義男君は愛情に飢えていた。
母親を知らずに父子家庭で育った思春期の男の子と、私はどう接していけば良いのかわからなかった。
私がこの子の義母となり、この家庭に嫁いできたのは復讐からだ。
高校生の時の担任だった、この子の父親にレイプされてから私の人生は大きく狂わされていた。
「何がそんなに気に入らないの⁈」
通常の親子喧嘩の様に口論するのはいつもの事だが、私たちは違っている。
憎しみあう義理の親子関係は冷めきっていて、口論の果てに生まれるものなど何もない。
最初はこの子を復讐に利用しようとも考えていたが、私には制御することなど出来なかった。
「あんたの全てが気に入らねぇよ!」
初めて逢った時から、義男君からの敵意は微かに感じていた。
子供ながらにも、私の真の目的に感づいて警戒していたのかも知れない。
此方が歩み寄ろうとしても、決して心は開いてくれず距離は開くばかりだった。
「だったら好きにすればいいわ!…いい歳して情けない…」
私はもう義男君の相手をするのに嫌気がさしていた。
憎むべき男の息子で、血の繋がりのある実の子でもない。
義男君がどうなろうと知った事では無かったが、復讐の為には表向きだけでも母親のフリをしなければならなかった。
しかし赤の他人のこの子の敵意は、時が経つ毎に増々強くなっている。
顔を合わせれば口論が始まり、互いに罵り合う。
憎しみ合う2人のやり取りに、この子の父親である私の夫は、次第に口を挟まなくなっていた。
「そんなんだから何時まで経ってもガキなのよ…」
その捨て台詞に激昂したのか、義男君は奇声を上げて私に襲い掛かってきた。
私より遥かに体格のいい義男君の手が、殺意を剥き出しで私の首を絞めている。
義男君が学校から帰宅したばかりの、夕方のリビングには2人だけで制止をするものなど誰もいない。
私は怒り狂った彼の前で、目の前が暗くなり意識が遠のくのを感じていた。
一瞬、意識を失いかけて床に倒れ込むと、その手は直ぐに離れたが立つことは出来なかった。
殺意の込められた初めての暴力に、怯えていたからではない。
これを理由に彼を脅して、言いなりにできないかと考えを巡らせていた。
しかし意識を失ったフリをして、床に倒れたままの私に彼は予想外の行動を見せた。
殺したのではないかと怖気ずきながらも、耳を近付けて呼吸を確認すると、躊躇いながらも私の胸に触れていく。
その手は震える手付きで形を確かめる様に、ゆっくりと私の胸を揉みまわしていた。
初めて女性の胸に触れたのか、その様子は酷く緊張している。
不慣れな手つきで胸を触る義男君に、私は内心ほくそ笑んでいた。
やはり血は争えないのか、父親と同じ事をする義男君が哀れにも思える。
しかし自ら飛び込んできた絶好のチャンスを、私は逃すつもりは無かった。
しばらく様子を伺いながら、気を失ったままのフリをして私の身体を好きなようにさせていく。
すると義男君は興奮気味に私のブラウスのボタンを、一つづつ外して胸を開けていった。
いつ意識を取り戻すか分からないのに、指先が震えてボタンを外すのに手間取っている。
やっとの思いでブラウスを開けると、ブラジャーに包まれた私の胸に深い溜め息を付きながら顔を埋めていった。
これを待ち望んでいたかの様に、頬ずりを繰り返す義男君は力任せに私の胸を揉んでいる。
女性を喜ばせる事など考えもせずに、己の欲望に動かされるままの行動は不快でしかなかった。
大人になろうとしながらも、子供の様に甘えるだけで女性の事などまるでわかっていない。
ブラジャーをずらして胸を露わにされた時、私は唐突に義男君の頭を引き寄せてギュッと抱き締めていった。
突然の私の行動に驚いて、彼は咄嗟に私の身体から離れようと足掻いていた。
私を見つめる大きく瞳を開いた義男君の顔が、驚きと不安で歪んでいる。
「こういう事に興味があったんだ…おいで…教えてあげる…」
その言葉を聞いた義男君は、何を言ってると言いたげに暫く私を眺めていた。
固まったままの義男君を強引に引き寄せて、私は本当のキスをその身体に刻み込む。
私の舌が口の中に侵入すると、白目を剝きながら義男君の身体から力が抜けていく。
ピチャピチャという音が静まり返ったリビングに鳴り響き、義男君は私の為すがままに唇を貪られていた。
呼吸を乱した夢見心地のその顔は、真っ赤に紅潮してとろけている。
絡み合う舌先をクルクルと回すと、反応してそれに合わせているが粗末で荒っぽい。
私は女性の身体の素晴らしさを、経験のないこの青い果実に叩き込む事にした。
私の身体から抜け出せなくなった時、この子は私の見方になってくれることだろう。
男性が離れられなくなる術など、この子の父親に散々叩き込まれて良く知っている。
私はキスを繰り返しながら、まだ成熟しきってない義男君の身体を裸にしていった。
私に体重を預けながらも、服を脱がされる事に協力する様に腰を上げる義男君は、微かに身体を震わせて緊張している。
今の義男君には、剥き出しで見せていた私に向ける敵意は微塵も感じられない。
唇を重ね合う義男君の顔には、これから行われようとしてる事への期待と不安が入り混じっていた。
義男君が生まれたままの姿になった時、これまで受け身だった彼が急に私を求め始めてくる。
離れた唇は剥き出しになった私の胸の頂点に、引き寄せられるように吸い付いていった。
荒々しく乳首に吸い付いた唇は、赤ちゃんの様にチュパチュパと無我夢中でそこを吸い始める。
お粗末な愛撫に感じる事は無かったが、私は感じてるかの様な反応を見せながら喘ぎ声をあげた。
愛おしむ様に抱えた義男君の頭を撫でまわすと、彼は得意げに私の乳首を舐めまわしてくる。
擽ったくてもどかしい舌の動きに、私の乳首はジンジンと熱くなり大きく膨らんでいく。
赤ん坊の様に乳房を求めてくる愛くるしいその姿に、私は少しだけ義男君が可愛らしく感じていた。
いつの頃からか、この子が私を異性として見てるのは何となく気付いていた。
バスルームに忍び込んで、脱ぎたての下着の匂いを嗅いでいたのも知っている。
今まで向けていた私への敵意は、自分のものにしたいのにどうする事もできなかった苛立ちからだろうか。
私は胸に埋まる義男君の頬を引き寄せて、熱い口づけを交わしていった。
「寝室行こっか…」
キスの合間の私の言葉に、義男君はうっとりとした面持ちで無言のまま頷く。
繰り返されるキスで、私と義男君の唇の間に嫌らしく糸が引いている。
一心不乱で唇を貪り合って、寝室までの距離は遠い。
時間を掛けた熱いキスは、暫くの間リビングで繰り返し続けられていった。