黒狗兵団との戦闘に意思を向けた七盾同盟軍は、早速黒狗が占領している領地の解放を行うことにした。
まずセレスティンの命を受けたエミリア、アリシアの両軍がハクア先導の下、ソフィアのいた国、サングレア王国へと侵攻し、王国を乗っ取った大臣の軍と黒狗の兵団2000の軍勢と相対した。
「行くぜ。」
ダァァァァンッ!!
ハクアの炸裂弾を合図に、一軍による戦いが始まり、アリシアは周囲に指示を飛ばしながら黒狗の兵達を斬り伏せていく。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
アリシアが気合いを入れると同時に、10人の兵を斬り伏せていく。彼女の鋭い剣戟に、魔物も傭兵も容易く首を跳ねられる。
彼女の戦う姿に兵士達は士気を挙げていき、その様子は一軍を指揮していたイリスにも伝わっていた。
「アリシアは戦線を押し上げているか。このまま行ければ良いが、些か不安だな。ハクア、アリシアの援軍を頼む。」
「それは良いけど、自陣が手薄になるぞ。」
「大丈夫だ。後方には本陣があるから攻めを受ける心配は無い。私も必要があれば動く。」
「分かった。んじゃあ、やりますかねぇ!イリスはどっしりと構えててくれ!」
「どっしりは余計だ。」
ハクアはアリシアの下へ駆けていくと、ハクアを見送ったイリスは戦場を見渡していた……。
◆◆◆
アリシア達聖アイリス騎士団が前線を押し上げていた頃、ハクアはアリシアに合流する為に敵を撃破しながら突き進んでいた。
そして城門まで来ると、そこで立ち往生しているアリシア達と
「おーい!アリシア〜!」
「ハクア、本陣を離れて大丈夫なのか?」
「あぁ、イリスが援軍に行ってくれって言ってな。さっさと片付けて、戻ろうぜ。」
「そうだな。あまり時間を掛けるわけにもいかない。ハクア、少し派手に頼めるか?城門に鍵が掛けられていて、開けるのに時間が掛かっているんだ。」
「派手にやって良いのならやらせてもらうぜ。」
ハクアは城門に手を翳し、一瞬で城門を凍結させる。そして強めに力を入れて城門を蹴破ると、扉はバラバラになって砕け散った。
「凄まじいな。その冷たい力は……城門が粉々に。」
「立て直すんだから良いだろ。行くぜ!」
「あ、ハクア!?まったく……ハクアに遅れるな!!我々も行くぞ!」
「「「「おおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」
アリシア達もハクアに続いて城内へと突き進んでいき、城内の敵兵を倒していき、サングレア王国を押さえている大臣の下へと向かう。
そして、大臣がいる部屋の前にハクア達が到着して扉を開けると、そこにはサングレアを乗っ取った大臣が頭を抱えながら震えて座っていた。
「し、七盾大同盟……!?何故ここに!?」
「この国を渡してもらうつもりで来たんだよ。とりあえず斬られるか、捕まるか、どっちか選ばせてやる。」
「ふ、ふん!女神気取りの淫売エルフめ!欲が出たか!?それとも、あの哀れな王の妻が返せとでも言ったか!?ここはわしが、長年望んでいた手に入れた椅子じゃ!!それを容易く手放すわけ無かがぺ!!?」
パキキキキキッ!バァァァァァァァンッ!!
ハクアは手に巨大な氷柱を造ると、その氷柱で大臣の頭を潰し、遺体も凍り付かせてバラバラにした。
その光景にアリシア達は驚く。
「ハクア……何故殺した!?」
「すまん、やり過ぎた。セレスティン様やソフィアさんを馬鹿にされてつい。」
「だからといってやりすぎだ!情報を得られたかも知れないというのに。」
「悪かった。とりあえずイリスの待つ本陣に戻ろう。そんで同盟軍本陣に戻って、ここに拠点を置くようにしてもらおう。」
「そうだな……。」
気まずい空気になりながらも、ハクアとアリシアはサングレア王国に兵を置いてイリスの待つ本陣へと退却し、同盟軍本陣に帰ったのであった……。
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