絵日記に書けないこと 安産型JS同級生サツキちゃんと夏休みのあいだ秘密基地でイチャイチャ 作:五十貝ボタン
●8月12日 ☀
「ん、ちゅっ……れる、ちゅ……は、ぷ、ちゅう……っ」
木とトタンでできた釣り小屋の狭い中に、ぬれた音がこだましていた。
彼女は……
痛いくらいに勃起したぼくの男性器を口に含んで、ピンク色の唇で出し入れしている。
「サツキ、あ、ぅく、こんなこと、だれかに見られたら……」
釣り小屋の一面は壁がなくて、川に面している。だから、もし向こう岸に誰かがいたら、ぼくたちの姿は丸見えだ。
「らいじょうぶ……」
ぼくのさきっぽに口をつけたまま、サツキが上目遣いにぼくをみる。丸くて大きな瞳は潤んで熱っぽく、唾液がたっぷりたまったせいか、声はうわずって甘えたようになっていた。
「だから、出して♡」
ちゅるるるるるっ!
そのまま一気に、ぼくのおちんちんはサツキのあたたかい口の中に飲み込まれてしまう。前のめりになったサツキのヒップラインがどうしても目に入る。ぼくと同学年とは思えないぐらい、おおきくて柔らかそうなお尻。
この日、サツキはレギンスをはいていて、ヒップラインがくっきり浮き上がっていた。彼女が身を揺するたび、丸いヒップはぷるっと弾む。
「サツキ……!」
ぼくはもう我慢の限界で、あたたかくて気持ちいい女の子の口の中で射精するのをおさえるなんてことはできなかった。
びゅううううっ! びゅるるるっ! びゅくっ! びゅううううっ!
「んんっ♡ ん、ふ……んんんっ♡」
ぼくの絶頂を口の中で受け止めながら、サツキはきゅっと目を閉じた。
「やっぱり、おいしくない……♡」
そう言いながら、細い喉を鳴らして飲み込んでいく。
少し前まで、単なる同級生以上の関係じゃなかったのに。
どうしてボクたちがこんな関係になったのかを語るのは、八月の頭から話し始めないと。
これは、ぼくたちがふたりで
●8月1日 ☀
「サツキって、お尻おっきいよな!」
プールサイドが一瞬、しずまりかえった。
口さがない男子たちの視線の先には、ひとりの女子――内騰《ないとう》サツキがいた。
その声は間違いなく彼女のところまで届いていて、怒りにぎゅっと拳を握って小さく震えている。
実のところ、彼女の体つきは目立つ。
発達は人それぞれって保健の授業では言ってたけど、クラスの女子達と比べても目立つくらいには大きくて、しっかりと幅があるし、横から見ると出っぱったような丸いラインを描いている。それに対してウエストはしっかりと細いものだから、ますます下半身のむっちりした肉付きが強調されたように見えてしまう。
今も、反射的にうしろに手を回したけど、スクール水着の臀部は両手を使ってもとても隠しきれていない。
ぼくたちの学校では、夏休みの間にも生徒がプールを使えるように開放している。日替わりで違う学年が使っているから、ぼくたち六年生が使えるのは週に一回ということになる。
ぼくはといえば、欠かさず参加していたわけでもないのだけど、家族に「運動不足になるから行ってくるように」とも言われて、この日はたまたまプールにいた。
「何か言った?」
内騰さんはできるだけ迫力を出そうとして低い声を出したのだけど、地声が高いものだから、恐竜の真似をする子猫くらいの脅しにしかなっていない。
鼻筋がすっきりした大人っぽいところと、まんまるで大きい目の子供っぽい印象が一緒になった顔だち。きりっとした眉が真ん中に寄せられて、「怒ってる」とアピールしている。
「別に。ケツがでかいって言っただけだよ」
プールサイドでふざけあっていた男子のひとり……田島が悪びれる様子もなく答える。反応しても、どうせからかわれるだけだ。
「そういう下品なこと言わないで。セクハラだから」
「褒めてるんだよなー?」
田島と一緒になって、男子が騒ぎはじめる。
「やめてってば!」
これだけの騒ぎになると、プールじゅうから注目が集まってしまう。内騰さんは何かあると正面に立って男子にも注意をするから、女子は彼女の肩を持ち始めるだろう。一方、体が大きくてスポーツが得意な田島は男子の友達が多い。
きっかけがなんだろうと、対立が始まってしまったら一気に火がついてしまうのが、よくあることで……このままだとますます大ゲンカになりそうだ。
「いやがってるんだから、やめなよ」
気づくと口をついて出てしまった。
「なんだよ
「誰の味方とかじゃなくて……イヤだって言われたのに続けるのはいじめだよ。そうやって人をきずつけたら次からプールに来るのがイヤになってくるでしょ。追い出そうとしてるんだったら暴力的だし、遊んでるつもりだったら無神経だよ」
途中で遮ったら続きを言えなくなりそうで、ぼくは一息に告げた。
体の大きな田島に向き合うのは怖かったけど、ここでひるんでいたらぼく自身が次からプールに行くのがこわくなってしまいそうだ。どうせこわいんだったら、飲み込むより吐き出しちゃった方がいい。
「高梁……」
びっくりしたような顔で、内騰さんがぼくを見ていた。ぼくはあんまりクラスのもめ事に顔をつっこむタイプじゃないから、意外だったのだろう。
「もういっぺん言ってみろ」
「嫌がってる人に悪口言うのはやめろって言ってるんだ」
田島が胸を膨らませて、大きく息を吸い込み……
「確かにそうだな、ごめん」
いきなり謝った。
「自分たちが盛りあがることだけ考えてたよ」
「女子も口ではイヤがっても喜んでると思ってた……」
「そんなわけないでしょ」
冷めた目でサツキが突っ込むと、田島は気まずそうに頭を掻いた。
「なんか目が覚めたよ。第三者が意見してくれてよかったよ。ありがとうな」
「う、うん、どういたしまして……」
田島がすっかり改心した様子で、内騰さんにも頭を下げていた。
急に場を収めてしまって、なんだかくすぐったいような気持ちだ。その日は、時間いっぱいになるまえにそそくさと帰った。
●8月8日 ☀時々☁
「ねえ、高梁」
プールから帰るときに、内騰さんから声をかけられた。
「この前はありがと」
「この前?」
なにせ一週間も前のことだったから、ほとんど記憶からなくなりかけていた。最後に内騰さんと会ったのはいつだっけ、と思い出そうとすると、濡れた水着に包まれた姿を思い出して、口ごもってしまう。
「ほら、男子に色々言われてたとき。助けてくれたでしょ」
「助けたってほどのことはしてないけど」
「いいから。ちょっと来て」
そう言って、内騰さんはスタスタ歩き始めてしまった。
頭の両サイドで結んだ髪が熱っぽい空気にのなかでひらひらと揺れる。ツインテールってやつだ。
ワンピースのスカートは、ふわっと広がるラインを描くタイプだ。もしかして、下半身の形がわかりにくいようにしているのかもしれない。
「はやく」
「あ、うん」
なんだかウムを言わさぬ雰囲気におされて、言われるがままいついていく。プールのあとだから、内騰さんの体からはほんのり塩素の香りがした。
「内騰さん、どこ行くの?」
「サツキでいいから」
肩ごしにちらっと流し目を向けて、内騰さんがついてくるように示す。
「私、お姉ちゃんいるから。だから、まわりはサツキって呼ぶから……そう呼ばれたほうが自然っていうか」
「サツキ……さん」
「サツキでいいから」
なんだかぎこちない会話をしながら、ぼくらは歩いていった。
内騰さん……もとい、サツキは大通りのわきの雑木林のほうへ曲がっていった。そのまま、ずんずんと木々のなかに入って行く。小高い丘のようになってるみたいで、上り坂だ。
狐にだまされているんじゃないかしら……と思いながら、ぼくらは坂をのぼっていった。
頭上を木々の枝が覆う、暗い道を進む。サツキのほうを見ると、自然と見上げる格好になった。
影になった緑の向こうに、きらきら輝く白い色が見えた。勾配を登りきるとぱっと群青が広がって、白く見えたのは入道雲だったことがわかった。
川が流れていた。どこかから流されてきた砂利が一面にあった。
その川のそばに、木とトタンで組まれた小さな小屋があった。ドアがついていたのだろう場所はひらきっぱなしで、そこをサツキがひょいっとくぐった。
「ここ、ほら来て」
いまでも彼女の目的がよくわからないまま、ぼくはそのあとを追いかけていった。一緒に、小さな小屋に入る。
「こういうの、釣り小屋って言うんだって」
ぼくたちふたりが一緒に並んだら、手狭になってしまうくらいのスペースだ。小屋っていうけど、もっと狭い。箱って感じだ。
「涼しい」
「うん。日差しが遮られてるから。ここから釣りしたらしいんだ」
言われてみれば、川に面しているほうの壁がない。ここで座って釣り糸を垂らして、のんびりしてたんだろうか。
「この辺、昔はキャンプ地だったらしいんだけど、お客さんがいなくなっちゃって。こういうのだけ残ってるの」
サツキさんはどことなく自慢げにそう言った。川辺にきらきら反射する光で、本当に輝いているみたいだった。
「ここに連れてきたかったの?」
「そう。ときどき、ひとりになりたい時に使ってたんだけど、高梁も仲間に入れてあげようと思って」
「秘密基地みたいだ」
「高梁もそういうの好きなのね」
「好きって言うか……いや、うん、好きかな。ワクワクする」
「特別だからね」
「う、うん」
どういうつもりでぼくを特別な場所に招き入れたのかはともかく、ぼくはすっかりここが気に入っていた。
涼しくて静かなところだ。それ以上に、ふたりだけのヒミツってことに、なんとなくドキドキしていた。
その後は、これどころじゃないヒミツを共有することになるんだけど……。
「用はそれだけ! ねえ、明日もここに来てよ」
「え……なんで?」
「やることがあるから。高梁の協力が必要なの」
「いいけど……どうせ、やることないし」
「じゃあ、決まりね」