「それじゃ、行ってくるわね」
「うん、いってらっしゃい、おかーさん」
週が明けて火曜日の夜。急な出張におかーさんが出かける事になった。良くわからないけれどお客様のところで問題が起きて、おかーさんが直接行かないといけないらしい。申し訳なさそうに今週はずっと帰ってこられないと言うおかーさん。私はいつも通りのいい子の顔で頷いたけれど、実は嬉しさで飛び上がりそうだった。
「いらっしゃい。さ、入って」
翌日学校から帰ると、私は鞄を自分の部屋に放り込んで大急ぎでお隣へと向かう。チャイムを押せばすぐにドアが開いてお兄ちゃんが迎えてくれた。
「おじゃましまーす」
お兄ちゃんの家に来るたびにしてきた挨拶、だけど今日は少しだけ緊張していた。なぜなら今日は、二回目の動画撮影をするからだ。
「いやあ、前回の動画凄く好評だよ。ほら、1週間もしてないのに2000回も再生されてる」
そう言ってお兄ちゃんはHな笑顔で前の動画を再生する。2000と言う数字にそんなに沢山の人が見てくれたのかと喜んだけれど、それはちょっと違うらしい。
「これは再生された回数だからね、実際はもっと少ないと思うよ」
そう聞いて私ががっかりした顔をしたら、お兄ちゃんは益々Hな顔になって私の耳元で囁いた。
「それは違うよ月奈ちゃん。考えてごらん、見た人が少ないのに再生回数が多いってことはどういうこと?」
言われて私は少し考えて、あっと声を上げてしまった。だって、見た人が少ないのに再生されていると言うなら。
「月奈ちゃんのエロい動画を何回も何回も皆が見たってこと。どアップで撮ったパンツなんて、もう皆の頭にバッチリ記憶されて、絶対忘れられないよ?」
正解をお兄ちゃんの、自分以外の人から聞かされて、私は背筋にゾクゾクとした気持ちよさが通り抜けるのを感じて、同時に何と言うか満たされた気持ちになった。
「けど、こうなるとちょっと難しいなぁ」
「え?」
緩みそうになる頬を抑えていたら、お兄ちゃんが腕を組みながらそんなことを言い出した。
「ほら、最初の時に言ったでしょ?」
「人は刺激に慣れちゃうってやつ?」
私がそう言うと、お兄ちゃんは満足そうに頷きながら説明してくれる。
「そうなんだよね、もっと段階を踏んで動画を撮るつもりだったんだけど、最初のがアレで大分過激になっちゃったからなぁ」
アレと言うのは私のオナニーの事だろう。でも命令したのはお兄ちゃんだし、動画を投稿したのもお兄ちゃんだ。私のせいにするなんてズルい。
「ごめんごめん。だって月奈ちゃんがすっごく可愛かったからさ。止めるなんて出来なかったんだよ」
「可愛いって言えば許してもらえるって思ってない?」
言い訳をするからジト目でそう言い返すと、お兄ちゃんは慌てた様子で話を変えてきた。
「とにかく、今回の動画をどうするかって事だよ。どうする月奈ちゃん。止めるっていう選択もあるよ?」
真面目な表情でそう聞いてくるお兄ちゃん。でも私には解る。あれは私に選ばせて逃げ道を無くすお兄ちゃんの作戦だ。
「…ううん。撮ろうよ」
「いいのかい?」
止めるなんて言えば絶対に引き留めるくせに。でも私はお兄ちゃんの思惑に乗ってあげる。
「お小遣い、少なくなったらいやだもん」
そう自分に言い訳をして、私は二回目の撮影に頷いた。
「前回よりちょっと過激に、それでいてやりすぎないって言うとこの位だと思うんだ」
そう鼻息も荒くお兄ちゃんが提案してきたのは、
「下着でストレッチ?」
下着は解る。けれどストレッチなんて見てどうするんだろう?そう思ったけれど、他ならぬお兄ちゃんがギラギラした目で言ってくるのだから、間違いなくHなのだろう。前回と同じようにマスクを着けてベッドに座ると撮影が始まる。
「今日はどんな下着なの?」
挨拶もそこそこにいきなりHな質問が飛んでくる。だけどそんなお兄ちゃんの余裕のない感じが可愛くて、私はいたずらっぽい笑顔を浮かべて答える。
「もう、いきなりそんな質問なのぉ?えっと今日はね、体育があったからスポーツタイプだよ」
「スポーツタイプ?それってどんななの?」
解っているくせにお兄ちゃんは白々しい質問を続ける。まあどうせ言い訳だからそんなので良いのだろう。
「言葉で説明するのは難しいかなぁ」
そう言って私はブラウスの胸元をつまんで中を覗いて見せる。お兄ちゃんは顔を赤くして凄い鼻息を出している。まるで興奮した牛さんみたいだ。私はカメラへ向かって視線を戻すと意地悪な笑顔で聞いてあげる。
「どうしても知りたい?」
「うん、うん!!」
「しょうがないなぁ」
私はノリノリでそう言うと、ベッドから立ち上がってブラウスの裾に手をかける。そしてゆっくりと持ち上げて、ブラがほんのちょっと見えたくらいで戻してしまう。
「はい、こんなだよ」
「ええっ!?」
驚いたような声を出すお兄ちゃんに向かって、私は舌を出しながら言ってあげる。
「ちゃんと見せたでしょ」
「全然見えなかったって!もっとしっかり見せてくれなきゃ解んないよ!」
必死な声で訴えるお兄ちゃんに向かって私はニヤニヤと笑いながら応じる。
「そんなに知りたいんだ?とってもベンキョーネッシンなんだね。じゃあ、その真面目さに免じて私が教えてあげるね?」
そう言って今度は本当に脱ぐためにブラウスのボタンに手をかける。そうしたらお兄ちゃんが左手を上でぐるぐる回して命令してきた。
(あっ、なるほど)
お兄ちゃんの言いたい事を理解した私は、一回意地悪な目でカメラを見た後背を向けてしまう。そしてもったいぶるようにゆっくりとボタンを一つずつ丁寧に外し、ブラウスをゆっくりと脱いでいく。
「はぁい、これがスポーツタイプだよ」
そうは言うが胸元は手で隠したままだ。お兄ちゃんが無言でこちらを凝視しているのを見て、流石にやり過ぎたと思った私は、ゆっくりと手をどけて背中で腕を組んでブラを見せつける。
「どう?こんな感じだよ」
「うーん」
少し体を左右に捻って全体を見せるとお兄ちゃんが難しそうに唸る。そしてHな顔で追加の注文を出してきた。
「下はどんな感じなのかな?上だけだと解らないよ」
上下でお揃いだから当然材質もデザインもおんなじだ。でも皆が求めているのはそんな事じゃない。
「ぶー、ソウゾーリョクが足りてないぞ?でも私は優しいから、トクベツに教えてあげちゃう」
そう言って私は、わざと腰を左右に振りながらスカートを降ろしてみせる。太腿を過ぎたあたりで支えを無くしたスカートが床に落ちて、いよいよ私は下着だけの姿になった。
「これで解った?」
このスケベ共め、そんな気持ちを込めてカメラに向かって笑いかける。
「とっても良く解ったよ!ありがとうツキノちゃん!そう言えば今日は体育だったからその恰好なんだよね?」
とっても適当な話のつなぎ方に笑いそうになるのを堪えて私は頷く。
「体育ではどんな事をしたの?」
「今日はバスケットだったよ。私のカレーなプレイを見せてあげたいけど、部屋の中だと無理だね」
「それは残念、ほかには?」
「ほか?うーん、あ、試合の前にストレッチをしたよ。そっちなら見せてあげる!」
そう言って私はその場で準備運動を始める。やっている事は体育のそれとあまり変わらないけれど、私はあえて大きく足を開く柔軟や、体を思いっきりそらせて下着が強調される動きをする。同時に私の体にちょっとした変化が現れた。
(結構汗が出るかも)
理由は単純、盗撮対策といって窓とカーテンを閉め切っていて、音漏れ防止のために入り口も閉めている。その上雑音を入れないために撮影中はエアコンを切っているから、部屋の温度が高いのだ。
「ふっ、うんっ」
段々汗を吸って下着が色を変え始める。けれど色が変わっているのは汗だけのせいじゃなかった。
(あは、カメラすっごい近い)
固定しているのとは別の手に持つタイプで、お兄ちゃんが私を近くから撮影する。それはもう言い訳する気なんてまるでないくらい。私のパンツ、その先のアソコを撮っている。
「ツキノちゃん、体柔らかいね」
そう何気なく褒められて私は気分がよくなる。体が柔らかいのは密かな自慢だからだ。だから、褒めてくれたお礼に少しサービスする事にした。
「でしょ?こんな事も出来ちゃうよ」
私はまっすぐに立つと片足をゆっくりと持ち上げる。それを片手で掴むと頭の上まで持って行った。所謂I字バランスというやつだ。今までで一番足が開かれて、パンツがカメラの前に無防備にさらけ出される。
「うわ、すごいねぇ。ところでツキノちゃん。なんだか汗以外のシミが出来てるみたいなんだけど?」
「ええ、そう、かなぁ?」
自分の体の事だから言われなくても良く解っている。だって下着になった時からまた沢山の人が私に興奮するのだと想像して、私自身が興奮しっぱなしだからだ。
「ツキノちゃんさえ良ければ、気持ちいいストレッチも見せてくれない?」
「ええ?もう、しょうがないなぁ」
お兄ちゃんのリクエストに、私は笑ってそう答える。今のはとっても良いタイミング。お兄ちゃんが言わなければ、私から提案していただろう。
「えへへ」
この前と同じくお兄ちゃんのベッドへ乗る。ただ今回は前とは明確な違いがあった。
「んっはぁ」
私はベッドに横にならずに座り込み、両膝を立ててベッドの端に腰を突き出す姿勢になっているからだ。
「あはっ」
見られる事、見せつける事を前提にした姿をカメラに収められているという事に、私はとんでもなく興奮する。カメラから少し視線を動かせば、撮っているお兄ちゃんのアレが大きくなっているのが解る。
(私で興奮してる、私が興奮させている)
その事が私を更に興奮させ、より強い快感を体が要求してくる。遂に私は、腰を浮かせてカメラへパンツを大写しにし右手をその中へと滑り込ませる。直接触れた刺激は布越しとは比べ物にならない快感を私にもたらした。
「いっく!」
覚えたての言葉を口にして、私は腰砕けにベッドの上に崩れ落ちる。荒い息を吐きだしながら、未だにカメラが撮り続けている事に気付いた。
(ああ、気持ち、いい)
お兄ちゃんは私に皆が私で興奮したなんてぼかしたけれど、学校へ行っていればそれがどういう意味かなんてすぐ解る。つまり私の動画を何度も使ったという事だ。それについて気持ち悪いなんて言う子もいたけれど、私は違った。だって、皆は何度も私を使うほど私に夢中になっていると言う事じゃないか。それは私の中の何かをとても心地よく満たしてくれる。だからちょっとくらいサービスしてもいいかな、なんて思いついて、私はカメラに向かって微笑みながらこう言った。
「皆も、沢山気持ちよくなってね?」