※この作品はR-18です。

黒獣~氷天の剣士~   作:ボルボロックス

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遅くなりました。


ニコラの口調、合ってるか?

それと、アストリットはセレスティン様に続く最高の逸材……!


いざ!魔術師の里、キミア魔法師団領へ!!

 アストリットの誤解が解けたハクアは、彼女達の住む地、キミアへと向かうために森を抜け、深い山あいの谷の底を進んでいく。

 

 

 すると、アストリットは途中で停まると何やら呪文を唱えた。

 

 

「―――。」

 

 

 すると、入り口のような物が開き、そこにはハクアの知らない郷……キミアがあった。

 

 

「うおおおおおお………!!スッゲエェェェッ!!」

 

 

「ようこそ。魔術師の郷、キミア魔法師団領へ。」

 

 

 魔術師の、魔術師による、魔術師の為の郷……それが“キミア魔法師団領”であり、この郷では日夜、魔術師達が“世界の真理”に至るための研究に勤しんでいる。

 

 

 日常の中で役立つものから戦いに関するものまで、彼ら各々を得意な分野の魔術を研究しているのだ。

 

 

 しかし、日夜と言っても、この郷は深い山あいの谷底に在るため陽の光も射さないほどに薄暗いのだが……。

 

 

「へぇ、ここがキミアかぁ。さっきの結界みたいなのも魔術なのか?」

 

 

「えぇそうよ。この郷は私達の師である“グランドマスター”が張った魔法による結界のお陰で魔物も寄せ付けないし、そのお陰で沢山研究出来てるの。」

 

 

「へぇ、そうなのか。お!なんだこれ?」

 

 

「そう言えば、ハクアはどこで魔法を覚えたの?

それにあなたは餓狼族なの?」

 

 

 アストリットの質問に、ハクアは何気なく答えた。

 

 

「ん?魔法は自己流だよ。旅の中で使い方を覚えたんだ。あと、俺は氷狼族だ。」

 

 

「氷狼族ですって!!?……氷狼族といえば餓狼族の上位互換だと聞いた事があるわ。

それに氷狼族なら、あの氷の魔法も頷けるわね。」

 

 

「俺はこの国に魔法を学びに来たんだ。誰に聞けば良いか分かるか?」

 

 

「それなら先生やグランドマスター様に教わると良いですよ!何せ先生は次期グランドマスターに選ばれてるんだから!」

 

 

「うんうん!錬金術やゴーレムに関して先生の右に出る人はいないもん!」

 

 

「先生はグランドマスター様から直々に教えを受けているんですよ。」

 

 

「へぇ、凄いんだな!」

 

 

 誇らしげにそう語る3人ですタイガが返すと、アストリットは照れたように微笑む。

 

 

「まぁね。教えは厳しいけど、やり甲斐もあるし、何より可愛い教え子達もいるしね。結構楽しいものよ。」

 

 

「「「えへへっ!」」」

 

 

「(良い師匠だなぁ。)」

 

 

「あ、そうそう。郷を案内する前にお師匠様に会って「馬鹿者ぉぉぉっ!!!!!!」っ!!?」

 

 

「「「ひぃっ!!?」」」

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

 ハクア達がけたたましい怒鳴り声が聞こえた建物に向かうと、1人の影のある男が老人に建物から追い出されるのを見た。

 

 

「ニコラ!!貴様また“禁術”の研究なぞしおって!!その研究は身を滅ぼすと何故分からんのだ!!?」

 

 

「だ、黙れよジジイ!お、俺の見つけた研究だ!!あんたに、ど、どうこう指図される覚えは、な、無いぞ!?」

 

 

「貴様が行っている“禁術”の研究は、他者を傷付け、辱しめる物だ!!その様なもの、誰のためにもならん!!!」

 

 

「し、しし、知った風な口利きやがって……!!!「ニコラ!」!?あ、アストリット!?」

 

 

「……あなた、また“禁術”の研究なんてしてるの?お師匠様は止めろと言った筈よ。“淫紋”がどれだけ危険か……」

 

 

「だ、黙れ!!お、俺の研究は、“淫紋”は素晴らしいものなんだ!!俺の研究が進めば、それこそキミアは大国になれる!!こ、こんな谷の底でチマチマ研究しなくても良いくらいの“金”や“名声”が手に入るんだ!!!」

 

 

 ニコラと呼ばれた影のある男の発言に、アストリットはため息を吐く。

 

 

「お金?名声?そんなものに何の価値があるの?そんな物はあくまで研究の中で獲た“副産物”に過ぎないわ。それに固執するなんて……。」

 

 

「な、何だとぉ……!!?」

 

 

「アストリットの言う通りだ。貴様は少々見込み違いだったようだ……郷から出ていけ。」

 

 

「なっ!!?く、くぅ……!?お、お、覚えてろよ……!!い、いつか後悔させてやるからなっ!!!!」

 

 

 勝ち目がないと思ったのか、ニコラは捨て台詞を吐くとその場から走り出して立ち去ると、それを見ていたハクアが話し掛ける。

 

 

「良いのか?何か“嫌な感じ”がしたんだが?」

 

 

「“金”や“名声”に目が眩んでいる内は、どんな事を言っても意味はないわ。」

 

 

「ふぅん。そんなもんか。」

 

 

「ところでアストリットよ。この者は?」

 

 

「あ、失礼しましたお師匠様。彼はハクア、旅の者であり、彼女達の恩人です。キミアに来たいと言っていたので案内しました。」

 

 

「初めまして、ハクアです。傭兵をしております。」

 

 

「これはこれは、ようこそキミア魔法師団領へ。先程は恥ずかしい物を見せてしまいすまぬな。

まぁ、“外”から客は中々来ぬ物だが宿は用意してある。ゆっくりしていきなさい。」

 

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 

◆◆◆

 

 

 その頃、ニコラはというと……。

 

 

「くそっ!くそっ!くそっ!くそっ!あ、アストリットめ……!あのジジイの肩持ちやがって!!た、多少才能があるからって、ちやほやされやがって……!じ、ジジイもだ!!この俺によくも事を……!!」ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!

 

 

 郷を追い出され、逃げるように立ち去ったニコラは谷の岩を何度も蹴って悔しさを吐き出し、“逆恨み”を口にする。

 

 

 このニコラ・ノイバウアという男、性根は頑固かつ逆恨みしやすいという物であり、何度となくグランドマスターやアストリットに叱責されては、その度に恥をかかされたと逆恨みしているのだ。

 

 

「俺の研究が進めば、す、全て上手く行くのに邪魔しやがって……!アストリット……!あの女ぁ……!乳と顔が良いからってぇ!!!お、俺の淫紋で犯してやりたいぃぃぃっ!!!!!!」

 

 

 ニコラは妄想の中で乱れ、自分に媚びるアストリットを想像する。

 

 

 すると、ニコラは“思い付いた”のだ。

 

 

「そ、そうだ……。“アストリット”とそ、“その教え子達”を使えば良いんだ……!!くっくっくっ!!!!な、何で思い付かなかったんだ……!や、奴等の体に叩き込んでやれば良いんだ……!!待ってろよ……アストリットぉ……!!!」

 

 

 ニコラの目には邪悪な炎が宿っており、彼は再びキミアに戻る為に“準備”をするのであった……。




感想など待ってます。

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