【弟が】うちの姉ちゃん一度寝たら起きないんだぜ!【こんなこと言ってる件】 作:破戒僧
Side.田澤裕一
「こんにちは、田澤裕一さん。ちょっと今、お時間よろしいかしら?」
「えっ?」
下校途中、友達と別れて1人になって歩いていたところで、ふいに声をかけられた。聞き覚えのない、若い女性の声だった。
キャッチセールスか何かかな、と一瞬思ったけど、それならいきなり俺の名前を読んできたのはおかしい。ちょっとだけ、警戒心が湧き上がる。
一体誰だ、と思いながら振り向くと、そこにいたのは……見覚えのある人だった。
確かこの人は……そうだ、あの日、母さんの実家から来ていた人達の1人だ。スーツをびしっと着こなした、キャリアウーマン風の美人さん。名前は知らないけど。
とか思っていたら、その人はポケットから名刺入れを取り出して、
「初めまして……でもないけれど、一応自己紹介させてもらうわね。私は、鶴巻渚。畠山家当主、畠山修二郎の秘書をしている者です。田澤裕一くん、あなたの今後について、相談と提案をするために来ました」
母さんの話で、畠山家……母さんの実家が、俺達に対してとんでもなく身勝手な話を持ってきているっていうのは知っていた。
なので、『話すことはありません』『いきなり来られても困ります』って言ってさっさと帰ろうとしたんだけど……相手は、こっちが予想していたよりだいぶ強引だった。
暗に、『話を聞いてもらえないと、学校に顔を出すかも』なんて言い出した。
普通に考えたら、そんな家庭問題を学校に持ち込んであれこれ要求するとか、逆にそっちの方が不審者ないし邪魔者扱いされるだろ、と思うんだけど……逆に、家庭の問題だからこそ学校に相談して、先生からもそれとなく話や相談を聞いてどうこう、なんて持っていかれ方をする可能性もあるし……友達を巻き込んで迷惑がかかるかもしれない。それは困る。
……後になってから聞いたんだが、同じような手口で姉ちゃんも『畠山家』の人の話を聞かざるを得なくなってたんだと。本当に迷惑な奴らだな。
仕方ないので手早く済ませてもらうことにして、話は聞いた。
『立ち話もなんだから車で』とか言われたけど、それはさすがに断った。車になんか乗せられたら、どこに連れていかれるかもわからない。そこまで不用心じゃない。
そう言うと、意外なほどあっさりその人……鶴巻さんは引いて、他の人の目もあって物騒なことはできないであろう、オープンなつくりの喫茶店に連れていかれた。
そこでの話は、まあ予想通り、ではあった。
畠山家にもらわれればこんないいことがあるとか、今のままでは将来は苦しいものになるとか、そういうのを並べ立てて、俺に『畠山家に入る』ということについて、ウンと言わせようとしてくる。
俺のことも多少なり調べてるんだろう。陸上競技を続けるにも、金銭面や設備面、人脈面でも万全のバックアップができるとか……そういう、買収するような方向の餌もぶら下げてきた。
あと、俺の考えすぎだったら恥ずかしいんだけど……なんだかその鶴巻さんは、スーツなのに妙にスタイルが強調されているように見えてた。
服の上からでも分かるたわわな胸とか、引き締まったウエストや腰の括れとか、きれいで艶めかしいラインのお尻とか……
思わず目が行ってしまったことが何度か……気づいていないのか、気づいてて特に気にしていないのか、何も彼女には言われなかったけど。
色々わき目を振らざるをえないような、刺激的なものを見せられつつも、要求にはきっぱり『NO』を返し続け、その日は終わった。
けど、『また来るわね』と言っていたあたり……諦める気はさらさらなさそうだ。
同じようなことが、日を隔てて何度か繰り返されたけど、俺は毎度『NO』を返し続けた。
そのたびに、鶴巻さんは少し残念そうな顔はするものの、食い下がったり、口調を荒げたりすることはなく、毎回すんなり引いてくれた。
時間はそこそこかかりはするけど、特に断るのに苦労しているわけでもないので、これならそこまで警戒しなくても大丈夫なのかな、と思っていた。
……この時は、まだ。
☆☆☆
何度目かの『相談と提案』の時、今までと少し違う点があった。
その日連れていかれた店は、少し混んでいて、向かい合って座れるような席が空いてなかった。
そのため、カウンター席に並んで座ることになったんだけど……割と隣の人と椅子の距離が近かったので、少しドキッとしてしまう。
ふわっと弱い風に乗って、彼女の……なんていうか、いい匂いが鼻に届いた。
香水の匂いかな? どんな奴だろ……いや、全然そういうの詳しくないから、聞いてもわからないだろうけど。花っぽい匂いだってことくらいしかわからん。
それでも、大人のお姉さんとこんな間近で話す機会なんてそうそうないから、どうしてもドキドキしてしまう。
しかもその日、その店は空調の調子が悪いらしくて、少し蒸し暑かった。
そのせいで鶴巻さんが、『ちょっと上着を脱がせてもらいますね』って……ワイシャツ姿になって、スーツを着てた時よりも、体のラインがよく見えた。
目を凝らすと、うっすらとその下の下着みたいな線まで……と、そこに至ってはっとして、俺は慌てて目をそらした。
何を俺は、赤の他人の透けた下着なんかガン見して……気持ち悪がられたらどうするんだ。
恐る恐る見てみると、ちょっとばつが悪そうに、しかし同時に面白がるようにニヤニヤと笑っている鶴巻さん。……どうやらしっかりばれてしまっていたらしい。
「え、ええと……その、すいません」
「いいのよ、気にしなくても。私がはしたないのがいけないんだもの。同僚からもよくそんな風に言われてるから、慣れてるわ。見たければご自由にどうぞ?」
なんて言われたものの、そう言われて『じゃあ遠慮なく』なんて見れるわけもない。
いつもよりだいぶ落ち着かない感じになってしまいながらも、問いかけにはきちんと『NO』を返し続けておいた。
……後になってから考えたんだけど、今日のこれって、姉ちゃんが前に言ってた『ハニートラップ』って奴……か?
いやでも、喫茶店が込んでたこととか、偶然空調が故障中だったこととか……色々単なる偶然でそうなってた部分もあったし……考えすぎか。
むしろ、そんな風に考えたせいで妄想逞しいとか思われても嫌だな……気のせいってことにしとこう。
次からはまた元に戻って、普通に話して普通に断る繰り返しが始まるだろうし……
……そんな俺の考えは、実のところ、甘いとしか言えないもので。
気づいた時には、もう俺はほとんど罠に誘い込まれてしまった後だった。
……いや、そうなってもなお、はっきりとは気づけていなくて、危機感も足りていなかったような気すらする。
そのくらいに鶴巻さんは巧みで、周到で……けどそれ以上に、俺が馬鹿で、サルだった。
☆☆☆
別なある日、鶴巻さんはいつものスーツがクリーニング中だからと言って、胸のあたりが大きく開いたデザインのそれを着てきた。
別に露出が多いわけじゃない。ちゃんとワイシャツ着てるし。
けど、ワイシャツもスーツもいつもの奴より薄手なのか、よりはっきりとボディラインが見えたような気がして、受け答えがしどろもどろになりがちだった。
その次の『相談』の時には、いつものスーツに戻ってしまっていて……俺は、もちろん言葉には出さないけど、内心でがっかりしてしまっていた。
……それがしっかり鶴巻さんにもばれてて、『次からはいつもこの間の服で来ましょうか?』なんてからかわれてしまった。
そのさらに次の回。
鶴巻さんはやっぱりいつも通りのスーツで来た。
……少しだけ期待して待ってしまっていた自分が恥ずかしかった。
☆☆☆
また別なある日。今度は休日。
買い物帰りに、なんか予想外の光景に出くわした。
休日にまで俺を迎えに来たと思しき鶴巻さんが……ナンパされていた。
絵にかいたようなチャラ男……とまではいかないけど、いかにも『僕達不真面目です』って感じの2人組の男に絡まれてた。
『人を待ってるので』ってどうにか断ろうとしつつも、しつこく食い下がられていた鶴巻さんだが、遠目に俺を発見すると、
「もう、遅かったじゃない裕一! お姉ちゃん待たされすぎてナンパされちゃったじゃない! 罰としてアイスおごりなさいよ!」
って走ってきて俺の腕を抱きしめ、そのまま引っ張って走り去る。
ナンパ男たちの、『ちょ、ちょっと待ってよ!』という声に耳を貸すことなく。
俺も何か言おうとしたけど、腕から感じられる鶴巻さんの胸の柔らかい感触が、もう、なんか、鮮烈で……他のことを考える余裕がなかった。
そのまましばらく走って、ナンパ男たちを完全に撒いた後で……
「いきなり小芝居に巻き込んで大変申し訳ありませんでした……」
深々と頭を下げて詫びられた。
すごく気まずそうな表情になってるので、やっぱ演技ではないんだろうな……と思った。
むしろ、その頭を下げた際に強調される形になった大きな胸に目が行って……さっきまで触ってたんだよな、と思うと、頭の中にまた余裕がなくなっていった。
お詫びのつもりなのか、その日の『相談』は、いつもより短い時間で終わってくれた。
あと、アイスはむしろおごってもらった。
☆☆☆
また別な日……
「何もこんな日まで『相談』に来なくてもいいんじゃないですか!?」
「いや、私も、正直こんなことになるとは! さっきまで晴れてたのになぜ……!」
ゲリラ豪雨みたいな大雨の中で。
大声で話さないと声も聞こえないようなざあざあ降りで、傘さしてても余裕で横から入ってきてる。しかもこの上まだだんだん強くなっていってる気が……
学校出た時には小雨だったから『急いで帰れば行ける』と思ったんだけどな……
ずぶ濡れになって最悪風邪ひくのも覚悟しなきゃいけないかと思いつつ、少しでも早く家に着くために走っていた時に、前方に傘さしてずぶ濡れになってる鶴巻さんを見つけて、目を疑った。
「―――! ―――!」
「え? 何ですか聞こえない!」
鶴巻さんが何か言ってるけど、雨の音にかき消されてしまう。
すると彼女は、俺の近くに歩いてきて……というか、キスできるくらいの距離まで顔と顔を寄せてきた。
ドキッとする俺にかまわず、鶴巻さんは耳元に口を寄せると、
「このままだと2人とも風邪ひいちゃいますから、いったん車の中に入りませんか!? ここらへん雨宿りできそうな店とかもないですし!」
「それは、そうしたいですけど……でも、車か……」
「大丈夫ですよ心配しなくても、ハ〇エースしたりしませんから! なんだったら私運転席には座らないようにしますから、それならいいでしょ! ホントに風邪ひきますよ!」
確かにこのままだとマジでそうなりそうだと、俺も実は思っていた。
なので仕方なく、近くの空き地みたいな場所に止めてあった彼女の車に乗せてもらう。
いつもそうではあるけど、彼女は1人で、車も自分で運転してきたらしい。それなら、彼女自身が車に乗っていなければ、いきなり発車してどこかに連れていかれるような心配もないか。
ただその代わり、俺と彼女がどちらも後部座席に座ることになったけど。
密室で、こないだの喫茶店より距離が近い……。車自体小型だから、動けるスペース自体小さくて……。
雨で流されてしまったせいか、この間みたいないい匂いはしないけど、代わりにずぶ濡れなせいでワイシャツが思いっきり透けてる。下着がほとんど丸見えだし、体に張り付いてボディラインが丸わかりだ。
しかもその状態で上着脱ぐもんだから、目のやり場に困る……とかいいつつ目が離せない……!
そんな俺にかまわず鶴巻さんは、タオルで濡れた体をふいている。
俺にも『よかったらどうぞ』と1枚くれた。ふかふかで……いい匂いがする。
……ワイシャツの下から手を入れて、その内側の……気のせいでなければ胸の下とか谷間とか拭いてるように見えるんだが……ち、ちょっと無防備というか、不用心すぎるんじゃないか?
もしかしてこれもハニー……いや、雨が降ってきたのは完全に偶然だろうし、それはないだろ。天候を操れるわけもないし……いやでも、実際俺はこうして余裕がなくなってるわけで……
「前にも言いましたけど、見たいなら遠慮しなくてもいいんですよ? 私は気にしませんから」
「い、いや、その……」
しっかりばれていたことにまた顔が赤くなるのを感じつつ、俺は目をそらす。
「それにしても、すごい雨ですね……もしよければ、このままお家までお送りしましょうか? さすがにこの天気だとやむを得ないと思いますけど……私も風邪ひくの嫌ですから、今日は『相談』はお休みってことにして。何度も言いますけど、裕一さんは畠山家にとっても大事な人なんですから、失礼なことや危険なことなんかしませんよ?」
『ハイ〇ースとかね』とからかうように言う鶴巻さん。
そうしてもらえるなら、正直助かるけどな……雨、全然止むどころか弱まる気配もないし。
スマホでちょっと調べてみたら、長い所では2時間以上続くとか出ていた。さすがにそれだけ待ってると遅くなるし、そのあとまた振り出さない保証もないんだよなあ……。
「そんなに警戒しなくても、裕一さんは体も鍛えているんだし、いざとなったら私みたいな非力な女1人くらい、逆に取り押さえるのも簡単でしょう?」
「えーと、それはまあ……でも……まあ……」
「……というかむしろ、警戒すべきなのって私の方よね、裕一さんじゃなくて。だって私、今裕一さんに襲われたりしたら、抵抗できずに何されちゃうかわからないもの。やだぁ、怖い♪」
「し、しませんよそんなこと! 何言ってんですか!」
「あら残念、してくれてもよかったのに」
「な、っ……!」
どこまで本気なのかわからないことをこの人はいつも……
危機感ないんだろうか、むしろホントに襲ってやろうか、なんてアホなことを考えていた俺だったが……ふいに鶴巻さんが、何かに気づいたような表情になった。
その視線はなぜか、俺の方を……しかし、顔じゃなく若干下の方を向いていて……
「……っっっ!?」
その視線を追って、下腹部に目をやった俺は……初めてそこで、自分が勃起してしまっていることに気づいた。
学校の制服のズボンを内側から押し上げて、盛大に変形させている。言い訳のしようもないくらいに見事なテントができていた。
まずい、と思って顔を青くする俺だったが、鶴巻さんはしばしきょとんとして見ていたかと思うと、ニヤニヤといたずらっぽい笑みに変わって、
「それ、私のせいでそうなっちゃったんですよね? ふぅん……そうなんだ? 私なんかで、興奮してくれてたんですね」
そして、少しだけこっちに身を乗り出すようにして、
「ねえ、裕一さん、もしよかったらですけど……それ、大人しくさせるの、手伝いましょうか?」
「えっ!?」
ホントに何を言い出すんだこの人は、と思った。
今まで見たく冗談じみて言ってくるのとは、状況が違う。自分で言うのもなんだけど……男が、こんなに分かりやすく、はっきりと性欲をあらわにしているところに、そんな風に言って……本当に襲われても文句言えないぞ。
……それとも、本気でそう言って……
あるいは、襲われてもいいとすら思って……? い、いやいやいや、そんなまさか……
しかし、鶴巻さんは『冗談ですよ』とか言ってくれる気配はなく……それどころか、なんと俺のテントに指を這わせるように触れて来た。
不意にもたらされた刺激に、びくん、と愚息は馬鹿正直に反応してしまう。
本気だ、と理解させられた。本気で言ってる、と。
俺がウンと言えば、この人は本当に『手伝って』くれる。
もちろん、ここでそんな風にうなずくのはバカのやることだ。
まさかつい最近会ったばかりの人が、俺にそんなことをやっていいと思えるくらいに好意を抱いてくれるはずもない。確実に何か目的あってのことだ。
これこそまさに、姉ちゃんが言ってたハニートラップじゃないか。
雨に降られたのはもともと偶然だろうけど、それを生かす形でここまで持っていったのだと考えれば説明できなくもない。
あるいは別の可能性として、彼女自身がそういうの大好きで躊躇いがないから……とか?
エロ漫画やエロゲーでしか見たことないような都合のいい性格だけど、世の中にはそんな風に、性的な行為へのハードルが低い子や、スポーツ感覚の子もいるらしいし……もしかしたら鶴巻さんもそうなのかも。可能性はなくはない。
しかしどちらにしたって、後からめんどくさいことになるのは確実だ。
繰り返すが、こんな場面で欲望に負けて頷くなんてのは、バカのやることである。
……そして、俺はバカだった。
☆☆☆
さすがに、そのままセックスが始まるわけじゃなかったけど……鶴巻さんは俺のズボンのチャックを開けて、中から勃起したチンポを取り出した。
うっとりとした目でそれを見て、『すごく立派なおちんちんですね』なんて言ってくれた。
褒めてもらえたのはもちろん、こんな美人さんの口から『おちんちん』なんて言葉が聞こえてきたのも、その熱のこもった視線も、どれもなんだか淫らで、しかし心地よく感じた。
そのまま手でしごいてくれると、俺のチンポはさらにどんどん熱を帯びていく。
初めて自分以外の手で気持ちよくさせられている、その感動で、勃起しきっていると思われた大きさからさらに大きくなっていった。痛いくらいに怒張して、血液が集まってるのを感じる。
すごく気持ちいい。自分で手でするのとは全然違う。
伝わってくる柔らかい、絹みたいになめらかで引っ掛かりのない肌の感触が……そして、程よく全体を刺激してくれる持ち方やしごき方が、どれも新鮮すぎた。
姉ちゃん相手の睡姦以外で女性に触れたことなんかろくにない俺には、完全に初めての感覚。
睡姦のおかげで『それなりに経験はある』とか勝手に思ってたけど、そんな思い上がりを初手から全力でぶっ壊された。
何も知らないガキだったんだと、突き付けられた気分だ。
快感の度合いはともかく、種類が違う。違いすぎる。未知すぎる。こんなの知らない。初めてだ。
「う、あぁあ……っ! つ、鶴巻、さんっ……!」
「うふふっ、できれば……渚、って呼んでほしいな」
それだけでも、そう長くないうちに達してしまいそうな感じだったんだけど……渚さんはさらにその上から、もっと興奮するおまけをつけてくれた。
渚さんは、俺の目の前でスカートの中に手を入れて……何を思ったのか、今自分がはいているパンツを脱いだ。
そしてそれを、俺のチンポにかぶせて絡みつかせて、その状態でしごき始めたのである。
シルクとかだろうか? いかにも高そうで手触りのいい生地が、敏感な肉の棒に絡みついて……しかし不思議と引っかからずに、むしろ適度な刺激になってこすり上げてくれる。
何より、さっきまではいていた渚さんのほのかな体温や、湿り気――あきらかに俺の我慢汁とかじゃないやつ――を感じて……ぐんぐん興奮が高まっていく。
息が乱れて声が漏れても、渚さんは手を止めずにしごき続ける。
気のせいか、目の前がもやもやしてきたような……なんだか、霧や煙みたいなのがかかってるように見え始めた。
車の中なんだからそんなものが見えるはずないんだけど……快楽で脳か目がバカになってるのか?
「ふふっ、いつでも好きな時に出してね、裕一さん」
「あ。ぁあ……ああっ、あ……!」
いつの間にか渚さんは、ワイシャツの前のボタンをはずして開けていた。中に隠されていた大きな胸が……ずっと心の中で、生で見たいと思っていたそれがあらわになっている。
フロントホックのブラジャーも外されていて、その形のいい乳房があらわになっていた。
本能のままに、俺はちんぽをしごかれながら、彼女の胸に手を伸ばした。
ぐにゅっ、と手の中で変形し、信じられないくらいの柔らかさと心地よさが伝わってくる。
彼女は嫌がることも、とがめることもなく、むしろうれしそうに『あ、ンっ……♪』と、魅惑的な声を漏らしていた。
それが後押しというか、とどめになったっぽい。
最近、家の中の雰囲気もあって、あまり姉ちゃんの体で発散できていなかった俺は……性欲も何もかも相当にたまっていたらしい。
次の瞬間には、あまりにもあっけなく、こらえきれずに、白濁がほとばしった。
パンツがかぶさっているせいで飛び散りこそしなかったけど、代わりに渚さんのパンツと手は、あふれ出た大量の精液でドロドロになった。
それを、驚きこそすれど嫌がることもせず、そのままゆっくりとしたペースでしごき続け、渚さんは最後の一滴まで絞り出してくれた。
そして、床やシートに零れ落ちそうになっているそれを……なんと、口をつけてすすった。
じゅるる……と、あからさまで下品にも聞こえる水音を立てて、俺の欲望の白濁が、彼女の口の中に消えていく。
吸えるぶんを全部吸って飲んでしまうと、彼女は手に残った精液もなめとった。
指1本1本を口に含んできれいにして、手のひらや手の甲は下を出してぺろぺろと……
動きというか仕草が1つ1ついちいち色っぽくて、というか精液をなめとっているという行為自体がもう本当にいやらしくて、
気がつけば……
「……! あらら、1回じゃ足りなかったかあ。ふふっ、いいわよ、何回でも」
その後、実に合計4回も手コキで絞り出された俺は、疲れてぐったりとして車のシートにもたれかかっていた。
もし今、渚さんが車を動かして俺をどこかに連れて行こうとしたら、抵抗できない。そのくらい体に全然力が入らなかった。
今までやったことのある、オナニーや、姉ちゃん相手の睡姦とは、全然違った。
起きている女の人に気持ちよくしてもらうのって、こんなにも違うのか……感触だけじゃなく、仕草や、声や、表情があるって、こんなにも興奮するのか……
睡姦と近親相姦の背徳感をはるかに上回る興奮に、俺の体はあっさり音をあげていた。
俺が吐き出した精液のほぼ全てを、啜って舐めて飲み干してしまった渚さん。
彼女は全部が終わると、使っていたせい液まみれのパンツを再びはいた。スカートの中で、ぐちゃ、びちゃ、と水音っぽい音が立っているのが聞こえてきたのは、気のせいだろうか。
「ふふっ、まだほんのり暖かいわ……裕一さんの精液に、私、アソコを包まれてる」
そんなことを言いながら、服装を直してから、運転席に戻る渚さん。
その後は、普通に家まで送ってくれた。
それまでにどうにか動くようになった体をゆっくり動かし、車から降りる俺。
その間際に、渚さんと目が合う。
「これからもどうぞよろしくね、裕一さん……♪」
昨日までは、うんざりしながら聞いていたんであろう、別れ際のその言葉は……今は俺の中に、全く違った感情を掻き立てていた。