【弟が】うちの姉ちゃん一度寝たら起きないんだぜ!【こんなこと言ってる件】 作:破戒僧
「んああぁあっ、いい……お、まんこっ……おちんちん、太いの、入って……ズボズボって、あっ、あうっ……んあぁっ!! もっと、もっと来てぇっ!」
私の目の前で、畠山家の男性使用人達に犯されながら、お母さんは思いっきりよがっていた。
いつもの優しくも厳しくて、凛々しく知的な雰囲気は……その面影はどこにもない。
ただただ、自分を串刺しにして快楽を叩き込んでくれるちんぽに歓喜して、上下左右にひたすら腰を振り、熟れたお尻と乳房をぶるぶると揺らす。
男たちに媚びて、男たちを誘惑して、ひたすら快楽を求め続ける一人の女がそこにいた。
あまりにも際限なく『もっと、もっと』って求め続けるもんだから……おちんちんが突き刺さってる数が1本じゃないことの方がもう多くなってる。
前から後ろから2本差しにされたり、口にも入れられて3本一気とか……
胸も手も好きなように使われて、注がれるだけでなく、飲まされたりぶっかけられたり。
そんな有様でも、お母さんはひたすら喜んでいた。
「へへっ、すげえな裕子様……聞いてた以上の淫乱じゃねえか」
「これだけ無茶苦茶にされてまだ足りないって、正真正銘の色狂いだな。よく今まで我慢できてたもんだよ……これから先、畠山の家に来た後、大変じゃねえか?」
「それは裕子様がか? それともその相手させられる俺達がか?」
「俺達はむしろ大歓迎だけどな!」
「はぁ、っ……もっと、もっと、奥、突いてぇ……!」
言うまでもないけど……こんなお母さん、今まで見たこともなければ、想像もしていなかった。
薬のせいでおかしくなってるのかとか、もしかしたら私を守るためにあえて自分に男たちの注意を向かせて引き受けようとしてるのかとか、色々考えたし、むしろそういう理由であってほしかった。
けど、直感的に違うと悟る。薬はともかく、この母さんは……演技でも何でもない、本当に心からこの輪姦を楽しんでいて、足りない、もっと、と求め続けている。
「驚いたかい、美沙さん? 無理もないな、尊敬するお母さんが、こんな見境なしの色狂いだったなんて……ショックだろうね」
その間ずっと、私は私で雅彦さんに犯されていた
犯しながら、雅彦さんは私に、目の前で起こっていることについて聞かせ始めた。
お母さんが昔、『色々』あって実家と絶縁し、お父さんと超年の差婚をした……というところまでは、私は一応知っていた。
ただ、『色々』の部分は教えてもらえなくて知らなかったんだけど……雅彦さんが語ってくれたのは、まさにその部分だったのである。
お母さんはその頃、堅苦しい家の空気に嫌気がさして反発し、不良と呼ばれるような悪いことばかりやっていた時期があったんだそうだ。
よくない友達とつるみ、悪い遊びをいくつも覚えた。
その中には、女として体を粗末に扱うようなものも当然あったという話で……その時期のお母さんは、とにかく見境なしにセックスしまくっていたのだという。
その頃のお母さんは、筋金入りの淫乱、好き者として知られていた。
不良仲間とスポーツ感覚でヤったり、援助交際で年上のおじ様たち相手にヤったり、未成年とか関係なく飲酒した上で酔っ払って乱交したり……モラルの欠片もないような、爛れに爛れた日々を送っていたのだそう。
ほとんど毎日そんな感じだったことから、経験した人数は100や200じゃ到底きかない。下手をすれば4桁も超えている可能性すらあるとかないとか。
お父さんとの出会いから結婚、そして実家との絶縁を経て、その悪癖は鳴りを潜めていたらしいけど……その根本のところは消えたわけじゃなかった。
今こうして、輪姦されながらも大悦びしている姿がその証拠。
お母さんはむしろ、いつもの凛々しくて真面目で知的な姿こそが演技であり、本性はこの、醜くてあさましくて、淫乱で見境なしな姿なのだ。
そう、雅彦さんは私に話して聞かせた。
そんなの嘘だ、って言いたかったけど、現に目の前で今もお母さんは……
ちょうど、もう何度目かもわからない膣内射精が終わったところのようで、ずるり、と糸を引きながらお母さんの膣内からちんぽが抜き取られた。
そのわずかな間の肉壺の寂しささえ、お母さんには耐えがたいらしい。
膣口からぼたぼたと白濁液をこぼしながら、ふりふりとお尻を振って懸命に男たちを誘惑している。誰でもいいからオマンコに入れて、寂しくて切ないの、と、淫売そのものといった感じのセリフまで、恥ずかしがることなく口にして。
その有様が面白くてか、男たちはあえてその誘いに乗らず、ニヤニヤとそれを見続け……
「ほら、ほらぁ……早く、早く次の人きてぇ……もう準備できてるから、ぬるぬるぐちょぐちょのオマンコで気持ちよくしてあげるからぁ……」
「ねえ、ねえほらお願い、誰でもいいからぁ! 早い者勝ちだから、他の人にとられちゃうよ、いっぱい動いて、締め付けて、気持ちよくしてあげるから……早く、早くきてよぉ……早く、私のオマンコ滅茶苦茶にしてよぉ……!」
「ううっ、ごめんなさい……おばさんのゆるゆるオマンコでごめんなさい、ゆるゆるなのにおちんちん欲しがって生意気なこと言ってごめんなさいぃ……! でも、ダメなの、切ないの……おちんちん入ってないとダメなのぉ……お願いだから、誰でもいいからおちんぽ入れてえ……!」
たっぷりじらして、淫語をこれでもかと吐き出させてから、その雌穴に肉棒が差し込まれ、お母さんは歓喜のあまりそれだけで軽く絶頂したようだった。
それからはさっきと同じ。代わる代わるひたすら犯され、注がれてぶっかけられて塗りたくられて、その全部にお母さんは喜んで……そしてさらにもっと欲しがっていく。
最初にそのお母さんの性欲に火をつけた張本人である、修二郎おじさんは、そんなお母さんを、汚物でも見るような目で見降ろしていたけど、やがておもむろに席を立った。
「おや、お義父さん、どちらへ?」
「これ以上、雌犬の交尾など見ていても仕方ないからな、仕事に戻るとする。お前達、気のすむまで犯して構わんが、後始末はきちんとしておけよ。そんな雌犬でも、明日は畠山の家の一員としてお披露目させねばならんのだからな」
「「「わかりました、当主様」」」
返事を聞いてから、修二郎おじさんはその場から去っていった。
それを見送ってから、雅彦さんは私の体を抱え上げて……背面騎乗位で抱えあげられて突き上げられまくっている、お母さんの前へ持っていった。
そしてその状態のお母さんと、真正面から顔を突き合わせるような体位で犯し始める。
体が動かず、目線も反らせず、否応なしにお母さんの痴態を目にしながら、私も喘ぐことになる。
すると、突き上げる勢いで上下に胸がぶるんぶるん揺れているお母さんは、真正面の、触れられそうな位置にいる私に手を伸ばし……ゆっくりと撫でるように髪を触る。
そしてその直後、
「んぅ……っ!」
「んむ、っ!?」
いきなり私の唇を奪った。
しかもそのあとさらに、私の口内に舌を入れて来て、ディープキスまで……もう何度も何度も精液を飲み下し、すっかり苦い後味がしみついて残ったお母さんの舌が、私の口の中で暴れまわる。
抱きしめられて私とお母さんの胸が、お互いに押し付け合ってつぶれている。コリコリと乳首の感触が切なくて、こすれるたびにしびれるような快感が走る。
「ん……ぷはぁ……」
たっぷり10秒ほども私の口の中を蹂躙して、お母さんは私を開放した。
唇と唇の間に、唾液が糸を引いて生々しく伸びる。
「ちょっと裕子さん、美沙さんがびっくりしてますよ。いくらなんでもいきなりディープキスなんて……我々としては眼福ですけど、親としてどうなんですか?」
「ごめんね、美沙……もうお母さん、何しても全然足りないの、気持ちいいこと全部したいの……だからごめんね、エッチなお母さんでごめんね……!」
「お母さん……っ……!」
目の前にいるのに、その目は私を映していないようだった。
はぁはぁと息を荒げて舌を出し、手で胸をもんでクリトリスをいじって……今しがたまた射精されて注がれたオマンコを、手で勢いよくいじくりまわす。
「ふぅ……そういうことなら、次は僕がお相手しましょうか」
すると雅彦さんは、布団に戻って私をあおむけに寝かせると、寝転がってまたアピールを始めているお母さんの元に行き、そのむき出しのちんぽを膣口に当てがった。
そして、何の躊躇もなく挿入し……『くあぁぁあん!』と嬉しそうに吠えるお母さんを突き上げ始めた。
……この間、私を平然と裕一に貸し出したことといい……ホントに、私に対する誠意とかそういうもんが微塵もないな、この人。
さっきまで私のオマンコに散々乱暴していたおちんちんを、今度は私を放置してその母親の膣内に突っ込んで暴れさせてるとかさ……。
「すごいな……気持ちいいですよ、裕子さん。2人産んで立派に育てたとはとても思えない、すごく具合のいいオマンコだ……美沙さんのお母さんだけはありますね」
「ありが、と、ござ……ぃうんっ! 美沙ほど、若くはないですけどぉ……遠慮せず動いて、もっともっと、気持ちよくなってくっ、だ、さ……んんんっ!!」
案の定喜んで受け止めるお母さん。
すると、さっきまでお母さんを犯していた、男性使用人の人達の何人かが、私の方に歩いてきた。
既に何度か射精してるんであろう肉棒はしかし、もう硬さを取り戻しているようだ。
「雅彦様、こちらの美沙様はどうなさいますか?」
その問いかける声には、隠しきれない期待が乗っていた。
ちらっと見えた彼らの顔には、多分……『母親が絶品だったんだし、娘もさぞ……』とか考えてるんだろうな、とわかる表情が張り付いてる。
しかし、お母さんを抱いている最中の雅彦さんは、その使用人達をじろりとにらむ。
睨まれた数名は、『まずいことを言ったか』とたじろいだけど、すぐに雅彦さんは笑顔に戻り、
「気持ちはわかるけど、それはさすがに許可できないかな。彼女は僕の妻だからね」
「で、ですよね……すいません、馬鹿なことを考えてしまいました」
「かまわないよ。でも……もしも将来、君達の誰かが、何か大きく僕の役に立ってくれるようなことがあれば……その時は、褒美として考えるかもしれないね。皆、これからも励んでくれよ」
「本当ですか!」
「精進いたします!」
私のオマンコ目当てにやるきのあることで……とか考えてたら、そのオマンコが何だか引っ張られる……いや、なめられて、吸われてるような感触が……
「んっ、ちゅるる、れろ、じゅる……はぁ……」
「ちょっとちょっと裕子さん、美沙さんにせっかく注いであげた精液をそんな……まあいいか。安心してくれよ美沙さん、結婚したら、毎晩いくらだって注いであげるからね」
私の股間に顔をうずめて、注がれて中にたまっている精液を吸い出して飲み干しているお母さんを、呆れた様子で見ながら雅彦さんは言っていた。
その数十秒後には、その雅彦さんの射精でお母さんは盛大に絶頂し……真正面にいたままの私に、盛大に潮を噴いてぶっかけた。
……やってることがアダルトビデオよりエロくて、変態で、なんかもう頭あれなんじゃないかってくらいバカっぽいんだけど……コレ、お母さん本当に元に戻るのかな……?
☆☆☆
それからさらに小一時間ほども乱交は続き、とうとうお母さんも体力が尽きて動けなくなったところで、ようやく終わりとなった。
力尽きた母さんは、乱交でできた精液の水たまりに突っ伏すような形で動けなくなってしまい――割と本気で窒息や溺死を心配した――使用人達に笑われながら助け出されていた。
その様子を私も見ていたけど、私は私で、薬はとっくに抜けてるっぽくて、動こうと思えば動けそうだけど、純粋に残り体力がピンチだったので……久々に『狸寝入り』を披露して休んでいた。
というか、今も休んでる。
いつもは、寝てる間に犯されるために、『寝たら起きない女』を演じる手段としてやっていた『狸寝入り』だけど……今回は逆。犯されないためにやっている。
さっき雅彦さんがにらみを利かせて止めたこともあって、寝ている私に手を出そうとする奴はいない。……その分お母さんに行ったと思うけど、本人喜んでたし、まあいいか。
……お母さんの本性がああだったことについては、最初は確かにショックだったけど……もう別に気にしてない。
嫌いにもなってないし、失望もしていない。今まで通り、お母さんのことは大好きだよ。
……というか、私だってたいがいアレな趣味持ってるし……人のこと言えないっていうか……
母さんは知ってて容認してくれてるけどさ、一般人基準で考えたら、『睡姦』だって十分アレな感じだよね。ドン引かれるよね普通に。
だから、ちょっと昔やんちゃしてて、それが今も尾をひいてるくらい、どうってことないよ。うん。
それに、明日は私達を『お披露目』するつもりだったわけだし、ちゃんとお母さんが元に戻る算段もついてるんだろう、たぶん。
じゃなきゃ困るはずだ。まさか、この状態のお母さんを関係各位の前に出して、『この人がこれから我が家の一員になります。手始めに皆さんでご自由にどうぞ』なんていうお披露目にするつもりなわけじゃないだろうし…………違うよね?
……まあ、いずれにせよ、
(……来ないんだけどね、そんな時は、もう)
明日を待たずに……今日これから、全ての決着がつく予定だから。
☆☆☆
そうこうしていると、男性使用人は自分の後始末だけして部屋を後にしていく。
入れ替わりに女性使用人たちが部屋に入ってきて……部屋に充満している性臭に、思わずといった感じで顔をしかめていた。
もう私はずっとここにいて鼻が慣れちゃってる、あるいはバカになってるせいで平気だけど、十数人の男が何十回も射精した部屋だもんね……下手したら異臭騒ぎになるレベルのにおいになっててもおかしくない。
「これ、臭い消せるの?」「やるしかないでしょ……」「ともかくお2人を別室へ……」なんて話し声が聞こえてくる。
すると、女性使用人の中でも体格のいい人たちが、私とお母さんをそれぞれ2人がかり、計4人で抱え上げ、運んでいく。
「奥の方にある霧の間に運びなさい、万が一にも外部の方のお目についてはいけませんからね。あそこなら心配ないでしょう……ああ、その前にこれを」
比較的年配の、そこにいる使用人たちのまとめ役っぽい女性が、お盆に乗せていた急須……いや、水差しみたいなものを使って、お母さんの口に何かを注ぎ込んでいく。
すると、直後にお母さんの目がトロンとし始めて……数秒もしないうちに寝息が聞こえ始めた。
おう、睡眠薬? こんな短時間ですとんと落ちるとか、なかなか強力ですね。
「お色直しの途中で起きてしまうと驚くでしょうし、お疲れでしょうからね。お夕飯までゆっくりお休みいただきましょう。……しかしこれほど早く寝るとは、本当にお疲れだったのですね」
あ、本来はもっとゆっくり寝るのかな?
まあ、マジで体力空になるまで乱交した後だからなあ……瞬殺もやむなしか。
「美沙様はどうしますか? その……すでに眠っておいでですが」
「むせないように、少しだけ注いでさしあげましょう。この薬は、少量を口に含ませるだけでも十分に効果が出ますから。30秒ほど経ったら運んでいっても問題ないですよ」
そう言って、使用人の1人に私の顔をくい、と上に向けさせ、細い注ぎ口を私の口の中にそっと挿入する。そこを通って、甘い味のする液体が口の中に流れ込んできた。
それを口にしばらく含んでいると、すっと意識が遠く………………
遠く…………
……遠く、ならないな? 特に何も起こらないぞ。
まあ元々私、睡眠薬系の薬に耐性あったからな……体質的に。
でも、だとしても私、多少はそういうのが効いて眠くもなるし体もだるくなってたはずなのに……感覚的に何も変化がない気がする。
ましてや疲れてるときなんかは、それで寝てしまうことも十分にあったのに。
しかも最近は、その体質でもどうにもできないくらい強力な薬を連日のように食らってたから……多少の薬には耐性ができちゃったとか? いやいや、そんなマンガみたいな……
まあ理由はどうあれ、眠くならないことには仕方ない。
別にこのまま『狸寝入り』を続ければいいだけのことだ。この際だし、楽させてもらうか。お望み通り部屋まで運んでもらおう……
(……と思ったけど、そろそろじゃないかな……?)
ふと、運ばれながら壁掛け時計を確認すると、時刻は午後3時57分。
聞いていた時間まで……残りあと少し。
私自身がこの家に来て、その場に出くわすことになるってのは、ちょっと予想外ではあったけど……まあいいでしょ。
きちんと彼らがやるべきことは全部やってくれるだろうから、問題ない。
……しいて言うなら、『お色直し』が間に合わなかった場合、この状態の私とお母さんを、不特定多数の人達……しかも多分、男の人に見られることになっちゃうわけだけど……そこは仕方ないと割り切るしかないね。
彼らは、さっきまで私達に乱暴してたような連中とは違って、変なことは考えずにきちんと職務を全うしてくれるだろうし、恥ずかしいくらいは我慢我慢。
そうこうしている間に、別室に通されて、清潔な敷物の上に寝かされた私達。
お湯の入ったたらいが用意されてるところからすると、ここで体をふいて汚れを落として、清潔な服に着替えさせる予定なのかな。
さすがに奥の方まで掃除するのは難しいだろうから、そのへんは多分、起きてから私達がお風呂で夜に自分で……
……と、その時だった。
突如、遠くの方が騒がしくなった気配がして……どたどたと何人もの人が走り回る足音がする。
怒号や悲鳴のようなものまで聞こえ始めて、何事かとうろたえだす使用人達。
今まさに私達の体を清めようとしていた2人――その他は私達を運び終えた段階で片付けに戻った――も、どうしたらいいのかと慌てながら、とりあえず障子を開けて外に顔を出す。
そして誰か他の使用人を見つけたのか、
「な、何かあったんですか?」
「警察です! 突然警察が何十人も押しかけて、家宅捜索を行うと乗り込んできて……」
あ、さっきの仕切り役の使用人さんの声。
「け、警察!? なんでそんないきなり……」
「わかりません! わかりませんが……このままこの屋敷を好き勝手に調べさせるわけにはいきません。いろいろと……見られてはまずいものもあちこちにあります。それらを隠さなければ!」
「は、はい、わかりました……どのようにすれば……?」
「幸いこのあたりは屋敷の中でも奥の方ですから、調べられるのは遅いはずですし、今男衆が表で止めています。その間に、裕子様と美沙様を奥の隠し部屋へ! 『雲の間』と『雨の間』、それに、若旦那様の書斎の隠し金庫の隠蔽も確認しておきなさい!」
「で、ですが私達2人だけでは、美沙様達を運ぶことなんて……」
「だったら他の使用人を探して捕まえて手伝わせなさい! もう時間がない、急いで!」
「わ、わかりました! き、聞こえてたわよね? 私、応援を呼んでくるから、あなたここで裕子様達を見ていて」
「わ、わかったわ、急いでね!」
そう言って、2人のうちの1人は部屋から出て走っていった。
残ったのは、もう1人の……気の弱そうな、小柄な女性使用人1人だけ。
ようやく来たか……日高君に聞いてた、警察のガサ入れ。
午後4時開始って聞かされてた通り……時間ぴったりね。
……しかし、さっきの使用人の上役の人、色々気になること言ってたな……。
隠し部屋とか、隠し金庫とか……ふむ……大方私達が寝てると思ってぺらぺらしゃべってくれたんだろうけど、思いがけずいいこと聞いたかも。
それにこのまま待ってると、私達隠されちゃうみたいね……それで警察の目を逃れられるかどうかはわかんないけど……。
仮に私達を隠せても、あの部屋の掃除とか絶対まだ終わってないだろうし。
……なら、最後にちょっと私も頑張ってみるか。
おろおろと慌てている女性使用人が、私から目を放してふすまの方を向いたその瞬間、私は素早く――疲れてるから俊敏に動けたとはお世辞にも言えないけど――起き上がって、その女性使用人の首に腕を回す。
「えっ!? な……み、美沙、様……何で、起き、て………………きゅう」
驚きながらも首を絞める私を振りほどけず、そのまま崩れ落ちる。
スリーパーホールドなんて初めてやったんだけど、上手くいってよかった……よし、これで邪魔者はいない。
服を着てる時間はない……というか、着てないほうがむしろいいよね。見た目的に。
……よし、覚悟完了。恥ずかしいけど、我慢してやってやらあ!
☆☆☆
警察はもともと、黒い噂の絶えない家として、『畠山家』をマークしていた。
傘下に抱える企業に違法な営業や取引をさせているとか、条約で禁止されている品物を扱っているとか、競合他社を脅迫したり、スパイまがいのやり方で情報や人材を引き抜いているとか……他にも色々と話は聞くものの、証拠がないため動けずにいた。
それがしかし、ある時、突如として事態は動き出す。
匿名のタレコミや、差出人なしの送付物で、いくつもの有力な情報が持ち込まれ始め、それらを元にした捜査の結果、いくつかの案件について、畠山家の関与を裏付ける確たる証拠をつかむことができたのである。
さらにそれを元に、余罪まで残さず拾って息の根を止めるため、入念な準備の上、令状を取って全ての事務所と『畠山家』の実家の家宅捜索を行うことになった。
そして当日、数百人体制で押しかけた警察側に対し、案の定、ヤのつく職業の事務所かと思うほどの威圧感や剣幕で怒鳴り散らして妨害しようとする使用人や黒服達。
しかしその程度は覚悟、ないし予想できていた捜査員たちは、手早くそれらをいなし、過剰に妨害する場合は取り押さえてでも足を進めていく。
そして、いくつかに班別れしたうちの1つの組が、実家の生活スペース側の捜査に入ろうとしていた……まさにその最中のことだった。
「こちら側は畠山家の皆さまのお住まいがあるだけです、お仕事にかかわるものは何もありません!」
「こんなところまで勝手に入られては困ります、お引き取りください!」
「わ、私達が叱責を受けてしまいます……」
「家宅捜索令状は出ています、妨害はやめてください。関係があるかどうかは我々が、実際に確認して判断することです!」
「プライバシーの侵害です! こんな強引なやり方で……後で問題になりますよ!」
家屋側の捜査員達を止めようとしているのは、まとめ役を含めた女性使用人達だった。
ガラの悪い男性相手であれば多少なり強気に出られる捜査員達も、線の細くまだ若い女性達に手荒な真似をするのはためらわれるのか、歩くペースがどうしても鈍る。
ある者は男顔負けの剣幕で毅然として、ある者は弱弱しい困ったような顔で、演技もあれば素の態度も入り混じっているだろう様子で立ちはだかる。
先頭を歩く、この班の中で一番ベテランとしてリーダーを務めている捜査員も、困り果て、どうしたものかとため息をつこうとして……それが喉元でつっかえたかのように止まった。
使用人たちの向こうに見えた光景を見て……絶句した。
「な……!?」
他の捜査員達も一緒になって目を見開く。
その様子に違和感を抱いた使用人達が、何事かと思って振り返ると、そこには……
「っ……み、美沙様!? そんな、なぜ……」
廊下をふらふらとおぼつかない足取りで歩いてこっちに来る、まだ若い少女の姿。
しかもその少女は……服を何一つ纏っておらず、全裸だった。
思わずと言っていい様子で、使用人の一人がつぶやいた言葉は、捜査員のリーダーの耳に届いていたが、それを問いただすことができるほど、彼らにも余裕はなかった。
さらに言えば、そのリーダーをはじめ。捜査員達はここに来る前に、あらかじめ『畠山家』の関係者の一覧に目を通していたが……その少女は、そのリストの中の誰とも顔が一致しない。
ならば部外者? どうしてここに? いやそもそもなぜ裸なんだ? なぜ裸で家の中を歩いて、自分達に見られても隠す様子も何もない?
次々に疑問が浮かぶ中、その少女は歩くのもつらいといった様子で、廊下の柱の一つに寄りかかり……しかし、バランスを崩したか、力が抜けたかのような挙動で、ばたん、と倒れた。
そして、
「……たす、けてぇ……」
か細い、力ない声だった。
しかし、その必死の一言は……捜査員達の耳に、確かに届いていた。
「責任は俺が取る! 全捜査員直ちに押収に取り掛かれ! 確実に何かあるぞ、隠される前に根こそぎかっさらえ! 行け!」
「「「はいっ!!」」」
怒号にも聞こえるほどの声と共に、使用人たちの制止を振り切って一斉に捜査員が奥になだれ込んでいく。
力ない少女の無残な姿を、懸命に助けを求める姿を前にして火が付いた彼らを止められる者は、最早誰もいなかった。
その中の1人……女性の捜査員が、彼女……美沙に駆け寄って助け起こす。
別な男の捜査員が、自分の着ているスーツの上着をかけて裸体を隠し……その際に、少女の体中に明らかに暴行の形跡があることに気づき、ぎり、と奥歯をかみしめて怒りをこらえていた。
「もう大丈夫ですよ。私達は警察です、このままあなたを保護します」
「けい……さつ……?」
掠れた声を口から漏らす少女を、女性捜査員は思わずといった様子で、目の端に涙を浮かべて抱きしめた。
「はい、もう大丈夫です。安心してください、もう……もう、ひどいことはさせませんからね!」
「あ……お、奥に……お母さん、まだ……」
「わかりました。まだ被害者が残されている可能性あり、女性捜査員応援に向かってください!」
このあと数時間にわたって行われた家宅捜索により、畠山家にていくつもの犯罪の証拠が発見された。
それらの中には、確かに畠山家が関与していた、動かぬ証拠が示されて関係者らがうなだれるしかなかったものもあれば……しかし中には、往生際悪く『そんなものは知らない!』と白を切るものもあった。
当然それらが聞き入れられるはずもなく、並べ立てるのも一苦労なほどの数の罪状――その中に、監禁と婦女暴行が含まれていたのは言うまでもない――で、畠山家関係者の多くが逮捕された。
そして、その家の中にとらわれて暴行あるいは脅迫を受けていたと思しき、美沙や裕子、それに裕一は、捜査員達によって保護されたが、暴行に加えて薬物を使われた形跡が確認できたことから、病院に搬送されて検査その他の処置を受けることになったのだった。