※この作品はR-18です。

ソリテール「百合を咲かせる魔法?」   作:socio

4 / 48
第4輪 百合×キス×エボリューション

私はアウラの唇に指を重ねた。

宝石のようにきらきら光っていて、それでいて柔らかくて、瑞々しい果実のような弾力があった。

 

ソリテール「これがキス。生まれて初めて。柔らかくて気持ちいいね」

 

アウラ「何これ? いったい何がしたいの?」

 

ソリテール「人類は最初のキスをとても大切に思うらしいの。アウラも初めて?」

 

アウラ「したことない。気持ち悪い……」

 

アウラは私のことを睨みつける。<服従させる魔法>は肉体の自由を奪う魔法。どうやら服従状態でも自由意思があるらしい。

だけど私を拒んで逃げる素振りはなかった。硬直したように、その場に立ち尽くしている。

 

ソリテール「自由意思はあるのね。よかった。お人形と百合のシチュエーションもあるけど、魔族も百合を理解できるか知りたいの。だからお姉さんといっぱい試そう」

 

アウラ「嫌だ! 怖い怖い怖い! 私は五百年以上生きた大魔族よ! 七崩賢の一人よ! こんなことして許されると思っているの?」ぽろぽろ

 

アウラは悔しそうに泣き始めた。

 

私はアウラを寝台に押し倒す。

 

ソリテール「大丈夫。怖くないよ。お姉さんに任せて。いっぱい勉強したの。人類の物語でね。だからお姉さんに任せてね」ギッギッギッ

 

アウラ「何が目的なの? こんなことして何の意味があるの?」

 

ソリテール「言ったでしょ? 百合の魔法を完成させるため。百合の条件は、二人の女の子が互いに愛し合うこと。だけどそれは私たち魔族にはない感情だから、完璧に百合を演じられるように、一緒にたくさんたくさん愛し合おうね」

 

アウラ「だからその百合ってなんなのよ!?」

 

ソリテール「愛し合う二人の女の子が、互いの愛を確かめ合う行為だよ」

 

私はアウラの首筋に唇を這わせた。ピクンと体が跳ねた。

 

アウラ「んっ、あっ、くすぐったい」

 

そのまま唇を鎖骨に滑らせる。アウラの体が慄える。私は舌を出して、首筋を舐め上げた。

 

アウラ「やあああ」ビクビク

 

アウラが震えた声で鳴く。服従状態でも肉体は痙攣するようだった。

 

ソリテール「甘くて美味しい」

 

アウラは怯えた様子で私を見た。

 

甘い、美味しいというのはただの事実だった。水で溶かした砂糖を舐めているような気分だった。

しかし人類の物語では、言葉にして相手に伝えることが大事らしいのでそれに倣った。

 

アウラの体が慄えている。食べられるのではないかと怯えているのかもしれない。

私は安心させるため優しく微笑んだ。落ち着かせるために少しお話しをしよう。

 

ソリテール「<服従の魔法>は魔力の流れを支配して、肉体の動きを操る魔法なのね。肉体の反射までは制御できないの? もしできるのなら、逆に快感を与え続けたり、強化することも可能なの? 触れずに痛みを与えることも可能なの? 意識を失うとどうなるの? 意識を失っても刺激を与え続けるとどうなるの? 不死の軍勢に首がないってことは、死体でも操れるのね。死体に刺激を与えるとどうなるの? 首を切り落とすのはなぜ? 自由意思を奪うため? うるさいから? 舌だけ切断すればいいのに首を切り落とすのはなぜ?」

 

アウラ「嫌だ、怖いよぉ」ぽろぽろ

 

ソリテール「ごめんなさい。一遍に聞かれても困るよね。今は普通に愛し合いましょう」

 

ソリテール「“アウラ、口を開けて”」

 

アウラ「え?」

 

ソリテール「“アウラ、舌を出して”」

 

アウラ「あ、え?」

 

ソリテール「さっきのキスはね、普通のキス。これがね、恋人同士のキス」

 

アウラ「んんんんん」もがもが

 

私はアウラの口の中に舌を入れた。そしてそれを彼女の舌に絡める。不思議な感触だった。肉厚のある果実を口の中で転がしている気分だった。

アウラの鼻息が顔に当たる。

 

しかし人類は不合理だ。

本来なら雌雄で行う求愛行動や生殖行為の一環なのに、生殖のできない同性同士でも行う。そしてそれを百合と呼び、見る者を尊死させる魔法にまで高めた。

 

この行為が気持ちがいいか、愛情が芽生えるか、実感はわかないが。楽しい、面白い、興味深い。ああ、私は興奮しているようだ。

それがキスによるものなのか、キスに対する興味なのか分からない。だからこそ興味深い。

 

ほんの数秒程度キスするつもりだったが、しばらく思索に耽ってしまった。

私は口を離す。

 

アウラは虚な目で、放心している様子だった。呼吸は乱れ胸を上下させている。

 

ソリテール「すごく不思議な感じがするね。どう? 君は気持ちよかった? 今の心境は? 是非お姉さんに教えて」

 

アウラ「……すごく気持ち悪い……最悪。終わったの? 満足した?」ハアハア

 

ソリテール「教えてくれてありがとう。まだだよ。まだ全然終わってないよ。キスは挨拶みたいなものなんだ。好きだよって。イチャイチャラブラブのイチャなんだよ」

 

アウラ「……どういうこと?」

 

私はアウラの体に、私の体を重ねた。彼女の呼吸と体温を感じる。互いに息のかかる距離に顔を近づける。

 

ソリテール「本当の百合はこれから。動物の交尾は見たことある? 人類の交尾は? それと近いことをこれからするの。ね、楽しみでしょ?」

 

アウラ「……ふざけるな。どうして私にこんなひどいことするのよ? 五百年以上生きた大魔族で、七崩賢の一人の私に」ぽろぽろ

 

ソリテール「一年後、君はフリーレンに敗れる。その二年後、私はフリーレンに敗れた。人類の百合を理解できるのは私だけ。私と百合ができるのは君だけ。私と君で百合の魔法を完成させて、全人類を滅ぼすの。素敵でしょ?」

 

アウラ「……意味が分からない」

 

アウラ(この魔族、頭おかしい。どうかしているわ)

 

ソリテール「分からなくてもいいよ。少しずつ分かっていこうね。私は君の“お姉様”だから、優しく導いてあげる。お姉様はね、絶対に妹を守るんだよ。妹をいじめる奴はお姉様が滅ぼしてあげるから大丈夫だよ」

 

私は彼女の横に、寄り添うように寝そべる。そして右手を彼女の腹部に這わせた。

 

ソリテール「おへそ、可愛いね」

 

アウラ「んっ」

 

彼女の臍部の周りを優しく撫でる。一回りするたび彼女は慄えていた。柔らかくて滑らかで、いつまでも触れていたいと思えた。

 

私は顔を近づけ、彼女の臍にキスをした。

 

アウラ「え? なんでそんなところにするの? 嫌だ、怖いよぉ」

 

臍の穴に舌を入れる。アウラはビクビクと慄え、呼吸が苦しそうだった。

 

ソリテール「おへそって不思議だよね。否が応にも私たち魔族も人と同じ胎生の動物だということを思い知らせてくれるから」

 

私はアウラの上に覆い被さり、その瞳を覗き込む。

 

ソリテール「“アウラ、お姉様大好き、と言って”」

 

アウラ「へ? え? 嫌だ。やだやだやだぁ」キィィン

 

アウラ「……あ、お、おねえ、さま、だ、だいす、き」

 

ソリテール「偉いね。ちゃんと言えたね。ありがとうね。私も君が大好きだよ」

 

私はアウラを抱きしめ、頭を撫でてあげた。甘い花のような香りがした。

 

ソリテール「“アウラ、今から言うことを聞いて。私が君に好きだと言ったら、君は私にお姉様大好きと言うの。愛していると言ったら私も愛していますと言うのよ。キスしたら口を開けて舌を出すんだよ”」

 

ソリテール「好きだよ、愛している」

 

アウラ「お、お姉様、大好き……私も、愛しています……」

 

ソリテール「ちゃんとできて偉いね。君は私の自慢の妹だよ。大好きだよ」

 

アウラ「お姉様大好き……」

 

ソリテール「うん。そうだね。言葉にするとそんな気がしてくるね。思考そのものを錯覚させてしまえばいいんだね。私も君のことが大好きな気がしてきた」

 

アウラ「お姉様大好き……」

 

ソリテール「“アウラ、上に着ている服を脱いで”」

 

アウラ「……ふざけるな。今度は何をする気なの? 嫌だ、脱ぎたくない! 嫌だ嫌だ嫌だ!」キィィン

 

ここに一つの問いかけがある。服を脱がすべきか自ら脱がせるべきか。

百合物において姉が導く存在なら、優しく脱がせてあげるべきかもしれない。身も心も相手に預けていると実感させる為だ。

しかし彼女自身に脱がせることで、自ら選択したことと錯覚させ、私を愛していると誤認させることを私は期待した。

もっとも私たちに愛情などという感情はないのだけれど。

 

好意はある。興味や好奇心も。好きな食べ物や好ましい対象。

それはあくまでも利害関係と損得勘定の延長線上に過ぎない。

私たちに愛情はない。

 

アウラは上に着ていた服を脱ぐ。下着姿が露わになる。

 

アウラ「……こんなことして何が楽しいの?」

 

ソリテール「すごく綺麗だよ。胸、大きいね。触ってもいい?」

 

アウラ「馬鹿じゃないの? 私から離れて」

 

ソリテール「“アウラ、私の要求への返事はすべて肯定の言葉にして”」

 

アウラ「あ、あ、はい……」

 

ソリテール「“そして返事の後にはお姉様とつけて”」

 

アウラ「はい、お姉様……」ぽろぽろ

 

ソリテール「よしよし、いい子だね」

 

徐々に仕上がってきた。少しずつ百合的言動をするように調整していけば、百合の魔法は完成するはず。

 

ソリテール「もう一度聞くね。触ってもいい?」

 

アウラ「……はい、お姉様……」

 

私は下着越しにアウラの胸に触れた。それはふわふわしていて、ふるふると慄えていた。彼女は小さく吐息を漏らした。私の掌に収まらない大きさの胸。私の平坦な、板のような胸とは全然違っていた。

 

ソリテール「柔らかくて温かいね。どうして私と君の胸の形はこんなに違うんだろう。それに何の役割もないのに、ただ被弾面積が広くなるだけなのに大きい胸があるのはなぜ? どうして私の胸は小さいのかな? どうして私の胸は大きくないの?」

 

アウラ「痛い! そんな強く掴まないでよ」

 

気付くと私は彼女の胸を鷲掴みにしていた。

 

ソリテール「ごめんなさい。つい思わず。私のこと嫌いにならないで」

 

アウラ「あなたのことなんて――」

 

ソリテール「“嫌いにならないで”」

 

アウラ「はい、お姉様……」

 

ソリテール「大好きだよ」

 

アウラ「お姉様大好き……」

 

ソリテール「うんうん」

 

<服従させる魔法>の、命令の認識にはいくつか条件付けが推測される。たとえば命令だと認識できなければ、命令を実行しないなど。

ただ命令レベルを上げ過ぎればコミュニケーションに齟齬が生じる可能性がある。

命令は最小限にして、精神的に服従させて仕上げていくことにしよう。

 

アウラ「もうやめてよぉ……私は五百年以上生きた大魔族なのよぉ……」ぽろぽろ

 

ソリテール「痕跡器官という言葉を知っている?」

 

アウラ「知らないわよぉ……」

 

ソリテール「家族という概念、子育てという習慣のない私たちにも乳房があり、乳汁を出すための部位が残ってるんだ。もう出ないと思うけどね。私たちには進化の過程で不要になったけど、まだそれは痕跡として残っているの。人類はね、そこに性感帯があって、授乳時以外にも、性交時に活用するんだ。面白いでしょ?」

 

アウラ「もうやだぁ……」

 

ソリテール「私たち魔族にも性感帯は残っているのかな?」

 

アウラの下着をズラす。露わになった小ぶりな乳首に、私はキスをした。

 

アウラ「にゃあああああ!!」ビクンビクン

 

アウラの体は激しく慄えた。

私が舌を這わすと、一際甲高い声を上げた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。