※この作品はR-18です。

Rationalis Platinum   作:TSれメロス

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∧. / Non mihi: non tibi: sed nobis.

 

 

 

 

         < XX >

 

 

 

……寝室の天井に吊られた魔力灯へ照らされて、複数の女体(わたしたち)が天蓋つきの大きな寝台の上で、一糸まとわぬ裸体を相互に曝しながら、激しく交接を繰り返している。

“じゅぷっ、じゅぷんっ”と絶え間なく相(・)手(・)の(・)女(・)陰(・)の(・)裡(・)か(・)ら(・)せ(・)り(・)出(・)た(・)実(・)の(・)肉(・)棒(・)を抜き挿しされる濡穴からは、爛れた粘製の音が溢れる淫水と共に吐き出されていた。

 

「姉さん! 姉さぁんっ! ここっ、ここがイイんですよね? お尻側から子宮をと(・)ん(・)と(・)ん(・)突かれるこれがっ!」

「あはんっ、そこダメぇっ……! 感じ過ぎておかしくなっちゃうぅぅ……!」

「ならば正道から責めるとしましょうか。私のこ(・)れ(・)は、少(・)々(・)サ(・)イ(・)ズ(・)が(・)規(・)格(・)外(・)か(・)も(・)判(・)り(・)ま(・)せ(・)ん(・)が(・)……」

「ひっ、あっ……なにそれ―――そ(・)ん(・)な(・)の(・)挿れられたら、アタシこわれちゃうよぉ!」

 

―――わたしの世界では、あらゆる者のあらゆる欲望が肯定される。

オトコだったオンナ同士で、あるはずのない性器を生やし生やされてひたすらにまぐわい、ヒトの倫理道徳を放り捨てて退廃と享楽へ耽り合う眼前の光景は、きっとそれを端的に象徴していた。

 

「もうあたしたちはみ(・)ん(・)な(・)"わ(・)た(・)し(・)"に(・)な(・)っ(・)て(・)る(・)んだから、今更壊れるわけないでしょう。入れちゃって下さい騎士さん」

「はい。では行きますよ……っ!」

「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!? いぁっ、壊れ、こわれる、アタシのおまんこ、おちんぽぎちぎちでずぼずぼされたらこわれちゃうぅぅぅ!?」

「……その割には随分と喜悦に緩んだ表情をしているようですが」

「姉さんはマゾいんだよねぇ……だから後ろから同時に突かれても、こ(・)う(・)、なるのっ!」

「あ"―――っ! あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"―――ッ! 死ぬ、死ぬ! これイきすぎてアタシ死んじゃうぅぅッ!」

 

『参加なさらないのですか?』

「今(・)は(・)ね(・)。ぶっちゃけ、見てるだけのわたし側にも、そ(・)こ(・)そ(・)こ(・)フ(・)ィ(・)ー(・)ド(・)バ(・)ッ(・)ク(・)来(・)て(・)る(・)し(・)」

『……あれらが元男というのは、乱れぶりを見て未だ信じがたいものがありますな』

 

アラーネに言葉を返しながら、目の前で三人の“わたし”たちが姦しく絡み合っているを見やる。

口ではああ言っているが、本当にやりたくないことをわたしたちはで(・)き(・)な(・)い(・)ので、これも所謂「厭よ厭よも好きのうち」、というやつだ。

後は―――、一つの疑問があった。

 

「ねぇ、アラーネ」

『何でしょうか』

「誘ったことがないのは、確かに事実ではあるんだけど。それでもアラーネは一(・)度(・)も(・)“参(・)加(・)”し(・)た(・)こ(・)と(・)な(・)い(・)わ(・)よ(・)ね(・)?」

『……人間の肉体を持ち合わせておりませんのでな』

「やろうと思えば作(・)れ(・)る(・)んじゃない?」

『それは"あ(・)な(・)た(・)"が望みません故に』

「!」

 

……言われてみれば、確かに―――そうだった。

わたしはアラーネへ“人(・)間(・)の(・)姿(・)を(・)取(・)れ(・)”と、何故一度たりとも言(・)わ(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)のか。

 

『不躾ながら、"私(・)見(・)"を申し上げるのであれば。主様は"独(・)り(・)に(・)な(・)る(・)"ことを恐れていらっしゃる』

「…………」

『ただし、自分と同格の相手でなければ、基本"存(・)在(・)し(・)て(・)い(・)る(・)"も(・)の(・)と(・)し(・)て(・)主(・)様(・)は(・)扱(・)え(・)な(・)い(・)。

 故に求めた者全てを、"同格の存在"へと変えているのです。結(・)果(・)と(・)し(・)て(・)、"主様"が増えてしまうというだけで』

「……だ(・)か(・)ら(・)、従(・)者(・)? わ(・)た(・)し(・)で(・)あ(・)り(・)な(・)が(・)ら(・)完(・)全(・)な(・)わ(・)た(・)し(・)で(・)は(・)な(・)い(・)別(・)の(・)存(・)在(・)で(・)あ(・)り(・)、人(・)の(・)カ(・)タ(・)チ(・)を(・)持(・)っ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)と(・)い(・)う(・)『口(・)実(・)』を(・)用(・)意(・)で(・)き(・)て(・)、わ(・)た(・)し(・)の(・)衝動タ(・)ー(・)ゲ(・)ッ(・)ト(・)か(・)ら(・)も(・)半(・)永(・)久(・)的(・)に(・)外(・)れ(・)る(・)こ(・)と(・)が(・)で(・)き(・)る(・)立(・)ち(・)位(・)置(・)の(・)」

『明確にせぬままの方が、時として有利に働くこともありましょう』

「そうね……そ(・)う(・)い(・)う(・)こ(・)と(・)も、あるでしょうね。なら、この話は、ここまで」

『承知しました』

 

……わたしが今わたしでいられるのは、思いのほか際どい綱渡りの元に成り立つ奇跡なのかもしれない。

だが、それはそれで、これはこれ、だ。

―――身に纏っていたドレスを、閾(・)値(・)を越えて着火した衝動のまま、躊躇なく脱ぎ去った。びっしょりと濡れる股座の下着を片脚ずつ上げてそこから外せば、わたし三人分を介して得た快楽によって、わたしの淫裂は大口を開けて洪水の様相を呈している。もうがまんできない。

わたしはいつの間にか形成逆転し、騎士と従姉の二人に前後から責められて寝台に沈む、妹の元へと歩み寄った。

 

「あはぁ……姉様ぁ……! 気持ち良すぎて……あたしをたすけてぇ……」

「そうね。今から助(・)け(・)て(・)あげるわ」

 

わたしは前門と後門を並行して穿たれて、所在無さげに"びくびく"と震える妹の秘芯を指で摘み上げて。

“ずるるるるるっ”と無造作に『引き伸ばした』。妹から「ぃひぅっ!?」という奇妙な喘ぎ声が上がる。

僅か数秒前まで妹の小さな貝柱“だったもの”は、ぬらぬらと夥しい先走りを砲口から零す、長大で鋭敏でかっちかちの勃起おちんちんへと一瞬で変貌していた。

そして間髪入れずわたしは抱き着くような形で、屹立する妹の剛直を根元まで“ずぶぅんっ”とわたしのナカへ迎え入れる。

三部位を同時に責められる妹が「ひぁぁぁぁぁあっ!」と激しく呻きながらのたうち回るが、両腕で背をかき抱いてからのディープキスでその全てを強制終了させた。

ゆっくりと、徐々に激しく、そして妹が快(・)楽(・)を(・)溜(・)め(・)切(・)っ(・)て(・)、最(・)高(・)に(・)気(・)持(・)ち(・)よ(・)く(・)失(・)神(・)で(・)き(・)る(・)よ(・)う(・)な(・)「助力」として、わたしは跨った腰を豪快にグラインドさせつつ、上下へと徹底的に暴れさせた。

追従するように従姉と騎士たちも、わたしの挿入にぴったりと合わさったタイミングで、逸物の抽送をシンクロさせてくる。

責められ続ける妹は焦点の虚ろな目をしてはいたが、口元は蕩け切って緩みっぱなしだったし、前後から雄根を突き込まれる度に、わたしの産道を潜行するむきだしの神経棒が"ぴくんぴくんっ"と、はちきれんばかりに膨れて歓ぶのを鑑みれば、その本心など今更誰何するまでもなかった。

だからわたしたちは一(・)切(・)情(・)け(・)も(・)容(・)赦(・)も(・)な(・)く(・)妹わ(・)た(・)し(・)を(・)蹂(・)躙(・)す(・)る(・)。

わたしたちは何処まで往こうとし(・)た(・)い(・)こ(・)と(・)しか、し(・)て(・)ほ(・)し(・)い(・)こ(・)と(・)しかできない、肉体へ従(まつろ)う本能の奴隷なのだから。

 

「む"―――っ"! む"む"―――っ"っ"! む"ー! ん"ん"ん"―――ッ!」

「あは……アタシ……そろそろ限界、出そう」

「私もです……妹様の膣内(なか)が凄まじく絞り上げてきて、もう我慢できません」

「うふふ。じゃあ、なかよくわたしたち4人でイこうか。いっしょに」

 

じゅぷじゅぷじゅぷ。ぱんぱんぱんっ。私のおちんぽが、あたしのおまんこのポルチオを何度も何度もノックする。きもちいい。

ずぼんっ、ぬるるっ、ずぼんっずぼんっ。あたしの背徳の菊穴を、アタシのペニスが激しく去来し、亀頭冠で腸壁を力強く擦り上げる。きもちいい。

ばちゅんっ、ばちゅんっ、ばちゅんっ。しとどに愛液を湛えるわたしの命の聖堂が、あたしのおちんちんを先から根元まで、余すところなく咥えて容赦なく味わい尽くす。きもちいい。

 

いつしかわたしたちは、ひとかたまりでうごくふくざつなじどうきかいのようになって、いってんのぜっちょうをめざしてひたすらにまじわりあって、ぜっちょうのはるかかなたへとさいげんなくのぼりつめていった。

そしてよっつのことなるくちびるから、ひとつのおなじわたしのことばがそろってげんかいをくちにする。

 

『あああああッ!! わたし、あたしっ、アタシ、私ぃっ!

 わたしたち、みんなでイク! ひとつでいっちゃうッ、いっちゃううううう、イクイクイクイクイクぅぅぅぅぅっ……!!』

 

“ぶしゃあああああっ”とわたしたちはいっせいにみっつのおちんちんでしゃせいして、ふたつのしきゅうとひとつのおしりできもちよくしおふきあくめをした。

こころがばらばらになって、たましいがちりぢりにされて、にくたいがしろいひかりにとかされて。

なにもかもがないまぜにされたはてに、わたしたちはわたしになるのとわたしたちにもどることをむげんにくりかえしながら、てんじょうのいただきへとえいえんについらくしつづけていく。

そこなしの“しあわせ”と“きもちいい”にたゆといながら、ゆっくりとうすれていくしかいのなか、わたしたちはみんなでてをくんだまま、とってもしあわせなきぶんで、いしきをふかいふかいまどろみのなかへとしずめていった。

 

……これからも ずっと こうできたら いいな……

 

 

 

 

― 了 ―

 

 

 

 








感想・評価等がおありでしたら御自由に



◆わたし
「完璧な肉体」が“あまりに完璧であった”ことから、その「本能」部分が偶発的に自我を得てしまった存在。一般的な観念にまで定義を落とし込むと、いわゆる「イド」とか「エス」とか呼ばれるもの。
ものごとを理解したり判断する「知性」「悟性」は脳(にくたい)が高スペックのためハイレベルで有するが、純然たる動物的本能の権化であるため、論理ないし道徳を基に自分の行動へリミッターを設ける、対思考抑止能力―――「理性」の概念が欠如している。なので「睡眠」「食事」「性行為」などの肉体的欲求に極めて忠実で、それを満たすためであれば“何でも”やる。
本質が自我を得た肉体的本能・欲望・衝動そのものであるため、他者のそれを励起して自我を持つレベルにまで覚醒させることも可能。“わたし”自身は欲望や本能でさえあれば、それは全て「自他老若男女問わず、まだ認識がないだけの“わたし”である」と定義しているため、結果として覚醒させられた者は例外なく“わたし”としての性質を“自覚”し、その一個体として全体に包括される。最も原始的な肉体的欲求からのアプローチなので、肉体を有する限り意思あるものがこれに抗うのは“やりたくない”ことのため困難。
一連の騒動により世界を丸々一つ、さらに複数の神柱をも取り込んでしまい、「今わたしを見たな? これでお前とも縁(わたし)ができた!」→「お前も“わたし”だ(精神的ファミパン)」的に暴れまわる、上位世界内でもそれなりの厄ネタに数えられるようになった。“わたし”の世界及び“わたし”になった神格はその全てが絶賛隔離指定だが、表向きは一応正常なので、何も知らない者がちょっかいを出して“わたし”るケースはぽつぽつと確認される。
弱点は欲求が発散できないと普段抑制している自死衝動が表出して、最悪全個体が一斉自殺しかねない脆弱性があること。ただし、自死衝動そのものは“わたし”であることに疲弊した者を“わたし”から解放するための貴重なリソースなので、一概に切り離せるリスクではない。
霊体や電子生命体などの「生体を有さない」相手は自分の領地に引き込まないと“わたし”にできないので不得手。しかし“わたし”としては話相手ができてむしろ都合がいいとか。
……もっとも最近「肉体をこ(・)ち(・)ら(・)で(・)錬(・)成(・)し(・)て(・)与(・)え(・)れ(・)ば(・)みんな“わたし”にできるんじゃないかしら?」と解決策を思いついてしまったため、二度目の私達の黄昏(ラグナロク)の発生は免れないだろうと“わたし”自身薄々察している。当然そのうち普(・)通(・)に(・)や(・)っ(・)て(・)み(・)た(・)く(・)な(・)る(・)ので、研究も準備も裏工作も結局全部ノリノリで実行することだろう。

◆俺
どこにでもいる普通の一般トラック転生系男子高校生だったが、合体事故を起こして記憶がほぼ消し飛んでしまい冒頭へ至る。
完全に“わたし”へと溶けてひとつになったが、その後の“わたし”にショタ責めの傾向があったり、自分や相手に生やしてから致す、張型を使ってもわざわざ射精が伴う、などの性欲が強く、かつ業が深い面が頻出することから、元々の彼がどのような性癖(じんぶつ)であったかはそれとなく伺える。やっぱりこの国っておかしいよね。

◆魔女
転生者の女。転生特典は『錬金術』。アラサー系ひきこもりオタ。
世情があまりよろしくない中世風ファンタジー世界だったので、誰も入ってこないようなド僻地に逃げ込み、細々とチート能力で自給自足を行いつつ、静かに暮らしていた。
ぼっちであってもかわいい使い魔(節足類)がたくさんいたおかげでそれなりに満たされており、大それた欲求とかは別になかったのだが、毎日毎日何でも雑に錬金術で処理していたせいでスキルポイントが溜まりに溜まり、最上位スキル『黄金比錬成』を習得してしまったのが運の尽き。
まだ“俺”を得ていない不完全顕現ではあったが、“わたし”と直に繋がったせいであらゆる欲求と衝動を抑えることができなくなり、「欲望の魔女」呼ばわりされるこの世界史上最悪のビッチとして、悪名を世に轟かせる羽目になった。
彼女としては自分で自分をコントロールできなくなったことに大分摩耗し果てており、むしろ合体事故を起こして消えられる瞬間には安堵すらあったとか。

◆少年
世情よろしくない系中世ファンタジー世界に生きる、小さな田舎村の少年。
彼の家は村の長の一家であり、国からの重税が相次ぐ困窮に耐えかねて「欲望の魔女」へ人身御供として捧げられる。親からは溺愛されていたが、従姉から失恋以前に恋愛対象と見做されていないことに絶望して、自棄を起こし生贄役を自ら志願する。
従姉の冒険者には複雑な思いを抱いていたが、向こうからの無自覚誘惑ムーブによって性癖がとっくに破壊されていたので、拗らせた結果「俺自身が彼女になることだ」を達成してしまった。
本体から直接“わたし”にされた第一世代のため、基礎スペック面ではアラーネに次ぐ。

◆従姉
TS転生者。チート能力『絶対防御』で「防御は最大の攻撃!(ドヤァ)」とかほざきながらブイブイ言わせていたが、この世界が割と終わっていることを悟ってからは精神的に成長。進んで人助けをして回るようになり、「英雄」「勇者」などと扱われるようになった。
しかし人格的にまともになったらなったで、自分の身の上が色々アレなことに苦しむようにもなり、他者からは距離を置く傾向がある。なお少年に対しては親戚ということでノーガード同然だった。
この世界で生きてきて一番堪えたのは、好きになったイケメンが世間話で「ボクに同性愛の趣味なんかありませんよ!」と、イケメン的には会心のアピールだったのに、コイツ的にはファンブルな一言でブッ刺されてしまい、告白する前から最速で失恋したことだとか。
そのため“あたし”化した少年と再会した際に、「"わたし"になればおねえちゃんも心の底から女になれるよ!」と言われたことはあまりに致命傷であり、剣を向ける気力も完全に喪って屈服した。なお、その後意中のイケメンとは仲良く“わたし”になって好きなだけにゃんにゃんした模様。
第一世代の“あたし”から“わたし”にされた第二世代。スペック面では若干劣るのだが、元の関係性を引き継いだことで、“わたし”内でのヒエラルキーが上位個体の“あたし”に勝っているという些か稀なケース。

◆騎士
転生者。何も知らない神(バカ)から、入った瞬間詰むKeter級SCPな地獄へ投げ込まれてしまった可哀想な人。
“わたし”の世代としては世界同調に由来する程度の末端レベルだが、理想像の元になったソーシャルゲームの女騎士キャラが、実況者が複数名ガチャ破産を起こすレベルのぶっ壊れだったため、能力的には転生チートも相まって“わたし”内でもかなり上位に来る。
なおそのソシャゲはR-18作品であるため、責められると簡単にくっ殺する性質もそのまま引き継いでおり、専ら“わたし”内では責めようとして責め返されて屈服する様式美を披露し、“受け”役としての需要が高い。

◆神(バカ)
被ザマァ系転生者を作ってそれが荒んでる世界で翻弄されボロボロになる様を肴に、ゲラゲラ笑って暇を潰す算段を立てていたら、リサーチ不足の無知が祟ってなんか洒落じゃ済まないレベルのとんでもないことになった。この辺の事実を知った“わたし”本体は一(・)部(・)の(・)緩(・)み(・)も(・)な(・)い(・)満(・)面(・)の(・)笑(・)み(・)を浮かべて、精神と時の部屋的な場所に神を即時引きずり込んだ後、「ほら、神相手を“わたし”にできるかなんて前例が一度もないから。えぇ、きっぱりそれだけで、他意はこれっぽっちもないのよ。一切微塵も欠片も全然。……だってわたしは完璧だし、怒るなんてその辺のわ(・)た(・)し(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)餓鬼みたいな感情あるわけないじゃない。ねぇ?」とか言いつつにこにこしたまま閉鎖領域へと踏み込んでいき、神はその後“わたし”とずっとふたりきりで、延々と、徹底的に“わ(・)た(・)し(・)に(・)さ(・)れ(・)つ(・)づ(・)け(・)る(・)”という措置を喰らったとか喰らわないとか。
現在は元の神格(じんかく)が原型を留めているかも怪しいレベルで、完膚なきまでに“わたしになった”ことで被虐系ドスケベエロ女神にクラスチェンジ。全裸で平行世界を高速徘徊し、視界に入ったあらゆる生命体と問答無用で性交を行い、全上位世界の神々を片っ端から強姦して“わたし”化しようとする性(・)なる狂神(・)者へと変貌。“わたし”化に耐性がある冥界神や機神で固められた“わたし”専用の牢獄界へ、他の“わたし”化した神々と共に隔離されているが、無駄に権能だけはあるせいで隙あらばホイホイと脱獄してくる為、牢の担当者は勝手に動くこの神型猥褻物への対応へ日夜頭を抱えている。

◆アラーネ
“わたし”の本体の一部分である銀髪の束を、蜘蛛の使い魔に変生させた特殊個体。分類としては“わたし”本体からの直接分離体であり、謂わば“第零世代”とでも呼ぶべきもの。
ただし“わたし”が完全覚醒する前に発生した経緯から、本体側からのアクセスは不完全で、アラーネが衝動に縛られることもない。この関係はある種のバックドアに近い。
そもそも“わたし”が完全体になっていたなら、“自分の身体を欠損させる”という行為が“わたし”の「完璧な肉体」であることへの前提条件に抵触するため、実のところアラーネが発生しているということ自体が、“わたし”的に見て極めてイレギュラーな状況。
“わたし”であるか否かが全てであり、個体名に価値を見いだせない“わたし”たちの中にありながら、唯一『名(・)前(・)』を(・)持(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)という事実が、その際立った異質ぶりを象徴している。
“わたし”が「“わたし”は完全な存在である」という前提に従って活動するに当って生じる無数の齟齬や矛盾を、アラーネは“わたし”のルールに縛られないことを逆手に取って、それとなく先回りして逐次解消に当っていた。
“わたし”自身はアラーネを従者か弟のようなものと見ているという主(・)観(・)認識だが、現実としてはどう足掻こうと理性を得られず永久に子供のままの“わたし”を、アラーネが保護者と言う名の“外付けの理性”として見守っている構図こそが実態。
「気付き」たくない“わたし”がそれを悟る日は来るのか。或いは、気づいたとしてどうなるのか。……それに関しては、今後何者にも見通せぬ未来の話である。


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