※この作品はR-18です。

幼馴染の意地   作:ゆかりはるか

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中学生(2)

今日は修学旅行の日だ。入学してから数か月が経ち、夏休み前に1泊2日の校外学習がある。キャンプをして交流を深めようというのが目的らしい。

 

 

 

外に滅多に出ない、人との交流を嫌がる人には全く歓迎されないイベントの1つだが、逆に誰かと何かをしたい、誰かとお近づきになりたい、それが友達か恋人を指しているのかは本人にしか分からないが、そういうことを望む人は歓迎されるイベントだ。

 

 

 

そして健也・鳴海の所属しているクラスで歓迎している人と歓迎していない人の割合は、大体5:5という感じで、思ったよりも乗り気でない人が多いみたいだ。科学技術が進歩して、外に出なくても、スマートフォンやパソコンで娯楽を楽しむ・見ることが出来ることが可能となった現代では、わざわざ外に出て何かするという人が減るのも無理ない。

 

 

 

今回のイベントが男女別とかだったらもしかしたら歓迎する人の割合は増加していたかもしれない。寝床は違うとはいえ、男女でキャンプというのは、異性にだらしない、頼りないところを見せてしまうかもしれないという不安もあるためだ。自分の地位や発言力を上げていきたいと思っている人からしたら、なんとしてでもカッコいい所、魅力的なところを出す・見てもらいたいため、やる気になるのも分かる。

 

 

 

健也はというと……

 

 

 

健也「だっる、なんで外でキャンプなんかしなきゃいけねーんだよ」

 

吉良「まぁまぁ、健也ってあまり外で遊ばないんでしょ? 偶にはいいんじゃない? ずっと画面ばっかり見ていると視力落ちるよ」

 

健也「吉良よ、お前もその1人だろうが」

 

吉良「えへへ」

 

健也「笑ってごまかすんじゃねー」

 

吉良「痛いよ~健也~」

 

 

 

吉良の頭をぐりぐりと優しく弄ると、吉良は笑いながらも大人しく健也にぐりぐりされている。

 

 

 

吉良。こいつは童顔で背もクラス(男子)では比較的低く、声も高いので遠くから見る、初対面で話すとかだと女の子と思われるがちだが、男だ。吉良と仲良くったのは、入学してから大体2週間程度経ってから話すようになった。

 

 

 

彼女も……じゃなかった。彼は見た目が女の子っぽいところにコンプレックスを抱いており、なかなか男子の友達が出来ていなかったようだが、彼がカバンにつけていたバッチが、健也の好きな作品のキャラクターのバッチだったので、試しに声をかけてみたら思ったよりも話が合い、今も友達として接している。

 

 

 

健也と話すときは満面の笑みを浮かべるが、他の男子と話すときはまだ緊張するようで、少しどもってしまっている。健也が間に入ることで、少しずつだが、健也以外に話すことが出来る男子が増えたようで、健也のことを心から感謝しているらしい。

 

 

 

健也「はぁ……」

 

吉良「そんなに溜息つかないでよ。僕は健也と一緒に行けること結構楽しみにしていたんだよ?」

 

健也「吉良は楽しそうでいいな」

 

吉良「キャンプ自体はそこまで興味ないけど、健也と一緒に何か出来るのが楽しみでさ」

 

健也「……」

 

吉良「え、何、その戸惑ったような顔」

 

健也「い、いや。なんでもない」

 

 

 

ここまで真っ直ぐに伝えてくると、どう反応をすればいいのか少し戸惑ってしまう。しかも嬉しそうな顔で手を握ってブンブン振り回しているので、結構恥ずかしい。

 

 

 

担任「お前ら~、もうすぐ出発だからバスに乗れよ~」

 

 

 

担任の指示でバスに乗る。座席は自由だが、隣は同性にするという暗黙の了解が合った。男女で組むと、少し気まずい空気が流れるし、周囲の視線も寄せられやすい。鳴海からも、今回は座席を一緒にしないということになって、健也は吉良と組むことになった。鳴海は誰かと組んでいるようだが、誰かは教えてもらえなかった。

 

 

 

吉良「ごめんね、僕酔いやすくて……」

 

健也「気にしないでくれ、席なんてどこでも一緒だから」

 

吉良「そういってくれるとありがたいよ」

 

 

 

吉良は酔いやすいので先頭の方になった。バスの席はどういうわけか後ろの方が人気だ。本当になんでだろうか? 健也的にはどこにいようが、所詮は移動する乗り物なので、どこの席なのかどうでもよかった。

 

 

 

吉良「……ごめん、少し寝て良い?」

 

健也「いいよ、着いたら起こすよ」

 

吉良「ありがとう」

 

 

 

吉良は目を瞑り、少し経つと寝息を立て始めた。バスの中で吉良とアニメやゲームの話をしたり、トランプとかで遊んで時間を潰そうと思ったが、どうやら睡魔がやってきたようで相方が寝てしまった。健也は窓側、吉良は通路側なので、外の景色を見て時間を潰す。

 

 

 

建物や車が沢山ある景色から少しずつ無くなっていき、緑が増えていく。少しずつ何かが無くなっていき、違う何かに変わっていく景色を見ていると、ずっと同じ形でい続けるのはやっぱり難しいんだな~なんてことを思っていると肩に何かが乗かったような気がした。

 

 

 

吉良「……むにゃむにゃ」

 

 

 

気持ちよさそうに寝ている吉良。振り落とすわけにもいかず、肩に重いのが乗っかっているがそのままにする。人間の頭部は想像しているよりも実際に重かった。吉良の顔を見てみると、よだれが少し垂れていた。

 

 

 

健也「……仕方ないな」

 

 

 

前のフックに掛けているカバンの中からポケットティッシュを数枚取り出して、吉良の口元を軽くふいてよだれを拭き取り、ゴミ袋に入れる。口元に何かされていることに違和感があったのか、吉良は身じろぐが目を覚まさなかった。

 

 

 

吉良「……もう食べられないよ~」

 

 

 

何を食べているんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンプ地に到着、ここからは班に分かれて行動することになる。この行動は4人~5人程度のグループになり、班員は健也・吉良・鳴海・愛奈だ。

 

 

 

愛奈。彼女は鳴海の友達だが、健也自身はあまり話したことはない。鳴海は愛奈のことをよく話すのでどんな人かは少し知っているが、愛奈は男子が苦手なようだ。鳴海と同じくらいの可愛いさがあるが、どちらかというと綺麗という印象だ。

 

 

 

女子だけのグループになることも可能だったが、鳴海が健也と組みたかったようで交渉したらしい。吉良も顔と声だけなら女の子にも見えるので、愛奈的にも心のハードルは低かったようで了承してくれた。

 

 

 

愛奈「……よろしく」

 

 

 

少し警戒しながらも愛奈は健也に挨拶

 

 

 

健也「うん、よろしくね」

 

 

 

健也もお返しに挨拶。別に彼女を口説くわけでもないので、意思疎通が出来れば十分と考えた。

 

 

 

吉良「愛奈さん、僕もよろしくね~」

 

愛奈「う、うん。よ、よろしく……」

 

 

 

少し頬を赤らめながら吉良には照れた感じに鳴海の背中に隠れる。吉良から聞いたが、愛奈とは小学校が一緒でそこそこ付き合いがあるらしい。愛奈は吉良が自分の容姿にコンプレックスがあることを知っている人物でもあり、鳴海とも仲が良い。班としてはかなり良い構成だと思える。ギスギスすることが無さそうなのでかなり安心だ。

 

 

 

それから焚火の準備やら、食事の準備やら、テントの準備とかすることになった。食事は、大人数で食べられる便利なカレーだ。カレーの隠し味は何を入れるとか、甘口好きなのか、辛口好きなのかという話題があちこちで広がっていて、みんな楽し気である。

 

 

 

鳴海「来てよかったでしょ?」

 

健也「まぁ、悪くない」

 

鳴海「とか言いながら、なんだかんや楽しそうじゃん。この~」

 

 

 

肘で軽く健也の胸をツンツンと突いてくる。健也もお返しに身体を鳴海の身体に軽くぶつけてお返しをする。準備は健也と鳴海、片付けは吉良と愛奈がやることになっていたので、健也と鳴海が一緒に料理の準備をしている間に吉良と愛奈は少し離れたところで涼みに行ったようだ。

 

 

 

健也「愛奈さんって吉良のこと」

 

鳴海「さーて、どうでしょう?」

 

健也「あのさ……俺達愛奈さんとどこかで会ったか?」

 

鳴海「え、どこ?」

 

健也「どこ……気の所為かなー」

 

鳴海「気のせいじゃない?」

 

健也「そういえば愛奈さんとは仲良いの?」

 

鳴海「うん、趣味が合うんだよね。機械類が好きなんだけど、料理と裁縫に興味を持ち始めたみたいだよ。愛奈ちゃん、最近料理の練習をしているらしいよ」

 

健也「へー? そうなの?」

 

鳴海「っふふ、なんでだろうね~?」

 

 

 

なんか楽しそうにしている鳴海。料理仲間が増えることに喜んでいるのか?

 

 

 

健也「機械類って、発明家?」

 

鳴海「私にはよく分からないけど、よくスレッドや誰かの書き込みを見ているんだって。あ、そうだ。吉良君ってどんな人なの? 愛奈ちゃんから少し聞いているけど、けん君から見た吉良君ってどんな感じ?」

 

健也「そういえば吉良も機械に強い的なことを言っていたな。確か……そうだね。愛奈さんみたいに書き込みを見てるとか、誰か分からないようにされてやりとりしているチャットのアドレスを調べたことがあるとか言っていた……あれ? それはあの作品のキャラクターのことだっけ?」

 

鳴海「会話の内容を覚えていないの?」

 

健也「細かくは……でも話していた楽しかったのは覚えているよ?」

 

鳴海「へー、2人とも機械類が強いんだね。情報とか技術系の授業だと心強そうだよね~」

 

健也「そうだな。俺も鳴海も機械にはあまり強くないから心強いな」

 

鳴海「私は最近愛奈ちゃんにパソコンについて教えてもらっているんだ~」

 

健也「え、ずるくない?」

 

鳴海「ずるくないよ~」

 

 

 

そんな感じで準備を終えて、4人で会話をしながら食事を摂った。

 

 

 

お風呂は近くにある温泉に入ることに

 

 

 

男子A「お前でかいな~」

 

男子B「俺の方がでかいぞ~おらぁ!」

 

 

 

男子達は自分達の股間を見せびらかして、なにやら自慢しあっている。吉良はそれを見ないようにそそくさと端の方に座って身体を洗い始める。健也も吉良と一緒に端の方によって身体を洗う。

 

 

 

吉良「なんであんな風に見せ合うのかな~」

 

健也「1つのコミュニケーション方法でしょ。男なら言葉が通じなくても使える方法だからな」

 

吉良「いきなり見せ合うの?」

 

健也「そいつの前に立って、両手両足ブンブン振ってから股間をみせびらかすんじゃないの?」

 

吉良「そんなことあるの?」

 

健也「知らんな」

 

 

 

そんな感じでお風呂を出て、コーヒーや牛乳が売っている自動販売機の近くにある椅子に座り休む。

 

 

 

吉良「健也は何飲むの?」

 

健也「コーヒー牛乳」

 

吉良「僕は牛乳かな。もっと背が大きくなりたいし」

 

健也「どのくらい目指しているの?」

 

吉良「180は欲しいよね、健也は?」

 

健也「あまり気にしてない、飲みたいものを飲みなよ」

 

吉良「ほんと、自分のことあまり関心ないよね健也」

 

健也「そうかな……」

 

 

 

2人並んで飲む。他の人達は椅子には座らないで、立って腰に手を付けてグビグビと飲んでいる。飲み方が酒を飲んでいる大人そのものだ。

 

 

 

健也「あ、そう言えば鳴海から聞いたんだけど」

 

吉良「ん~?」

 

 

 

牛乳をチビチビと飲みながら健也の話に耳を傾ける

 

 

 

健也「吉良と愛奈さんって」

 

吉良「ストップ」

 

健也「え」

 

 

 

吉良は口元が白くなっているが、真面目な目で指を口元に立てて「シー」と言っている。その後に周りをキョロキョロと見た後に

 

 

 

吉良「そういう類の話は場所を変えよう」

 

健也「あ、別に今じゃなくてもいいんだけど」

 

吉良「そう? じゃあ他の話をしようか」

 

 

 

そんな感じで話をしてテントの元に戻った(歯磨きなどもこの時に済ました)。

 

 

 

夜になり、今は自由時間。何かレクリエーションをやっているが、自由参加なので参加しないで休んでいたり、各々したいことをしている。レクリエーションに参加している生徒達は、違うクラスの人とも交流しているので、今後の学園生活をさらに色づけるなら参加した方が良いだろう。健也は参加しなかったが、吉良・鳴海・愛奈はレクリエーションに参加している。

 

 

 

普段外に出ないし、出たとしてもそこまで動かないし、人気のある場所にはあまり行かないので、肉体的にも・精神的にも疲れてしまった。健也と鳴海が一緒に食事の準備をしている時に、吉良と愛奈が涼みに行った川のことを教えてもらったのでそこに行くことに。人気のない川に行って、近くにある良い感じの石に座って空を見る。空は曇が1つも無く、水面に月が映っている。川に石を投げると、水面が揺れて映っている月の輪郭がぼやけるが、すぐに輪郭が戻る。

 

 

 

健也「……暇だな」

 

 

 

最初はゆっくりとした時間を満喫していたが、それも少し時間が経つと暇になってきてしまった。でも今更レクリエーションに参加するのもな……と悩んでいると、後ろの草むらが揺れている音が聞こえてきた。

 

 

 

健也「?」

 

 

 

何かいるのかなと思い耳を澄ませると、男女の声が聞こえてきた。気になったので音を立てないように草むらの方を見ると、そこでは男女が口づけを交わしているシーンだった。

 

 

 

健也「!」

 

 

 

びっくりして思わずしゃがむが、それが良くなかった。足元にあった石を蹴ってしまい、物音を立ててしまう。それも健也のいる場所は人気のなく、静かな場所なので音が響いてしまった。すぐにしゃがんで座っていた石を盾にする感じで隠れると、草むらでゴソゴソとしていた音がピタリと止まり、話し声が聞こえてきた。

 

 

 

女子「ね、今何か聞こえてなかった?」

 

男子「離れよう、ほら手を貸せ」

 

女子「う、うん」

 

 

 

足音は遠ざかっていく

 

 

 

健也「……ふぅー」

 

 

 

バレなかったようだ。安心して息を吐いて、モグラ叩きのモグラのように顔をぬるりと出すと、そこに「何か」がいた

 

 

 

健也「うおおおぉ!!??」

 

???「み~つ~け~た~」

 

 

 

目の前に鳴海の顔があった。額と額がごっつん、危うく唇が重なってしまいかねなかった。さっきの男女のキスシーンを見てしまい、どうしても唇に目が行ってしまう。鳴海は健也から少し離れたところに腰を下ろして見つめ合う

 

 

 

鳴海「こんなところで何をしているの~?」

 

健也「何も? ただ休んでいただけだよ?」

 

鳴海「へー…」

 

 

 

会話が途切れると、風が吹いて近くの木々が揺れる。鳴海から良い匂いがかすかにした

 

 

 

鳴海「……くっついていい?」

 

健也「いいぞ」

 

鳴海「ありがとう」

 

 

 

完全にくっついたわけではないが、それでもさっきよりも近くなった。風がまた吹く。さっきよりも強く、鳴海は身体を震わせていた。鳴海のいい匂いがさっきよりも少し強くなる

 

 

 

健也「……」

 

鳴海「あ」

 

 

 

健也から鳴海に近づき、身体と身体がくっつき、腕に温もりを感じた。風呂上がりだからか、鳴海の匂いが更に強くなり、大きく息を吸ってしまいそうになるがそれを我慢する。隣にいる鳴海はニヤニヤとしている

 

 

 

健也「何?」

 

鳴海「…べっつに~?」

 

健也「何笑ってんだよ」

 

鳴海「けん君だな~って」

 

健也「え、どういうこと?」

 

鳴海「どういうことでしょうかね~?」

 

健也「教えろよー」

 

鳴海「あはは、教えなーい。それ!」

 

 

 

鳴海が身体を健也に軽くぶつける。いつものことだと思い、健也からも鳴海に身体を軽くぶつける。就寝時間になるまで静かな夜空の下、2人きりで話した。

 

 

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