在りえたかも知れない蜜月【キリミトいちゃらぶR-18】 作:三毛の高志
目の前には断崖絶壁の崖が立ちはだかっている。岩肌は崩れやすく、登攀しようとしても途中で真っ逆さまに地面にたたきつけられる事は火を見るよりも明らかだ。
崖の上に昇るための道は一つ。しかしその道を埋め尽くすようにウツボカズラの化け物──ネペントが無数に立ち塞がっている。
それでも、崖の上で助けを待つ”彼女”の元へ辿り着くため、ミトは手にした大鎌を振るい続ける。
一匹、また一匹。紫の燐光を纏った刃が往復するたびに醜悪なモンスターはガラスが砕けるよに消えていく。
しかし、足りない。力が足りない。速さが足りない。アスナを助けるには、まるで足りていない。
だから、私は屈したのだ。あの時、モンスターでも、このデスゲームでもなく、ただ自分自身の心の弱さに。
『嫌だ。……………見たくない』
『諦めちゃだめだ!』
『一人じゃ無理でも、2人居れば可能かもしれない!少なくとも”あの時”はそうだった!違うのか、鎌使いの大男!!』
でも弱い私の手を引いてくれる人がいた。彼が居なかったら、私は取り返しのつかない過ちを犯していただろう。
彼が私の前に現れてくれなかったら………………………………………………………………………
***
「んぅ……」
とても怖い夢を見てミトは目を覚ます。眠たげに細められた瞳からは一筋の涙が流れ、白磁のような頬を濡らしている。
「どうかした?」
ベッドに横たわるミトのすぐ隣から優しく声が掛けられる。それだけで押しつぶされそうな不安が嘘のように霧散した。
「昔の……夢をみてた。私がキリトと初めて会った時の…」
「?ベータテストの事か?」
「違うよ。キリトが私を助けてくれた時のこと」
「ああ」
当時の事を思い出したのかキリトは僅かに頬を染めて目線を反らす。その仕草から、自分の気障な台詞を恥ずかしがっているのだろうと分かり、ミトは悪戯っぽく微笑む。
「かっこよかった」
「勘弁してください」
照れくさそうに両手を上げる仕草に、ミトは堪えきれなくなって手を伸ばし、ベッドの淵に腰掛けるキリトを抱き寄せる。
そしてキリトの耳元に口を寄せて──────
「ねぇ。もう一回、シよ?」
その瞬間、キリトの体温が僅かに上がり、ミトに覆いかぶさった。
***
「んっ……や、はあっ……!」
堅く引き結んだ唇からくぐもった吐息が漏れる。そこには隠し切れない熱が秘められており、恥ずかし気に零れ落ちる喘ぎ声は男の嗜虐心を煽り建てる。
「んちゅ、ぇろ……」
閉ざされた扉をこじ開けようとするキリトの舌がミトの口内にねじ込まれる。そのまま舌をからめとり、歯列をなぞる。その間に2人の唾液が入混じり、ぐちゃぐちゃと音を立てる。
「甘い」
糸を引きながら唇を離したキリトの言葉にミトの頬は更に赤くなる。
「ずるい。私も、キリトの唾液………頂戴」
今度はミトの舌先がキリトの唇に割って入る。キリトに比べて何処かぎこちない舌遣いで必死にキリトの口の中を掻きまわす。その姿がいじらしくなって、キリトは混じり合った唾液をミトの方へ送り出す。
こくりとミトが嚥下するのを確かめてゆっくりと唇を離した。
「どうだった?」
「………………甘かった」
「そりゃよかった」
そう言ってキリトはベッドから体を起こす。唐突に遠ざかる体温にミトは思わず手を伸ばす。
「どうした?」
「え、あ、その」
まだ本番をしてない、とは恥ずかしくてとても言えずミトは言葉を濁す。キリトを求めて伸ばした手は宙を彷徨い、そっとキリトのズボンを掴んだ。
「ミトは自分の思ってることを言葉にする癖をつけないとな」
「分かってるくせに。」
こちらをからかうようにお道化るキリトにミトはむっと頬を膨らませる。そもそも口下手なのはお互い様だろう。そうでなければ、付かず離れずの関係にキレたアスナによって無理矢理宿屋に閉じ込められることも無かったのだから。
「俺は、ちゃんとミトの口から聞きたいな」
「さっきも言ったのに」
「もう一回」
少しずつ顔を寄せながら催促するキリトに根負けして、ミトはか細い声で強請る。
「抱いて。全部きみにあげるから」
「ん」
キリトは短く答えるとミトの足の間に右手を滑り込ませた。
「はぁっ」
太ももの内側を撫でる感触に自然と声がこぼれる。当然キリトの手はそこで止まらず、ミトの秘部へと向かって徐々に脚を撫で上げる。
なかなか決定的な場所に触れないキリトに業を煮やして、ミトは彼の左手を掴んで自らの胸元に引き寄せた。
「こっちも……触って………」
かつての自分からは考えられないほど大胆な行動に、ミトは声を震わせる。それは羞恥ゆえであったが、これから訪れる悦楽への期待ゆえでもあるとはみとは自覚していなかった。
「仰せのままに。お姫様」
茶化すような態度を崩さないままキリトはリクエスト道理にミトの乳房を揉みしだく。服の上からでは分かりづらい隠れた果実はキリトの手に吸いつく様に形を変え、彼の指先を押し返す。
しばらくそうしていると、キリトの手にゴムのような堅い感触が生まれた。
「勃ってる?」
「言わないで……」
誰よりも分かっている筈なのにあえてミトに聞いてくるあたりこの男は本質的にサディストなのかもしれない。そう考えながらも、キリトの言葉攻めに興奮を隠せない自分がいることにもミトは気付いていた。
「こっちも濡れてる」
「言われなくても分かってるわよ」
キリトの男性としては細い指がミトの秘裂をなぞる。そして軽く曲げた中指で蜜を垂れる花弁に割って入った。
「んあっ、はあぁぁっ!」
そのまま秘所全体を包み込むようにして愛撫する。すると掌がミトのクリトリスをこする形になり、ミトは思わず嬌声を上げた。
その間にも内側へ侵入した指先はGスポットを探り当て、引っ掻くように何度もこする。
「あ、あ、ああぁっ!」
内と外、Gスポットとクリトリス、2つの性感帯を同時に攻められたことでミトはあっけなく絶頂への階段を昇っていく。
「イキそう?」
「うんっ、もう我慢、できないっ。キリト、このまま……イカせてっ!」
「りょーかい」
優しかった手つきが徐々に激しくなり、遂にグチュグチュと音を立ててミトを攻め立てる。急激な変化に堪えきれず、ミトの体がガクガクと痙攣する。
「は、あ、あ、あ、んんんんんっ!!あああああっっ!!」
そしてそのまま大きく潮を吹いて果てた。
「はぁはぁはぁ」
「気持ちよかった?」
「ぅん」
「そりゃよかった」
息も絶え絶えなミトにキリトは優しく微笑みかける。なんだかんだと言いながらこうしてミトのことを真剣に愛しているのが分かるから質が悪い。
(はぁ。毒されてるなぁ)
仰向けになったミトの隣で胡坐をかくキリトに目をやると、彼の暴力的なソレが目に入る。
(私で、興奮してくれたのかな………)
それが自分の痴態によって反り立っているのだと思うと、ジュクリと下腹が疼くような感覚を覚える。
(さっきイったばかりなのに)
激しい絶頂で重たくなった体にぐっと力を入れて上体を起こす。そしてキリトの背中から抱き締めるように手を伸ばすと、天を突くような逸物にそっと触れた。
「こ、今度は、私が気持ちよくしてあげる……!」
顔から火が出そうな羞恥を抑えてなんとかそれらしい台詞を絞りだす。
何も言わずこちらにもたれかかってくるのを了承と捉えて、ミトはゆっくりと肉棒を擦り始めた。
(こんなの、あっちに居た頃の私に言っても信じないよね)
いろんな意味で遠い所に来てしまったと思いながら、ミトは手の中の熱すぎる熱に頬を染めた。