幼い頃に婚約した少年が、結婚式を目前に控えた花嫁の前に吸血鬼になって戻ってきた話 作:精神陵辱
「あ……っ!」
はっとしてフランシスが目を向けると、そこには彼女が今日一日の間ずっと求め続けていた男が、微笑みながら佇んでいた。
『さあ、ここを開けて』
そう言いながら、彼はフランシスの部屋の鍵を指差す。
「はい……!」
フランシスは陶然と顔を蕩けさせ、ふらふらと立ち上がると、言われるままに鍵を外して窓を開けた。
「待たせたみたいだね」
クーガーはそう言いながら室内に降り立つと、優しく彼女の頬を撫でる。
それだけのことなのに、フランシスはぞくぞくと身体を震わせてしまう。
「ええ……」
フランシスは、消え入りそうな声で答えた。
もう我慢できなかった。
早くこの男の、吸血鬼の血が飲みたい。
また、首筋に牙を突き立てられ、魂までも穢されたい。
そのことしか考えられなくなっていた。
「言ってごらん、何がほしいのか」
「……ください……」
「聞こえないよ?」
「私を……クーガーの……あなたのものに……してください……」
「いい子だね。じゃあ、今日は焦らさないであげよう」
クーガーは満足げに笑うと、そっとフランシスを抱き寄せて、唇を重ねた。
「んっ……! はむっ……!」
フランシスは夢中で舌を伸ばして、クーガーの口内へ侵入する。
クーガーもまたそれに応えると、口の中のどこかを噛んで流したものであろう血を、口移しにフランシスの喉へ流し込む。
「ふぁ……、あふぅ……」
喉を鳴らして嚥下すると、全身にどくどくと、熱い血潮が流れていくのを感じる。
「はあっ……。ああっ……!」
陶酔した表情で、うわ言のように呟く。
「どうだい。ぼくの、ヴァンパイアの血潮の味は?」
それは、どんな麻薬よりも甘美で中毒性が高く、どんな媚薬よりも人間を蕩かして、虜にする。
「あ……ああ……」
もう何も考えられない。
ただただ目の前の男を愛しい、服従したい、彼のものになりたいと思う気持ちだけが、心の中で膨れあがる。
「クーガー……いえ、クーガーさま……」
そう言って彼女は、自ら服を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ裸身を晒すと、クーガーの前で三つ指をつく。
「私のすべては、あなたのものです……」
その言葉を聞いて、クーガーはくすくすと笑った。
「そんなにかしこまらないでよ、フラン」
そう言いながら、フランシスの顎にそっと手を置いて、自分の方を向かせる。
「ぼくたちは幼馴染じゃないか。君がぼくのものになっても、これまでどおりクーガーでいい。もっとくだけた話し方で構わないよ」
「はい……。クーガー……」
クーガーの言葉に、フランシスは嬉しそうにはにかんだ。
「あなたに、ご奉仕しま……するわ」
そう言うなり、フランシスは再びクーガーの首に腕を回して抱きつくと、自分の胸を押し付けるようにしてキスをした。
「んっ……」
そのまま体重をかけて押し倒されるのに、あえて逆らわず、クーガーはベッドの上に仰向けに倒れた。
フランシスはその上にまたがると、さらに激しく唇を求めてきた。
月明かりの射す寝室で、成人した淑女が一見まだ幼気な少年の上にまたがって行うそれは、奇妙で背徳的な光景だった。
「ちゅっ、ぷぁ……。好き、大好きだよ……。クーガー……」
「うん、知ってる」
クーガーは目を細めて、フランシスの頬に手を伸ばした。
「ヴァンパイアであるぼくの接吻を受けて、その血潮を味わった君には、もうぼくを愛する以外の選択肢はないんだものね」
「あ……っ!」
クーガーが耳元で囁いただけで、フランシスはびくんと身体を大きく震わせた。
「君の愛は、もうぼくだけのものだ」
クーガーがくすくすと笑いながら、フランシスの頬を嬲る。
「考えてごらん、両親のことを。君は今でもまだ、彼らを愛せているかい?」
「……」
言われて、フランシスは頭の中に、両親の姿を思い浮かべる。
しかし、その姿はぼやけていて、もう身近ではない、どこか遠い記憶の中の人のようだった。
(ああ……)
彼女は今朝、両親が様子のおかしい自分のことを心配してくれたのを覚えていた。
自分が、もうすぐ別れることになるであろう彼らのために、手紙を書いたことも。
それも今となってはもう、すべて現実感のない、灰色にぼやけた他人事のような記憶だった。
「それに、君が婚約していたっていう、アンドリューとかいう男のこともだ」
フランシスは彼のことも考えてみた。
やはり両親と同じで、その姿は遠い記憶の中で灰色にぼやけていた。
自分の世界の中で色鮮やかなのは、今や、ただ目の前にいるクーガーだけだった。
「そんなの……もうどうだっていい……」
フランシスは首を横に振ると、また、クーガーに口づけた。
「私は……クーガーのものよ。あなたのこと以外、もう何も考えられないの……」
「そうだよ」
クーガーはくすくすと笑いながら、フランシスの髪を撫でた。
「言ってごらん。このきれいな髪は、誰のためのもの?」
「あなたよ、クーガー。私の愛する人……」
「目は?」
「クーガーを見るための目よ。ずっと見つめていたい人……」
「口は? 声は? 肌は?」
「全部クーガーの……。クーガーだけのものよ」
クーガーは、フランシスの豊かに実った乳房を掴んだ。
「この、小さい頃よりもずっと大きい胸は、誰のために、こんなにいやらしくなったの?」
「あっ! はぁん……! クーガーのためよぉ……」
乳首を強くつままれ、フランシスは甘い声で鳴く。
「お尻は? 腰も、昔よりずっとくびれてるね? 足なんか、むちむちしてない?」
「ああんっ……。そうよ、あなたのためよ……。はやく、触ってぇ……」
「ここを?」
そう言って、クーガーは彼女の股間に指を這わせる。
そこはすでに濡れそぼり、太腿にまで愛液が垂れてきていた。
「ふふっ……。フランも、すっかりいやらしい、大人の女の人になったみたいだね?」
「ええ、そうよ……。クーガーのせいよ……」
フランシスは、うっとりとした表情で呟いた。
「クーガーのことが好きなの。好きで、好きで、おかしくなりそうなくらい、大好きなの……」
そう言うと、フランシスはクーガーに覆いかぶさるように抱きつき、その耳に熱い吐息を吹きかける。
「お願い……。もっと、私を愛して……。いっぱい、気持ちよくして……」
「いいとも。メインディッシュの血を吸う前に、今日も体の方から愛してあげよう」
クーガーはそう言うと、目を細めた。
「今日は、後ろから犯してあげるから。僕の上から降りて、四つん這いになってよ」
「はいっ!」
フランシスは嬉しそうに返事をする。
そして言われたとおり、クーガーの身体の上から降りると、彼に背中を向け、犬のように床に伏せた。
「ふふ……」
クーガーの目の前には、たっぷりと肉のついた大きな白い桃のようなお尻があった。
その中央では、すでに興奮しきった女陰が、蜜を滴らせながらひくついている。
「フランのここ、すごく物欲しげにしてるね」
クーガーはそう言いながら、指を差し入れて性感を刺激しつつ、くちゅくちゅと浅くかき回す。
「あぁんっ!」
待ちかねた刺激に、フランシスは身を震わせて喘いだ。
「あ……、ああ……、早くぅ……」
「急かさないでよ。今日はまた前とは違う、特別なことをしてあげる」
クーガーはそう言うと、フランシスの耳元に口を寄せて囁いた。
「フランは知ってるかい? ヴァンパイアは、色々なものに変身できるってことを。霧になったり、コウモリになったり。オオカミにだって、なれるんだよ」
そう言うと、クーガーはフランシスの背後でぶるりと体を震わせて、変身を始めた。
服が体に溶け込み、全身から銀色の獣毛が生えだして、体が変形していく。
四つん這いになり、牙をむき出し……。
程なくして、美しい大きな、銀色のオオカミの姿となった。
「あ……、ああ……。クーガーが……、狼に……」
フランシスは振り返り、目の前に現れた巨大な銀狼を見て、うっとりとした顔になる。
「すごい……。なんてきれいで、大きくて……」
「ふふっ」
クーガーは鼻を鳴らすと、フランシスの体に手をかけて、股間の一物を見せつけた。
「この姿でなら、ぼくもフランのことを犯してあげられるよ」
オオカミのそれは、根元の方がコブ状になっており、先端に向かうにつれて細くなっていく。
雌を逃さず、確実に孕ませるために進化した形状だ。
この器官を用いたオオカミの射精は、普通の人間のものよりも何倍も激しく、大量の精液を放出するという。
「これがほしいかい?」
「うん……」
フランシスは、こくんとうなずいた。
「なら、ちゃんとおねだりしなよ」
「はい……」
フランシスは四つんばいのまま、上体を起こし、腰を高く上げた。
そして、淫らなお願いを口に出す。
「どうか、このいやらしい穴に、クーガーの太くて立派なものを突っ込んでください。そして、奥の奥まで、いっぱいに埋め尽くして、子宮の中に直接子種を流しこんで……」
「ああ、いいよ」
クーガーはそう言うと、フランシスの上に覆いかぶさった。
「君の望みどおり、獣姦させてあげる」
そして、その腰をオオカミの前足で押さえると、一気に突き入れる。
「ああっ! はぁあんっ!!」
フランシスは、歓喜の声を上げた。
「あぁ……。あぁ……。すごぉい……。入ってる……。私の中に、クーガーがいるわ……」
その顔はただ挿れられただけで淫らに笑み綻び、陶然として蕩けている。
自分の手や十字架で慰めながら悶々としていた時とは、まるで違う。
「動いてあげるよ。僕のを味わって、狂い死にしないようにね?」
「はいっ……。ああんっ……。はああんっ!」
クーガーが動き始めると、フランシスはたちまちのうちに絶頂に達した。
(ああ……。幸せ……。クーガーが、私の中に入ってる……。こんなに気持ち良くて、こんなに満たされて……)
「あぁっ……。もっと……。もっと来てぇ……。もっと強く突いてぇ……」
舌を突き出しながら、あさましくもそうねだる。
そんなフランシスの胎内で、クーガーの一物はどんどんと大きくなっていった。
オオカミは人間とは異なり、ペニスがまだ勃起していない状態で挿入し、挿入後の刺激によってペニスが膨張して、より太く長くなっていくのだ。
亀頭の基部の亀頭球は勃起すると特に大きく膨らみ、陰部から抜けない状態になって、雌はその状態で激しく犯される。
そして、やがて限界が来たところで、大量の精子を放出して受精させるのである
。
「あぁ……。ああっ!」
「どうだい? 僕のモノは、気持ち良いかい?」
「気持ち良すぎて、おかしくなりそうよ……。もう、逝っちゃいそう……」
「ふふっ。じゃあ、そろそろ中に出してあげようかな」
「ああ……、お願いしますっ。いっぱい注いでっ」
「いいとも」
クーガーはそう言うと、フランシスの身体を押さえつけ、その最奥に向けてどくどくと精を放った。
「あああああ~!! イくうううううう!!!!」
フランシスがひと際高い声を上げて達し、その膣内に熱いものが満たされていく。
「あぁ……。出てるぅ……。クーガーのが、たくさん……」
フランシスは、ビクンッ、ビクゥンと身を震わせながら、それを受け入れた。
オオカミの射精は長く、量も多い。
クーガーは、長い時間をかけて、大量の精を注ぎ続けた。
しばらくして、ようやく出し終えた時には、フランシスは完全に放心状態であった。
「っ……あ……っ」
恍惚として呻きながら、時折ぴくぴくと身を震わせるばかり。
クーガーの注いだ精は、彼の血液が変化したものだ。
それをたっぷりと染み込まされたフランシスの胎は変質し、血の精に中毒して飢え渇き、もはや彼との交接以外では、疼くばかりで満たされることもなくなっていく。
「さて……。そろそろ、本番と行こうか?」
クーガーはフランシスの胎内から一物を引き抜くと、元の姿に戻った。
それから服を着直して彼女を仰向けにすると、覆い被さって抱き着くようにしながら、首筋に唇を触れさせる。
「あ、あぁ……!」
フランシスはたちまち、恍惚として頬を上気させ、期待に身体を震わせた。
「ふふっ。そんなに、血を吸われるのが待ち遠しかった?」
「うん……」
「望み通りにしてあげるよ」
クーガーは牙を立てて、フランシスの首筋に噛みついた。
「あああっ! はあぁんっ」
途端に、彼女はがくんと背を仰け反らせ、あさましく舌を突き出して身悶える。
吸血鬼の牙に一度貫かれてしまえば、たとえその時点までは抵抗の意思のある者であったとしても、もはやなすがままとなる。
それはわずかな痛みを伴った至上の快楽であり、その虜となった犠牲者は、じきに自ら望んで己の首と血潮を差し出し、吸血を請うようにまでなるのだ。
「美味しいよ。フランの血は……」
「あぁ……。嬉しい……っ!」
クーガーに耳元で囁かれた瞬間、フランシスはぶるっと身を震わせて、大きく絶頂に達してしまった。
ひくひくと蠢く秘所からは、愛液が流れ出し、太腿を伝っている。
牙によって生命を奪われ、魂までも犯される。
存在そのものを穢されているという倒錯した被虐の快楽に、魂の芯から浸り切る。
「はあっ! はあぁっ!」
フランシスは、激しく息を弾ませながら喘いだ。
だが、それで終わりではない。
クーガーは、さらに深く彼女の首筋に歯を立て、流れ出る血を吸い上げ始めた。
「あぁ……っ。あぁ……っ」
フランシスは、全身を震わせて悶えた。
その顔は陶然と緩み、口の端からだらしなく舌を突き出している。
クーガーはなおも強く、血を貪った。
「ああ……っ。はあぁっ。もっと……。もっと吸ってぇ……」
フランシスはもはや完全に正気を失い、虚ろな目であさましくそうねだるのみ。
そんな彼女に、クーガーはしかし、無情にもその首筋から牙を引き抜くと、傷口を舌でなぞった。
たちまち、牙の開けた穴が塞がる。
クーガーはそれを確認して顔を上げると、笑みを浮かべた。
「だめだよ。まだ、君のすべてを奪うには早いね」
「ああっ……。どうして……」
フランシスは、悲痛な呻きをあげた。
クーガーにすがりついて、体を擦り付けながら、続きを懇願する。
「また一晩待つなんて、もう耐えられないわ……。昨日の夜からずっと、体が疼いて、あなたのことばかり考えて……」
必死に訴えて、自信の首筋をクーガーの唇に押し付けさえした。
クーガーは目を細めて、面白そうに笑う。
「そうやって、ぼくを誘惑するのかい? 本当にフランはあさましい、いやしい女になったね」
「お願い……。お願いします……」
フランシスはぽろぽろと涙を流す。
「私を、あなたのものにして。この体も、血も魂も、全部あげます。永遠の夜の奴隷になるわ、なりたいの。だから、クーガー……」
「永遠の夜の奴隷、ね」
クーガーは皮肉っぽい笑みを浮かべながら、フランシスの乳房を捏ねくって嬲った。
「ああんっ!」
「君は、軽々しくそう口にするけど。まだその意味を、本当にはわかっていない」
「わかっています! あなたのために生きるの。そのためなら、何でも捧げる。どんなことでも受け入れる。ねえ、早く、早くちょうだい……」
「じゃあ、昨日と同じことを、もう一度聞こうか」
クーガーは目を細めた。
「フランは、君と婚約したという男や、昔から君に仕えてきた使用人や両親を、ぼくのものになるためだけに、その手で殺せるかい?」
「そ、れは……」
フランシスは一瞬、目を泳がせて言い淀んだ。
いかに彼らの存在が自分の中で色褪せた灰色のものになってはいても、やはり、殺せと言われれば躊躇がある。
それは愛情の残滓のためでもあろうし、また、人としての倫理観の名残のゆえでもあろう。
「……もちろん、できるわ。あなたのためなら……」
それでも彼女は、そう言って頷いた。
だが、クーガーの目はやはり、自分の永遠の夜の奴隷となるべき彼女が、一瞬であれ躊躇するというその立場に相応しからぬ反応をした事実を見逃してはくれない。
「ほら、君にはまだためらいがある。だから、早いというのさ」
クーガーはそう言うと、さっさと窓の方に歩み寄った。
「あ、ああっ……。待って……」
フランシスはあわてて彼を引き留めようとした。
だが。
「『近づくな、控えろ』」
クーガーが妖しく目を光らせてそう命じると、たちまちその指示に従うことしか考えられなくなる。
「ああ……っ!」
フランシスはびくりと震えてその場に棒立ちとなり、次いで膝を落とす。
それから、主からの命令を賜ったことに対する歓喜に満ちた、うっとりとした奴隷の表情で主人を見上げた。
「ふふっ。いい子だね」
クーガーは満足げに微笑む。
「もう一晩待つんだ。わかったね、ぼくのフラン」
そう言って身を翻すと、彼は窓を抜けて、夜の闇の中に消えていってしまった。
「はい……」
フランシスは、陶然とした中にも寂しさの滲んだ声で返事をして、それを見送った。
それから、ふらふらとベッドに歩み寄り、明かりを消してそこに横になって、静かに目を閉じる。
あとはもう、主から賜った『待て』という命令に従うという、ただその一事に対する歓びだけを糧に、次の夜までの時を過ごすしかなかった――。