※この作品はR-18です。

幼馴染の意地   作:ゆかりはるか

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中学生(8)

担任「お前ら、夏休みの宿題は各教科の箱に入れて提出な。あと箱から勝手に人の課題を抜き取って写そうとした奴はもちろん重い処罰だからな。間違ってもやるなよ」

 

 

 

そういうと担任は教室から出て行き解散となった。生徒達は夏休みにやった課題を各教科の箱に入れていく。もちろん夏休み中に終わっていなくて、教室についても全力で問題集に答えを書き込んでいく生徒もいるが、箱から取り出しているわけでもないのでセーフだろうと考えているのだろう。事実箱から出しているわけではないのでセーフではある。

 

 

 

健也「これでよし…」

 

 

 

全教科の課題をその箱に入れ終えて、忘れ物が無いか鞄の中を確認する。隣の席は空席だった。

 

 

 

吉良「鳴海さん休みなんだね」

 

健也「あぁ、風邪が治っていないみたいだな」

 

吉良「お見舞いに行く?」

 

健也「今朝寄ってみたんだけど、なんか鳴海が来てほしくないらしい」

 

吉良「結構重症ってこと?」

 

健也「多分な。メールも全然返してくれないから、画面見るのも気持ち悪いくらいにダウンしているのかもしれない」

 

吉良「そうなんだ……早く治ると良いね」

 

健也「だな。あれ愛奈は?」

 

吉良「愛奈は用事があるとかで先に帰ったよ。いつから呼び捨てになったの? 僕最初は結構驚いたけどさー」

 

健也「さっき」

 

吉良「へー?」

 

健也「何ニヤけているんだ」

 

吉良「いたっ、痛いよ健也~」

 

 

 

いつもみたいに首を軽く締めて逃げられないようにしてから頭を軽くグリグリとすると、吉良は逃げようとはしないで大人しく健也の攻撃を受ける。愛奈は健也に挨拶はしたが、課題を提出し終えるとすぐに教室から出て行ってしまった。この後特に何か予定があるわけでもないので、吉良と何をしようかと悩んでいるとクラスの男子が話しかけてきた。

 

 

 

男子A「おい健也、吉良、お前らこの後暇か?」

 

吉良「特にないよね?」

 

健也「あぁ、そうだな」

 

男子A「実はこの後男子何人かで合コンしないかって話になってんだけどどうよ? 参加しないか?」

 

健也「ごう」

 

吉良「こん?」

 

男子B「いやー、誘っていた奴が何か急用が出来たみたいで、2人枠が空いちゃったんだ。どうだ? 2人とも彼女いないんだろ?」

 

吉良「僕はいないけど」

 

男子B「あれ? 健也って彼女いたのか?」

 

男子A「ばっか、健也はいつも鳴海さんと一緒にいるだろうが」

 

男子B「あーそういえばそうだったな……。どうする?」

 

吉良「僕は健也が行くなら行こうかな」

 

健也「俺は……」

 

 

 

一瞬鳴海のことが頭にちらつくが、鳴海とは恋人ではないので

 

 

 

健也「俺も参加するよ。どこでやるの?」

 

男子A「本当に良いのか?」

 

健也「あれ? お呼びではない?」

 

男子A「いやだって……」

 

男子B「本人が良いって言ったんだから問題ないだろ? 場所は駅前のスイーツ店だ。年上ばっかりだ! ばんざーい!」

 

男子A「お前年上好きだもんな」

 

男子B「俺には妹がいるが、妹とその連れを見ていると年下なんかいやだよ。めんどくさいし、うざいし。それよりも年上のお姉さんにこう甘やかされたいな~」

 

健也「こいつすごいな」

 

吉良「クラスの女子が聞いているのに気づいていないみたいだしね」

 

 

 

教室に残っている女子は、男子Bの発言を聞いて少しドン引きをしているようだ。まぁ教室で性癖を自ら暴露しているのだからドン引きするのも無理ないのだが、これはある意味牽制の意味も込めているのかもしれない。「お前らとお付き合いする気はないぜ」とでも込めているのかもしれない。この男子の見た目はどこにでもいるような感じだが、何か自信があるようだ。

 

 

 

それから男子A達と共にその合コン会場となるスイーツ店に到着。男子人数は健也・吉良・男子A・男子Bの4人だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子A「き、緊張するな」

 

男子B「お前ら、へまするなよ?」

 

健也「だってよ吉良」

 

吉良「僕!?」

 

男子B「健也お前余裕だな?」

 

男子A「話しているときにおならでもして気まずくなれ」

 

吉良「それ僕達も気まずくなるじゃん」

 

健也「お前らなんでそんなカリカリしてんだ」

 

男子A「お前みたいにいつも可愛い鳴海さんと綺麗な愛奈さんと一緒にいる奴にはわからないだろうけどなぁ!?」

 

男子B「俺達他の男子にチャンスが回ってこないんだ」

 

健也「話しかけてみたらどうだ? 鳴海なら話しかけてくる人には対応してくれると思うけど」

 

吉良「あ、健也それは……」

 

健也「え」

 

男子B「確かに話しかければ対応はしてくれるんだけどな……」

 

男子A「まぁいい、おら! おめーが先頭だ!」

 

健也「? なんで俺が先頭なんだよ」

 

吉良「健也、お店の前にこうしてグダるのは迷惑だし入ろう。ね?」

 

健也「…分かった」

 

店員「いらっしゃいませ~、何名様ですか~?」

 

健也「…」

 

吉良「…」

 

男子A「…」

 

男子B「待ち合わせをしています。控着さんです」

 

店員「控着様……あぁ、はい、確かに。奥の4番の席ですね。こちらにどうぞ」

 

 

 

店員が先導して案内してくれるのだが、どういうわけか健也が先頭になって歩いている

 

 

 

健也「なぁ。お前ら2人は主催側じゃないのか?」

 

男子A「本当は男子Cと男子Dが主催だったんだけどな。俺達は集められた側なんだ」

 

健也「集められた側ではなく、主催者側が急に予定が入って来れなくなったってこと?」

 

吉良「…変なの」

 

健也「あぁ、変だな……」

 

 

 

吉良と目を合わせる。ここは逃げた方が良いんじゃないか? 少しずつ列から逸れて逃げようとするが、後ろから来ていた女性にぶつかってしまった。

 

 

 

???「いった」

 

健也「あ、すいません」

 

???「あー? スイーツが……てめぇ…」

 

健也「!?」

 

 

 

この女、明らかにやばい。この短い会話だけだが、この女性は明らかにやばいと思ってしまう。やばいってなんだよ(自問自答)

 

 

 

???「ってあれ。あー、もしかして君たち4人がそうなの?」

 

男子A「はい、そうです!」

 

???「あら……とりあえず席はそこよ? 私はスイーツ取り直してくるわ。君も来なさい」

 

健也「え、でも」

 

???「いいから。あぁ、そこの君も後ろのそいつについていきなさい」

 

吉良「僕?」

 

???「はい、私についてきてください」

 

吉良「でも」

 

???「私もそこのスイーツを取りにいくだけですから。連れ去るわけでもないので安心してください」

 

吉良「はぁ、まぁついていくだけなら……」

 

健也「…」

 

 

 

吉良の顔を見ると、吉良はうなずき返してくれた。小さいころから教わる「知らない人についていってはいけない」に当てはまるが、ついていくのはスイーツを取りに行くだけだ。お店から出るわけではないみたいなので少しは安心できる……と思いたい。

 

 

 

女性2人は先に歩き、吉良と横に並んで2人の後をついていくが

 

 

 

健也「吉良」

 

吉良「うん」

 

 

 

やばくなったらあの2人を置いていっても全力で逃げる。そう視線で会話をすると、健也に話しかけてきた女性と吉良に話しかけてきた女性は別々のコーナーに移動した。

 

 

 

健也「…」

 

???「君はどれが好きなの?」

 

健也「え、あーそうですね。えっと……このパフェとかですかね?」

 

???「あまりスイーツ食べない人?」

 

健也「そうですね。こういうお店は中々男子1人では行きにくいですし」

 

???「一緒にいたあの可愛いこと来ればいいんじゃない?」

 

健也「…本人は自分の容姿にコンプレックスがあるので、そのことであまりからかわないであげてください」

 

 

 

そういうと女子はとてもびっくりしていた

 

 

 

健也「?」

 

???「…そうね。確かにそうだったわね。ごめんなさい。あの子が付いていったあいつは、そういうことでからかうような奴じゃないから安心していいわ。私達の友達に1人女子らしくいることに疲れて好き勝手やっている男みたいな女がいるから」

 

健也「残っていた2人ですか?」

 

???「いや、ここにはいないよ。今頃仕事しているんじゃないかなー」

 

健也「仕事? バイトですか?」

 

???「バイトじゃないよ。仕事」

 

健也「そうなんですか」

 

???「あ、私これ食べたいから君のお皿に乗せて良い? もう私のお皿入れる余裕が無くて」

 

健也「代金はしっかりと払ってくださいね」

 

???「あら聞いてないの? 時間制限ありの食べ放題だから心配しなくても問題ないわよ? それに君とあの子が代わりにやって来た人でしょ。主催者たちの子から代金は受け取っているから、お金については心配しないで」

 

健也「分かりました。俺は一円も払いませんから」

 

???「えぇ、その問題はないから安心して。あぁ、これも」

 

健也「こんなに食べられるんですか?」

 

???「大丈夫。余裕よ。あの場に残っている2人もそこそこ食べられるからいざとなったら食べてもらうし」

 

健也「はぁー」

 

???「そういえば名前聞いていなかったわね。名前は?」

 

健也「星野です」

 

 

 

知らない人に本名を教える必要もない。男子Aと男子Bはなんて言っているか分からないが、まだ全員揃っていない状態で自己紹介をしていないので、健也の名前を出していないことを祈る。え、もし揃っていないのに名前を出されていたら? まぁそんときはそんときですよ

 

 

 

???「……」

 

星野(健也)「どうかしましたか?」

 

???「ふふ」

 

 

 

女性は面白いものを見つけたような笑みを浮かべた後に

 

 

 

???「私は御坂みさかけあみ」

 

星野(健也)「御坂さんですか、よろしくお願いします」

 

 

 

けあみ? めずらしい名前と思ってしまうが、最近キラキラネームも増えてきていることだし、そこまで不自然ではないが、名前を言う時なぜかニヤッとしていたような気がする。もしかして……

 

 

 

健也(俺もそうしているし、バレてるのか?)

 

 

 

御坂?「そろそろ戻りましょうか」

 

星名(健也)「そうですね」

 

 

 

集まっている席に戻る途中、丁度吉良と合流した

 

 

 

御坂?「あら有野? 結構取ったわね~」

 

吉良と一緒にいた女性「……、御坂も結構取りましたね。食べきれるんですか?」

 

御坂?「余裕よ。そう言えば名乗ってなかったわね。私は御坂けあみよ。君は?」

 

 

 

御坂が吉良に話しかける。吉良と健也は一瞬視線が交わり

 

 

 

石崎(吉良)「石崎です。よろしくお願いします」

 

星野(健也)「星野です。よろしくお願いします」

 

御坂?「ね」

 

吉良と一緒にいた女性「有野ありの伽耶かやです」

 

星野(健也)「有野さん、よろしくお願いします」

 

有野?「はい、こちらこそよろしくお願いします。あぁ御坂、先に戻っておいてください。石崎君、悪いけどこれ持って行ってくれませんか?」

 

石崎(吉良)「はい、わかりました」

 

 

 

有野はお手洗いがある方向に歩いていった

 

 

 

3人で男子A達の元に戻ると、何か楽し気に会話をしている。座って話をしている女性の1人がスマホを見ていたが、それも一瞬ですぐに会話に入る

 

 

 

御坂?「お待たせー、控着、来秘儀」

 

控着と呼ばれた女性「あ」

 

来秘儀と呼ばれた女性「……」

 

男子A「珍しい名前ですね」

 

控着と呼ばれた女性「控ひかえ着ぎ雷電らいでです」

 

来秘儀と呼ばれた女性「来秘儀粉奈らいひぎこななです」

 

男子A「男子Aです」

 

男子B「男子Bです」

 

星野(健也)「星野です」

 

石崎(吉良)「石崎です」

 

御坂?「御坂けあみです」

 

有野?「有野伽耶です」

 

 

 

男子Aと男子Bが健也達2人を見て不思議そうな顔をしていたが、女性陣達が話をしようと切り出したため、結局うやむやになってしまった。まぁ言いたいことはなんとなく分かるだろう

 

 

 

星野(健也)「控着さんって占いが得意なんですね」

 

控着?「はい、良かったら占いましょうか? 特別に無料で」

 

来秘儀?「控着の占いはよく当たることで有名なんだよー」

 

石崎(吉良)「いいじゃん星野。占ってもらいなよ」

 

星野(健也)「…じゃあお願いします」

 

 

 

そういうと控着は何か手元からタロットカードのようなものを取り出しては閉まって、また取り出してはしまって何かを考えるように唸っていたが、占いを終えたのかカードを取り出す仕草をしなくなった。

 

 

 

控着?「星野さん、貴方には小さい頃からずっと隣にいる女の子がいますね」

 

星野(健也)「! ……はい、います」

 

控着?「その子はとても面倒な性格をしており、大事にしないと彼女自身が自爆をしてでも貴方のことを繋ぎとめようとするでしょう」

 

星野(健也)「…はぁ?」

 

石崎(吉良)「あぁ……」

 

控着?「これからも毎日彼女に、彼女のことを大切にしていると伝え続ければ何事も怒らないでしょう。ただし」

 

星野(健也)「ただし?」

 

控着?「縁を切るなら、それなりの覚悟を持っておいた方がいいでしょう。それくらい危うい面を持ち合わせています」

 

石崎(吉良)「……」

 

 

 

なぜか健也よりも吉良の方が深刻そうに受け止めていたが、健也はよく分からなかった

 

 

 

控着?「こんなところです」

 

星野(健也)「ありがとうございます。参考にします」

 

 

 

横で男子A達が控着の占いを聞いていたようで、ヘラヘラとしながら

 

 

 

男子A「占いとか当たるんですかねー?」

 

 

 

多分場を和ませるために言った冗談だろうが、その発言を聞いた控着は

 

 

 

控着?「…」

 

 

 

ただじっと男子Aを見ていた。来秘儀、有野、御坂の3人は「あーあ、やっちゃった」という顔をしている。控着は男子Aを無言で威圧している

 

 

 

男子A「えっと……その……」

 

控着?「……」

 

 

 

場の空気が一気に冷え切る

 

 

 

ピピピピ

 

 

 

電子音が健也の鞄から鳴り響く。マナーモードにすることを忘れていたようだ

 

 

 

星野(健也)「あ、すいません。えっと……」

 

有野?「出ていいですよ」

 

星野(健也)「あ、はい。もしもし……え、ほんと? 分かった。石崎」

 

石崎(吉良)「ん? 何?」

 

星野(健也)「俺とお前いますぐ戻ってこいだってさ」

 

石崎(吉良)「分かった」

 

星野(健也)「すいません、俺達抜けます。本当にすいません」

 

 

 

そう言って女性4人の顔色を窺うと、有野と御坂が行っていいよという感じに出入口に視線を送る。来秘儀は健也達のことはどうでも良いと思っているような感じだが、控着は男子Aを視線で殺そうとしてくるくらい威圧している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉良と一緒にお店を出て、しばらく歩いてから

 

 

 

吉良「健也」

 

健也「あぁ」

 

吉良「あの人たち怖すぎない? 控着さんすごい殺意高そうな視線を男子Aに向けていたけど」

 

健也「何か地雷を踏んだようだな。褒めるにも褒め方1つであんな空気死ぬんだな」

 

吉良「それもそうだけど控着さんが言っていた占いについてなんだけど、僕から見るとほとんど当たっているよ」

 

健也「鳴海がそんな危ない奴だって言いたいの?」

 

吉良「危ないというよりは、急に爆発してしまうかもしれないという面はあると思う」

 

健也「そうか~?」

 

吉良「……一応僕もフォローするけど、あまり期待しないでね。それとさあの4人だけど……」

 

健也「あぁ、多分気付かれていると思うよ。少なくとも御坂さんと有野さんにはバレてる」

 

吉良「やっぱり? 僕も咄嗟に言ったけど、それを聞いた時の有野さんの反応がなんていうか……少し怖かった」

 

健也「まぁ、もう会うことも無いだろう。それよりも今日は少し遠回りして帰ろう」

 

吉良「そうだね」

 

 

 

健也と吉良が横になって歩いているところを見る人影が2つあった。2人とも女性だが、身長があまり高くなく、2人とも手にはどこかのお店で買ったのかフライドポテトを食べながら健也と吉良を見ている

 

 

 

???「あの2人良いの?」

 

???「別にあの2人は対象じゃない、何もしなくていい」

 

???「そうかなー。さっきメール来たけど、咄嗟に偽名を使ってしかも堂々としていたみたいだし誘ってみれば?」

 

???「男だからNG。1人は女に見えるけど、身体は男。むしろあの4人は2人を殺そうとしないだけよく耐えた」

 

???「じゃあもうあの2人に関わることはないってこと?」

 

???「こっちからはスルー。あっちから会うことがあったらその時次第」

 

???「そう、じゃ私達も仕事しましょうか」

 

???「ん」

 

 

 

女性2人は男2人の姿が見えなくなるまで見送る。食べ終えたフライドポテトの入っていた容器を近くのゴミ箱に捨ててから、2人が出てきたスイーツ店の中に入って行った

 

 

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