※この作品はR-18です。

幼馴染の意地   作:ゆかりはるか

7 / 43
中学生(5)

ある喫茶店の奥に座っている女子2人。その2人に声をかけようかと悩んでいるチャラ男2人が近くの席に座っていた。

 

 

 

チャラ男A「ねぇ、あの可愛い子達に声かけないか」

 

チャラ男B「いや、やめとうこうぜ。なんか空気重そうだし」

 

チャラ男A「いや、かけようぜ。俺は行かせてもらうぞ」

 

チャラ男B「まぁ試してみようか」

 

チャラ男A「そこの可愛い君たち、良かったら俺達と遊ば」

 

 

 

女子2人「「あ?」」

 

 

 

チャラ男A「なんでもないです。失礼しました」

 

チャラ男B「ほら、だから言ったろ」

 

店員「お客様―、お勘定を」

 

チャラ男B「え、あ、はい、すいません」

 

店員「ありがとうございましたー」

 

チャラ男B「ほ、ほら早く行くぞ!」

 

 

 

チャラ男2人は女子の冷え切った表情と声にビビってしまい、無様に去ろうと出入口の方に向かって早歩きしている。女子2人は逃げているチャラ男に聞こえるくらい大きな舌打ちをすると、チャラ男達は振り返ってしまった。情けなく逃げたとは言え、流石に舌打ちまでされてしまったら、気に障ると感じたのだろうか、チャラ男Aは女子2人に振り返るが

 

 

 

チャラ男A「ひ!」

 

チャラ男B「お、おい…ひ!」

 

 

 

チャラ男達はお店から出て行ってしまった。店内はその女子2人しかいなくなったが、店内の空気は重く、店員さんも困ったような、怯えたような表情で2人を見ているが、少し経つと空気の重さは軽くなり、まるで何事も無かったかのような雰囲気となった。

 

 

 

カランコロン

 

 

 

店員「いらっしゃいませー何名様でございましょうか?」

 

 

 

店員がお客様に席を案内し注文をしている。さっきまでの2人を見ようとしたが、自分も巻き込まれてしまのは嫌だという気持ちが勝って、新たに来たお客様のことに意識が向いている。さて、一時的とは言え、店内の空気を重く冷たくした2人はというと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴海「ねぇ、どう思う? 酷くない?」

 

愛奈「酷いと思うわ」

 

鳴海「だよね」

 

愛奈「鳴海が酷い」

 

鳴海「なんでよ!」

 

愛奈「そんな話でわざわざ集まって話そうだなんて」

 

鳴海「そんなこと? そんなことじゃないよー」

 

愛奈「ちょ、揺らさないで」

 

鳴海「だってだってー」

 

愛奈「健也のことでしょ? 知ってるって」

 

鳴海「はぁ、けん君女の子のなら誰でもいいのかな~。ねぇ、どう思う愛奈~」

 

愛奈「知らないよ。女に興味がある分だけいいんじゃないの?」

 

鳴海「それはそうだけどさ、こんだけやっているのにあまり反応がないのもねー。勉強しても全く成績が上がらないような感じでモヤモヤするのよ~」

 

愛奈「足を蹴るな」

 

 

 

机の上にあるアイスコーヒー(鳴海が注文)とオレンジジュース(愛奈が注文)が、容器内で揺れている。下では鳴海が愛奈の足を軽く蹴っているが、愛奈も鳴海に数回蹴り返すとどちらも満足したようで再び話をする

 

 

 

愛奈「構いすぎなんじゃないの? というか鳴海って別に健也と交際したいわけではないんだよね?」

 

鳴海「そうだねー。私が一方的に好きになって、少しドキッとしたけん君を見ることが出来るだけで十分なんだよね~」

 

愛奈「ならいいんじゃなの? 本気になられるよりは」

 

鳴海「でも全く動揺もないのは少し傷つくかなー」

 

愛奈「もし健也のことが好きな人が現れたらどうするの?」

 

鳴海「は?」

 

愛奈「なんでもない」

 

鳴海「良かった~、愛奈も変なことを言うかと思ったよ~」

 

愛奈(やはりあの時から思っていたけど…こいつ怖いな)

 

 

 

愛奈が鳴海と知り合ったのは入学式の日だ。入学式を終えて家に帰宅中、学校の机に忘れ物をしていることに気付いたので学校に戻った時に鳴海と出会った。自己紹介とかしている時は「こいつはモてる女子だ、あまり近づかないようにしよう」と思ったものだが、忘れ物を取って会った時は、自己紹介をしている時とはほぼ反対の性格だった。

 

 

 

舌打ちはするし、イライラした感じに髪の毛を毟っていた。それだけならまだいい。そういうことは誰にでもあるだろうし、可愛いとかきれいとか言われている女の子も所詮は人の子だ。誰にだってそういう面もある。驚いたのはその後だ。

 

 

 

教室の女子…人数にして1つのクラスの女子1/3程度の人数の女子が鳴海と何かを話していたようだ。距離があったので話の内容は全て聞くことが出来なかったが、それでも鳴海が女子達に何かを暴露しているような感じのことを言っていたような気がする。気がすると言うのも、愛奈視点だと鳴海はほとんど背中しか見えず、時々横顔が見えた程度だ。そしてその横顔は酷く冷めきっていたように見えた。女子達の反応はとても驚いていたり、膝をついて鳴海に何か懇願しているようなところも見えたが鳴海は……。

 

 

 

いや、あんなことを思い出すのもやめよう。少なくともやるときはやる女ってことだけ分かっていれば襲われることはないはず

 

 

 

鳴海にとっての最優先は健也だ。なら健也に危害を加える・鳴海の邪魔をするような真似をしない限り、自分に何か面倒なことが起きることはない。本人もそう言っているくらいだ。そしてこれを他の人にばらそうとしたらおそらく……

 

 

 

鳴海「何かけん君の気を引く方法って無いかな~」

 

愛奈「どこかに出かけてみるのは?」

 

鳴海「さっきも言ったけど、大体の場所は回ったよ? また同じ場所に行くのはね……攻撃力減りそうだし」

 

愛奈「攻撃力?」

 

鳴海「破壊力みたいな感じ?」

 

愛奈「倒そうってこと?」

 

鳴海「倒れそうになる寸前……ギリギリまでかな。倒れられたら私が嫌だもん」

 

愛奈「……」

 

鳴海「そういえば吉良君の方はどうなの?」

 

愛奈「吉良? どうもこうも一緒に遊んでいるけど」

 

鳴海「へ~」

 

 

 

鳴海はニヤニヤと愛奈の顔を見ている。それにムカついたので、愛奈は軽く鳴海の脛を蹴ると

 

 

 

鳴海「脛は止めて……痛いっての」

 

愛奈「あいた!」

 

鳴海「お返し~」

 

愛奈「暴力的な女の子は嫌われるよ」

 

鳴海「人の事言えるの?」

 

愛奈「……」

 

鳴海「愛奈だって、私から見ても中々だと思うけど」

 

愛奈「……じゃあここは4人でどこか行く? 私も吉良と行く場所が段々無くなってきて」

 

鳴海「どこ行ったの?」

 

愛奈「電気屋とか図書館とか公園とか」

 

鳴海「電気屋? ああ吉良君らしいね」

 

愛奈「新しいPCとか昔の電子機器を見て興奮していたよ」

 

鳴海「そんな感じするもんね。可愛い?」

 

愛奈「可愛い」

 

鳴海「ならいいんじゃない?」

 

愛奈「そうだけど、私途中までは付いていけたけど、最後の方は何を話しているのか分からなかった。なんか置いていかれた感があって少し寂しかった」

 

鳴海「完全に分かられても、それはそれで喧嘩しそうだけどねー」

 

愛奈「そういえば健也はアニメの女の子を見ていたんだっけ? なら鳴海もアニメを見て……見てたねそういえば」

 

鳴海「見てみたら思ったよりも面白いと思うところもあってねー。馬鹿に出来ないわ。でも健也が見ているのって可愛い女の子ばっかり出てくる作品なんだよね」

 

愛奈「それが?」

 

鳴海「いや、私はそこまできつくないからいいけど、それでも同性のお色気シーンを何度も見せられると流石に……」

 

愛奈「あぁ、エロシーン」

 

鳴海「はしたないよ」

 

愛奈「結局はそういうことでしょ? どんな格好の子に興奮してたの」

 

鳴海「んーと、比較的小柄で巨乳な子? あいやでもギャルにも鼻の下を伸ばしていたような? それにオッドアイとかも」

 

愛奈「オッドアイの子は放置でいいでしょ、小柄ね……」

 

鳴海「私って小柄?」

 

愛奈「小柄でしょ。そもそも中1で大柄なんてそうそういないでしょ」

 

鳴海「あとは……おっぱいか…。でも他の男子に見られるのは殺意湧くんだよね」

 

愛奈「なら消せば?」

 

鳴海「消すとか愛奈怖いな~~」

 

愛奈(……よく言うよ。健也も大変だな、こんな女に好かれて)

 

鳴海「なんか言った?」

 

愛奈「何も?」

 

 

 

一度会話を止めてコップに口を付け、喉を潤す。店内には自分達以外にも客がおり、各々世間話や身内の話をして盛り上がっている。相手との会話の内容に困ったら周囲の会話を聞いて、それにツッコミを入れたりして引き延ばすのも一つの策だ。愛奈は周囲の会話に耳を傾ける

 

 

 

女A「最近彼氏と別れたんだー」

 

女B「あれ、この前付き合ったとか言ってなかった? なんで別れたの?」

 

女A「あっちの浮気。私のお金勝手に使ってしかもホテル代に当てたとか言っていたのよ」

 

女B「うわ、最低だね」

 

 

 

愛奈「……」

 

 

 

他の客の会話を聞こう

 

 

 

男A「なぁ、聞いてくれよ。彼女なんだけどさ、全然乗ってくれないんだよ」

 

男B「お前とするのが嫌なんじゃないの?」

 

男A「え、なんでだよ」

 

男B「ちゃんと前戯してる? 直ぐに挿れようとするからじゃないの?」

 

男A「えーしているよ」

 

男B「どのくらい時間かけてる?」

 

男A「え? えーっと、その時によるけど大体5分~8分くらい」

 

男B「短いな。最低でも10分はしろ」

 

男A「でも濡れてたよ? あれって感じているってことだろ?」

 

男B「感じていなくても濡れる人は濡れる。体質みたいなものだ。ほら、同じ距離を走っても全く汗の掻かない人と、シャツが透けるくらいに汗を掻く人がいるだろ? 少し極端な例だけど、濡れている=感じている=挿入していいってわけじゃないんだ」

 

男A「そんな……どうすれば……」

 

男B「体質とかその日の体調もあるからな。そこは女としっかり話あうべきだ。だってするのはお前とその女だ。その女の体質や体調は本にもインターネットにもどこにも載っていない、彼女にしか分からないことだから彼女に聞け」

 

男A「それでも……なんて話せばいいのさ。そんなこと言ってもし嫌われでもしたら……」

 

男B「このままグタグタしていたら、切り出すことすら難しくなるぞ。それに嫌われたら嫌われただ。これはお前1人でも、女1人でもなく、2人ですることだ。1人でするなら自分で悩んで解決すればいいが、これはそうじゃないだろ?」

 

男A「そうだな……今日話してみるよ」

 

男B「おう、骨は拾ってやる」

 

男A「おぉ、ありがとう。というか失敗前提で話すの止めろ!?」

 

男B「女なんてそこらへんに沢山いるんだ。ダメだったらまた声をかけてすればいいのさ」

 

男A「割と本気で感動していたんだけど、最後のセリフで台無しになったぞ」

 

男B「俺がそういう奴だって知ってるだろ? 長い付き合いなんだからさ」

 

男A「それもそうだな。今日は飲もう……ここお酒ないんだったな。居酒屋行こうぜ」

 

男B「お前の奢りな」

 

男A「……まぁいいさ。今日は奢ってやる、じゃあ行こうか。すいません店員さん、お勘定お願いします」

 

店員「ありがとうございましたー」

 

 

 

愛奈「……」

 

 

 

な、なんか話す内容が偏っているような? あ、あそこの男女とかなら……

 

 

 

男C「最近マンネリ気味で…他の女も増やそうと思うんだ」

 

女C「私もマンネリでねー、誰か男紹介してくれない?」

 

男C「いいけど、こっちにも紹介してくれよ?」

 

女C「分かっているわよ。先にこっちから言うけど、ドMで調教しがいのある馬鹿っぽい男がいいわ。鞭で殴っても、蝋燭の火を垂らしても喜ぶ感じの奴」

 

男C「あー、何人かいるわ。あとで聞いてOKだったらそっちに連絡先を渡すよ」

 

女C「あら良かった。それでそっちは?」

 

男C「そうだなー、こうロリな子で純粋そうな感じの子がいいかな。最近熟女とかお姉さん系で偶に小さい子としたくなる」

 

女C「んーと、あぁ、いるわ。こっちもそっちと同じ感じで」

 

男C「ふふ、楽しみだなー」

 

女C「私も、どうやって痛めつけようかな~」

 

 

 

愛奈「……」

 

 

 

なんだこの会話の偏りは……このお店実は危ないところの巣窟だったりしない? さっきのチャラ男達がなんだか可愛く見えてきたが、それも一瞬

 

 

 

鳴海「はぁ、つまんないなー」

 

愛奈「……」

 

 

 

目の間にいる彼女は、目の前にいる相手が見えていないのか、そんなことを呟く。頬杖をし、無表情でストローの中心よりも少し上を掴み、コップの中をグルグルと回している。その姿はどこか魅力的で、同性の愛奈でも目を引き付けられてしまうものだった

 

 

 

愛奈「……っあ」

 

鳴海「ん? どうした」

 

 

 

店内の壁に貼ってあるポスターを発見する。そこには

 

 

 

【ドキドキ! 肝試し大会!】

 

 

 

と書いてあった

 

 

 

愛奈「肝試しとかどう?」

 

鳴海「肝試し~?」

 

 

 

愛奈がポスターの貼ってある方を指さすと、それに釣られて鳴海もポスターを見る

 

 

 

鳴海「あぁ、あれのこと。……そうだね…肝試し…うん、悪くないかも!」

 

 

 

さっきまでの無表情だった鳴海が、一気に生き生きとし始めた。何を想像したのか、何も起こっていないのにニヤニヤとしている

 

 

 

愛奈「鳴海。顔、顔」

 

鳴海「おっと、そうね」

 

 

 

頬をペタペタと触り、ニヤニヤ顔ではなく真面目な顔になった

 

 

 

鳴海「私けん君とこれに参加するけど、愛奈はどうする? 吉良君を誘ってみたら?」

 

愛奈「……そうだね、誘ってみる」

 

鳴海「吉良君ってこういうの苦手なの?」

 

愛奈「確か……ホラー系は苦手とか言っていたような?」

 

鳴海「そうなんだ! 実はけん君もホラー苦手でさ、もうお化けとか怖いって言うんだよ! それで怯えている表情とか可愛くてさ~!」

 

愛奈「鳴海、鳴海、息荒いし顔もにやけすぎ」

 

鳴海「っといけないいけない。でも2人で行こうって言うと警戒される気がする」

 

愛奈「それは…そうかも。吉良も警戒しそうだし」

 

鳴海「じゃあ4人で遊びに行こうって言ってみる?」

 

愛奈「それなら警戒は…されるかもしれないけど、2人きりよりはされないか」

 

鳴海「じゃあそうしよう! 私がグルで書き込むね」

 

 

 

懐からスマホを出して操作する鳴海の顔は楽しそうだ。さっきまでのチャラ男達に向けていたり、ボーっとしていた時のような感じとは違い、ニコニコと楽しそうにしている姿は、どこにでもいる女の子の1人そのものだ。

 

 

 

グループを確認すると確かに4人グループに鳴海が「遊びに行かないか」という書き込みがあった。吉良も健也も「OK」と返していて、詳しい日時が決められる。2人に「場所は?」と聞かれたが、鳴海は「秘密」と返してから「お金は必要な人は持ってきて。なくても困らないし、移動は徒歩で行けるから」と打つと、2人は了承した。

 

 

 

その後は、肝試し中にどんな脅し方をして怖がらせるかが話題の中心になった。自分で鳴海を批判するようなことを言っておいてなんだが、愛奈も吉良が怖がっているところを見たい欲望に負け、意気投合し本気でどうやって怖がらせるか話し合った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。