翌朝、私たちは食堂に会した。席順は昨日と同じ。私の左手にアウラとリーニエ、その隣に新たにユーベルが加わった。右手にはラヴィーネとカンネ。
ユーベルは憔悴し切っている様子だった。
ソリテール「みんな、おはよう。さぁ、今日も素敵な一日にしようね」
カンネ「おはよう、ソリテール。ごめんなさい、朝はお手伝いができなくて」
ソリテール「大丈夫だよ。昨日は疲れたでしょ? よく眠れたようでよかった」
カンネ「それで、リーニエの隣にいる子は?」
ソリテール「リーニエのご飯のユーベル。二人と同じ魔法使いだよ。仲良くしてあげてね」
カンネ「……分かった」
ソリテール「ユーベル。二人はラヴィーネとカンネ。カンネは私の友達。挨拶して」
ユーベル「…………」プルプル
ソリテール「ユーベル」
ユーベル「っ……」ビクビク
カンネ「あ、私はカンネ。ユーベル、よろしくね。ソリテール、彼女とはあとでゆっくりお話しするから、気にしないで」
ソリテール「そう。仲良くしてね」
ラヴィーネ「…………」
ラヴィーネ(何をされたか分からねェが、かなり怯えてる。酷いことするな……)
アウラ「それでお姉様、今日はどうするの? 私、手勢を増やしに行きたいんだけど」
ソリテール「そうだね。私は試したいことがあるから、お家に残るわ。リーニエと二人で大丈夫?」
アウラ「やった! 大丈夫よ! 二人で行ってくるわ!!」
アウラ(やったーーー!! 今日は、しばらくの間は酷い目に遭わされなくて済む……)
リーニエ「お姉様、ご飯食べちゃ駄目だからね」
ユーベルのことだろう。
ソリテール「大丈夫だよ。でも一応、地下牢に入れておいてね。もし逃げようとしたら、足を切断しないといけないから」
リーニエ「うん、分かった」
ソリテール「二人とも、夕食までには帰ってくるんだよ」
アウラ&リーニエ「はーい」
アウラには<服従させる魔法>で、私から逃げられなくしてある。もし逃げようとした場合、それに伴う行動ができなくなる。
また服従状態だと、互いの魔力を感じることができた。アウラと私の間にある、服従の天秤による魂の結びつきによるものだった。もしアウラが魔法を解除すればすぐにそれが分かる。
またアウラを自由に外出させ、ちゃんと帰宅させることは、彼女の精神的服従を強化する側面も期待できる。
カンネ「私たちは?」
ソリテール「二人は、退屈かもしれないけど、家の中でゆっくりしてて。あ、中庭に出てもいいよ。ただ遠くに行っては駄目だから。私の魔力探知の外に出ないようにね」
カンネ「分かった! ラヴィーネ、あとで散歩しよ!」
ラヴィーネ「あぁ……」
非服従状態の人類二人、彼女たちを置いて外出するのはリスクを伴う。もし逃亡を企て、結果として身体の一部を損ねることは、私としては望まないことだ。
地下牢や狭い空間に閉じ込めたりするのも好ましくない。ある程度の自由行動と範囲を容認し、自由意思で百合をしてもらいたい。
なので彼女たちが住むための、鳥籠を用意することにした。
ソリテール「あと夜には、それぞれの百合の見せ合いっこをしましょう」
一同(ああ、やっぱり……)
* * *
私は庭で、日向ぼっこしながら、術式の構築をしていた。
これからの生活や人類との戦争を考えると、拠点の周囲に結界を張り巡らせたい。
ソリテール「どんな結界にしようかな。ヴァイゼの結界に負けないような、すごい結界を作りたいわ」
ひとまずは中にいる人類が出られないようにしよう。
ソリテール「そうするとアウラの不死の軍勢も動かせなくなる? 魔族の魔力に反応するようにすればいいのかな?」
千年残る結界、人類の頭脳では解読できない、芸術的なものを作りたい。
私が術式構築を楽しんでいると、不意にラヴィーネが現れた。
ラヴィーネ「ソリテール、ここにいたのか。話がある」
ソリテール「ええ、いいわよ。カンネは?」
ラヴィーネ「カンネは昼食の準備をしている」
ソリテール「そうなんだ。それは楽しみだわ」
ラヴィーネ「出来る前に、お前と二人きりで話がしたいんだが」
ソリテール「ここじゃ駄目なの? 私はどちらでもいいけど」
ラヴィーネ「万が一にもカンネには聞かれたくない話だ」
ソリテール「そう。分かった。それじゃあ私の寝室に行こう」
ラヴィーネ「ああ」
私はラヴィーネを連れ立って寝室へ向かった。
* * *
私とラヴィーネは、二人で寝室へ入った。
ラヴィーネ「カンネを解放してくれる代わりに、テメェと百合をするって約束をしていたはずだ」
ソリテール「そうだったね」
ラヴィーネ「だから、百合をしにきた」
ソリテール「私はどちらでも構わないよ。カンネはこのことを知っているの?」
ラヴィーネ「カンネにこのことは黙ってろ」
ソリテール「いいよ。ちょうど人類との百合をもっと体験したかったところなんだ」
人類は約束を重んじる動物だ。ラヴィーネもまた約束を重く見る個体なのだろう。
また、約束などいとも容易く破り、人を欺くのも人だ。
魔族は利害関係の延長線上に置いて、一種の約束事や共生関係を結ぶことはあるが、信頼を得るためや、ただ約束を果たすためなど、何の利もない行為はしない。
そもそも信じる心を私たちはもたない。
ラヴィーネがなぜ約束を守り果たそうとするのか理解はできないが、私に利がある以上、拒む理由はない。
私は服を脱ぎ、寝台の上に寝そべる。
ソリテール「おいで」
ラヴィーネも服を脱ぎ、下着姿になる。
ソリテール「まずは私に君を感じさせて。そのあと君に私を感じさせてあげるから」
ラヴィーネ「なんだっていい」
ラヴィーネは私の上に覆い被さる。
揺れる瞳に微かな躊躇いが見てとれた。
ソリテール「キスから始めましょう」
ラヴィーネ「あぁ……」
ラヴィーネは目を逸らし、下唇を噛む。強く目を瞑ると、次に意を決したように私を見る。
ソリテール「ラヴィーネ、素敵な目をしているね。まるで冬の青空のよう。あるいは深い湖の底。君のことを私に教えて」
ラヴィーネの頬に触れる。震えていた。
その震える唇が私に近づく。
私にとっても、人類との初めてのキスだった。
私の胸は高鳴る。
さぁ、魔族と人類の存亡を賭けた百合の始まりだ。深く深くお互いを知って、滅ぼし合おう。
ソリテール「ん……」
私たちはキスをした。
柔らかくしっとりしていて、甘い味がした。
ソリテール「もっとして」ちゅっちゅっ
私はキスだけで済まそうとするラヴィーネの頭を押さえ、舌で唇をこじ開け、閉ざされた歯列を舐る。
ラヴィーネは最初こそ顔を逸らそうとしたり、頑なに口を閉じて抵抗していたが、覚悟を決めたようだ。
私の舌に彼女の舌が絡む。弾力のある肉塊が私の口内に侵入してきた。彼女の唾液が流れ込む。
私はこのまま彼女の舌を噛み切って食べてしまいたい衝動に駆られたが堪えた。
私はラヴィーネの胸に触れる。アウラと同じぐらい大きい彼女の胸。下着越しに揉み、乳首の辺りを撫でる。
彼女の体は慄えた。
私は彼女の手を私の胸に誘導する。冷たく細長い指が私の無い胸に触れる。揉むべき取っかかりもなく、親指が私の乳首を擦った。
ソリテール「ん、あ……」ちゅっちゅっ
私はラヴィーネの陰部に手を伸ばす。指先が彼女の恥丘に触れた刹那、ラヴィーネは咄嗟に私の手首を掴む。
ラヴィーネ「今は、私の番だ」ハアハア
ソリテール「そう。ふふ。それならちゃんと私に感じさせて」
私は下着を脱いだ。ラヴィーネも全裸になる。
再びラヴィーネは私の上になり、心音を確かめるように、私の胸に顔を埋めてキスをした。さらに片手を私の陰部に伸ばして秘所を撫でる。
ソリテール「ん、ふぅっ」ビクビク
私は私の指を噛んで刺激を堪える。
ラヴィーネの指使いは繊細で、中指で摩りつつ、人差し指と薬指で広げたり揉んだりしてくる。
同時に胸を舐め、吸い、指先で弄ぶ。
ソリテール「あ、ラヴィーネ、いいよ……」ビクビクビク
私はラヴィーネの髪を撫でた。銀色の髪はさらさらして、指の間をすり抜けていく。ひんやりとしていて、クセになる触り心地だった。
私の花弁を往復していたラヴィーネの指先が、膣内に滑り込む。
ソリテール「ん、くぅ……!」ビクンビクン
リーニエが賛辞を送ったとおり、彼女の指技はすごかった。
細長い指が、私の膣内で、意思を持った別の生き物のように振る舞う。
内壁を探り、私が一番感じる部位を求め、這いずり回る。
ソリテール「あ、ラヴィーネ、すごく、素敵よ……!」ビクビクビク
膣内を攻めつつも、陰核を撫でる親指は休めず、私の胸への手も緩めない。
ラヴィーネは無言で、一切の容赦などなく、私を攻め立てる。
彼女こそ百合の中の百合、白く気高き一輪の花――
そして私は絶頂に達する。
ソリテール「ふにゃあああぁっ……!!」ビクンビクン
全身に電流が駆け巡ったようだった。激しく体が慄え、ラヴィーネに全身でしがみついた。彼女の頭に私は顔を埋めた。彼女の匂いが鼻の奥に広がった。
ソリテール「ん、ラヴィーネ、ラヴィーネェ……」ビクビク
気付くと何度も彼女の名前を呼んでいた。
しばらくして絶頂の波は引き、私はラヴィーネから体を離し、仰向けに倒れる。まだ呼吸が乱れて胸が上下していた。ひとまずは呼吸を落ち着けよう。
ソリテール「ふふ。すごく素敵だったよ、ラヴィーネ」ハアハア
ラヴィーネ「……そうか」ハアハア
ラヴィーネは私の上にまたがった。まだ続けるつもりなの?
それならそれで一向に構わないわ。
冬の凍てついた湖のような、冷たい双眸が私を射る。
完全無慈悲な氷の彫像――そんな言葉が私の脳裏をよぎった。
私の胸、早鐘のように打つ心臓の上に、ラヴィーネはおもむろに右手を重ねた。
ラヴィーネ「――<氷の矢を放つ魔法>」