※この作品はR-18です。

ソリテール「百合を咲かせる魔法?」   作:socio

34 / 48
幕間

カンネとラヴィーネは自室の寝台で、抱き合いながら眠る。

 

ラヴィーネ(状況は最悪だ……人類の力であの結界を破壊することはできるのか? あのソリテールがそんな脆いものを作るとは思えない……)

 

ラヴィーネ(結界の外に出るにはアウラの服従下になるしかない。アウラが解放してくれるとも思えない……)

 

カンネ「ラヴィーネ、起きてる?」

 

ラヴィーネ「ああ……」

 

カンネ「なんか怖い顔してたよ」

 

ラヴィーネ「……カンネは、私が守る」

 

カンネ「私だって、ラヴィーネを守りたい。ねぇ、悩んでいること、困っていることがあったら、ちゃんと私に言って。ラヴィーネと一緒に私も考えるから。お願い」

 

カンネはラヴィーネの手を握る。

ラヴィーネは躊躇いがちに口を開く。

 

ラヴィーネ「ソリテールの結界を、どう突破すればいいか分からない……」

 

カンネ「それなんだけど、ラヴィーネ。どうしてソリテールはあんな不完全な結界を作ったの?」

 

ラヴィーネ「……不完全?」

 

カンネ「だって自分も閉じ込められちゃうじゃん」

 

ラヴィーネ「どういうことだ?」

 

カンネ「結界を出入りできるのはアウラの魔力を帯びている者だけでしょ」

 

ラヴィーネ「ソリテールもアウラの<服従させる魔法>で魔力を帯びているだろう?」

 

カンネ「でももし、アウラが結界の外で魔法を解除したら?」

 

ラヴィーネ「……ソリテールは結界の中に閉じ込められる」

 

カンネ「結界を解くか、破壊して、アウラのことを追いかけるよね。ソリテールはアウラのことを一番大切に思っているから」

 

ラヴィーネ「アウラを結界の外で、服従魔法を解除させれば、脱出のチャンスができる!?」

 

カンネ「うん。だからまだ希望があるよ」

 

ラヴィーネ「そうだな!」

 

カンネ(ラヴィーネの表情が明るくなってよかった。だけど私はまだ、ソリテールと分かり合えると思っている。ユーベルの言ってたことはまだ黙っていよう)

 

   *  *  *

 

ユーベルは粗末な荒屋の中に置かれていた。

乱暴に掻き回された膣と肛門が痛み、起き上がる気力もなかった。

 

ユーベル「……そう……つまらない」

 

ユーベル「つまらないな……こんなの……」

 

   *  *  *

 

廃城とその周囲を覆う琥珀色の結界。

結界の外側に二人の人類がいた。

 

フェルン「これは結界? 魔族は結界を作れるんですか?」

 

フリーレン「かつて七崩賢の一人、不死なるベーゼが結界魔法を使えた。しかし奴は私たち星屑十字軍が倒している」

 

フェルン「それでは人類側に裏切り者が?」

 

フリーレン「いや。これは魔族の作った結界だ。解析するのに百年はかかるだろう。やれやれだ」

 

フェルン「断頭台のアウラに、謎の大魔族。他にも結界魔法を使う魔族がいるということですね」

 

フリーレン「今、大陸中の人類の最高戦力が、グラナト領に結集しつつある。私たちの出る幕はないだろう」

 

フェルン「しかし人類である以上、私は見過ごすべきではないと思います」

 

フリーレン「だがフェルン。ヘヴィすぎる。状況が」

 

フリーレン「大魔族が二体。やれやれだ。ヘヴィすぎるぞ」

 

フェルン「そこはフリーレン様の無敵の魔法でなんとかしてくださいよ」

 

フリーレン「……やれやれだぜ」

 

――結界の外に、よく知っている、忘れもしない魔力の感触がした。

 

ソリテール「そう。君が来るんだね、フリーレン」

 

私は眠るアウラを抱きしめる。

 

最後の戦いに向けて、時の歯車は加速する――

 

   *  *  *

 

廃城の尖塔の屋根に、リーニエは一人腰掛け、リンゴをかじる。

 

沈む月を見ていた。

 

月齢5の三日月は、西の地平に音もなく沈んでいった。




次回、新章突入!!
錯綜する想いが交差する。
満月の晩、運命の刻が近づく。

最後の九日間。
彼女たちに待ち受けるものとは?

第三幕「月下の夜想曲」
近日開幕!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。