白い光に包まれた世界が広がっていた。
ひたすら快感の波が押し寄せてくる。やがて、その波間にかつて原始の生命が誕生したように、シリルの意識がゆっくりと覚醒した。
僅かに感じる甘い刺激。その感覚が徐々に強まり、乳首を吸われていることに気付く。ミルクを吸われる度に体中が幸福感に満たされていく。
上半身が反り返ったままのシリルの視界に廊下の天井がぼんやりと映った。未だふわふわとした浮遊感が残る中、姿勢を戻し目線を下に向ける。
そこにいたのはーー
乳房にむしゃぶりつく飯島だった。
直後、目の前の光景に戦慄が走り、瞬間的に我に返る。とても許容しがたい現実に薄く開かれた唇が震えた。
ーーイカされた…………私が……こいつに……
夢彦の愛撫によって性感を高められていたとはいえ、格下と蔑んでいた薄汚い餓鬼にイカされてしまった。それも意識が飛んでしまうほど……
その事実はシリルのプライドを深く傷付け、生涯拭えないであろう汚点となった。
今日だけで何度屈辱を味わったことだろう。それは回数を重ねるごとに強さを増し、そして今、人生最大の屈辱がシリルを襲っている。歯を食いしばり、飯島を睨みつける。目の端には微かに涙が滲んでいた。その瞳は込み上げる怒りで震えている。
噴き出すミルクの量が衰え、ようやく飯島が顔を上げた。シリルの視線に気付いた途端、下卑た笑いを浮かべる。
「そんなに俺に吸われるのが良かったか?」
シリルは答えずただ鋭い視線を飯島に送る。
「はっきりしろよ。そうなんだろ?」
「………そんなわけ……ないでしょ」
「へぇ、だったらこれは何なんだ?」
飯島が先程まで吸っていた乳房を揉み搾った。残っていたミルクがピュッと飛び出す。
「気持ちよくならないと出てこないんだろ?そうじゃなかったら、なんでこんなに出てくるんだよ」
飯島が乳房を搾り続ける。目の前の男を八つ裂きにしてやりたい衝動に駆られるが、夢彦の姿が目に入りそれを抑え込む。
「……もういいでしょ……夢彦を解放しなさいよ…」
「はっ?何言ってんだ。まだこっちの胸が残ってんだろ」
飯島がもう一方の乳房を揉み搾ると勢いよく乳が噴き出した。
「……ぐっ…」
シリルの苦痛の時間がまた始まろうとしていた。飯島の両手が右の乳房を掴む。
シリルの絶頂を前にうなだれていた夢彦が再び悪夢が繰り返される気配を察知した。その胸の内に急激に怒りと憎しみが湧き上がる。
「飯島ァァァ!!やめろォォォォォ!!」
拘束されながらもがき、怒鳴り散らす。
飯島は夢彦の声に反応せず乳首に口を近づける。しかし、その途中で何かを思い出したように動きを止めた。
「……そういえばこっちの胸は吸っちゃいけなかったんだよな、俺は」
夢彦が乳房を吸う前、飯島が右の乳房を吸おうとした時にシリルに制止されたことを思い出す。後で夢彦に吸ってもらうためにシリルが拒んだのだった。
「……でもいいのか?ミルクがこんなに溜まって辛そうじゃねぇか」
飯島が右の乳房を下から持ち上げる。ミルクが詰まった乳房がずっしりと飯島の手のひらにのしかかる。シリルがいらただしげに答える。
「………吸わなくて結構よ」
「そうか。ただ、そうなると鏡がいつまでたってもあのままになるけど、本当にそれでいいのか?」
シリルの目に怒り狂う夢彦の姿が映る。飯島を罵っているのだろうが頭に血がのぼりすぎて何を言っているのかわからなかった。
「………好きにしなさいよ」
シリルが観念したように呟く。
「そうか、なら吸ってやるよ」
飯島がニタニタと笑みを浮かべながら右の乳房にしゃぶりついた。途端にミルクが溢れ出す。同時に絶頂を迎えたばかりの左の乳首を根本からしごいていく。
「くっ……くああああぁぁっっっ!」
絶頂は新たな絶頂の呼び水となる。シリルが再び頂きへと上り詰め、身悶えた。
ーーどうしてこんなことに……
シリルの胸中に後悔の念がよぎる。
飯島が射精したあと、この場を去っていれば……いや、そもそも飯島の要求を敢えて飲むなんてことをしなければ、こんな取り返しのつかないことには……
夢彦がシリルの名を叫ぶ。大声を出し過ぎてその喉は枯れ始めていた。
シリルが逡巡する中、飯島の舌が乳首の下側を何度も往復し、ミルクをしごき出す。指が乳首の上をせわしなく往復した。
「あああっっ!くっ、くあっ、あああっっ!」
ーーイッ、イクッ……また、イカされるッ……!
シリルのあごがゆっくりとあがっていく。
「いいんだぜ、シリル。イキたかったら我慢しなくても」
「…くっ………くぅぅ………ああっ!」
怒りと快感がシリルの中で燃え上がり、その肢体を震わせる。眼下の飯島がほくそ笑んでいるのが見えた。そのニヤついた顔を見ているだけで反吐が出そうになる。
それなのに………
ーーどうしてっ……どうしてこんなに気持ちいいの……!
夢彦の愛撫による絶頂の余韻はとうに失せているにもかかわらず、その性感は上がり続けている。それは乳首を責める飯島の舌技と指技が夢彦に匹敵するほどの快感を生じさせているのを意味していた。
飯島が発するエロスの波動がいつのまにか大きくなっていた。それ故なのか、絶頂時に放たれたハイクラスの淫魔の瘴気を間近で浴びているはずなのに正気を保っている。
少し前にシリルの感じている様を見て堪えきれず射精したというのに……
飯島の身に起きた変化。その兆候は少し前から感じていた。
それは飯島にミルクを飲まれた後ーー
「あああぁぁぁっっ!!んあああっっ……」
シリルの思考が寸断される。舌と指先がさらに活発に動き出した。
右の乳首の根本を上下の前歯が甘噛みし、歯先でくにくにと刺激した。飯島の歯にコリコリとした弾力が伝わる。左の乳首の根本が親指と中指に挟まれ、その先端を人差し指がカリカリと刺激する。
飯島の愛撫がシリルを絶頂へと押し上げていく。
「あっ、あっ、ん…んあっ…あ、ひっ、ぅああ…ああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜~~!」
左の乳首の頭を人差し指が押し込んだ。勃起した乳首が乳肉の中へと消えていく。同時に右の乳首が歯で刺激されながら優しく吸引された。
「ふっ…ふわぁぁぁぁぁっっ……!」
……ちっ……力が……抜けるっ…………
いきりたった乳首を優しく吸われシリルの腰が震える。飯島の舌と指が刺激に慣れさせないように双つの乳首に多様なアプローチをかける。そのどれもが乳首を、そしてシリルを悦ばせる。
前歯と吸引によって責められていた乳首の愛撫に舌も加わった。口腔内に囚われた乳首に四方八方から舌が襲いかかり弾きまわす。乳首への刺激が暴れまわる舌の軌跡をシリルに喚起させる。
……舌が…………すごい動きまわって……あぁ………
能力任せの夢彦とは違い、その舌と指先は技巧に満ち溢れ洗練されていた。しかも、時を経る毎にそれがより研ぎ澄まされているのを感じた。
その快感はともすれば夢彦よりも……
性感が臨界まで達したシリルに責苦がなおも続く。
左の乳首がさらに奥へと押し込まれ、指の下でなんとか頭を出そうともがく。非情にも人差し指がより深くへと乳首を押し込み、ほじくり回した。
「あああぁぁぁぁぁっっっ!ダメぇぇぇ!」
シリルの背中が反り返る。絶頂の波が迫りくる。
追い打ちをかけるように、前歯が乳首の先端をはさみ、舌がマッチを擦るように敏感な乳首の先端を素早くこすった。
それが決定打となった。
双つの乳房の中に溜まっていた快感が一気に爆ぜた。
「あはああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!」
シリルが再びオーガズムに達する。押し込まれた指によって乳房に空いたクレーターからミルクが溢れ出す。抑え込んでいた乳首を放すと持ち前の弾力で一瞬で頭を出し、活火山のように乳を噴出させた。
「何だ、もうイッちまったのか」
飯島の声は再びむこうの世界へと旅立ったシリルには聞こえていなかった。その肉体は間欠的に震え続け、とめどなく溢れる淫液によりショーツはその意味を失くし、くっきりとワレメのスジが浮かんでいた。
乳頭から噴き出すシリルの敗北の証を飯島が喜々として吸い上げる。
「あっ……あぅ……ぅあああ……」
シリルが呻き声をあげながら暫し現実から離れる。
飯島によってもたらされた淫魔の雌だけが味わえる至福の時間。しかしそれを終わらせるのもまた飯島だった。
「ああああああぁぁぁっっっっ!」
シリルが透き通るような声をあげた。飯島がもう一方の乳首を強く吸い上げ、現実へと引き戻したのだった。
「おまえ、どんだけミルク出すんだよ。そんなに気持ちよかったのか?」
飯島があきれた声を出す。これだけ出せばカーリの乳ならとっくに枯れている。飯島が無造作に乳房を掴み、揉み搾るとまだ乳が溢れてくる。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
シリルには飯島に言い返す気力と余裕がなかった。続けてニ度もイカされてしまったのだ。自分の心を飯島に侵食されたのではないかと不安が込み上げた。まだ意識に絶頂の余韻が残る中、自問する。
……私は淫魔の貴族……
……夢彦の恋人……
……私は、わたし…
………………………
大丈夫だ、私はまだ堕ちていない…
何より目の前の飯島を見ても嫌悪感しか湧いてこないのが救いだった。
シリルが自らに言い聞かせるようにして動揺を鎮めていく。そして、飯島を
絶対におまえに屈したりしない。たとえこの責め苦が何時間続こうとも……
耐え続ければいずれリリスが戻ってくる。そうすれば……
シリルが密かに飯島への反撃を企てる中、飯島は左の乳房を揉み搾りその弾力を愉しんでいた。そしてその重みが男の探究心を再び刺激した。
「そういえば気持ちよくしたら胸のサイズを教えるって言ってたよな?もう二回もイカせたんだから教えろよ」
シリルはその問いに答えず、顔を背ける。
「おい、聞いてんのか」
「くわあああぁぁぁっっっ!」
不意に飯島に乳首をつねられシリルの肉体が竦み上がる。今しがた自身にたてた誓いが早くも揺らぐ。
「早く教えろよ。もし嘘をついたら鏡がどうなっても知らねぇぞ」
飯島が急かすように指ではさんだ左の乳首を刺激する。
「くぅぅ………そんなこと聞いてどうするのよ」
「男には重要なことなんだよ。早く言えよ」
飯島の指がもう一方の乳首もつまんだ。シリルがビクッと震える。そして双つの乳首をゆっくりと引っ張り回した。乳首につられてその豊満な乳肉も円を描き出す。
「でっけえ乳首しやがってよ。ずっとこうしてやりたかったんだっ」
「ぐっ……くあぁぁ……やめっ……ああっ!」
「何人の男に吸わせたらこんなに太くなるんだ。俺の指より太いじゃねぇか」
刺激を受け続け最大限に勃起した乳首は、それをつまむ飯島の中指の先端よりもひとまわり大きくなっていた。
シリルは顔をしかめながら黙殺を続ける。すると飯島がつまんだ乳首を上へと引っ張り始めた。ミルクの詰まった重い乳肉が乳首一点にのしかかる。
「あああぁぁぁっっ!やめてぇ!」
シリルがたまらず悲鳴をあげる。
「早くしろよ。乳首が取れちまってもいいのか?」
飯島がなおも引っ張りあげ乳房が隆起していく。普段は見えない乳房の裏側が露わになり、それが壁のように隔たることでシリルの顔が見えなくなった。
つままれた乳房の先端が自らの自重により伸びきり、乳房全体が円錐状に尖った。
「ああああぁぁぁっっっ!わかったっ!わかったからぁっっ!」
シリルの懇願に飯島が空中で指を離す。解放された乳房が落下し、まるで天変地異のように暴れまわると元の美しい形に戻った。
すかさず双つの乳首をつまんだ飯島がシリルを急かす。
「それで、いくつなんだ?」
シリルは息をつくと観念したように顔を背けたまま唇を開いた。
「ひゃっ……ひゃくぅ…ぅうぅぅっ!!」
乳首をこすられたシリルがすくみあがり、言葉が遮られる。
「100センチ越えてんのは見ればわかんだよ。いくつなんだ?おまえのデカパイはよぉ!」
お仕置きとばかりに乳首をひねる。
「んぐああっっ!…ゆ、言うからぁっ……!」
飯島が乳首を通してシリルを操るような全能感に浸り、歪んだ笑みを浮べる。
シリルがその豊満な肢体をヒクヒクといわせながら唇を開く。その隙間から艷やかな吐息が漏れ出た。息も絶え絶えにゆっくりと動き出すその唇に飯島の目が奪われるーー
「はぁ…はぁ……はぁ……ひゃっ…ひゃく…
唇が滑らかに動き、窄まっていく…
…………じゅう」
飯島が息を呑んだ。
それはシリルのふっくらとした唇が震えながらさらに言葉を紡ごうとするのを予感したからだ。
「…………………………ろく」
乳首を摘む指が興奮に震えた。
ーーバスト116センチ……
胸囲にしては大きすぎる数字。しかし、目の前の乳房がそれが決して誇張でないことを告げている……
「……それで、カップは?何カップなんだっ!?」
飯島が気付かないうちに指先に力がこもる。
「あああああっっ!!」
「早く言えっっ!!」
双つの乳首が捻られる。
「んあああああっっ!あっ、あっ、え…」
飯島の呼吸が止まる。そして全ての神経がシリルの口元に集中する。
「……えっ、えむっ、Mカップよぉぉっっ!!」
シリルが震えながら叫んだ。
ーー116センチのMカップ…………
飯島が暫し呆然と目の前のふくらみを眺める。
揉みながらずっととんでもない大きさだとは思っていたが、改めてその数値に驚く。
十分に爆乳であるカーリよりも4つもカップサイズが上だった。シリルの身長は高めだ。170センチは超えている。体格が大きい分、その乳房もまた体積が大きくなる。飯島にはシリルの乳房がその数値以上に大きく見えた。
シリルより胸の大きな人間は世界を探せばいるのだろう。しかし、これほどのボリュームがありながら下垂することなく突き出している乳房を持つ女はそうはいない。
その魅力は大きさに限らない。先端には敏感な加虐心をそそる太い乳首。そしてその豊満な乳房の中にはたっぷりのミルクが詰まっている……
そんな人間は他にいない。いや、きっと淫魔にさえも……
…すげぇ……やっぱり最高だ…このオッパイ…
突如としてそれまでシリルを堕とすために抑え込んでいた劣情が再び湧き上がった。目の前で息づくように微かに弾む乳房を滅茶苦茶にしてやりたい衝動に駆られる。
飯島の呼吸が荒くなり、目が血走る……
直後、飯島の両手が乳房を力いっぱい鷲掴んでいた。