※この作品はR-18です。

恋心、想花の如く。-千紫万紅-   作:氷桜

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<Chapter2-7-8-Y>の終わり際シーン。


<Chapter2-7-8-Y-R>空想の中。

 

夢の中。

或いは願いの中。

記憶に残っていない、日常の中の話。

 

「…………ん、っ。」

 

指先を伸ばしたのは下半身へ。

慣れていると言う程経験が深いわけでもなく。

少なくとも、それを毎日のように……日課のようにする程経験があるわけではない。

それでも、快感を得てしまうと知ってしまったのは何故だったか。

多分、夢の中で知ってしまったから。

 

右手の指先で小さく触れる。

軽く擦るだけでもぴりぴりと感じる、痛みとはまた違った感覚。

親指と人差指、間で挟むように二度三度。

 

「っ。」

 

はぁ、と漏れるのは熱い程の小さい吐息。

普段の何かを耐えるとかそういうものではなく。

慣れていない快感故に、出てしまった恥ずかしさ。

けれど、それらを求めている今としては心地良い。

 

左手を服の合間に滑り込ませた。

肩がはだけ、掛け布団からはみ出したその部分が夜の寒気を一心に浴びる。

少しだけ冷たい、けれどそれこそが熱気を吸って快感を引き上げる。

下着(ブラ)の間に手を滑らせた。

少しだけ固くなりつつあった先を、もどかしいとばかりに擦り付ける。

 

「ぁ。」

 

言葉を抑えようと思っても。

行為の跡を隠そうとしても。

言葉は漏れ、少しずつ物音もしてしまう。

だけど、その根幹が逃避であるからか。

それらの行為に没頭し、沈湎して思考が堕ちて行く。

 

「――――っ!」

 

指ではもどかしく。

段々とその姿は荒くなる。

妄想するのは■■■■■■の手。

肢体、或いは彼が持つ男性の象徴。

乾いていた股からは水音がし始め、それに合わせて湿った空気が少しだけ。

私の部屋を漂い始める。

 

くちゅり。

そんな粘り気のある音を立てながら。

突起を弄るだけでは物足りず。

もっと、もっとと指先が裏側へと潜(・)航(・)す(・)る(・)。

 

(も(・)っ(・)と(・)、(・)も(・)っ(・)と(・)。(・))

 

指先が粘度を持ち始める。

垂れた体液が布団に滴り、特徴的な跡を作る。

側面を、壁面を擦るように。

引っ掻くように、やや荒く。

けれど奥までは届かずに、届かせずに。

 

(何(・)も(・)考(・)え(・)な(・)い(・)で(・)済(・)む(・)よ(・)う(・)に(・)。(・))

 

身体の芯、背中の筋。

或いは脳内の釦を押下するかのように。

唐突に高ぶった感情(からだ)が跳ね、布団を湿らせる量が増加する。

 

で(・)も(・)、(・)ま(・)だ(・)足(・)り(・)な(・)い(・)。

 

虚ろになりかける精神の中で。

そんな感情が、熱が未だに燻っている。

 

後一回。

もう少し。

熱を。

快感を。

痛みを。

悦びを。

 

ぐるぐるとそんな考えが掻き回され、結局は一つの本能に突き動かされる。

自分自身ではどうしようもないものだから。

そんな諦めが何処かに残っているのを薄っすらと理解しながら。

先程よりも水分が増した、女の印へとまた手を伸ばす。

 

――――眠るまで。

――――眠れるまで。

 

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