※この作品はR-18です。

淫らな精活   作:暁森黒鳥

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あたたかい

「……?」

 

何やら真っ黒な空間で1人でポツンと立っていた

 

「どこ、ここ」

 

見渡しても真っ暗。まるで自分の所だけが灯りに照らされてるようだった

 

「……?」

 

足が動かない。手も動かない

 

瞬きと呼吸、首しか動かせない

 

「……ようこそ」

 

目の前の暗闇から、声が聞こえた

 

「ここはその内わかるだろう」

 

目の前の暗闇の一角が薄れて、何かが現れた

 

「私は、魔王だ」

 

鏡に映った、私だった

 

 

 

 

 

 

 

「………アンリ?」

 

起き上がったアンリはぼーっとしており、何かを見つめていた

 

……流石におかしい。普段は笑顔か眠そうな顔でおはようと言うのに

 

──まさか

 

「……ゆうしゃ、あらん……」

 

「馬鹿な……あれから2日の経ってないんだぞ!?」

 

手早く手紙を書いて、窓にいた伝書鳩に掴ませて飛ばさせる

 

最悪なシナリオは、予想より遥かに早く訪れた

 

「くそ……っ!」

 

悪態ついてる暇があるならとっとと聖剣を取りに行けっと走るも、アンリは、魔血薬を全部飲み干した

 

「ば、馬鹿!?それを一気飲みは……」

 

「充分だ。良い精力で私を満たしてくれたからな」

 

「ありがとう、勇者。お前が殺し、そして蘇らせたんだ」

 

「今度こそ……殺してやる」

 

背中から血が吹き出て、翼が露わになったアンリは

 

そう言って、夜の闇へと消えていった

 

あ……あぁ………

 

「………魔血薬も全部飲まれたか」

 

「……」

 

「想定よりも早い……いや、早すぎるな、アラン」

 

「……あぁ」

 

「………。最初に僕がヤったのが皮切りに、目覚めて来たんだろうな」

 

「ちがう……っ」

 

アランは床を拳で叩いた。床が壊れたが、そのまま慟哭した

 

「あの時、助けれいれば良かった………!!無理やりにでも……畜生……ぁぁぁ、あああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これから、『魔王』を殺さなければいけないと、自分に言い聞かせた

 

アランは重い足取りのまま古城へと向かっていた

 

これから、姪を殺さなければならないという事実で、重度の鬱を患ってしまった

 

姉である聖女とギーダルが付き添って、魔力が渦巻く古城に向かうが、アランは1人で古城に入り、姿が見えなくなった

 

「……アラン」

 

「……行かせましょう。我々にできる事はありません……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔王……」

 

「そうだ。だが、父ではない」

 

「……私?」

 

そうだ。私だ

 

私が、魔王だ

 

最後の魔王だ

 

「お前は私で、私がお前だ」

 

私が、魔王

 

違う、魔王じゃない

 

私は、私は

 

「だから、我々が魔王だ」

 

違う

 

違う違う違う!!

 

「共に、世界を崩そう」

 

やだ!やだ!やだ!

 

「向こうで死んで、こっちでも人間は汚い。そうだろう?」

 

あ……

 

「そうだ。だから、滅ぼそう」

 

ち、違……ぁ……

 

闇に、呑まれて

 

あたたか、……ぃ……

 

「世界を、滅ぼそう」

 

………

 

私こそが、魔王だ

 

 

 

 

 

 

 

「アンリ」

 

僕は、これから殺さなきゃいけない

 

終わらせなきゃいけないんだ

 

……待っててくれ、アンリ

 

今、助けるから

 

「アンリ」

 

暗がりからアランが現れ、飛んでいるアンリを見つめる

 

迷いは無かった

 

「……来たか、勇者」

 

アンリは────魔王は、血のような色の目でアラン──勇者を見据えた

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

剣を抜いて、構えた

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「殺してやるぞ、勇者」

 

「今、助けてやるからな……!」

 

 

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