Rationalis Platinum 作:TSれメロス
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無数に連なる平行世界。
その中には、上位存在である神々からさえ忌避され、固く侵入を禁じられる“
しかし神とは宗教・神話を見て判るように、神話体系―――「横のつながり」が存外希薄なものである。
故に
例えば――――――
「何だこれは……! 一体どうなってやがるっ!
“
曰く、ここ1000年以上、何の戦争も起きていない平和な世界。
曰く、全体的な戦闘力が低く、チート能力で無双できる世界。
曰く、野生動物でさえ穏やかな気質が殆どの、外敵らしい外敵の存在しない世界。
「大嘘もいい所じゃねぇか! 住人の様子が明らかに全員おかしいってレベルじゃねぇぞこれ!」
“この世界”に降り立った瞬間、自分を見ている住人たちの様子が異常であることにはすぐ気が付いた。
襲ってくるわけではない。むしろ、態度そのものはこの上なく友好的だった。しかし……
「あの『目』……! 俺を
一人二人というならまだ納得できた。
しかし、出会う人間全てが“それ”なのは異常という他ない。
そんな連中から満面の笑みで食い物やら飲み物やら寝床やらを提供されても、到底恐ろしくて応じられるわけがなかった。
しかも連中はさも“
兎にも角にも、まずはこの狂った街を脱出せねばならない。
……“街の外も、同じようになっているのではないか?”―――その否定し難い懸念が頭をよぎったが、どのみち留まる選択はないのだ。
俺の転生チートで得たスキルは三つ。
一つは「パラメータカンスト」。基礎ステータスがこの世界での限界値に達し、それ以下への減衰が発生しなくなる。
二つは「ステータス異常無効」。毒や混乱・石化や呪いといった負の干渉を遮断する。
そして三つ目は「神域転送」。一ヶ月に一度、神のいる空間へ赴いてアドバイスや助力を得られるというものだ。
攻防共に隙はない筈だし、最悪の場合は「神域転送」で直接クレームへ訴えられる。死角はどこにもないはずだ。
そのはずなのに嫌な予感が収まらない。背中から嫌に粘ついた汗が、この世界に降り立って以来一度も絶えることなく流れ続けている。
俺の第一スキルによってカンストしている直感パラメータが働いているのだとすれば、一刻も早くこの街を出なければならない。
(よし……! 誰もいねぇ、街の出口まで一直線だ。いけるぞ!)
路地から首を出して左右を伺うが、人影は見えない。
限界値に達した敏捷パラメータに任せて、俺は路地裏から無人の入り口までを走り抜けて―――
「――――――みぃつけた」
……
「!!? うおおおおおおッ!!」
成り振りを構わず真横へと全速力で飛び退く。
そして俺が離脱した直後、丁度俺のいた空間を“銀色の細い糸”が無数に通過していった。
宙を舞っていた木の葉が切断もされず、優しく絡めとられていったあたり、攻撃用ではなかったようだが……背筋が凍る。
声のした方を見れば、先ほどまでいなかったはずの人影が複数名。街の入り口を塞ぐように陣取っていた。
「あーっ、アラーネさん、攻撃外しちゃいましたよ! 姉様の前なんだから、ちゃんと当てないと!」
『申し訳ございません。思いのほか向こうの足が速く……』
一人は、着物のような服装を身に纏った黒髪の女。
ような、というのは服の各所にスリットが入って、その体つきを部分的に曝け出している奇妙な服だったからだ。
わずかに覗く胸元や見せつけるように割かれた臍のラインは、中途半端に脱ぐより遥かに淫蕩で男の劣情を煽り立てるものであった。
そして、俺の方を流し目で見るその目つきは、あの街の連中―――どころではなく、もっと深く暗く淀んでいた。
「まあまあ。アタシたちよりアラーネさんの方が圧倒的に強いんだから。
「むーっ……でも
「そりゃあそうだろうけどさ、流石にこれは相手が悪いでしょうよ。さっきの見る限り反応速度
一人は、着物の黒髪女に酷似した容姿の、しかしこちらは洋風の装いをした女。
着物女と異なり露出
特に圧巻なのは胸。「
アンダーバストからトップまでを継ぎ目なく布地がカバーする異様なデザイン。
これを普段どう着て、どう脱ぐのかさっぱり想像の衝かないシロモノだった。
そして全身を隙間なくフィットしていることで、逆にその輪郭は際立ってしまう。
鼠蹊部のラインなどが浮き彫りになってくっきりと
「大丈夫よ。もう
そして、最後の一人。
ゴシックドレスを身に纏い、左右に棚引く長い銀髪を風に燻らせながら、右肩に蜘蛛を載せた赤い目の少女。
そいつの姿を視認した直後に、背を流れる脂汗の量が倍増する。
直感的に理解した。こいつが“
反射的に、転生のボーナス特典で得た聖剣を背から抜き払って構える。
だが、
違法プレイヤー粛正用のチートデバッグエネミーが、設定ミスでポップしてきたような絶望感が、俺の全身をどっぷりと浸していた。
「お前は―――」
「はじめまして、異世界からの来訪者さん。わたしは、“
初手から理解できない言葉をそいつは発していた。
意味がわからないというよりは、脳がそもそもの理解を本能的に拒絶する類の内容。
「本当に苦労したわ。この世の素粒子レベルにまで“わたし”を徹底的に浸透させるのは。
でも結果は御覧の通り。
ぞっとする言葉だった。
まさか―――この世界が
「
「だいせいかい」
そいつは“心から称賛する”とでもばかりに、ぱちぱちと両の掌を打ち鳴らして拍手した。
漸く、この世界に来てからずっと付きまとっていた
即ち。
(
もうプライドを取り繕う余地などなかった。
俺にできる選択肢は一つだけ。『神域転送』でこの狂った世界から脱出すること!
その後どんな世界へ行くにしても、ここよりは遥かにマシだ……!
その考えに行き着いた直後。俺の背にずっと張り付いていた悪寒が
つまり……それは恐らく、向こうが油断しているということだ。チャンスは今しかない。
俺は、意を決してスキル名を口にする。
「『
「
―――
喉が詰まったかのように言葉を発せない。あと1文字。たった1文字なのに。
「そう……どこかへ行くんでしょ?
「ぁ――――――」
そいつが踵を返してどこかへ歩いていこうとする。
俺の自我がその事実を認識できた時、強烈な
ふらふらと歩みよって、肩に手を置いて制止
振り向いて肩越しに俺を見返す、そいつの赤目が爛々と闇を湛えながら嗜虐的に輝いている。
こうして覗き込んでいるだけで、心が瞳の奥に繋がるどこかの遥か深淵へと飲み込まれそうになってしまう。
「なぁに? わたしに何か用?」
「ぁっ……その……お前は―――俺に、何をした」
「
「どういう……こと……だ」
「さっき言ったでしょう?
―――本当に苦労したわ。
「
「言ったでしょう。
ぐらりと、世界が傾いでいく。意識が朦朧として、見える光景の輪郭がぼやけて霞む。全身が脱力して言うことを聞かない。
「皆わかっていたのよ。
曖昧な世界の中、来ていた服が煙となって一瞬で消滅し、俺の腹のあたりへ激しく熱をもって“なにか”が刻み込まれるのを感じた。全身が燃え上がるように疼き、特に胸と股間のあたりが“じゅくじゅく”と甘い痺れを発し出す。
「あなたはわたし。わたしはあなた。
わたしはこの世界。あなたはこの世界の一部。つまりは、そういうこと」
頭の中がどこから来たかもわからない“きもちいい”の5文字だけで埋め吐くされていく。
もう、意識が、持たない……
「遅ればせながら、改めて。―――ようこそ、わたしの世界へ。歓迎
微かに聞こえたその言葉を最後に。
俺は底無しの闇から現れた無数の私たちに魂を抱擁され、わたしであったという自覚の光の中へと即座に引きずり込まれて、意識を呆気なく霧消させた。
・
・
・
・
・
「起きなさい」
「―――はい」
言われた通り、ぱちりと目が覚める。
煩わしい肉や皮を脱ぎ去り、魂だけになって生まれ変わったような、とても清々しい気分だった。
「おはよう。とりあえず、鏡をどうぞ」
洋装の彼女が、姿見をどこからか用意してくれていた。私は身を起こし、直立した自分自身の姿を鏡に映して見やる。
柔らかく重力に忠実なショートの赤毛で、蒼く輝くつぶらな瞳。軽鎧の隙間に見えるしなやかに膨らむ筋肉と、主張しすぎないスタイルは、雌豹のそれを思わせた。
一方で鎧に隠れた箇所の全ては、控え目な胸は貧乳ではなく“凝縮”された敏感さと弾力を内に隠し、臀部は乳房と対照的に欲望で大きく膨らみ、両の大腿は“むちむち”と双尻に負けない質感と、感度を備えたイレギュラーな性感帯として、秘めたる情欲の存在を隠喩している。
“俺”だったころの面影は一切ない、凛とした鎧姿の、尚且つ“スイッチ”が入れば際限なく乱れて色に溺れるだろう、戦に出てはオスに敗れて犯され孕む為だけに生まれてきたような、潜在的な淫らさが体躯に見え隠れする少女騎士。これが今の私らしい。“なにかのゲームで見た”ような覚えがあるが、もう今の私にとって“俺”の認識は遥か彼方にある。
私にとっては、今の私であること、そしてわたしの一部であるということ以外は、ほぼどうでもいい事物だった。騎士とは主に仕えるもの。私は、主たるわたしの前へと膝を折って
「無礼をお許し下さい。あなたがわたしであるとは露しらず、無知蒙昧の数々を曝してしまいました」
「どうでもいいわよ、そんなの。それより」
「はっ。何でございましょうか」
私の犯した赦されざる罪は、わずか十二文字の言葉で一蹴された。格が違う。
私がわたしの立場であったなら、わたしを害そうとしたこの私を消さずにいられる自信がどこにもない。
「『神域転送』だったかしら?
あなたは“わたし”だから
「わかりました。神域転送とは、一ヶ月に一度神界へと使用者を転送するスキルです」
「間違いないのね?」
「はい。あの神めが自慢ったらしく、自信満々に述べておりました故」
「そう。なら―――」
目の前のわたしは、“
ちろりと間隙より這い出た舌が唇の端をなぞり、端正な口元が喜悦に“くすくす”と歪んでいる。
「―――わたしがそのスキルを使えば、神々もみぃんな“
「あ、あああ……っ!」
感動に魂が震える。それは、私などでは思いも拠らない発想だった。
「ありがとう。……もしかするとわたしは、ずっとあなたを待っていたのかもしれない」
「も、勿体なきお言葉!」
「でもね、今重要なのはそこじゃあないの―――わかる?」
そう告げたわたしが腕を一振りすると、私の鎧は初めからなかったかのように消え失せてしまった。思わず胸と局部を腕で覆い隠すが、私の抵抗を意にも介さず、わたしは私へ接吻を迫ってきた。唇を問答無用に奪われる。
私のなかのわたしが、わたしと触れあっていることに昂奮して、“きゅうううんっ”と股座の閉ざされた朱門を己ずから開錠。溢れ出る淫液と共に、外界へ解き放つのを感じた。触れ合った唇が離れて、透明な銀色の糸がわたしと私の間に一筋結ばれる。わたし同士が繋がり、満たされる幸福に溜め息が思わず漏れた。
「寝転んで?」
「……はい」
私は言われた通りその場へ仰向けに横たわる―――街の一角の路上だったはずの場所は、いつの間にかわたしの寝室へと光景が変わっていた。
わたしは私の片足を垂直に持ち上げて、私の蜜で溢れる秘裂を、わたし自身の濡れそった玉門と、ぴったりと向き合わせるように位置取った。
「……松葉崩し、でしたか」
「知ってるなら話は早いわね」
わずかに距離を置いていたわたしと私の腰が近づけられ、隙間なく密着する。そしてとめどなく求愛の汁で濡れそぼり、ぴったりと女唇同士で触れ合っている二つの宮殿を、ゆっくりと擦り合わせ始めた。
「「あっ、あっ!? んあああああっ、やっ、ひぁっ、これ、すごいいいっ!!」」
男性器をねじ込まれる直線的な快楽とはまた異なる、女性器全体より“じんわり”と発散していくような甘い波紋が、わたしたちの躰に広がっていく。
すなわち、失神という名の
「んんっ、ふうっ、あんっ、んあっ、ふあああっ!? やだっ、これ、
「ひんっ、あっ、あああああっ!? ひゃあっ、あはぁっ、きもちいいっ!
よってたちまち、わたしたちの歯止めは聞かなくなった。わたしはより強くラビアを私へと押し付けていき、私もわたしの骨盤を腰から掴んでより強く享楽を貪った。女根同士が交接する“じゅぷじゅぷ”という、普段耳にしないような淫らな水音がわたしたちの昂奮をさらに後押ししている。
特にわたしの
気が付けば松葉崩しの体勢は維持できなくなったまま、わたしたちは脚を絡めて、お互いの腰を獣のように引き寄せ合いながら、緩慢に色欲の上死点へ埋没するだけの状態へ陥っていた。
やがて―――ずっと越えられなかった快楽99と100の間の
「あはんっ、わたしのくちびるとおまんこ、私のといっぱいキスしててすごくじんじんするのぉ! いっちゃう、いっちゃうぅぅ!」
「ふあああああああっ、おちんちんいれてないのに、おまんこだけでいっちゃう、イクっ、イクイクイク、イっくぅぅぅぅ……!」
「「ああっ、んあっ、いっ、あっ、いく、イッて、いあああああああああああっ!!」」
“ぷしゃあっ”とわたしたちの双貝が愛の泉を吹き上がらせ、通常の“あたまがばかになる”のとはベクトルの異なる、深奥で遠大な快楽流が起爆した。
わたしたちの脳の中枢から二人分の
爪先から頭の天辺までを丸ごと甘ったるい蜂蜜に漬けて煮込まれた後で、それをゆっくり平常化されていくような感覚。そんな心地よい脱力感と共に、わたしたちは蕩けきった意識をゆるゆると白い闇の中へ回帰させていった。