高潔なデカパイ黒竜騎士フレデリカと大魔竜オスガキ邪悪デカマラくん 作:ulth
大いなる翼、神々を屠るもの、正義の覇者、悪徳の主、空と海と大地に横たわる風。
「それ」を指し示す言葉は多元宇宙に数多あり、しかしどれもが正確ではない。
「ことば」よりも先に存在するものを、定義することは出来ない。
ゆえにその名は、「ことば」であって「ことば」ではなく、正しく理解できるのは始原の三者だけであった。
『多元宇宙に虚無を齎す混沌を、我が牙に砕かれ、飲み込まれ、滅びるか』
『あるいは、我が血に従い滅びを得て、その身を卑小な眷属と堕するか』
『選ぶがよい』
ドラゴン。
その御名は、始まりに蟠るもの。
竜、と呼ばれるもののなかで、最も大いなる存在。
善なる竜、悪の竜、狭間の竜、全ての祖たる原初の翼。
「それ」は一つのちっぽけな魂に問いかけ、そして答えを得た。
『よかろう』
『では、征くが良い』
『滅びるも、生きるも、もはやそなたが決めよ』
祖たる翼は牙を閉じ、血の一滴を哀れな混沌の魂に与え、世界の扉へ送った。
そして――
§
「それが、僕です」
ボンクラそうな顔をした少年、リョウタ。
彼は、全裸に腰蓑ひとつを身につけた格好で、神妙に座り、そう語り終えた。
深い森の奥。
峻厳な山脈の、麓である。
ここには、大密林が広がっていた。
い山の裾野にあった古い森は、破壊され、大地がめくれ上がっている。
岩盤が、小山のように、さかしまに突き立っている。
なにか、が暴れた後。
その真ん中にある、大きなクレーターの中で、少年は正座していた。
「なるほど」
見下ろすようにうなずいたのは、乳のでかい美女であった。
背も、高い。
そして、爆乳である。
全身が傷だらけで、身にまとうものは砕け散り、血に塗れている。
剣は砕け、槍はへしゃげ、それでも身にまとう威風は衰えない。
戦う者である。
女騎士だった。
そして、超がつく、爆乳である。
尻も大きい。
リョウタは、神妙にうなずきながら、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
(おっぱいがデカい!)
「きちんと私の顔を見なさい」
「おっぱいがデカくて見えないです!」
「素直で宜しい」
宜しいの!? とリョウタを顔を上げ、マジで顔が見えない! すごい! と感動に身を震わせる。
そんな事ができる程度の余裕が、今はあった。
さっきまでは、無かったものだ。
リョウタは周囲を見渡し、改めて、自分の前に立つ美女を見上げた。
大きい。
乳もそうだが、背が高い。
リョウタよりもずっと長身で、並ぶとまさに、大人と子供の差があるだろう。
実際のところ、リョウタは現在、15歳ぐらいの平均的人類の身体的特徴を備えており、特別に背が低くも高くもない。
いや、本当のことを言えば、背は低いし、顔の出来も平均よりはるかに下だ。
ブサガキと呼んでも差し支えない。
眼の前で仁王立ちする美女と比べれば、女神と餓鬼である。
「さっきまでは」
リョウタは、しげしげと仰ぎ見て、無意識に、地面から20センチぐらいのところを、撫でる。
「犬か、猫ぐらいの大きさだと思ってたんですけど」
「そうでしょうね。貴方が、アレであったならば」
すかさずしげしげと下からおっぱいを見上げ、その自己主張激しき姿に感動しながら、リョウタは思わず生唾を飲み込む。
乳と背のデカい美女も、静かに頷く。
そして、
ぐらり――
と、倒れた。
「え」
ずしゃり、と後ろに倒れてしまった、爆乳の美女。
その全身は、傷だらけだ。
鎧甲冑は粉々に砕け散り、槍は折れ、剣はへしゃげている。
着ていた服も、ぼろきれと化している。
傷だらけの全身は血に塗れ、生きているのが不思議なほど。
そんな状態で、彼女は毅然と立ち、リョウタを見下ろしていたのだ。
気高く、凛々しく、高潔で、とてつもなく強い美女であった。
女騎士であろうと思われる。
「すごい人だ」
激戦を経て、勝利し、その事実を正しく示した、威風堂々たる美女。
彼女に敗北したリョウタは、その気高さに感心し、だが本音を言えば、丸出しになっているおっぱいに釘付けだった。