山岡好雄
新卒で入社したばかりの会社員。
一言多く、間の悪いお調子者だが根はいいやつ。巨乳好き。
親友の奥さんである美月に密かに惹かれている。
豊原美月
再婚したばかりの専業主婦。三十六歳。
淑やかな雰囲気とは裏腹に、豊満な肉体を持つ。性感帯は乳首。
夫の浮気を知り、ひとり悩みを抱えていたが、夫の友人である山岡に相談しているうちに心が安らいでいる自分に気付く。
心の平穏とともに、肉体の快楽までをも山岡に求めてしまっていることを自覚しつつ、歯止めが効かなくなっている。
美月さんの服装は原作に準拠しています。
嵐の晩夏─────
夫婦の愛の孤閨、モダンなダブルベッドの上に寄り添う男女の姿があった。間接照明のやわらかな光が、豊かな乳房に淡い陰影を落としている。
男の伸ばした腕がなだらかな肩をゆっくりと撫でていく。それは、その寝室でしばしば見られる情愛の風景…
唯一、普段と違うのは妻の背後にいる男が夫ではなく、その友人であることだった。
「……んっ……く……ふぅ…………んんっ……」
屋外では台風の勢いがピークに達し、吹き荒ぶ風に混じった雨が外壁を激しく打ち鳴らしている。そんな中、俺たちがいる寝室はまるで世間から隔絶されたように、甘い空間が広がっていた。
「……どうですか、痛くないですか?」
「……ん……気持ちいいけど……もう少し強くてもいいかも……そう、そのくらい……ん……んっ……んんっ──────くふぅ………」
「素人感覚ですけど、やっぱり結構こってますね」
俺はバスルームで提案した通り、美月さんをマッサージしていた。大きな胸を支えるにしては細い肩だった。きっと長年の疲労が蓄積しているはずだ。首の根元から肩口にかけて痛気持ちいいと感じるくらいの強さで指圧していく。
肩を揉むために長い髪を胸の方へと流してもらい、うなじを露出させている。風呂上がりのいい匂いがあたりに漂っている。
普段、夫婦で寝ているベッドの上で美月さんと二人きり。平静を装っているけど、俺は緊張の最中にあった。今までのオッパイだけの関係から、その先に進む時が本当に来たんだ。肩揉みしながら、つい生唾を飲み込んでしまいそうになる。
美月さんも緊張とかするんだろうか。こちらに背を向けているので、その表情は窺いしれない。大人の余裕なのか落ち着いた雰囲気で、いつもと変わらないように見える。美月さんの内面の機微を探りながら、マッサージをつづけた。
ネグリジェがシースルーなので、引き締まった背中からどっしりと安定感のある尻までが透けて見えている。その中央には背骨のスジがすーっと伸びている。その線に沿って周囲の筋肉を親指で圧迫していく。
「……ん……んっ……山岡くん、上手ね。やり慣れてるって感じがするわ」
「ありがとうございます。あんまりやって揉み返しになるといけないんで、ほどほどにしておきますね」
一応、マッサージは美月さんのためではあるけど、当然そこには下心があった。肢体をゆっくりと軽擦しながら、段々と距離を詰めていく。ベッドのスプリングが軋んで、美月さんの肢体が少し揺れた。すでに臨戦態勢となったペニスがショートパンツを突き上げ、肢体に肉薄している。
肩越しに覗くと、乳肌に覆われた深い渓谷が目に入った。この角度から見る乳房をまた強く惹きつけられるものがあった。
ブラも付けていないのに、乳肉が前方へと突出してネグリジェを大きく突き上げている。胸元に開かれたスリットから吸い込まれそうなほど深い谷間が露出していた。
俺は施術をメインへと移行させた。肩に置いた手のひらを、スキーのジャンプ台を滑るように前へとスライドさせていく。
鎖骨を越えた辺りから斜面が盛り上がりはじめる。そこは乳房の美しいふくらみを支える大事な靭帯だ。けっして傷付けることのないように、そっと撫でていく。そのまま乳輪の手前まで滑らせたあと、乳房の外周に沿って撫で降ろして、下から包み込むように持ち上げた。乳房は火照ったように熱を帯びていた。
「マッサージはもうおしまいなの?」
美月さんが背後をちらりと見る。
「いえ、これからが本番ですよ」
ネグリジェの上からゆっくりと指を沈み込ませると、即座に素晴しい弾力によって弾き返された。
「胸、張ってますね……ここをしっかりマッサージしておかないと、肩コリが取れないかもしれません」
「ふふっ……それなら、お願いするわね」
いつか見たAVのようなセリフに、美月さんが付き合ってくれる。髪を背中へと流した途端、甘い香りが鼻腔をくすぐった。
背後にいるため視線を感じない分、俺は大胆になっていた。脚を広げて、さらににじり寄り豊かな臀部に肉棒を密着させる。美月さんは気づいているはずだけど何も言わなかった。
手にしているふくらみから、じんわりとしたやわらかい温もりが伝わってくる。それはペニスを膨張させながら、安らぎをも与えてくれる。俺が巨乳好きになったのは、この温もりを求めていたからかもしれない。
張り詰めた乳房の付け根から乳輪にかけて、たっぷりと時間をかけながらほぐしていく。乳輪に辿り着いたら敏感な乳首はあえてさわらずに、もと来た方へと戻る。時折、ゆっくりと揉みまわしながら、その動きを数回繰り返した。
乳房は俺の思惑とは裏腹に揉めば揉むほど張りを増していった。逆に美月さんの肢体からは力が抜けていく。少しずつ俺に体をもたれさせ、今や完全に身を預けている。その横顔はリラックスして見えた。
「あぁ……気持ちいい……」
「揉まれるのも好きなんですか?」
「そうね……やさしくされると、大事にされてるって気がして…私は好きなの」
揉まれている自分の胸を眺めながらささやいた。
「今日、山岡くんに来てもらえて、よかったわ……」
「オッパイ揉んでもらえるからですか?」
「ふふ、それもあるけど……ひとりでいるとね、いろいろと余計なこと考えてしまうから」
「余計なことって……」
「……あのふたりのこととか、ね………玲奈が家を出てからひとりでいる時間が増えて……そんなことばっかり考えて。ダメね……私のところに帰ってきてくれるのを待つって、自分で決めたのにね……」
美月さんはどこか遠くを見るような目付きになった。それを見て俺は胸を揉みまわす手をとめた。
「子育てから解放されて時間ができたなら、自分の好きなことしていいんじゃないですか?外で働いてみるとか。家事は分担する形にして」
「……結婚した時はね、子ども、つくろうかってうちの夫と話ししてたの……でも、今はそんな気になれないし……外で働いてみたい気持ちはあるんだけど、十六で結婚して、それから家庭一筋だったから、学歴も何の職歴もないし……もうこんな年だし……ちょっと尻込みしてるのよね……」
セカンドキャリアというやつだろう。今年、社会人になったばかりの俺には縁遠い話だと思っていたけど、美月さんのように思い悩んでいる人は、意外に身近にいるのかもしれない。
「それもあってね、瞳のこと、ちょっと羨ましいなって思ってたの。私と違ってバリバリ仕事して、輝いて見えて……そういう人のほうが魅力的でしょ?うちの夫も、そういうところに惹かれたのかなって……」
俺はどこか腑に落ちる思いがした。美月さんはこんなに美人でスタイルがいいのに、自己肯定感が低いんだ。浮気されたことさえ、自分にも非があるように感じているようだった。それが、夫の不貞を黙認する要因にもなっているのかもしれない。
「美月さんは十分魅力的ですよ。あいつにはもったいないくらい……浮かれてるんですよ、あいつは。浮気する方が絶対悪いに決まってるんですから……まぁ、俺が言えたギリじゃないですが……」
俺は人妻である美月さんのオッパイを掴んだままだ。
「そうね…でも、それを言ったら、私も同じね…」
言いながらどこか儚げに笑った。
「ねぇ、私はどんなお仕事が向いてるかしら?」
「そうだなぁ……美月さん、料理が上手だから小料理屋の女将さんとかどうですか?まぁ、あんまり詳しくはないんですけど…」
夜な夜な美月さんの癒やしを求めるおじさん達で賑わいそう、そんなイメージがパッと浮かんだ。
「そういうのも、いいかもしれないわね」
ふざけたと思われたのか、美月さんはクスクスと笑った。
「美月さんにみたいに素敵な人が家でくすぶってるのはもったいないと思います。それに……俺みたいなワカゾーが言うのもなんですけど、三十半ばなんてまだまだこれからじゃないですか?」
「……そうね……そうよね…………いつもごめんなさいね、こんな話ばかり……あんまり、相談できる人がいなくて…」
「いえ、俺は全然……」
「何か、お礼しないとね」
「……お礼なら、もう貰ってますよ」
揉み掴んでいた乳房にゆっくりと十指を食い込ませる。ネグリジェ越しにズブズブと指が乳肉に埋まっていく。
「───んふぅ」
美月さんの顎が軽く上がり、吐息が漏れ出た。
俺はマッサージを再開した。生地が薄いからほとんどダイレクトに感触が伝わってくる。でも、しばらくするともっと自由にしたくなってきた。
「……オッパイ、直接さわってもいいですか?」
「いいのよ。山岡くんの、好きなようにして…」
その言葉を合図に、縦に長く開いたスリットに手を差し込んで、片方ずつ乳房を引っ張り出した。服を着たまま乳房だけが露出する。
惚れ惚れするほど美しい天然のふくらみを上から眺めた。張りのある乳肌は陶器のように滑らかでありながら、指を食い込ませるとやわらかくたわんだ。
発達した乳腺を守るために乳房は成長すると聞いたことがあるけど、ここまで大きくなる必要があるんだろうか。揉まれるため……男を愉しませるために大きくなったと思えてならない。
むき出しになった乳肉を掴むと、思いのままに揉みに揉んだ。交互に揺さぶって揉んだり、大きく円を描くようにして付け根の部分を揉み伸ばしたり……ふたつのふくらみを少し勢いをつけて寄せるとパチンッと音が鳴って弾けた。
乳房は手の動きに合わせて、自在に形を変えた。俺はすっかり熱中してその様子を肩越しに眺めた。
「そんなにさわって、飽きないの?」
「全然飽きないです。もっとさわってたい...」
揉まれつづけた乳房は快感にいよいよ張り詰め、あきらかに体積が増している。いつも使っているブラをつけたら、乳肉が溢れてしまうんじゃないだろうか。
乳房を揉み尽くしたあと、施術を最終工程へと移行した。美月さんが待ち望んでいたであろう乳首へのマッサージだ。手始めに、下から上へと人差し指でゆっくりと弾いた。
「────んッ...」
美月さんが敏感に反応する。やはり乳首は乳肉の何十倍も感じるようだ。人差し指に中指も織り交ぜながら、上下にゆっくりと弾いていく。
「......ん......んんッ......ねぇ......んくッ」
いくら敏感といってもその程度の刺激では達することができないらしい。焦れったそうに肢体を揺すりはじめた。頃合いと見て、ふたつの乳首をそっとつまんで指の腹でクリクリとこねまわしていく。
「すごく硬くなってますね。しっかりとほぐしていきますよ」
......くりくり、くりくり、くぅぅりくぅぅぅり、くりくりッ、くりくりくりくりッくりッ......
「ああッ、んッ、んんッ......ん~~~~~~ッ」
乳房へのマッサージはいつしか愛撫へと切り替わっていった。
腕の中で美月さんが悶える。乳房が逃げ惑うように揺れるけど、俺の指はどこまでも追いかけて乳首をこねまわした。
肢体が揺れる度に尻肉に肉棒を刺激される。俺は興奮に肉棒を押し付けながら乳首を責め立てた。嬌声が高くなっていき、美月さんが昇り詰めていく。追い打ちをかけるように、少し強めにつまんでグリグリと押し潰すと声が跳ね上がった。
「んああああああッ!イッ、イクッ...........もう、イッちゃうッッ………あはああああああああああああッッッッ!!」
美月さんの首が反り返って、俺の左肩に頭が乗った。
直後、全身に痙攣が襲い掛かる。
乳首での絶頂.........乳イキだ。
一旦、乳首を解放して乳房を揉みまわす。乳房は快感の汗でしっとりとしていた。
「.........まだ続けても大丈夫ですか?」
俺の問いかけに美月さんは震えながら頷いた。ビンビンにそそり立った乳首を再びつまむと、今度はゆっくりとよじって半回転させた。
「ん゛ッ......んはぁぁぁぁぁぁぁッ!」
ギュッと目をつむって、乳房を突き出す。
「大丈夫ですか?」
「......大丈夫……気持ちいいッ......あぁ、あひぃッ!」
やや太めの乳首を右に左にキリキリと捻っていく。鋭い喜悦が乳首に起こり、美月さんは目を潤ませて喘ぎ散らしている。俺はその表情を注意深く見ながら、半回転させた後も少しずつよじって反応を窺った。
「乳首に、そんなことッ、したらぁ......ああッ、あーーーーッ、あーーーーーーーーーッ!!」
乳首のねじれが一回転を越えた直後、絶叫とともに美月さんの肢体が瞬間的に反り返り、足がビーンと伸びていた。もたれかかった肉体の震えが、絶頂を迎えたことを告げている。
「……あうぅ…………うぁ…」
掠れた声がすぐ近くから聞こえた。美月さんは今まさに悦びのピークにいる。普段の淑やかな佇まいからかけ離れたその呆けたような顔は、俺の加虐心を大いに煽っていた。よじったまま人さし指で鋭敏な先端をカリカリと引っ掻いて、さらなる責苦を乳首に課した。
「────ん゛あああああああッ!」
絶頂を彷徨っていた美月さんが苦し気に顔を歪ませて、腕の中でのたうちまわった。ほんの僅かな刺激を乳頭に与えているだけ。それでも、達したばかりの乳首は一際敏感になっているらしく、頭を左右に振って激しく乱れている。
伸ばしていた足を立てて、ベッドの上で踏ん張るような姿勢になった。両手でシーツをギュッと掴んでいる。ネグリジェの裾がずり落ちて、艶めかしい太ももが露わになっていく。暴れながら美月さんの上半身が俺の体に沿って、ズルズルと滑っていった。
「あ゛ああぁぁぁッッ!だめぇッ!もう、だめええぇぇッ......あううぅッ!」
俺の愛撫でこんなにも感じてくれている……
悦びに肉棒が痛いほどに勃起していた。興奮のままに、乳首を捻じった状態で引っ張り上げた。
「かはああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
膝を立てたまま勢いよく腰を上へと突き出して、半ばエビ反りの態勢となった。声が途切れた途端、入れ替わりに激しい震えが全身を覆っていった。
なおもカリカリと乳頭を責めると半狂乱となって喚き散らした。もはや喘いでいるのか、何かを訴えているのかわからない、壮絶なまでの乳絶頂。オーガズムの最中に新たなオーガズムが生まれ、快楽の波が絶えず美月さんを襲いつづけている。
乳房を放すと美月さんの顔の方へとだらりと垂れ下がった。肢体は硬直して、反り返ったままガクガクと震えつづけている。ネグリジェの裾がはだけて、露わとなったショーツに沁みが広がっているのが見えた。
不意に腰がストンと落ちた。いまだ震えている美月さんを起こして、うしろから抱きしめる。
全体的に肉付きのいい肢体だった。ただ、太すぎるということはなくウエストは細い方だ。絶妙なバランスでムチムチしていて、抱き心地は抜群によかった。
「……はぁっ……はぁ……んッ……はぁ…」
「大丈夫ですか、美月さん……」
美月さんは肢体をひくつかせながら頷いてみせた。しばらくの間、抱きしめながら乳房やおなかを撫でた。絶頂を迎えた熟れた肉体からは熱気が放たれ、特にその首筋からは濃密な甘い香りが漂っていた。
俺はもう辛抱堪らなくなっていた。ペニスはもう暴発寸前だ。
「美月さん、俺……もう我慢できそうにないです」
美月さんは応えなかった。
俺は返事を待ちきれず、顔に手を添えてこちらに向かせた。
俺を見つめる目が潤んで微かに震えている。欲情と戸惑いが入り混じった目……
数瞬、視線が交錯したあと美月さんはそっとまぶたを閉じた。
俺はゆっくりと顔を近づける。
そして、ふっくらとした唇をついばもうとした……
その瞬間──────
無機質な電子音が家中に響いていた。
雷にでも打たれたような衝撃が奔り、一瞬で空気が張り詰める。
つづけて、もう一度インターホンの呼び出し音が鳴った。俺と美月さんは顔を見合わせる。その表情は少なからず動揺していた。
今はもう二十二時前だ。宅配便が届くことはないはずだ。こんな台風の日の夜更けに人が訪ねてくるということもないだろう。
そうなると、考えられるのはただ、ひとつ……
優介が帰ってきたんだ……
「みっ、美月さん……」
それまで甘いムードは吹っ飛び、俺は慌てふためいた。
「……大丈夫よ……ちょっと、下……見てくるから」
美月さんは起き上がると勃起したままの乳首を隠すように、椅子にかけてあったカーディガンを肩に羽織った。
そして、部屋を出ていく寸前、振り返って口を開いた。
「……山岡くん、申し訳ないんだけど…」
[newpage]
真っ暗な空間に、一筋の光が縦に走っている。
片目でその光を覗くと、ついさっきまで乗っていたベッドが見えた。周囲にはハンガーにかかった夏から秋用の衣類がぶら下がっている。
そう……俺は美月さんに頼まれて、クローゼットに隠れていたんだ。
まさかワイドショーで見た間男のようなマネをすることになるとは……
まぁ、実際間男に違いないんだけど……
さっきまでとは別の理由で心臓の鼓動が速くなっている。
周囲の音に集中していると、美月さんの声に混じって、低い男の声がぼんやりと聞こえた。クローゼットを少しだけ開けて、聞き耳を立てる。すると、階段の下から聞こえるその声の主はやはり、俺の友人であり、美月さんの夫でもある優介だった。
「………洪水注意報が出てさ、慌てて帰ってきたんだけど道が混んでて、こんな時間になっちゃったんだ…」
……おまえ、ほんとにキャンプ行ってたのかよ!…
俺は半ばあきれていた。なんでわざわざ台風の日に…
だけど階段を上ってくる気配を感じて、慌てて息を潜めた。
足音がだんだん近づいきて、クローゼットの前で止まった。
「……山岡くん.....開けるわね」
その声にほっと胸を撫で下ろす。
扉が開くと、俺のバッグと服を持って美月さんが立っていた。
「ごめんなさいね、こんなところに……うちの夫、お風呂に入ってるから、今のうちに…」
どうやら家の中で遭遇する事態は避けられそうだ。荷物を受け取って着替えると美月さんの後につづいた。階段を降りると、バスルームに電気がついているのが、ドアの小さなすりガラスから見えた。その前を音を立てないようにして通り過ぎ、玄関へと向かう。美月さんがとっさに隠してくれていた俺のスニーカーを靴箱から出してくれた。
「せっかく来てくれたのに、ごめんなさいね……」
美月さんが申し訳なさそうに、小声で囁いた。
今帰れば、最初からいなかったかのように痕跡を残さず、窮地を脱することができるだろう。それなのに俺は靴を履くことを躊躇した。最後の最後で果たせなかった欲情がまだ渦巻いていたんだ。ここで帰るのはあまりに口惜しかった。
「……美月さん、少しだけいいですか…?」
両腕を伸ばして、胸を揉み掴んだ。
「あっ.........ちょっと…」
ここでさわられるとは思っていなかったんだろう。驚いたあと、近くにバスルームがあることを思い出したように声を潜めた。
「ちょっとだけ......ほんとにちょっとだけですから」
「んっ.......もう...」
困惑気味に眉をハの字に垂れさせながらも、オッパイを揉ませてくれた。
バスルームからいつ優介が出てくるかわからない...
それはわかっているはずなのに、俺はかつて経験したことのない類の性的興奮を覚えた。
玄関先、夫のすぐ近くで半裸でいる美月さん。透けて見える乳房。手のひらに感じる温もり。声の出せないシチュエーション……
破滅と隣り合わせにいるこの状況でどうしようなくムラムラとしてきて、自分を抑えられなくなっていた。衝動的に急にしゃがんで、美月さんの着ているゆったりとしたネグリジェに潜り込んだ。
「えっ、ちょっ......」
美月さんが俺の突飛な行動に怯んだ隙に、左の乳首にしゃぶりつく。
「あぁッ!……ん、んんッ.....」
慌てて手で口を押さえた美月さんをよそに、ヂュルヂュルと音を立てて乳首を吸引する。
「ダメよっ、こんなっ........んッ、んんッ......!」
漏れ出る声を必死に抑えながら、俺の肩を掴んだ。危ないのは重々承知している。それでも、やめるつもりはなかった。
……チュルルルルッ、ヂュウ、ヂュルッ......ヂュ~~~~~~~~~ッ......ヂュパッ!
「んんッ......んむぅ....!本当にダメッ......また今度、吸わせてあげるから……んんッ!」
「今、吸いたいです……チューッ、ヂューーッ!」
愛撫をなんとかやめさせようともがいているけど、体の方は素直だった。立っているのが辛そうに、膝が震えている。
乳房を吸いながら両手をまわして、風呂に入った時から惹かれていた大きな尻を鷲掴んだ。手のひらいっぱいに乳房を越える弾力を感じる。鍛えたりしているんだろうか、相当な量感があるけど張りがあって垂れていない。その感触は、専ら巨乳ばかりを追いかけてきた俺をも愉しませてくれた。
つづけて肉付きのいい太ももを撫でまわす。膝がよりいっそう震えはじめた。
「...山岡くん.....もう、終わりにッ、しましょ......ね?......んくッ!」
美月さんの忠告も聞かないで、俺はネグリジェの中で好き勝手に熟れた肉体を愛でていく。内ももを撫でていくとぴたりと閉じられ、侵入を拒まれた。太ももの間を人さし指で撫でると肉がブルッブルッと震えた。
そのまま指を上昇させる。すると、本当は今夜、俺の滾りを受け入れてもらうつもりだった肉唇へと到達した。ショーツの上からそっと割れ目を撫で上げる。美月さんが堪らずくぐもった声を漏らした。肩を離して俺の腕を掴む。俺は説き伏せるように優しく乳首を吸った。
湿り気を帯びたショーツの上を割れ目に沿ってゆっくりと上下させる。太ももがしきりにこすり合わされ、それにつられて乳房も揺れた。
割れ目の終点で親指を細かく震わせる。微細な振動が陰核を刺激していた。
「ん゛ッ、んん~ッ!」
肢体が仰け反る。その一瞬の隙をついて、左手をショーツの中に潜り込ませた。
指先が下腹部を這っていき、ジャリジャリと短く揃えられた陰毛を越えると生暖かい秘穴に辿り着いた。思った通り、すっかり濡れそぼち、潤っていた。まだ乳房の絶頂の余韻が残っていたんだ。淫液をたっぷりと中指にまとわせると、秘穴へと差し込んでいく。
「んぐぅぅぅッ!ん゛ッ、んん~~~ッ!」
ロングヘアーが乱れ舞う。なだめるように乳首を吸ったけど、逆効果だったようだ。
指を進めると、トロトロの柔肉が迎えてくれた。ここにペニスを挿れられてたら、さぞかし気持ちよかっただろう。夢想しながら指を出し入れすると、淫液がジュンと溢れてきた。美月さんだってここを責めてほしかったに違いない。
「やまおッ.........くんッ.....もう、む.....……り.....…….ムリよぉ......ううッ、あむぅぅッ!」
震えながら、小声でやめるように懇願している。それがかえって俺を興奮させる。
尻肉を抱えるように支えながら、もう一方の手で指ピストンを繰り出す。美月さんは止めることを諦めたのか、腕を離して再び肩を掴んだ。ゆっくりと足が開かれて中腰になり、指を受け入れていく。
俺は人さし指も追加して、二本の指で秘裂をかきまわした。溢れた淫液が腕を伝って滴り落ちていく。服の中が甘い香りで満たされていった。ひっきりなしに声が漏れ聞こえている。肢体の震えにより、肩にかけてあったカーディガンがファサッと床に落ちた。
「美月さん、イッて」
指をくの字に折り曲げて、柔肉に眠る快楽の泉を刺激していく。
「ん゛ッ、んイ゛ィィィィィィッッッ────」
上半身が一気に反り返った。
ビィィィィィィィィクウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンッッッ!!ビィィィクゥゥゥゥン!ビクンッ、ビクン、ビクビクビクビクビク……ビクッ......
直後、肢体の痙攣がはじまっていた。膣肉が指を一斉に締め付ける。
肉付きのよい部位────乳房、太もも、臀部が立ったままブルブルと小刻みに震える。はじめて乳首以外の愛撫で美月さんを絶頂させることができたんだ。興奮で肉棒がいきり立った。
目の前で乳房が悦びに震えている。それにつられて餌食に喰らいつく魚のように乳首にしゃぶりつくと美月さんの声が掠れて消えた。急に膝から下の力が抜けて倒れそうになるのを、慌てて抱きかかえた。
「あぁ、イッちゃった……はぁ、はぁ...」
ネグリジェから出ると、美月さんが吐息交じりに囁いた。床に座り込みながら抱きしめて、震える背中を撫でる。
「美月さん、怒ってます?」
ちょっと強引すぎたかなと思って、怒られるのを覚悟したけど、美月さんはちょっとむくれてみせたあと笑ってくれた。
あぁ、ずっとこうしていたい。でも、そろそろ出ないと本当にやばそうだ。
「それじゃ、俺帰ります」
「……うん、気を付けてね...また連絡するから...」
靴を履いて立ち上がる。ドアを開く前にもう一度、オッパイを揉んだ。美月さんは俺の手の上にそっと手のひらを添えて微笑んだ。
外に出るなり容赦のない突風が俺を襲った。試しに開いた折り畳み傘は秒で裏返り破壊された。
この様子だと電車が動いているかも怪しい。タクシーが捕まらなければ帰宅難民と化すだろう。文字通り、行き先に暗雲が立ち込めている...
だというのに、俺はこの嵐の中、叫び出したいくらいの歓喜に包まれていた。美月さんと一緒に風呂に入って、たっぷりとオッパイを堪能できた。グッと距離が縮まったのは間違いない。最後までできなかったのは心残りだけど、それも次に会った時には期待できそうな感じだった。
興奮で今日は眠れそうにない。でも、うかうかもしていられない。まずは無事に家まで帰らないと...
向かい風に吹き飛ばされそうになりながら、俺はとりあえず駅へと歩いて行った。