【弟が】うちの姉ちゃん一度寝たら起きないんだぜ!【こんなこと言ってる件】 作:破戒僧
過去話……ってほど本格的でもないけど。
では、どうぞ。
私の特技が『狸寝入り』だということを知っている人は、ほとんどいない。
むしろそれよりだったら、『寝たら起きない』という嘘の体質の方を知っている人の方が多い。
そのうちの何人かは、私の体を使うために、それを他言しないようにしている。裕一に、勇作おじさん……それに、今日、というかさっき送ってもらった先輩もだな。
けれど、例外的に……私がこの体質について明かしている人が、全部で2人いる。
そのうちの1人が、この母さんだ。
母さんは、私のこの特技に加えて……それを利用していつも行っている『趣味』のことも知っている。その上で、このちょっと独特(だいぶソフトな表現)な火遊びを容認してくれている。
加えて、薬剤師である母さんは、『万が一のことがあってはいけないから』ということで、仕事の伝手を使って、避妊用のピルを処方してくれている。
それのおかげで、私は毎晩充実した『性』活を行うことができている。
母さんにこれがばれたのは、『睡姦』の趣味を初めて間もない……すぐの頃だった。
あの時はてっきり、ひどく怒られる――怒られるだけで済めばむしろいいかもしれないが――と思って青ざめたんだけど……いやまあ、もちろん怒られはしたんだけど、そのあと最終的に、この趣味を認めてもらえるとは思わなかった。
それどころか、陰ながら助けてもらえるようになるとはもっと思わなかった。逆にびっくりして聞き返しちゃったっけ。『え、マジで?』って。
何でかって聞いたら、どうやら母さんも若いころ、割とハードというか派手に遊んでた時期があったみたいで……なんか、心情的に私のことを理解できるし、強く言えないからだって。
……その当時のことを聞くと、はぐらかされるし、聞かれたくなさそうにするから、今んとこ何もまだ聞けてはいないんだけど。
……多分だけどそのへんの話、母さんが実家から絶縁食らってる理由とも関わりがありそうな気がしてて、正直気になるといえば気になるんだけど……
……まあ、話したくないことを無理に聞くのもよくないよね。
こっちだって、母さんのご厚意には色々とお世話になってる身だし……そのへんはきちんと尊重させてもらうことにしよう。
……けど、気になるなあ……
☆☆☆
Side.田澤裕子
なんだか、いかにも何か聞きたそうな、気になっていそうな感じの視線を後ろから感じる。
まあ、だいたい予想はつくのだけれど。
大方この子はまた、私の若い頃のことについて気になって、けど聞けないからって視線だけ雄弁に向けてきている……というところかしらね。全然隠せてもいないけど。
気になるのも当然と言えば当然だと思う。
何せ、こんな……普通の価値観からしたら、相当特殊どころか、アブノーマル極まりない『趣味』に対して、実の母親である私が理解を示して協力までしてるんだし。
私がこの子の……美沙の性癖に気づいたのは、ある意味偶然でもあり、しかし必然でもあった。
というか、順番が逆だったのよね……私の場合、この子の性癖を知るより前に、『狸寝入り』が得意だって言うことの方を知っていたから。
もともとこの子は、寝たふりをして油断しているところを、『わっ!』と飛び起きて驚かせてくるのがマイブームだった時期があった。
そして、その被害に一番遭っていたのが多分私である。一時期なんか、毎朝そうやってたことがあったからね……寝坊助を起こしに来た私に向かって、声をかけようとした瞬間に……
そんなことが繰り返されたせいで、いつしか私はほぼ百発百中で、この子の『狸寝入り』を見破れるようになっていた。
美沙曰く、『知ってたとしてもコレを見破れるのはお母さんくらい』とのこと。
私の他にもこの子の『狸寝入り』を知っている人はいるけど、その人は見破ることまではできないらしい。
美沙の『性癖』の方を知ったのは……数年前のある晩のこと。
勇作さんが家に泊まりに来た時のことだった。
勇作さんは、私の夫……田澤義治の兄の息子にあたる人だ。
つまりは、美沙にとっては従兄弟にあたる。年がかなり離れているから、美沙は『おじさん』って呼んでいるけど、伯父ではない。
けれど、美沙とも裕一とも仲が良く、2人とも小さいころから可愛がられてなついていた。勇作さんも子供が好きな人だったし、2人をかわいがってくれていた。
主人が高齢であるうちには男手というか、力仕事が得意な人がいないので、たびたびそういう面でお世話になっていた。
そんな勇作さんが、夜中に美沙の部屋を訪れ、激しくセックスしているのを目撃してしまった。
トイレに起きたら物音がするから、あの子がまだ起きているのかと思って見に行ったら……勇作さんが美沙の上に乗って、腰を振って、あの子の中に、いきりたった肉棒が……
美沙は自分からはぴくりとも動かず、寝ているうちになすがままにされているようで……
美沙のことをそんな目で見ていたのか、しょっちゅう泊まりに来るのは美沙を目当てにしてのことだったのか……色々な思いが頭を駆け巡って混乱してしまったけど、中でもショックだったのは……美沙が『狸寝入り』だったことに気づいてしまったことだ。
寝ているところを犯されているんじゃない。寝たふりをして、何も抵抗せず、あえて全て受け入れている。それがわかってしまった。
わけが分からなくなって……私はその夜は、悪い夢でも見たのかと思ったまま、ふらふらと寝床に戻ってしまった。
しかし翌朝、あの子の寝床をよく調べてみると、かすかに痕跡が残っていたから……あれは夢じゃなかったんだと察した。
その次に勇作さんが泊まりに来た時に、私は寝たふりをしてこっそり部屋の様子をうかがっていた。すると、夜中にまたしても勇作さんが美沙の部屋に向かった。
そして、同じように勇作さんは寝ている美沙を犯していた。
そして、美沙はまたしても『狸寝入り』だった。
あの夜1回だけのことじゃない。明らかに勇作さんは、美沙の服を脱がすのから後始末まで手馴れていたし、ゴムまで用意していたあたり準備がよかった。
美沙の方も……勇作さんが来る前にこっそり様子を見に行った時は、ベッドに入ってはいたけど『狸寝入り』だった。多分、この子はこの子で、勇作さんが来るのを待っていたんだろう。
その日の夜、義治さんや裕一には聞かれないように、美沙と2人だけで話して、昨夜のことを問い詰め……美沙は白状して、それが自分の趣味ないし癖なのだと明かした。
そうだと理解しているもの以外には絶対にばれないレベルの『狸寝入り』を生かして、眠っている自分を犯させる。それを、寝たふりをしたまま堪能することが、楽しいのだと。
しかも、勇作さんだけでなく、裕一まで――こちらはまだ当時は、一線を超えるようなことはしていないようだったけど――巻き込んでいると知った時は、もう呆れるしかなかった。
自分はこの子の母親だ。この子がきちんと、健やかに育つように、時にやさしく、時に厳しく指導して、間違った道を歩んでいるのであれば、それを正してやる義務が、役割がある。
この子のこんな……異常だとか、爛れているとかいう言葉ですら表すには不足なくらいの趣味も……注意して、 叱りつけて、やめさせるべきなんだと思った。
……思ったんだけど、いまいち強く言えないのよね……
なぜかって? だって……こういう『火遊び』が好きだっていう、楽しいって言う気持ち……私にもよくわかるもの。
他ならぬ私自身、若いころからそういう火遊びをして、し続けて……そしてここまできてしまった身の上を持っているわけだから。
あまり昔のことを話すのは好きじゃないんだけど……私は実は、地方のではあるけど、それなりの名家の生まれだった。
祖父も父も地元の名士と言われる人物であり、それなりの規模の会社を経営していて、大きな家で裕福な暮らしをしていて……まあ、ぶっちゃけた話が、『お嬢様』だったのである。
もちろん、昨今テレビで見るようなセレブな人達みたいなレベルではないけれど、何不自由ない生活を送ることができていた。
でも、古い慣習やら堅苦しいしきたりなんかに縛られた生き方は、私には窮屈で生きづらくて……年齢を重ねるにしたがって、両親や祖父母に反発し、衝突することも多くなっていった。
平成の時代にもなってから、私の結婚相手まで自分たちで決めようとしていると知ってからは、より一層反発は強くなった。
堅苦しい生活を送らされていた反動からか、はたまた元来そういう性質だったのかはわからないけど――多分後者な気がしなくもない……――わたしは、中学に入ったころから『よくない遊び』を覚えるようになった。
法に触れるようなものではない、ちょっとした子供のやんちゃから入って、しかしいつの間にか、度が過ぎて奔放な夜の遊びにまで……
最初に一回こそ、いくら何でもこんなこと……と忌避感があったけど、1度経験して、膜も破ってしまえば、そこから先は堰を切ったようにあふれ出した欲望に任せるまま。
気が付けば、私は立派な不良少女になっていて……いわゆる『悪い友達』もたくさんできていた。
ほどなくしてそんな『遊び』が家族に知られてしまい、両親祖父母が揃ってぎゃんぎゃんと説教……というかほぼほぼ罵詈雑言の嵐。
しかしその頃には、名家の娘なんていう自覚はこれっぽっちも私にはなかったし、価値観を押し付けて来て私を抑えつけようとするばかりだった彼らに対して、申し訳ないと思う気持ちもほとんど残ってはいなかった。
家の恥として扱われるようになった私は、最低限の外面を保つために、うわべだけはきちんと大事にされているように見えただろうけど、家の中ではほぼほぼ孤立していた。
けど、今更だし私は気にしなかった。
お小遣いも止められてしまったけど、稼ぐ方法なんていくらでもあったし。むしろ、両親達に頼らずに自分で稼いだお金だからこそ、気兼ねなく色々遊べるようになって清々したくらいだった。
……胸を張って自慢できるような方法で、ではなかったけどね。
義治さんと出会ったのは、そんなすさんだ青春の最中だった。
……このエピソード話すと大抵驚かれたり引かれたりするんだけど……あの人は当時、高校生になったばかりの私の、担任だった。
当時もうすでに40近い年齢の、言い方は悪いけど『おっさん』だったのだけど、教育に対する熱意は本物で、生徒達を導いて幸せな人生を歩ませよう、というやる気に満ち溢れた先生だった。
同時に、素行のよろしくない生徒の更生とか指導にも力を入れていて、私もその1人だった。
最初のうちは、口うるさく言ってきて色々細かく注意して来る彼にうんざりしていたけど……不思議と、かつて家族達に覚えたような気持にはならなかった。
きっとそれは……後になってから理解できたんだけど、彼が本当に『私の』将来のためを思って、厳しくも優しい言葉を投げかけてくれていたからだったんだな、と思う。
家族達がしていた注意は、内容は同じでも、徹頭徹尾『家の名誉』だとか、『一族の将来』とかを第一に考えて、私の将来も結婚も、何もかも、そのための道具としてしか見ていなかった。そのために、少しでも利用価値のある駒になるように管理しようとしていただけだったから。
そんな感じで、義治さんのことを、口うるさいけど嫌いじゃない、不思議な先生だと思っていた私は……いつの間にか、彼のことを憎からず思うようになっていた。
『名家のお嬢様』ではなく、『ただの金持ちの不良娘』でもなく、1人の人間として『畠山裕子』――私の旧姓である――を見てくれた彼のことを。
そんな彼との関係が急変したのは、ある秋の日のことだった。
援……もとい、待ち合わせのために夜の街に出ていた私だったが、メールでドタキャンの連絡を食らい、ムカムカした気分のまま帰路に就こうとしていた。
季節はもう冬も近くなっていて、夜の寒さも厳しく、それが余計に苛立ちを募らせていた。
けれどその帰り道、居酒屋から、なんだかおぼつかない足取りで出てきた義治さんを目にして……正直、びっくりした。
普段の態度が態度だったし、こんなところに寄り道せずに家にさっさと帰るイメージあったから。
まあ、でも別におかしくもなんともないんだろうけど。教師ってかなりの激務だって聞くし、そりゃ酒飲んで忘れたい辛いことの1つや2つできるだろうし。
けれど、普段は見られない彼の無防備な……あるいは、弱った姿といってもいいかもしれないそれを目にして、私の中にむくむくといたずら心が湧き上がってくるのを感じた。
ちょうど、そのつもりだったのを直前に辞めさせられて、ムラムラが行き場を失っていたのもある。
後……日頃多少なりともお世話になっていて、憎からず思っている彼が相手であれば、まあいいかな、なんて思えたのも確かなわけで……
そして私は、軽い感じで義治さんに声をかけ、驚く彼の手を取って、口八丁手八丁で丸め込み、そのままぐいぐい引っ張っていき……
翌朝、ホテルの一室で一緒に目を覚ましましたとさ。
最初こそ『生徒と関係を持ってしまった……』って自己嫌悪になっていた義治さん。
まあ、色々な意味で思いっきりアウトだもんね……生徒と教師っていう関係もそうだし、仮にそれがなかったとしても、当時もう40近い年齢だった義治さんに対して、私ってばまだ高1。
実に年の差22歳。自分の半分も生きていない子供を相手に、酒が入っていたとはいえ、思いっきり盛ってしまったわけで。
義治さんは私に土下座して謝ってきて、どんな罰でも受けるとか、自分は教師失格だとか言ってきたけど、私からすれば嫌でもなんでもなかったし、これっぽちも傷ついてなんかいない。
むしろ、彼と一緒に気持ちよくなれて嬉しかったくらいだ。
あと、下世話な話だけど……体の相性も非常によかったので……叶うならば、これからもその……関係を続けていきたい、という打算もあった。
なので、口八丁手八丁(2回目)で丸め込んで立ち直らせて、お互い落ち込んだり弱っていた時の一夜の過ちってことで、問題にも何もせず水に流すことにした。
……まあ、その後も関係はずるずると続いたのだけど。
そして普通に男女の仲になり、最終的に私の高校卒業と同時に結婚したけども。
卒業後とはいえ、教師と生徒がそういう関係になって……というのは、さすがにちょっとばかり話題になってしまった。
実家はとうとう私を『家の名誉のためにおいておけない』と判断したらしく、少しの手切れ金を押し付けて放逐。勘当同然で放り出された。
まあ、家にもはや未練も何もなかった私からしたら、願ったりかなったりである。
地元にはそのまま居づらくなってしまったので、義治さんは私を連れて自分の故郷に戻り、そこで昔の縁を頼って私立校の教員として働き始めた。
新天地に行ってからは、私も不良としての自分はすっぱり封印して、彼を支える良妻であろうと努力した。
彼の親戚達は皆、私達を暖かく迎え入れてくれた。
実家の農家を継がずに家を出たくせに出戻ってきた義治さんに対して、皮肉や文句の1つも言わずに『おかえり』と。
そして、その義治さんが22歳も年下の私を、妻だと紹介した時には……まあ、うん、皆すごく驚いてたっけ。中には、比喩でなくひっくり返った人もいたな……。
それから私はしばらく、専業主婦として献身的に義治さんを支えた。
昼も……夜も(意味深)。
結婚から1年が経つ頃には、第一子……美沙が生まれた。
出産に子育てに初めての連続だったから、戸惑ってばかりだったけれど、田澤家の皆さんに支えられてどうにか乗り越えることができた。
今後のことを考えて、子育ての合間を縫って社会人の部で大学に入って通い、薬剤師の資格を取った。
美沙に遅れること5年。第二子、裕一も誕生。
その数年後には私は、薬剤師として地元の調剤薬局に勤め始め、夫婦共働きで家計を支えられるようになった。
すくすくと育っていく美沙と裕一を見ながら、叶うならこの子達は、私みたいに変な方向にぶれまくったような人生は歩むことなく、健やかに育って、幸せな恋愛を、結婚をしてほしいと思う。
…………まあ、儚い夢だったわけだけども。
いや、むしろ私の時よりも悪化してるんじゃ……
ほとんど誰彼構わず状態だった私と違って、一応相手を慎重に選んで、なおかつ面倒なことにはならないようにやってるっぽいけど……方向性が特殊すぎるのよ……
何なの、『睡姦』って……なんなら私、初めて聞く単語だったのだけど。
いや、奔放な青春時代を送ってた私ではあるけど、それでもそんな特殊というかマニアックな、専門用語かと思うような方向性には向かってなかったから。
しかもその相手が……実の弟と、20歳以上年上の勇作さんって……
その他にも、何人か火遊びの相手がいるみたいだし……
特に裕一の方に至っては、こっちは姉相手に躊躇なく近親相姦やらかすような子になっちゃって……一応美沙が避妊してるから大丈夫ではあるけど……いやいや、近親相姦自体ダメなんだってば。
美沙には彼氏もいるんだから、こんなことしてたらその彼氏が悲しむんじゃないの、とも言ったんだけど……その彼氏もこの美沙の悪癖を知ってて……知ってて容認してるってのは……
どこまで業が深いのよ、うちの娘は……
かといって、あまり抑えつけすぎる形にするのもどうかと思うの。
だって、かつて私が、実家のしきたりやら何やらに押さえつけられて反発しまくった結果が、あのすさんだ青春だったのだから。
美沙は私の若い頃にすごく似てる。だから、かつてああだった身としては、押さえつけるとそれ以上の力で、より変な方向に進んでいってしまいそうで……怖い。
はぁ……私がかつてそうだったように、いつか何かのきっかけで、きちんとまともに生きていくようになってくれることを祈るしかないかしらね……。
いやもちろん、私もそのために色々指導なり協力なりさせてもらうつもりだけれど。
感想などいただけると、作者が狂喜乱舞します。
よろしければお願いします。
あと、もし『こんなシチュエーションの睡姦が見たい!』というリクエスト等があれば、活動報告かメッセージでお願いします。
感想欄でのアンケートやリクエストはアウトだそうなので。
作者のノリと発想力次第なので、必ず採用されるとは限りません。ご了承ください。
今後ともよろしくです。