絵日記に書けないこと 安産型JS同級生サツキちゃんと夏休みのあいだ秘密基地でイチャイチャ 作:五十貝ボタン
●8月17日 ☂
雨降りだから、今日もサツキには会えない。
会いたいと思うと、喉の少し下がうずく感じがする。それがやけに気に掛かって、落ち着かない。
ゴロゴロしたり、ゲームをやりかけたり、宿題をやりかけたり……結局何も手に着かないまま夜になってしまった。
寝る前のトイレから部屋に戻るとき、両親の会話がふと耳に入った。
「転勤になりそうだ」
「うそ、こっちで安定してきてるのに」
「派閥争いのせいかな。部長が替わっただろ。それで……」
「いつになるの?」
「三月かな。もしかしたら十二月かも。引っ越しの準備をしないと」
「ショーゴがかわいそう」
「今の学校を卒業するまではなんとかこっちに居られるようにするけど……」
最後までは聞いてられなかった。
大人の事情で引っ越しなんて。卒業したあとならいいって問題じゃない。せっかくサツキと仲良くなれたのに、お別れしないといけないなんて……。
●8月18日 ☁
目が覚めてもつらくて悲しくて、すこし泣いた。
サツキに会うと、いつかさよならしなきゃいけないことを考えてしまいそうで、急に会うのが怖くなってしまった。
彼女を傷つけたくないとか、別れがつらくないように距離をとろうとか、そんな言い訳じみたことはいえない。
単に、彼女に伝えるときを先延ばししたかっただけだ。
いつも会う時間より早めに秘密基地に向かって、書き置きを残した。
『しばらく来られないかも ごめん』
サツキはどう思うだろう。胸が苦しくなったけど、それでも顔を合わせる勇気が出なかった。
●8月22日 ☀
秘密基地に行けないまま、再びプールの日が巡ってきた。
さすがに、これ以上は会わないわけにもいかない。ため息をつきながら学校に向かったけど……
「サツキ? 今日は来てないよ」
姿を見かけないので、サツキと仲のいい女子に聞いてみたら、そんな答えが返ってきた。
「そう……なんだ」
サツキはこのプールには必ず来ていたと思うんだけど……何かあったんだろうか。
(もしかして、ぼくのせい?)
一週間も顔を合わせていなかった。その間、どれだけサツキは寂しい思いをしたんだろう。
自分から遠ざけておいて勝手だと思われるかもしれないけど、目をそむけていたことが急に突きつけられたような気持ちだった。
プールで泳いでいる場合じゃない。いても立ってもいられなくて、ぼくはプールから飛び出した。着替える時間も惜しくて、水着のままTシャツだけを着て、走り出す。
真夏の日差しのなかを夢中で走った。汗がどっと噴きだしたけど、止まれなかった。一秒でも早くサツキに会いたいと思った。
なんでいつもの秘密基地に向かったのかはわからない。きっと、ぼくにとってサツキといちばん一緒にいたい場所だったからだと思う。ふたりだけのヒミツだったから。
そして、サツキはそこにいた。それも、なんでなのかはわからない。その後も、彼女に質問することは一度もなかった。
「ごめん……」
汗だくのまま。呼吸もままならないまま。ぼくは頭を下げた。下げた頭からぽたぽた汗が垂れた。
「すごい汗」
サツキはそっとぼくの頭に手を添えて、濡れた髪を整えるように撫でた。
ぼくからは何も言えなかった。無言のまま、見つめ合っていた。
「キスして」
サツキは明らかに怒っているようだった。8月1日に不満を表明した時と同じ顔をしていた。そんな顔をさせるぐらい寂しくさせてしまったんだと思うと、胸の奥が苦しくなった。
「ん……っ」
釣り小屋の屋根がつくる影のなかで、ボクたちは唇を重ねた。まだ呼吸があらくて、鼻を鳴らしながらだったから、はたからみたらきっとみっともなかったと思う。
「ちゅ……っ」
でもサツキはぼくの荒い鼻息なんかお構いなしで、ぎゅっと抱きついて離してくれなかった。それどころか、いつかのように舌をさしだして『大人のキス』を求めてきた。
「ふ……っ♡ んちゅっ♡ れりゅ♡ ちゅ……はむ、ん、っちゅ♡」
今まで会えなかった気持ちをぶつけてくるみたいに、サツキは強く吸いついてぼくの舌を求めてくれた。少しかわいた口の中が、サツキの唾液で濡らされていく。
「ん、っちゅ、んっ……♡ どうして、来てくれなかったの?」
キスの合間に問いかけられる。サツキはぼくの背中をぎゅっと抱いて、絶対に離さない、って伝えてるみたいだった。
「ぼく、引っ越すことになるかもしれなくて……そうなったら、もうサツキと会えないから。会うとつらくなると思って」
言葉にすればそれだけだったのに、今までずっと言えなかった。なんてバカなんだろうと思った。
「会える時間が限られてるんだったら……それまで、ずっと一緒に居たい」
サツキはますます怒って、ぼくをレジャーシートの上に押し倒した。大きなお尻がぼくのお腹の上に乗せられる。
「どうしたら許してもらえるかわかる?」
ぼくの肩を押さえ込むようにして、上からにらまれる。薄暗いなかで、サツキの大きな瞳がきらきら輝いていた。
「ごめん……」
「そうじゃなくて」
野暮なぼくをとがめるように、サツキが体を揺さぶる。
「……好き」
「……♡」
そのまま、唇をぴったり押しつけられる。ちゅ、ちゅ、と柔らかい唇が触れあい、お互いの汗に濡れたシャツがこすれ合う。ほんのり膨らんだ胸の感触。ミルクのにおい。2人の熱気が釣り小屋の中に広がる。
「貴重な夏休みの時間がムダになっちゃったんだから。いっぱい会えるように、宿題も終わらせたのに」
「ごめん」
「謝らなくていいから、もっと言って」
「好き。サツキ、好きだ」
「んっ♡ ちゅ♡ はむ、んちゅっ♡ れりゅ♡ ちゅ、あむっ♡」
夢中になってキスを繰り返す。さすがにくらくらしてきた頃に、サツキは体を起こして麦茶を飲ませてくれた。冷たくて、お腹にしみこんでいくのを感じた。
「あっ」
ふと、サツキがスカートをまくり上げた。
「濡れちゃった」
「水着のまま来ちゃったから……」
白いパンツに、ぼくの水着から移った水でシミができていた。サツキはそのままあっさりと、それを脱いでしまった。
「今までのぶん……してくれる?」
ぷっくりとした割れ目から、うっすら濁ったものが垂れて、白い腿から褐色の膝まで伝って行った。
甘いミルクのにおいとは違った、濃い香りが漂っていた。サツキがぼくを求めてくれている香り。大きく頷いて、ぼくも履きっぱなしの水着を脱いだ。もちろん、もう大きくなっている。
「ここ……わかる?」
スカートを腰までたくし上げて、サツキが足をそっと開いた。ぴったり閉じていたそこに指をかけて広げる。白い肌の間からイチゴ色の粘膜が見えた。とろっと濡れて、ひくついて動いてる。
「うん……すごい。えっちだ」
「言わなくていいからっ」
ぼくは大急ぎでゴムを着けた。コンドームの箱は、買ったときからずっと秘密基地に置いてあった。あとから考えるとよくないけど、2人とも家に持って帰るのは恥ずかしかったからだ。
「サツキ……」
「来て、ショーゴ」
ぼくのがあんまりにも硬くなってるから、なかなか角度が合わなかったけど。指で無理やり押さえて、サツキの小さな穴に先っぽを触れさせる。
ゴムの表面についたローションと、サツキの天然の分泌液に任せて、ぐ、っと腰を進める。
「っ……!」
苦しそうに、サツキが体をこわばらせる。入口は小さくてキツくて、本当に入るのか心配になるくらいだった。
「ぎゅってしてて」
ぼくは返事ができないくらい興奮してて、夢中でサツキを抱きしめた。サツキもぼくを抱き帰して、シャツがなかったら背中に爪が当たってたと思う。
「サツキ……」
「いい、よ、入れて……っ」
先に当たる抵抗感が増す。先っぽがほんの少しだけ入った状態でお互いに呼吸を合わせて、ぐ、っと腰を突き出して……その抵抗感を越えて、ぼくはサツキの温かい体の中に入っていった。
「ぁああっ♡ 硬い、のが……入って……っ、ぁああっ♡」
今まで以上に大きなサツキの声が小屋の中に響く。でもぼくにもそんなことを気にしてる余裕はない。熱くて柔らかい感触に包まれて、ぎゅうっと締めつけられる。腰から下から力が抜けそうで、必死にサツキに抱きついていた。
「サツキ、すご……い、きもちいい……っ」
「うれしい♡ ショーゴ、私も♡ ぁあっ♡ ショーゴが、ナカに、感じてるっ♡」
もっと気遣いたかったけど、すっかりぼくは夢中になって、十秒も立たずに腰を動かしてしまっていた。あまりの快感と感動で、ほとんど覚えてないくらい。いつの間にか、レジャーシートの上で体を擦り合わせるみたいに前後に揺り動かしていた。
「あっ♡ あっ♡ ぁあああっ♡ ショーゴ、ショーゴ♡ 硬い、熱いっ♡ ぁ、あっ♡」
体をぴったりくっつけて、全身でサツキを感じていた。真夏の日差しを浴びた岩に抱きついてるみたいに熱くて、それなのに柔らかい体。サツキの唇と舌の間に唾液が伝ってぷつっと途切れるのが見えた。甘いミルクの香りより、甘酸っぱい汗のにおいのほうが強くなっていた。
「サツキ、好きだ。サツキ、好き……!」
夢中になって、同じことばかりを繰り返していた。名前を呼ぶたび、サツキのナカがきゅうっと締めつけて、好きだって囁くたび、熱い蜜が奥から溢れて来た。
「好きっ♡ 私も好きっ♡ 大好き♡ ぁ、ぁ、あああっ♡」
感極まったみたいに涙をにじませながら、サツキは喉をそらした。日焼けした首元を汗が流れ落ちていく。
夢中で腰を突き出して、また引いて……サツキの大きなお尻が受け止めてくれてるみたいだった。床との間で弾んで、ぎゅうっ、とぼくを包んでくれる。浮き上がったサツキの足がピンと伸ばされて、締めつけもますます強くなっていった。
「も、ぅ、ぼく……」
「うんっ♡ いいよ、ショーゴ、気持ちよくなって♡ 私のナカで出してっ♡」
ぼくの脳裏をくすぐるような甘い声。ぐ、ぐ、っとくり返し腰を突き出して、サツキのナカに思いっきり突き刺しながら……腰が蕩けるような絶頂が、一気にわき上がっていった。
「サツキ、出る……っ、ぁああっ!」
どくんっ! どく、どく、どくっ! びゅる、びゅくっ! びゅるるるるるっ!
「あぁああぁぁぁっ♡ くうううっ♡ ぁあああああっ♡」
お互いに夢中で抱きついて、びく、びくっ! と体が震える。サツキのナカがうねって吸いついてくるみたいだった。ゴムがなかったら、本当に溶け合ってくっついちゃうんじゃないかと思った。
「はぁ……はぁ……」
「すご……ぉい♡ こんなに、きもちいいなんて、思ってなかった……っ♡」
濡れた瞳でぼくを見つめながら、甘えるような、惚けたような顔でサツキが囁く。
「うん……今までのナカで、いちばん、いっぱい出たかも……」
熱でやけどしそうなくらいだった。離れたくなかったけどゆっくり体を起こす。
お互いのシャツはすっかり汗で濡れていた。特に下になっていたサツキはぞうきんみたいにしぼれそうなくらいだ。
「乾かさないと。ぼく、その……コンビニで、飲み物買ってくるよ」
「水筒だけじゃ足りなさそうだもんね」
ゴムを外したあと、サツキがウェットティッシュでぼくのおちんちんを拭いてくれた。水着を着てきたおかげで、ぼくのパンツとズボンは無事だ。シャツが濡れてても、そんなに変じゃないだろう。
「そしたら……今度は後ろからする?」
シャツとスカートを脱いだサツキが、丸いお尻を揺らしてイタズラっぽく囁いた。
「……うん」
初めてシたばっかりなのに、我ながら遠慮がない。
「じゃあ、またゴムも買ってきてね」
「そ、そんなに使い切れるかな?」
「今日だけじゃなくて、夏休みが終わるまで、これからいーっぱい使うから……ね♡」
●8月31日 ☀
サツキの言うとおり、ボクたちはほとんど毎日いっしょにいた。
けっきょく、ゴムはいくつ使かったんだろう? 2人のお小遣いがほとんどなくなったと思う。
ちゃんと宿題も終わらせた。心配をかけるわけにはいかないから。
でも、夏休みが終わるのはゆううつだった。いつか同じように、サツキと一緒にいられる時間も終わっちゃうんだと実感させられるみたいだった。
夕食のとき、ぼくが元気がないことに気づいたお父さんが声をかけてくれた。理由を聞かれたから、
「だって、引っ越しするんでしょ?」
って答えた。
「あ……聞こえてたのか?」
「うん」
お父さんはバツが悪そうに頭を掻いていた。
「そのこと、ナシになったんだ。お父さんがこっちにいたほうがいいって、田島部長が言ってくれて……」
●9月1日 ☀
「なーんだ。エンキョリも覚悟してたのに」
始業式の日。引っ越しはしないってサツキに伝えたら、「損した気分」って言われてしまった。
「ごめん」
「もう、謝らなくていいって」
帰り道、ぼくたちは手を繋いで校門を出た。みんなに冷やかされるかもって思ったけど、サツキに「いいから!」と押し切られてしまったのだ。
「じゃあ、これからもずっと一緒に居られるね」
「うん」
分かれ道に差し掛かると、サツキはぼくにそっと耳打ちする。
「また後で、秘密基地で、ね」
そういうわけで……
これが、ぼくたちがふたりで
「ノクターンノベルズ」に投稿した作品をこちらにも投稿しました。
ノスタルジックなインピオがテーマです。
本編には書き切れなかったのですが、ショーゴがたびたび感じている「ミルクのようなにおい」はサツキが使っている日焼け止めのにおいです。
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