通策は、ハクア達七盾同盟によって破られ、味方につく筈だったグラーヴ・レーヴァンタインは命を落とし、足掛かりとなる筈だったミシェルも捕らえられてしまい、ヴォルトの機嫌は最悪なものになっていた。
「ちぃ!どいつもこいつも役立たずどもばかり!!これじゃあ大損ばかりじゃねぇか!?」
「(隊長、ものすごい機嫌悪いな……。)」
「(両腕を失っても隊長の士気はそのままです。ですが、あのハクアという、白い餓狼族の子供に負けてから隊長はケチが着いたと……。)」
「(ディレクはどうしたんだ?今どこにいるんだよ?)」
「(エルドニア攻略の為に、軍を動かしています。そろそろ戻る筈ですが……。)」
「ヴォルト。戻ったぞ。」
ヒックスとキーンがどうするべきかを話し合っていると、ディレクがエルドニア攻略から戻ってきた。
途中で拾ったモーガンを引き連れて。
「ディレク、そいつは何だ?」
「あぁ、モーガンという流れの傭兵だ。使えそうだから連れてきた。」
「よろしくな。傭兵王さんよぉ。」
軽い感じで挨拶をするモーガン、しかしヴォルトはそんなモーガンを一瞥すると、ディレクに対して冷たく言い放つ。
「勝手な事をするな。使えるかどうかは、俺が判断する。流れの傭兵なんぞ何が出来る。」
「今のお前よりはマシだろ。」
「……なんだと?」
ディレクの発言にムカッと来たヴォルトは、ディレクを睨むが当のディレクはどこ吹く風の如くであった。
「あんたみたいな臆病風に吹かれた奴に、使える使えないと判断されるのがどうかと思うがな?あのハクアとかいう餓狼族の子供に負けてから、奴にビビって前線に出ない癖に、態度ばかりデカいものな。」
「ディレク、お前ぇ……!!」
「どうした?キレたか?小さな小さなプライドに傷でもついたか?お前にもプライドがあった事は知らなかったがな。」
「っ!!!貴様ぁぁぁぁっ!!」
「ふんっ!」
ヴォルトがディレクに向かって、噛み付こうとした時、ディレクは自身の得物である魔剣をヴォルトの心臓に突き刺す。
「っ!?が、がはっ!?」
「「隊長!!?」」
「ディ、ディレク……!!貴様……!?」
「お前の時代は終わったんだ。後は俺が上手くやるからお前は死んどけ。」ズバッ!
「ぐっぁ!?」
「ディレク!てめぇ!!」
「ヒックス!?」
ヴォルトを斬ったディレクに睨みを利かせるヒックスに、キーンが止めるように手で制する。
「弱い
ヴォルトが率いていた黒犬は終わり、新たにディレク率いる黒狗が指揮を執る事になった……。
◆◆◆
ディレクが新たに行動を起こしているまさにその時、ハクアはコハクから砂漠の国エルドニアが、ディレクによって落とされたと聞いて、ショックを受けていた。
「エルドニア王まで死んだか……。これでエルドニアが取られて、取り返すのがかなりキツくなってきたなぁ。」
自室のベッドに横になって、天井を見上げながらそう呟くハクア。
エルドニア王は態度は悪かったが、悪い人間ではなかったので、そんな王が死んだ事がショックで仕方なかった。
「落ち込んでるばかりじゃ駄目だな。対策考えなきゃ。」
「ハクアくん、ソフィアです。今よろしいですか?」
「ソフィアさん?はいどうぞ、開いてますよ。」
ハクアが扉を開けると、そこにはソフィアとクラウディア、そして何故かラドミラまでいたのだ……。
次回、人妻とのくんずほぐれつです。
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