私が好きなのは兄だけど兄じゃない人に抱かれています 作:おっさんホイホイ
▷家を出て涼花を探す。
俺は土砂降りの中、涼花を探して走り回る。
小さい頃に一緒に遊んだ公園
二人で賽銭を投げ込んだ神社
手を繋いで通った小学校
心当たりを探して回る。
行き違いがあったかも知れないと一度訪れた場所に何度も戻ってみた。
だが涼花を見つけることは出来なかった。
涼花に出逢えぬまま、途方に暮れた俺はスマホを家に忘れていたことに気づき、一旦戻ることにした。
最初からスマホで連絡してれば良かったと、そんなことにすら気づかずに家を飛び出した自分が如何に慌てていたかを思い知る。
辺りが夕闇に沈む頃、自宅に着いた俺は明かりが点いていないことで涼花が帰ってない事を知り
置き忘れたスマホに残っていたメッセージで帰ってこないと知った。
『今日は友達の家に泊まります』
たった一行のそのメッセージに込められた想いに俺は気がつくことなく、少し安堵した俺は帰って来たら何と言おうかと呑気に考えていた。
その時にはもう何もかもが終わっていたというのに…
数時間前………
涼花はベッドの中で目を覚ます。
泣き疲れていつの間にか寝てしまったせいか少し身体が怠かった。
昨夜の事を思い出して涙ぐむ。
今後祐とどう付き合っていくかを思うと悲しくなる。
このまま家にいるのも辛くなり出かける事にした。
祐が起きる前に…
休日にも関わらず制服に身を包んだ涼花が向かった先は学校だった。
体育館やグラウンドの喧騒さと比較して休日の校舎内は静まり返っていた。
文化部がある棟はそれなりに人がいるようだが涼花のいる棟までは何も伝わっては来ない。
今の涼花にとってこの静けさはありがたかった。
一人校舎を歩く。
自分の足音しか響かない廊下を辿って涼花が向かった先は指導室だった。
涼花は指導室の扉の前で立ち止まる。
原田に呼び出されてから一ヶ月。
涼花の日常は激変した。
兄を守る為に原田に身体を許し
兄を想いながら原田の腕の中で果て
兄を求めながら原田に満たされる
親愛と肉欲の狭間で涼花は孤独な戦いを続けてきたのだ。
でもその戦いも続ける理由が無くなってしまった。
扉に手を掛ける。
施錠しているはずのその扉は何の抵抗もなく開いていった。
「先生…」
伏せ気味の目を上げていくとこの一ヶ月間見慣れた男の後ろ姿が視界に入る
。
「先生……なんで……」
涼花はふらふらと引き寄せられるように休日の指導室に足を踏み入れ
そしてその扉を閉じた。
涼花は運命めいたものを感じていた。
無言で振り返った原田の姿に今まで自分でも気づかなかった感情が芽生えていく。
「先生…私…」
「…」
原田は無言のまま涼花を見つめている。
二人の距離は近づいていく。
突如目も眩むかのような閃光と共に雷鳴が轟く。
全てが収まった時、涼花は原田の胸の中にいた。
自分の胸に顔を埋めている涼花の頭を撫でる。
おずおずと顔上げた涼花の目は潤んでいく。
原田は何も語らない。
ただ見つめるだけだ。
涼花は少し逡巡した後
原田の首に手を伸ばし
背伸びをしながらキスをした。
大好きな人の為に取っておいた唇を自分から捧げてしまった。
強い雨が窓を叩く中、二人はソファの上に場所を移して口付けを交わす。
「ん…ん……ん」
涼花の白い喉が上下に動く。
原田の唾液を嚥下しながら口内の蹂躙を受け入れる。
クチュックチュッと音を立て始める涼花の股間はソファに腰掛けた時から原田に弄ばれており動きに合わせて腰をくねらせてしまっていた。
「あぁ…」
唇から首筋へと這わせていくと官能ため息を吐く涼花。
女の顔をするようになった涼花を見ながら原田は計画の完遂を確信した。
手加減を止め、本格的に涼花を攻略し始めた。
衣服を全て剥ぎ取られた上に身体の全てを知られた涼花に防ぐ手立てはなかった。
襲い掛かってくる快楽に涼花の本能が屈服していく。
初めて経験する連続絶頂。
長い髪を振り乱し、あどけない顔を淫らに崩し、未成熟な身体を艶めかしくくねらせながら嬌声を上げる。
逆らえず逃れられず耐えられぬ事を知りそして堕ちた。
両脚を開かれ原田の身体が割り込んでくる。
溢れる愛液を湛え、ひくつく秘裂に熱い怒張が押し当てられる。
「いいのか?」
原田はあえて確認するように問いかけた。
答えはわかっている。
「…はい」
ゆっくりゆっくり入ってくる
ゆっくりゆっくり広がっていく
ゆっくりゆっくり引き裂かれ
ゆっくりゆっくり変わってく
熱い杭を打ち込まれ
胎内の奥まで耕され
苦痛のうめきが喘ぎに変わる
やがて二人は動きを止めて
互いの熱を確かめるように
深く深く繋がった
男の腰が震えると
少女は胎内に広がる熱に
蕩けるような笑みを浮かべた
---------
「赴任してきた原田さんを初めて手伝ったのが新婦の涼花さんでした。運命的な出会いを果たした二人でしたが教師と生徒。恋愛関係に発展するはずもなく一年の月日が流れます」
俺は新婦席で恥ずかしそうに、しかし幸せそうに微笑む涼花を見ていた。
おそらくこの中で俺だけが真実を知っている。
「一年後、涼花さんはある困難に直面します。その時、原田さんは教師として熱心に涼花さんに寄り添い、支え続けたのです。そしてお互いを意識し始める二人…ですが教師と生徒という立場です。大っぴらに付き合えない日々が続きます」
俺はあの日、家に帰ってから涼花のノートを最後まで読んだ。
「障害が大きければ逆に恋というのは燃えるもの。二人は密かに愛を育んでいったのです」
涼花が俺を守る為に身体を捧げていたこと。
あの男に身体を開発され悩み苦しんでいたこと
段々絆されていく自分に後ろめたさを感じていたこと
そして俺にずっと助けを求めていたこと
「涼花さんが高校卒業するまではと、雌伏の4年間を経て、ついに二人は本日結ばれることになったのです」
あの日、涼花を引き留めることが出来れば…何度となく考えた。
教師と生徒の垣根ではなく兄と妹の垣根を俺と涼花は越えられただろうか。
「そして二人の愛の結晶が今、涼花さんのお腹の中にいます」
胃液が逆流する。
俺は静かに席を立ち、会場を抜け出した。
俺と涼花は兄妹だ。
あの男は知っていたんだ。
涼花に求められても俺が何もできない事を…
俺に拒絶された涼花がどうなるかを…
トイレの個室でポケットから睡眠薬の瓶を取り出す。
あの日以来、俺は不眠症に悩まされていた。
こいつには今までお世話になった。
それも今日で終わる。
「今までありがとう。そして涼花、生まれてくる子と幸せにな」
いくつ飲めば死ねるんだろう。
涼花は3錠で起きなかったもんなあ。
苦い薬をボリボリと噛み砕く。
トイレの水で無理矢理胃の中へ流し込んだ。
遠くで祝福の拍手の音が聞こえてくる。
ごめんな…涼花…
祝福なんて…俺にはできない…
薄れていく意識の中で涼花に詫びる。
涼花の美しい裸体を思い出しながら
俺は意識を手放した。