小3の頃の授業中の惨劇から6年が経ち、紘深は中学3年生になった。そんな紘深はクラスメイトともども、高校受験真っ只中だ。
受験まであと2カ月を切った、そんなある冬の日の日曜日、紘深は親友のさくらとともに模試に行った。
(電車の中でおしゃべりをする紘深とさくら)
その帰り道。
(あっ…)
電車に揺られる紘深の体に尿意が降りかかってきた。その尿意は、電車の中でどんどん強くなっていった。
(うーん…これ降りたらトイレ行こうかな…)
と、紘深は思っていた。
駅のアナウンス「ご乗車、ありがとうございます。」
家の最寄り駅に着いた紘深。
(トイレ混んでなかったら入ろう…)
なんてことを思う紘深。しかし、それとは裏腹に…
(うそ…)
駅の女子トイレはかなり混んでいた。紘深はこの行列を見て、(ぶっちゃけ行きたいくらいだけど、これなら家まで我慢した方が良さそう)とも思っていた。
さくらとともにおしゃべりをしながら、改札を出て、駅前の道を行き、商店街を抜ける紘深。
歩くのに比例して、紘深の膀胱の中のおしっこの量は増えて行き、尿意は強くなっていった。
(どうしよう… マジでトイレ行きたい…)
と、さくらと話し続ける中紘深は思っていた。
それからさらに数分が経ち、
さくら「じゃあね紘深。」
紘深「うん。じゃあ明日学校でね。」
さくらと挨拶を交わし別れる紘深。こんなことを言っているが、紘深の脳内はトイレのことでいっぱいだ。膀胱もすっかり痛みを帯び始めていた。
(歩みを速める紘深)
さくらと別れた紘深は、歩みを速めた。膀胱が痛む中で、早く家に着いてトイレに行きたいからだ。
(トイレ… トイレ…)
紘深の脳内はすっかりトイレに行きたいことしかなかった。
さくらと別れて数分。信号が見えてきた。しかし、紘深の膀胱は激しい痛みを帯びている状態だった。
(このままじゃ漏れちゃうよお…)
と思う紘深。信号は青だったが…
(ええ…)
紘深がその信号に近づいたのと同時に、歩行者信号が点滅を始めた。
(急がなきゃ!)
と思って紘深は歩みを更に速めるが…
(赤に変わる歩行者信号)
紘深がその信号に着くとともに、信号は赤になってしまった。
(漏れちゃう… 漏れちゃう…)
周りの人に気づかれない程度に細かく足踏みをしながら、紘深は信号を待つ。しかし、信号はなかなか変わろうとしない。
(ジュ… ジュゥゥ…)
信号がなかなか青に変わらない中、紘深はパンツにおしっこをチビってしまった。
(うそ… チビっちゃった…)
紘深の尿意も焦燥もどんどんと強くなっていく。信号が青に変わったのは、それから2分くらい経ってからのことだった。
(信号が変わり、走り出す紘深)
信号が青に変わると、紘深は一人家までの道を急いだ。
人目を気にせず走る紘深。もう走らないと間に合わないからだ。家まではあと数分だ。
(走り続ける紘深)
おしっこがパンツに少しずつチビっていく中、紘深は家までの道を急ぐ。そんな紘深のおしっこは、パンツを通り越して黒いタイツにも伝ってきつつあり、タイツの上の体操着のズボンにもシミを広げてきつつあった。
それからしばらくして、紘深は家に着いた。
(玄関を開ける紘深)
紘深「ただいま!」
靴を脱ぎ、階段を駆け上がる紘深。そんな紘深のアソコは、チビったおしっこのシミが広がったパンツの濡れをはっきりと感じ取っていた。
紘深の母親「おかえり紘深。そんなに慌ててどうしたの?」
紘深「ちょっとマジでトイレ行きたい!」
バッグを居間に投げ捨てるようにして置き、紘深は制服のスカートの上からおしっこの出口を押さえながら、トイレまでのラストスパートを急ぐ。床には紘深がチビったおしっこの水滴が落ちていた。
トイレが見えてきた。紘深の脳裏に、
(これでやっとトイレに行ける…!)
という気持ちがよぎった。
しかし…
「あっ… あああっ…!」
膀胱を起点に、紘深の体に激しい痛みが走った。その痛みは耐えられないほどで、紘深の脚をおぼつかなくさせた。
(ジュッ… ジュジュッ、ジュウウ…)
トイレに着き、ドアを開け、便器の一歩手前まで来た紘深。しかし…
(ジュウウウウウウウウウウウウウウウ…!)
便器を目の前にしたところで紘深の膀胱は力尽き、おもらしをしてしまった。
約20秒に渡るおもらしを終えた紘深。
(油断した。完全に油断した。)
と、紘深は目から涙を迸らせながら思っていた。
「ちょっと紘深!?だ、大丈夫!?」
と、紘深の母親が紘深の元に駆け寄ってくる。実の娘が中3にもなってトイレの便器の目の前でおもらしをしてしまったことに、彼女は動揺を隠せない。
「お母さん、ごめん… おもらししちゃった…」
「それは分かってるからいいの。一体何があったの?」
「(涙声で) 電車乗ってる最中にトイレ行きたくなったんだけど駅のトイレが混んでて、それで家まで我慢しようとしたんだけど、帰る途中にちょっとずつ出て来ちゃって… それで大急ぎで帰ったんだけど、トイレの前でちょっと油断しちゃって…」
「よしよし。家までずっと我慢してたけど油断してこうなっちゃったのね。」
「うん…」
(優しく紘深を抱きしめる紘深の母親)
「うう… うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」
紘深を優しく抱きしめて慰める母親。紘深は彼女の腕の中で泣き出した。
「ここは私が片付けておくから、紘深は洗面所で着替えて来なさい。」
「うん…」
洗面所で着替える紘深。パンツはもちろんのこと、スカートの中の体操着のズボンもタイツも制服のスカートも、もうすっかりぐしょぐしょだ。
「お母さん… 明日どうしよう…」
制服のスカートを汚してしまった紘深。紘深は明日が心配になっていた。
「今からなら洗濯すれ明日には間に合うわ。」
「ありがとうお母さん…」
この後は昼食の時間。しかし紘深の気持ちは沈んだままだ。
「ねえ紘深。この後の自己採点どうする?」
「ん… 今日はいい…」
「分かったわ。私が塾に連絡しておくわね。」
「ありがとうお母さん…」
便器目前でのおもらしのショックが癒えない紘深。紘深は結局、午後に行く予定だった塾での自己採点を欠席した。
紘深の母親「―紘深なんだか家帰ってから体調が悪いようなので、この後の自己採点は欠席させていただきます。」
塾の先生「分かりました。ご丁寧にありがとうございます。」
紘深の母親「では、失礼いたします。」
(電話を切る音)
食事を終えた数時間後。紘深は部屋のベッドの上で横になっていた。
とその時…
(ドアのチャイムの音)
紘深の母親「はーい。」
家に誰かが来た。その客は…
森「紘深。自己採点やろう。」
紘深「森ちゃん…?」
紘深と同じ塾に通うクラスメイトの森だった。どうやら紘深のことが心配で、家に来たのだという。
自己採点を始める紘深。今回も紘深の成績は良さげなようだ。
森「紘深、これなら体調も大丈夫そうだね。」
紘深「うん!」
紘深の顔に、笑顔が戻った。