虹のエロフェスタ ~公とEと笹~ 作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)
バーチャルワールドの某所にて開かれている、某事務所のタレントが総出演する複合18禁イベント。最大収容人数は5桁を超える大規模イベントであるというのに、抽選倍率は約5000倍を誇るほどの大盛況ぶりだった。
抽選で選ばれたラッキーなファンたちは、各ブースで売られていた具とおっぱい丸出しのエロチェキや秘部の構造を再現したオナホールを買ったり、ドスケベ衣装を着た推しとの撮影会に興じたりと性欲丸出しで愉しんでいた。
その会場のど真ん中に位置していた特設ステージにて。ドラムロールと派手なジングルによって強調された画面に、歌うまファイヤードレイクの顔がドカン!と映し出された。
「――決ーまーりーましたァ! 『2位以下は全員エッチな罰ゲーム!チキチキ!女だらけの歌唱力限界サドンデス対決!!』の勝者はドーラさんです!! おめでとうございまーす!!」
司会用マイクを、熱い照明が照らす天井に掲げたシェリンが吠え滾る。会場全体から熱狂的な歓声と、一部の残念だか歓喜だかわからない「お~……!」という絶妙な声が湧き上がった。
壇上に上がったドーラに、うやうやしく片膝をついてトロフィーを贈呈したシェリンは――途端にモノクルをギラリと光らせ、〝その瞬間〟を待ちわびていた男性ファンたちの目に、性の煌めきを反射させた。
「それでは!優勝者以外の方たちはご自身のブースに戻り、『用意していたファンサービス』を開始してください! とんでもなくエッッッ!な罰ゲーム、スタートゥーです!」
勝者を讃えていたはずの賞賛よりも大きく、地鳴りのように野太い雄叫びが起こった。声の主たちはペニスを勃起させ、我先にと対決に参加していた推しのブースへと戻っていく。
普段は自分のことをエッチな目で見てくれない親衛隊たちが、息巻いて自分の帰りを待つ姿を見て――フレンは赤らんだ頬をカリカリと掻いていた。
彼らの下半身はズボンを押し上げるほどにパンパンに張り詰めており……対決前に行ったエッチな撮影会程度では抑えきれない、溢れんばかりの猛りを表していた。
「えっとぉ、その……これって、アレですよね……。あの『自分らしいファンサービスをするための企画』ってヤツを、今からすればいいんですよね……?」
「え~……うち、人数不足で巻き込まれただけやのに……。そもそも、うちはフェス自体不参加の予定だったから、ブースとかないんやけど……」
基本的にはタレント全員が参加するイベントとなっているが、笹木をはじめとした〝正式で切実な理由〟を持つタレントはイベント発表時から欠席となっていた。
つまり、会場には笹木とエッチな交流をすることだけを期待して来場していた参加者はいない。そういう意味で、笹木は安心して歌合戦に参加していたのだが……。
『ぴんぽんぱんぽーん。えー、特別参加をしてくれた笹木さんの罰ゲームは【耳舐め手コキASMRの収録】なので収録ブースに来てください』
「耳舐め手コキASMRってなに!?欲張りすぎやろ!? そんなん絶対――ちょっ、コラッ!お前らなにして――ひゃあんっ♡!? うひっ、あっ♡アホっ、腋さわんのやめーや……!!」
「さ、笹木さんが喘ぎながら黒服たちに連れ去られていくゥ!! あの笹木さんが……エッチな仕事に赴くなんて……!? こんなイベント、あっていいのか……!?」
「境遇だけなら、わたしたちも同じなんだよなぁ……」
「あ、リゼ様もこれからファンサービスに……あれ? リゼ様って対決に参加してましたっけ?」
「お?なんだ? わたしのは目と耳に入らないほどに低レベルな歌声だったと言いたいのか貴様? 不敬か?」
「アッ――ごめんなさい違いますそうじゃないんです! 私、あの、こことトリニティのブースを行き来しててずっとは居なかったんです!だからたぶん……その隙間時間にリゼ様が麗しいお歌を……お、お願いします!信じてください!!」
「あー、そういやあっちのイベントと時間被ってたんだっけ……なんか、お疲れ様……っすね」
「あ、ご丁寧にありがとうございます…………まぁ~、あのぉ……これからが大変なんじゃないですかね……?」
「……まあ、ねぇ……」
フレンとリゼは、自分たちが戻るべきブースを見て……そこにできた、大量の興奮した男たちによる長蛇すぎる行列に頬を引き攣らせていた。
「…………わたし、生きてヘルエスタに帰れるだろうか……? 冗談抜きで腹上死するのでは……?」
「っていうかリゼ様の待機列エグすぎん!? この会場のいちブースだけにあの……パンパンに〝折れる〟レベルの行列を押し込むのはさすがにヤバいって!! マジでリゼ様の男性人気半端ねーっすね!!」
「あははー、ディ〇ニーの出来たばかりのアトラクションみたいだー………………わたし、あの数のチ×ポを相手にするのか……ど、どんなことをサれてしまうんだろう……?」
「が、頑張ってくだ…………リゼ様、ちょっと興奮してません?」
「はっ――はぁああああッ!? やっ、そんな……ばかっ!興奮なんて……し、してるワケねえだろがい!?」
「なんでちょっと江戸っ子みたいな言い回しに……いや、顔が赤かったんで……。ちなみに、リゼ様のブースの企画ってどんなんですか? あれって基本自分で決めるんですよね?」
「…………へ、『ヘルエスタが堕ちる日』……らしいけど……?」
「………………」
「……あ?なんだ!?『ああそういうよくある感じの凌辱系的なアレですね?』みたいな顔しやがって!文句あるかァ!? やんのか!?やるんだな!? よっしゃヤッてやるよ!!かかってこいよオラァ!!」
「私なんも言ってないじゃないですか!? まあ、ほら……うちの『流行らせ!くっころルスタリオ! ドキドキっ♡えっちなブートキャンプ♡』よりぜんぜん……あの……コンセプトっぽくてイイじゃないですか! ね!ねっ!」
「よくはないだろぉ!? くっそぉ……兄上に『ほう、対決に出たくないと……まさか、歌に自信がない……? フフッ……では、朕が代わってやろう。感涙してひれ伏すがよい』とか意味不明な流れでエントリーすることになったし、罰ゲームも勝手に決まってるしさぁ……なんなんだよもぉ……!!」
「あ、それでチャイカさんがこぶしを利かせて韃〇海峡を歌ってたんですね……ん? じゃあリゼ様歌ってないじゃないですか!? 私マジでなんも悪くないんだけど!?」
「……そういえばそうだわ、ごめん…………じゃあなんでわたしこれからチ×ポにわからせられないといけないんだよ!? べつに堕ちたくないが!?」
「それは主催者かスタッフに言ってくださいよ!? っていうかヤバいです!こうしている間にも行列が――は、破裂するッ!?」
「自爆寸前のセ〇状態まで膨れている……!? ふ、フレン、全部終わったらヘルプお願い! 女騎士なら……まあ、許されるだろ! コンセプトっぽいし!」
「わ、わかりました……コーヴァスとヘルエスタのエッチな共同戦線的なコンセプト的なアレですね……! それじゃ、私も頑張って――親衛隊のみんなに、普段できない〝サービス〟してきますっ♡」
「ふ、フレンッ!? お前……まさか……既に、堕ちて……!? まともなのはわたしだけか……!?」
フレンが軽快な足取りでブースに向かう姿を見ながら、リゼは増え続けていく自分のガチ恋勢たちの山を見て――。
「……が、ガチ恋の許可出しちゃったの……明らかに、間違いだったなぁ……♡」
――誰にも聞こえないように、ごくりと喉を鳴らしたのだった。