※この作品はR-18です。

淫蕩王ベルムハルト   作:ヒステリア

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ついにエロを挟み込む余裕がなくなった! ここから先は当分エロなしが続きます。


第十一話 騎士団到着

 『魔女の森』の各所で襲撃や戦闘が起こっている中、一部の騎士達は馬に乗りながら森の中を駆け回り、各所に“筒状の物体”を置いて回っていた。

 ある騎士がほとんどの持ち分を置き終え、馬を休ませていた頃……。

 

「これは騎士様、お役目お疲れ様です」

 

 偶然鉢合わせた兵士に声をかけられ、騎士はそちらを振り向く。兵士の足元には猫のような耳が付いた女が倒れているのが見えた。ボロボロの服と膣から精液を垂らしているところを見るに、ついさっきまで兵士に犯されていたのだろう。

 

「そっちもだいぶ進んでるようだな。抵抗しそうな奴はあらかた片付いたってところか」

 

 騎士の問いに、兵士は頷きながら足元の女を目で指した。

 

「ええ。このとおり、もう残っているのは女と子供ぐらいです。お役目が終わったら騎士様もどうです?」

 

 その誘いに騎士は首を横に振る。

 

「獣姦の趣味はねえよ。女なんて街で引っかけるか娼館に行けばいくらでも抱ける。獣耳を生やしてるような得体の知れない生物を抱くほど飢えていない」

「そりゃ羨ましいというか、なんというか」

 

 そう言って兵士は薄ら笑いを浮かべる。

 『魔女』達を襲っている兵と違って、騎士達は女に不自由しないだけの金銭を主から貰い受けている。女の方から近づいてくる事も多いぐらいだ。

 そのため、こんな森まで連れてこられた事自体に不満はあるものの、獣臭そうな亜人など犯す気にはならなかった。それに、この任を果たした者には他の兵より多額の褒賞が貰えるという。女に不自由しない騎士達にとっては、そちらの方に目が向いた。

 

「しかし、こうやって英気を養わせてもらってるのはありがたいんですが、肝心の焼き討ちはどうすんでしょうね? こんなだだっ広い森、総出で火をつけても半分も焼けませんよ。火の元も炎魔法が使える奴も足りませんし……」

「ああ、お前(兵士)達は知らされてなかったな――“これ”を使うんだよ」

 

 騎士はそう言いながら“筒状の物体”を持ち上げる。それを見て……

 

「なんですそれ? 中に松明でも入ってるんですか?」

 

 目を丸くしながら物体を見る兵に、騎士はニヤッとした笑みを向けた。

 

「『禁忌兵器(フェアレーター)』……聞いたことぐらいあるだろう。何代か前の聖王が使用を禁止した――言葉通り“禁忌の兵器”だ。扱い方次第じゃ国一つ滅ぼせる代物らしい」

「禁忌兵器(フェアレーター)――そんなもの運んでたんですか!? っていうか、そんなの馬なんかで運んで大丈夫なんですか? もし落としでもしたら――」

 

 脂汗を流しながらまくしたてる兵に、騎士はおどけるように物体を大きく振りながら言った。

 

「大丈夫だって。それぐらいのショックじゃ起動しないようになってるらしいから。でなきゃ陛下が同行するはずないだろう」

「言われてみれば……そうっすね」

 

 兵は何度か頷いて納得する。

 確かに、いつもは戦いを軍に丸投げして城にこもっている王が、今回は自ら行軍に同行している。こんな事は二年以上なかった。

 まあ、退屈しのぎに危険の少ない行軍に加わっただけかもしれないし、シュトゥラ相手に自らの目で侵攻経路を確認したいのかもしれない。いずれにせよ、落としただけで起動するようなものを運ばせる作戦に、あの王が自ら参加したりはしないだろう。

 

「そういうわけで、俺は次の場所に向かう。あと二つ残ってるんでな。お前達もほどほどで切り上げてこい。いつまでも亜人なんかにかまけていたら、森ごと丸焼けになっちまうぞ」

「へ、へい――」

 

 そんな忠告を残しながら馬に騎乗する騎士に、兵は頭を下げながら返事を返す。その足下で女はぴくりと動いた。

 

「フェ……アレーター……」

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「……」

 

 悪魔達を取り込み姿を変えた『魔女クロゼルグ』は、宙に浮いたまま守護騎士達を睨む。

 

「――」

 

 守護騎士三人も神妙な顔で武器を構えた。彼女が今までの『魔女』とは桁外れの力を持っているのは、先ほどまで従えていた悪魔達からもわかる。

 それを取り込んだ今こそが、彼女の真の力が発揮される時――。

 

「Schwarze Flamme(黒炎)」

 

 唱えながらクロゼルグが箒を振った瞬間、彼女の前から無数の“黒い炎”が出現し、騎士達の元へ降ってくる。

 

「――ぐわっ!」

「ぎえぇ!」

 

 騎士達は上に飛んで避けるが、その後ろにいた兵達はもろに炎を浴び真っ黒に燃え上がる。

 しかし炎はそれ以上広がることはなく、兵達を黒い炭に変えた後、ひとりでに消失した。

 

 空中に上がった守護騎士と対峙しながら、クロゼルグは箒を高く掲げて……。

 

「Krieche in das schmutzige Land(這え 穢れの地に)!」

 

「――ぐああっ!」

 

 その瞬間、強烈な力で押さえつけられたような負荷が体中にかかり、騎士達は地面に叩きつけられる。

 そこへクロゼルグが箒を向けてきた。その箒は彼女の手から離れて浮いており……

 

「――Besenstern(箒星)!」

 

 主が唱えた瞬間、箒は無数に分裂して騎士達に降り注ぎ、彼女達や地面に触れた途端大爆発を起こす。

 その爆発は周囲にいたヘンディガン兵をも吹き飛ばし、あたりを爆風で包み込んだ。村はすっかりめちゃくちゃだが……。

 

――これだけやれば、あの騎士達もひとたまりもないはず……。

 

 そう思いながらクロゼルグは攻撃を止めて、眼下を見やる。

 ――だが、爆風が晴れた瞬間、クロゼルグは驚きに目を見開いた。

 

「けほけほ……いてて。動けなくなったところにめちゃくちゃ撃ってきやがる。ザフィーラがいなかったらやばかったぞ」

 

 ヴィータは咳とともに口から愚痴をこぼす。彼女が伸ばした手の先には魔法陣が展開してあった。

 シグナムも赤紫色の障壁を体に纏い、さらに彼女らの前でザフィーラが円状の白い障壁を展開していた。

 クロゼルグは舌打ちを鳴らし――

 

「Krieche i――」

「――させるか!」

 

 クロゼルグが再び重力魔法を唱える前に、ヴィータは虚空から鉄球を取り出し、それを槌で思い切り叩く。

 鉄球はクロゼルグに向かってまっすぐ飛び、彼女は詠唱を止め、真横に飛んで回避する。

 そこへザフィーラが拳を振り上げながら迫ってきた。

 

「はあああっ!」

「――くっ」

 

 クロゼルグは黒炎を撃ちながら後退するが、ザフィーラは白い障壁を纏いながら炎を弾き、突進してくる。

 たまらずクロゼルグは炎を放ちながら左に避けるが、そこへシグナムが迫ってきた。

 

「せああああっ!」

 

 クロゼルグは箒を出現させてそれを掴み取り、シグナムの剣を受け止める。しかしクロゼルグとシグナムの力量には大きな開きがあり、ましてや炎を纏った剣と木製の箒ではどちらが勝つかは明白だった。

 

「――きゃあ!」

 

 箒を斬られ、迫る刃と炎にクロゼルグは思わず目をつぶる。

 そこでシグナムはピタリと剣を止めた。

 

「勝負はついた。投降してくれ。我々に降れば無体な扱いはしない。君の仲間達ももう遠くに逃げた頃だろう」

「みんなにひどいことした奴らの言う事なんか、信じられるとでも!」

「――っ」

 

 クロゼルグがぶつけてきた言葉に、シグナムは思わず唇を噛む。ヴィータとザフィーラもヘンディガン兵が犯した狼藉を思い出し、気まずそうに顔を曇らせた。

 クロゼルグはその隙に右手を突き出し――

 

「explodieren(爆ぜよ)!」

 

 その瞬間、クロゼルグとシグナムの間に小さな爆発が起こり、シグナムは思わず身をかばう。

 その間にクロゼルグは騎士達と距離を取り、彼女たちを睨む。だがその表情は険しく、最初に相対した時や変身した直後のような余裕はない。『魔女』達の中で最も強いといっても、守護騎士三人が相手ではやはり分が悪いようだ。

 

 勝利を確信し、ヴィータが思念通話を飛ばしてきた。

 

『どうする? 結構強いし、こいつからなら10ページくらいいきそうだけど……』

『うむ。頁を埋めるために魔導師から魔力を奪うのが、我らの役目だからな。もっとも、主の命がない以上、気が乗らぬなら無理にとは言わんが……』

 

 ザフィーラの言葉に、シグナムは迷うように眉を寄せるが……

 

『……いや、主が我らをここに連れてきたのも、珍しい魔法を使う『魔女』の力を蒐集するためだろう。それに、我らはここまでの間に何十人もの『魔女』から魔力を奪った。この娘だけ特別というわけにもいかん――このような戦いを少しでも早く終わらせるためにも!』

 

 仲間や自分に言い聞かせながらシグナムは剣を向け、隣の二人も構える。

 クロゼルグも覚悟を決めたように顔を引き締め、新たに箒を出現させた。

 ――その時だった。

 

 

 

『森を襲う賊どもに告げる。今すぐ襲撃をやめ、投降せよ! これ以上の無法な振る舞いは『シュトゥラ王国』への敵対行為とみなす!』

 

 

 

 脳裏に直接響く声を聴いて、シグナムもヴィータもザフィーラも、クロゼルグも構えながら声が伝わってきた方を見やる。

 はっきりとしながらも、わずかに緊張が含まれている男の声。

 それを聞いてクロゼルグはそちらに顔を向けたまま、男の名を呟いた。

 

「クラウス……」

 

 それを肯定するように男は自らの名を口にする。

 

『私はクラウス・G・S・イングヴァルト。シュトゥラ王国第一王子にして、栄えあるオーバル騎士団団長の地位にある者である! 我が声が聞こえたなら、速やかに地に伏し、我らと森の民に許しを乞うがいい!』

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ……この声は?」

 

 ベルムハルトに中出しされた直後に、脳裏に響いた声にシャマルは胡乱な声で呟く。

 一方、ベルムハルトはシャマルの膣から竿を引き抜きながら、にやりと笑みを浮かべた。

 

「ようやくご到着か。しかもシュトゥラの王子様が直々にか。くくっ――予(・)定(・)通(・)り(・)だな!」

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

「今から森に突入する。それ以上森の住人に指一本でも触れれば、死罪は免れぬと思え!!」

 

 森への思念通話とともに、森を出ているかもしれないヘンディガン兵、そして背後の自軍に聞かせるために、自らの喉からも声を張り上げてクラウスは告げる。

 その後ろで、彼の臣下(戦友)たる騎士達が剣の柄に手をかける。その中には長い金髪をキャップでまとめた少女オリヴィエ・ゼーゲブレヒトと、後ろにくくった長い黒髪の少年に(・)見(・)え(・)る(・)風貌のヴィルフリッド・エレミアもいた。

 

 オリヴィエは首元の首飾りに手をかけ、一言呟く。

 

「行きますよ……『メルクリウス』」

『Ich habe es. Prinzessin<了解しました。姫君>』

 

 首飾りの形をしたデバイスはそう返して、持ち主の身長ほどもある幅広の刃を備えた大剣となる。オリヴィエは細い“義手”で易々とそれを掴み取った。

 エレミアも両手を掲げ――

 

「『鉄腕』解放……」

 

 そう唱えると彼の両手に黒い籠手が装着される。

 

 クラウスはそれを一瞥して再び森へ顔を戻し、自らも剣の柄に手をかけながら口を開いた。

 

「これより『魔女』の救出と、賊の征伐に向かう――抜刀!」

 

 その一言を合図に騎士達は次々に剣を抜く。オリヴィエとエレミアも己の得物を高く掲げる。

 それを目ではなく、空気で感じ取りながら、クラウスはあらん限りの声で叫んだ(命じた)――。

 

「総員突撃ぃぃぃぃ!!」

「おおおおおおおぉぉ!!!」

 

 王子の澄んだ声に、兵士達の荒々しい掛け声が被せられる。

 そして、クラウス王子率いるオーバル騎士団が『魔女の森』に向かって一斉に駆け出した。

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