※この作品はR-18です。

幼馴染の意地   作:ゆかりはるか

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中学生(10)

4人はあと数日にある1年生最後の学力・実技試験を前に勉強会を開いていた。この試験を突破すれば2年生になれる。前回の技術・家庭科の実技では、技術を吉良に、家庭科を愛奈・鳴海に教えを請い、なんとか4人全員突破した。何が実技試験になるか、試験前数日まで分からないのと、前回の実技が難しくもあり、今回行われる実技試験では前もって4人で空いた時間に練習をしていた。

 

 

 

吉良「はぁぁぁ~~~」

 

健也「溜息でっかいな」

 

吉良「だってあと数日で1年最後の試験だよ。プレッシャーも大きいものだよ」

 

健也「今回は平気じゃないのか?」

 

吉良「そのつもりだけどさー、小テストの結果があまり良くなくてさ。自信無くなってくるよ」

 

鳴海「でも今回の技術・家庭科はけん君も吉良君も出来る所でしょ?」

 

吉良「そうだねー、発表された内容なら完璧には出来ないけど、しっかり形は作れると思うから赤点は無いと思うよ」

 

健也「俺も鳴海のお陰で実技の赤点はなさそうだ。技術も吉良に教えてもらっていた内容が実技だからあまり心配しなくてよさそうかな」

 

愛奈「その油断が命取りなのよ。油断していると実技は練習の半分の速度くらいに落ちちゃって終わらない・雑になるなんてよくある話よ。うんざりするくらいにやって初めてしっかりとして速度と安定性を維持出来るの」

 

健也「分かってるよ~」

 

愛奈「真面目にやってね。特に健也」

 

健也「え」

 

愛奈「……」

 

吉良「そうだね。健也は真面目にやった方が良いね」

 

健也「吉良もか?」

 

 

 

愛奈も吉良も冗談で言っているのかと思っていたが、どうも真剣な雰囲気だ。適当に返事をして躱そうと思ったが、なんかそれすら許されないような雰囲気だ

 

 

 

健也「……鳴海、もう一度確認の意味を込めて俺の実技練習を見てくれないか?」

 

鳴海「いいよ~」

 

 

 

鳴海に近くに来てもらい、試験内容の通りに実技をするが

 

 

 

鳴海「あ、ここ間違ってる」

 

健也「え、どこ」

 

鳴海「ここ2か所縫い損ねてる」

 

健也「あ、ほんとだ」

 

鳴海「けん君って家庭科の筆記試験そこまで良くなかったよね」

 

健也「そうだな、半分より少し出来ていないくらい?」

 

鳴海「筆記は後でごり押しできるけど、実技は出来る時にやらないと。けん君自分から実技をやろうとしたこと片手の数も無いでしょ」

 

健也「はい、すいません」

 

鳴海「もう一度」

 

健也「はい」

 

 

 

もう一度実技を見せるが

 

 

 

鳴海「今度はここ」

 

健也「え、あれ?」

 

鳴海「けん君?」

 

健也「はい、やり直します」

 

 

 

健也が鳴海に見せてはダメだしを受け、見せるという流れを繰り返している間、吉良と愛奈はというと

 

 

 

吉良「あれ、えっと……」

 

愛奈「どうした」

 

吉良「待って、もう少し自分で考えさせて」

 

愛奈「分かった。吉良は健也よりも自分で考えようとしていて偉いな~」

 

吉良「健也いい加減なところが結構あるからね」

 

愛奈「吉良もそう思う?」

 

吉良「見てたら分かる」

 

愛奈「見てるけど見てないようなものだもんね。あれ」

 

吉良「僕達から言う?」

 

愛奈「言わない」

 

吉良「……でm」

 

愛奈「これは健也と鳴海の問題だから」

 

吉良「……」

 

愛奈「ほら、手が止まっているよ」

 

吉良「あ、そうだね」

 

 

 

2人は各々自分の苦手なところを潰していく作業に没頭し、各々前回と同じように苦手な箇所を確認などして試験日を迎える。試験日の教室は普段勉強をしない人も付け焼き刃の為にかノートや教科書を見返している。健也と鳴海が教室に着くと、吉良と愛奈は既に自席で教科書やノートを開いて確認をしているようだ。吉良達は健也達に気付くと、教科書を閉じて近づいてくる

 

 

 

健也「今日からか」

 

吉良「そんな辛気臭い顔しないでよ」

 

鳴海「けん君、あれから必ずどこかミスしているからさー。私心配」

 

愛奈「そういう鳴海は自分の試験平気なの? 自分の分やっているところあまり見てないけど」

 

鳴海「家に帰ってからやってるから」

 

健也「鳴海……その」

 

鳴海「成績でね」

 

健也「はい」

 

吉良「本当に健也は……」

 

愛奈「ねー?」

 

 

 

その後、4人は自分の席に戻り、自分にとって苦手な所、間違えやすいところの最後の確認を行い試験が始まった

 

 

 

試験監督「そろそろ試験を始めるぞ~。あぁ、そうだ。1つ言っておくが、カタカナやアルファベットの書き間違いには気を付けろよ~。例えば濁点を付けたり付けなかったりとか、アルファベットを自分なりの書き方をしたりとか。前回は大目に見たが、今回から厳しくするようだ。特にアルファベットの方は担当科目の人によっては合っていても綴りが怪しいと×扱いになるからな。それでは試験開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして数日が過ぎて試験結果発表。成績表と同時に答案用紙も返ってくる。それを見て膝を崩す人もいれば、上に放り投げて喜びを表している人、納得できる成績ではなく落ち込んでいたり眉間にしわを寄せている人、なんとも思わないようで直ぐに鞄に閉まって本を読んでいる人もいる

 

 

 

健也達は鳴海の席に集まりお互いの成績を見せ合った

 

 

 

 

 

 

 

(左が前回の試験、右が今回の試験)

 

 

 

・健也

 

国語  62点   60点

 

数学  58点   64点

 

理科  54点   72点

 

歴史  66点   62点

 

英語  50点   48点

 

家庭科 48点   64点

 

技術  51点   56点

 

計  389/700  426/700

 

 

 

・鳴海

 

国語  70点   82点

 

数学  76点   98点

 

理科  68点   76点

 

歴史  80点   84点

 

英語  66点   75点

 

家庭科 81点   96点

 

技術  60点   70点

 

計  501/700  581/700

 

 

 

・吉良

 

国語  43点   56点

 

数学  48点   78点

 

理科  47点   63点

 

歴史  55点   60点

 

英語  53点   62点

 

家庭科 41点   66点

 

技術  98点   100点

 

計  385/700  485/700

 

・愛奈

 

国語  54点  68点

 

数学  72点  90点

 

理科  78点  96点

 

歴史  62点  55点

 

英語  58点  59点

 

家庭科 78点  93点

 

技術  70点  87点

 

計  472/700 548/700

 

 

 

鳴海「けん君、英語の成績低くない?」

 

健也「いや、これには事情が」

 

吉良「事情?」

 

健也「これを見てくれよ」

 

愛奈「あれ? ×になっているところの大半が○よね?」

 

鳴海「そう……だね……」

 

健也「英語の先生に言ったんだけど、綴りが変だから×にしたって」

 

鳴海「ちょっと文句言ってくる」

 

吉良「いやーでもこれは……僕も変だと思うよ?」

 

愛奈「…そうね。私が先生なら少し減点するかも」

 

 

 

健也の書くアルファベットの「a」だが、右下に線を下ろす形で終わっているが、これをさらに右上に上げてしまい「av」と繋がっているように見えたということで×になってしまったようだ。人によって名詞の前になぜか「av」と書かれており、「( ゜д゜)」という顔をするだろう

 

 

 

愛奈「吉良も歴史の点数下がってるね」

 

吉良「始まる前に先生が余計なことを言ったからだよぉぉ。あれここ濁点付くっけ? あれここ『ッ』だったかな、違ったかな? とかそんな感じで迷いまくった」

 

鳴海「あれ意地悪だよね。ほら他にもいるみたいだよ」

 

 

 

鳴海がそう周囲の会話に耳を傾かせると、他のグループでも似たようなことを言っている。ここは「ア」なのに「オ」にしたとか、「ッ」を入れ忘れた、間違っていないか同じ文字を書いて確認したら、そもそも文字が分からなくなったなどなど

 

 

 

4人各自の総合点は上がってはいるものの、教科によっては下がっている者もいた。

 

鳴海は全教科得点が上がっている

 

愛奈は歴史の得点が下がってはいるものの全体的に上昇

 

吉良は元が低かったので全て上昇し技術は100点満点

 

そして健也は

 

 

 

鳴海「けん君」

 

健也「はい」

 

吉良「健也が鳴海に話しかけられてその対応が『はい』って答えるところを見る回数が増えた気がする」

 

愛奈「私も」

 

健也「いや、それh」

 

鳴海「けん君?」

 

健也「はい」

 

吉良「ほらね」

 

愛奈「だね」

 

鳴海「理科と家庭科は大きく伸びたけど、他の国語と数学と歴史がそこまで伸びていないから後で復習だよ。特に国語と数学、これはこの先の授業で大前提になるものばっかりなんだから」

 

健也「いやでも赤点じゃなかったし……」

 

鳴海「いいから、ほら帰ったら復習だよ」

 

吉良「打ち上げは?」

 

鳴海「それもする。それ終わってから復習」

 

健也「そんなぁぁ」

 

 

 

がっくりとうなだれる健也。そこに伸びる手は2つ

 

 

 

吉良「健也」

 

愛奈「健也」

 

健也「おお、お前ら……鳴海を」

 

吉良・愛奈「「鳴海の言うと通りにするんだよ」」

 

 

 

助けてくれるわけではなかった(しかし、2人はふざけているように見えず、真剣な表情をしている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから打ち上げを済まして、健也家に鳴海を招待。つまみを食べながら試験で出来ていなかった問題を解き直している

 

 

 

健也「はい、これでどう」

 

鳴海「じゃあ、どうしてこの答えになるか説明をね?」

 

健也「それは~~で、~~だからこうなる」

 

鳴海「…じゃあ私が作った問題を解いて全部出来たらいいよ?」

 

健也「!?」

 

鳴海「配布された解答を少し弄ってもダメだよ。お願いだからしっかりやって」

 

健也「はいはい……」

 

 

 

一応理論は理解しているので、鳴海の出された問題を解き回答を見せる

 

 

 

鳴海「…ん、大丈夫そうだね」

 

健也「別に今急いでやらなくてもよくない?」

 

鳴海「…けん君が勉強で躓くのは困るから」

 

健也「母さんに何か言われているの?」

 

鳴海「そんなとこ」

 

健也「ふーん」

 

 

 

一応出された課題を解き終わり、2人でゲームでもして時間を潰していると、鳴海が咳をし始めた

 

 

 

健也「大丈夫か?」

 

鳴海「ごめん、詰まっただけだから」

 

健也「そう? 水いるか?」

 

鳴海「お願い」

 

 

 

500mlペットボトルの水を持ってきて鳴海に渡すが

 

 

 

鳴海「……飲ませて欲しいな~なんて」

 

健也「へ?」

 

鳴海「飲ませてほしいな~」

 

 

 

鳴海はニヤリとした後に、口を小さく開ける。綺麗な歯並びでしかも綺麗な歯だ。毎日しっかりと歯磨きをしているのだろう。健也も毎日歯を洗っているが、鳴海程ではなかった

 

 

 

鳴海「けん君、お願い~」

 

健也「分かった」

 

 

 

ペットボトルのキャップを取って、鳴海の口に付けて、ゆっくりと容器を上に上げる。鳴海はごくごくと喉元を鳴らし、少ししたら容器を離すと、健也をジッと見ていた。健也もジッと見返す。もう一度鳴海がニヤリとすると、健也はまた鳴海の口に容器を付けて上に上げる。鳴海は、目を閉じて水を飲み続ける。容器の中は空になったが、それでも咳き込んでいる。

 

 

 

健也「そろそろ帰るか?」

 

鳴海「……今日は泊まる。最近お泊りしてなかったし」

 

健也「大丈夫なんだよな?」

 

鳴海「大丈夫だって、無理なら帰ってるから。あぁ、お母さんに言わないと」

 

 

 

鳴海はカバンからスマホを出して耳に当てると

 

 

 

鳴海「お母さん? 今日けん君の家に泊まるから……うん……うん。じゃあ」

 

健也「はやいな」

 

鳴海「えへへ~」

 

 

 

健也の部屋を出て、リビングに行くとそこには健也母がいた。鳴海は健也母にも泊まることを伝えると、喜んで鳴海の頭を撫でている。そう言えば、お母さんに最後に頭を撫でてもらったのはいつだろうか? …思い出せない

 

 

 

あれ? もしかして俺はここの息子ではない?

 

 

 

そんなことを思っていると、鳴海は健也母と共にエプロンをして何か作り始めた。時間的に夕食だろう。健也も手伝おうと台所に近づくが

 

 

 

健也母「健也は包丁の握り方や切り方も最近マシになったけど、まだ怖いのよね……」

 

鳴海「あ、じゃあ私がけん君と一緒に作ります」

 

健也母「良いの?」

 

鳴海「はい、任せてください」

 

健也母「じゃあ任せようかな~。もし何かあったら声をかけてね」

 

鳴海「はい」

 

健也母「おら健也、エプロン」

 

健也「お、おう?」

 

 

 

渡されたエプロンを着けて、いざ台所へ。鳴海から指示された作業をこなしていく

 

 

 

健也母「なんか新婚さんみたいだね」

 

健也「え」

 

鳴海「私も今同じこと思ってたよ~?」

 

健也「え、えぇ?」

 

鳴海「あ、ちょっと、包丁を振り回さない!」

 

健也「はい、すいません」

 

鳴海「新婚さんか~」

 

 

 

鳴海は機嫌よく食材を切っていく。少しすると鼻歌まで歌いだした。そんな鳴海を見ていると、反対方向からカシャっと撮られた音が聞こえる。そっちを見ると、なぜかニヤニヤとしているスマホを構えた母の姿が

 

 

 

健也母「あらあらまぁまぁ」

 

健也「今なんで撮った?」

 

健也母「いいじゃない、別にネットにアップなんかしないわよ。鳴海ちゃんが家にいることはあるけど、台所で何かを作るなんて久しぶりだし! 記念によ記念」

 

健也「なんで俺も入れたし」

 

健也母「記念」

 

健也「……」

 

 

 

手に持っていた食材を鳴海に渡すと

 

 

 

鳴海「ここから私1人で出来るから、後は任せて」

 

健也「え」

 

健也母「じゃあ健也はお風呂いれてきて」

 

健也「えー、めんどい」

 

鳴海「けん君」

 

健也「はい、入れてきます」

 

健也母「ほんっと、鳴海ちゃんの言う事は素直に聞くのねー」

 

鳴海「けん君は優しいので」

 

健也母「そんなことないわよ~? 部屋もろくに片付けられないのに」

 

鳴海「大丈夫ですよ~、私から言っておきます~」

 

健也母「鳴海ちゃんがいれば安心ね」

 

鳴海「そうですねー」

 

 

 

そんな会話を背中越しに聞きながら素直にお風呂を掃除してお湯を張った健也であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事も終えてお風呂に入り、後は寝るだけになったのだが

 

 

 

健也「そういえばそのパジャマいつ持ってきたの?」

 

鳴海「前泊まることがあるかもしれないってお母さんに伝えたら、タンスの一部を貸してくれてそこに入れてた」

 

健也「もう我が家って感じだな」

 

 

 

冗談で言ったつもりだったが、鳴海は頬を赤くしながらも何も言わない

 

 

 

健也「鳴海?」

 

鳴海「ここはいいよね」

 

健也「何が」

 

鳴海「けん君がいるからさ」

 

健也「それはそうだろ、ここ俺の部屋だし」

 

鳴海「そうだね」

 

健也「え、終わり?」

 

鳴海「うん」

 

健也「そ、そうか」

 

鳴海「そういえばさ」

 

健也「何?」

 

鳴海「けん君ってエッチな本持ってないの?」

 

健也「持ってない」

 

鳴海「ほんとに~~???」

 

 

 

鳴海が健也の頬を両手で包み込むように手を添えて、健也の目をジッと見る。健也は逸らそうとするも、身体が逸らせるなと言っているようで、逸らすことが出来ない。鳴海の目を見つめ返す

 

 

 

鳴海「嘘ついちゃいやだよ?」

 

健也「嘘なんかついていないよ」

 

 

 

なお、スマホの方にエロ系の物は入っているので、パスを解除されない、仮に解除されたとしても分からないように細工をしているのでばれないはずがない

 

 

 

鳴海「じゃあスマホのファイルを見せてほしいな~」

 

健也「……」

 

 

 

なぜバレた いやまだ諦めるには早い! ここから逆転を……

 

 

 

鳴海「○○○○ってファイル名のね。何も問題ないんでしょ? じゃあ見せてほしいな~?」

 

 

 

「見せてほしいな」と言っているが、目が「見せろ」と言っている

 

 

 

健也は抗おうにも鳴海の目をジッと見ていると逆らってはいけない、素直に言う事を聞かなければならないと強く思ってしまい素直に見せてしまう

 

 

 

鳴海「なるほど……こういうのが好きなの?」

 

健也「聞かないで……」

 

 

 

恥ずかしさのあまり、真っ赤な顔を両手で隠すも鳴海は健也のスマホを突いている

 

 

 

鳴海「あ、年齢制限フィルター解除してる! どうやって番号を知ったの?」

 

健也「ぐ、偶然外れて」

 

鳴海「ぐ・う・ぜ・ん?」

 

健也「いいえ、親が設定するとき、指の位置と動きでなんとなく推理してローラーしました」

 

鳴海「はぁ……」

 

 

 

鳴海のため息がやけに重い。顔を見ると少し疲れているようにも見える。壁にかかっている時計を見ると既に23時を回っている

 

 

 

鳴海「けん君、エッチなものを見るなとは言わないよ? けん君だって男の子だし、そういう気持ちになるもんね。そこのゴミ箱とか……」

 

健也「!?」

 

鳴海「でもね、年齢制限解除はダメだよ? 吉良君も言っていたでしょ? 無料サイトとかは大抵ウイルスがあるって。見ようとした変なページに飛ばされてそれを消したつもりでもウイルスは残っていて、場合によっては個人情報全漏れだよ? 見るなら画像とかにしなさい」

 

健也「……」

 

 

 

た、確かに見ようとすると勝手にどこかに飛ばされるけど……

 

 

 

鳴海は視線を健也からゴミ箱に移す

 

 

 

鳴海「あ、あとゴミ箱じゃなくてトイレに流すのもやめておきなよ? 水に溶けないティッシュだと最悪詰まって工事になるかもだよ? 今はまだ大丈夫みたいだけど、もし詰まって工事の人に来てもらって、詰まっていたティッシュが発見されたら…お母さんどんな顔をするだろうね?」

 

 

 

想像してみる

 

 

 

……

 

 

 

健也「いやぁぁぁぁ! ごめんなさいぃぃぃ! 許してくださいぃぃぃ!」

 

鳴海「……ごほっ……ごめん、水を飲んでくる……」

 

 

 

健也が枕に顔を埋めて全力で逃避行をしている間、鳴海は席をしながらリビングの方に行ってしまった。何か母と話をしているのは聞こえるが、詳しい会話の内容は分からなかった。ま、まさか……お母さんに……

 

 

 

10分程度してから帰って来た。その間に恥ずかしいという気持ちも多少は薄れて、顔を見ることはまだ出来ないが、それでも会話をすることくらいは出来た

 

 

 

鳴海「お待たせー。もう寝よ?」

 

健也「あ、俺も水飲んでくる」

 

鳴海「じゃあ先に横になるね」

 

健也「俺が来る前に先に寝て良いんだぞ?」

 

鳴海「んーん、待つ」

 

健也「分かった」

 

 

 

部屋を出てリビングに着き、水を飲む。そこには健也母もいて、何かスマホを突いていた

 

 

 

健也母「健也」

 

 

 

思わずギクッとしてしまう

 

 

 

え、まさか本当に母さんに言ったのか?????

 

 

 

健也母「鳴海ちゃんのこと大切にしなさいよ?」

 

健也「うん、もちろん」

 

健也母「そうかい、じゃあ私は寝るよ。電気消しといて」

 

健也「分かった」

 

 

 

健也も水を飲んで用を足し、部屋に戻ると電気が消されていた。多分鳴海が消したのだろう。布団に近づくと、中心からやや横にずれたところに鳴海が寝ていた。寝息を立てていて、健也が戻ってくるのに待てなくて寝たようだ。健也は鳴海の横に寝て、鳴海の顔を見る。最初は暗くてまだ目が慣れなかったが、時間をかけると目が慣れてきた。うっすらとだが鳴海の寝顔が見える

 

 

 

起きている時も可愛いが、寝ている時も可愛い

 

 

 

ジッと見ていると、掛け布団の中にある手に何かが当たった

 

 

 

なんだろうと思ったがそれも一瞬

 

 

 

いつも手にあったものだ

 

 

 

だけど少し冷たい気がした

 

 

 

もう一度寝ている鳴海を見る

 

 

 

さっきと変わらないが、口元が少し弛んでいるような気がする

 

 

 

健也はそれを自分の手で包み込み目を閉じた

 

 

 

 

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