「私のこと、どう思う?」
「……最高に可愛いよ。他の誰よりも、桔梗ちゃんが一番可愛い」
お互いに服を脱いで、生まれたままの姿となった。
彼女の身体は、芸術品と言っていいほど美しいものであった。
「ありがとう。私は、あなたの『一番』になれたんだね」
そう言って俺の下半身……すでに立ち上がっているそれをぎこちなく触ってきた。
甘い快感に脳が支配されそうになりつつ、俺も彼女の下半身……薄く毛の生えたその場所に手をやって、軽く刺激した。
(さすがに、濡れてないか)
一瞬、身体が反応した。まだ気持ちいいというより、くすぐったいといったところだろうか。
俺はその動きを見て、一つ心に決めた。
(今日は……いや、これからずっと桔梗ちゃんが第一優先だ)
俺が気持ちよくなるのは、最後の最後でいい。性欲には抗えないとしても、身勝手な行為は慎むべきだ。彼女を道具のように扱うことだけは、絶対に避けなければならない。
大きく形の良い胸を、優しく揉んだ。柔らかさの中に、ピンク色の小さな乳首の感触がある。
「ひゃっ……」
「あ、ごめん。強かった?」
「ううん、ちょっとびっくりしただけ」
きっと、こうして触られるのも初めてだろう。不快感を覚えないよう、もっと細心の注意を払わなければならない。前世でこういう行為の経験がなかったわけではないが、俺にはまだまだ気遣いが足りていないと感じた。
「晴翔くんは、気持ちいい?」
桔梗ちゃんは手を上下に動かして、俺の反応を窺っている。
「気持ちいいよ、ありがとう」
そもそも彼女は絶世の美少女である。そんな子がおそるおそる俺のモノを扱いているという状況だけでも、絶頂しそうになってしまうものだ。
このまま続けられるとすぐに果ててしまうため、俺は身体を起こして彼女に覆いかぶさった。
「……キスしたい」
桔梗ちゃんの要望に対して、行動で示した。ぷくっとふくれた唇を味わった後、俺は舌を口の中へ侵入させる。一瞬目を見開いて驚いた彼女だったが、力を抜いて受け入れてくれた。
お互いの舌が絡み合い、分泌された唾液は糸を引く。いったん離れて彼女の陰部を再び触ると、先ほどよりも湿っていることがわかった。どうやらこの子は、キスが好きなようだ。
「大好きだよ、桔梗ちゃん」
「うん、私も……絶対に離さないから」
そう言って、ぎゅっと俺を抱きしめてくれた。胸の谷間に、俺の頭が来るような形となる。
俺はそこで再び手を這わせ、小陰唇の内側に軽く指を入れていく。それと同時に乳首を舐めて、どう反応するか確認してみる……表情を見る限り、少なくとも嫌ではなさそうだ。
そのまま愛撫を続けて、彼女の興奮を高めていくことにした。
「き、気持ちよくなってきた……かも」
しばらく触っているうちに、指に湿り気を感じた。少しずつ濡れてきているのがわかる。
でも、まだ早い。初めてである以上痛みを感じてしまう可能性は高いが、できる限り軽減しなければならない。抵抗なく俺を受け入れられるぐらい、念入りに前戯を行っておく。それが大事な身体を捧げてくれる子に対する、せめてもの礼儀だと思う。
「くすぐったかったら、言ってね」
俺はそう断ってから、体勢を変化させる。先ほどまでとは逆の位置に頭を動かして、彼女の下半身に口を持っていった。そのまま両手で軽く性器を開いて、膣口に吸い付く。
「やっ、やん……ぞくぞくする。そんな汚いところ、いいの?」
「ん……」
これを見て、そのような感想を持つ男はいないと断言できる。本当に美しく、ずっと舐めていたいぐらいだ。俺の股間は刺激が中断しても鎮まることはなく、さらに硬くなっていく。
舌を丁寧に使って愛撫していく。強くなりすぎないよう、痛くないよう慎重に……独りよがりの前戯など、本末転倒もいいところだからな。
その集中が弾けたのは、今までにないほど強烈な快感によるものだった。
一瞬口を離して自らの下半身を覗き込むと、なんと彼女が俺のモノを舐めていた。
「それ、やばいって。桔梗ちゃん……」
「……やり方わかんないけど」
痛くないようにと思っているのか、舌先でつつくような舐め方を繰り返す。視覚的な興奮も合わさって、腰が砕けるような感覚に陥った。これは気持ちよすぎる。すでに彼女の魅力に取りつかれていることは自覚しているが、こんなことを続けていたらもう堕ちていくのみだ。
お互いに、お互いの気持ちいいところを刺激し合う。舌が疲れるまでの間、俺たちはそうやって快楽を貪っていた。
すでに膣口は開き、やや赤みを帯びている。視認できるほどの量の愛液が分泌されている。
そろそろ入れても大丈夫だろうかと思った時、とんでもないミスを犯していたことに気づく。
「あ、ゴム買ってない」
こうなることを予想していなかったので当然ではあるが、避妊具が無い。
これは仕方ない。さすがに妊娠させるわけにはいかないし、我慢しようか。
「うーん、今なら多分大丈夫だと思うよ」
「いや、そういうわけにはいかないだろ。俺としては、桔梗ちゃんさえ気持ちよくなってくれればそれでいい。入れなくても大丈夫だから、安心してくれ」
処女であると気づいた時から、無理に挿入まで持っていく必要はないと考えていた。
しかし、この発言は彼女にとって非常に気に入らないものだったらしい。
「うっさい馬鹿。ここまで優しくしておいて、あんただけ不完全燃焼なんて許せるわけないでしょ。今やめたらぶっ殺してやる」
「わ、わかったよ」
ジトっとした目で見られると、言うことを聞かなければいけないような気がする。
……これからずっと、こんな感じで尻に敷かれそうだ。でも、それも悪くない。何より、好きな人がそう言ってくれるのは男として素直に嬉しかった。
(……必ず面倒見るって言ってたよな。よしっ)
すごく最低な結論だが、万が一のことがあったら親のすねをかじると決意した。
俺だって男だ。このムラムラを解消したいという欲求は、常に渦巻いている。
彼女は両足を開いて、ベッドに横たわった。
俺は一度キスをした後、ゆっくりと腰を前に進める。前戯の効果か、その抵抗は想像以上に小さかった。一瞬ピリッとした感覚があったが、これが処女膜というものだろうか。
やがてきつくなっている部分に到達したので、少し力を緩める。ここで調子に乗って痛くしてしまっては、全ての努力が水泡と化す。一旦落ち着いて、彼女が苦しそうな顔をしていないことを確認してから、極めて遅いスピードで奥へと挿入していく。
「あんっ……入れられてるときって、こんな感触なんだ」
「めっちゃ気持ちいい。こんなのを知ったら、もう戻れない」
正直な感想が口をつく。あまりの快感に、腰を振ることができない。
ガクガクと身体を震わせていると、桔梗ちゃんは至極嬉しそうに笑った。
「ばーか。あんたが動けなくなってどうするのよ」
もう何度目かもわからないキス。しかし今回は、彼女の方から重ね合わせてきた。
絞り取られるような強い刺激と、唇からの優しい刺激。それが合わさり、幸福感という形で俺を酔わせる。彼女とは二度と離れられないと強く思う。
顔を上げて、俺は震える腰を前後に動かした。出したい、出したいという欲望をなるべくセーブするが、与えられる快感はそんな意思を簡単に打ち砕いてくる。
恥ずかしそうに横を向いている桔梗ちゃん。控え目に漏らす喘ぎ声で、男としての征服欲までもが満たされる。俺という人間が、この子一人に染められていくのを感じる。
強烈に込み上げてくる射精欲を受けて、慌てて引き抜こうとした。だが、それを……彼女は許してくれなかった。
「抜くのやだ。最後まで一緒に……いこ?」
もう、それ以上の言葉を発することはできなかった。リミッターを外された俺は、激しく欲望のままに打ちつける。獣のように、繁殖行為のように……
脳の焼けるような感覚が一閃、大量の精液を解き放つ。
熱いものが膣を満たしていく。直後に、びくびくっと彼女の身体が痙攣した。もし同時に快感を味わってくれているとすれば、これ以上の幸せはない。
全てを出し終わった時、何とも言えぬ満足感と心地良い疲労感に襲われた。
今世での初体験。これは、一生忘れることがない出来事になるだろう。
俺たちは風呂場でお互いの身体を洗った後、二人で浴槽につかった。
まだ、先ほどの行為の余韻が去ることはない。
「ああ……気持ちよかった」
「……たぶん、私もいっちゃった。実感が湧かないけど」
どこかふわふわとした様子の桔梗ちゃん。そんな顔も可愛くて、温かい気持ちになった。
ここまでしたからには、必ず大事にしたいと思う。俺は、この子に尽くしたい。心にぽっかりと空いた穴が、一人の少女によって埋められた。
「ありがとう、俺の彼女になってくれて」
「……うん。言っておくけど、私はめんどくさいよ?」
改めて、桔梗ちゃんにお礼を言った。この子は、俺のようなつまらない男を受け入れてくれた。一度きりの初めてを捧げてくれた。めんどくさいなんて、思うわけないだろう。
「それもお前の一部だし、俺からすれば魅力の一つだよ。すっげー口が悪いくせに、実はめちゃくちゃ優しい桔梗ちゃんが大好きだ」
桔梗ちゃんは目を丸くした後、顔を真っ赤にした。
こういう部分を、俺は好きになったのだ。
「ほんと、あんたって変な奴」
「よくわかってるじゃないか、俺のこと」
「うっせー雑魚。情けない腰の振り方しやがって。もっと練習しろー」
それから足をじたばたと動かして、水しぶきを上げ始めた。
そこに表も裏もない。ただ快活に笑うその姿が、たまらなく愛おしかった。