※この作品はR-18です。

とても都合のいいオナホ先輩   作:九龍城砦

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忘れ去られし旧神編
ワーカーホリックな冥界蜘蛛と怠惰なもふもふひきがえる


 北部シベリア山の地下にあるとされている、地底世界クン・ヤン。

 その最下層である暗黒世界ン=カイの一角に、だらりと寝そべっている神様がいた。

 

『ふぁ……』

 

 頭部はヒキガエルを思わせ、身体はナマケモノとコウモリを足したような姿。クトゥルフ神話にて、比較的温厚な邪神として記されている邪神・ツァトゥグア。

 大きなあくびをした彼──彼女?──は、気だるげな身体をのそりと起こした。

 

『暇だ……』

 

 つい先日、貢ぎ物──大量のよくわからない肉──を食らって、腹は満たされたばかり。

 となれば、次は別の欲求が出てくるというものだ。神様でも暇は天敵らしい。

 

『なんか面白いこと起きないかな……』

 

 かといって自分から動く程、ツァトゥグアは活動的なタイプではない。怠惰を貪る邪神から、アクティブな言動など出てくる筈が無いのだ。

 

『一歩も動かずに信仰を得られて、なおかつ面白いこと無いかな……』

 

 人間が口にしたら「世の中舐め腐ってんのか」とバチボコに怒られること間違いなしの独り言を呟き、ツァトゥグアはまたあくびをした。

 そんな彼の背後に、一匹の蜘蛛が忍び寄る。

 

『フフフ……お困りのようですね』

『ん……? あれ、アトラ……久しぶりだね』

 

 緩慢な動きで振り返ると、そこに居たのは同じく暗黒世界ン=カイに幽閉された神格、アトラック・ナチャだった。

 いつもは蜘蛛の糸で深淵の谷間に巣を作っている彼女が、どうしてこんな所に居るのだろうか。

 

『どうしたの、こんな場所まで来て。巣作りは?』

『ああ、コレは私の分身ですよ。本体は今も作業中です』

 

 相変わらずのワーカーホリックだな……と内心で呆れるツァトゥグア。

 同じく土星からやってきた同郷として、彼女とは長い付き合いだ。少しくらい休めばいいのに、とは常々思っている。

 

『今日は暇してるであろうツァトゥグアさんに、良いものを持ってきました』

『なになに?』

 

 ごそごそと懐を探り、アトラック・ナチャは見慣れぬ板状の機械を取り出した。

 ツァトゥグアは見たことすらない機械。しかし人類の間ではかなり広まっている、その機械の名前は。

 

『テッテレ〜♪スマートフォン〜♪』

『なにそれ?』

 

 気の抜ける声と音楽を伴って、アトラック・ナチャはスマートフォンを差し出す。

 それを受け取ったツァトゥグアは、しげしげと興味深そうにスマートフォンを見つめていた。

 

『かたい』

 

 そして、おもむろに口に入れた。

 

『食べ物じゃないですよ!?』

 

 慌ててアトラック・ナチャが回収するも、最新型のスマートフォンは邪神の唾液でベッタベタに汚れてしまっていた。

 歯は立てていなかったため、液晶は割れていないようだ。不幸中の幸いと言ったところか。

 

『美味しくないね、それ』

『だから食べ物じゃないって言ってるでしょうが』

 

 この神格は昔からそうだ。食べることにしか興味がない、面倒くさがりのもふもふひきがえる。

 とはいえ、その性格こそが今回の計画にピッタリなわけだが。

 

『食べ物じゃないなら、何するやつなの、それ』

『フフフ……上手くいけば、あの頃と変わらない信仰を得られるかもしれませんよ』

 

 怪しい笑みを浮かべながら、アトラック・ナチャは八本の足で器用にスマホを操作する。

 それどうやってんの?とツッコむものは、この場には存在しない。

 

『よし、これで設定はOK……次は衣装ですね』

『んぁ?』

『この中から、気に入った人間を選んでください』

 

 懐から、バサリと大量の紙束を取り出すアトラック・ナチャ。

 それどっから取り出したの?とツッコむものは、この場には存在しない。

 

『食べたい人間ってこと?』

『まぁ、そんな所です』

 

 実際は違うのだが……詳しく話しても意味が無いだろうと言うことで、アトラック・ナチャは話を濁した。

 

『んー……どれも痩せてて美味しそうじゃないなぁ』

 

 ペラペラと紙束を捲りながら、ツァトゥグアは呟く。紙に描かれているのは、いわゆるモデル体型と呼ばれるスレンダーな美人たちの絵。

 人間社会では絶世の美女と呼ばれる女性たちであろうと、食べる部分が少なければ好みからは外れてしまう。

 

『おっ? これ! この人間いいかも!』

 

 紙束を捲っていた手を止め、一枚のイラストをアトラック・ナチャに差し出す。

 そこに描かれていたのは、おっぱいがめちゃくちゃ大きい女性──いわゆる、爆乳メス豚の姿であった。

 

『フフフ……お目が高いですね』

『うん! おっきくて食いでがありそう!』

『そうですかそうですか』

 

 怪しい笑みを浮かべ、アトラック・ナチャはイラストの上から紙に魔術刻印を描いていく。

 

『そぉい!』

『あびゃっ!?』

 

 そうして魔術刻印の描かれたイラストを、ツァトゥグアの顔面に貼り付けた。

 その瞬間、眩い光がン=カイの暗黒を一瞬だけ照らし、即座に消えた。

 

「んもー、何するのアトラー」

 

 そして光が収まったその場所には、一匹のOカップ爆乳メス豚が全裸のまま立ち尽くしていた。

 オレンジ色の短髪に、同じくオレンジ色の瞳。一糸纏わぬその裸体は、肉感的でエロスに満ち溢れている。

 

「んぉ? 何この声……何この手足」

 

 巨大だった自身の身体が、いきなり人間サイズまで小さくなってしまった。まぁ、一部は充分に大きいままなのだが。

 

「おー、これ人間の身体? さっき選んだ人間かな」

 

 急激な変化に、しかしツァトゥグアは慌てることなく思考を回す。

 右手でたっぷりと肉の乗ったデカケツを揉み、左手でたっぷりと脂肪の乗ったOカップ爆乳を持ち上げる。

 

「あはは、おもしろーい。全身ポヨンポヨンだ」

 

 もしも、この場に人間のオスが居たならば、恥も外聞も投げ捨てて思いっきりシコり始めただろう。

 目の前の光景は、それ程までにエロく、素晴らしいものだった。

 

「うんうん、いい感じの姿ですね。人間の情欲を極限まで煽る、素晴らしい姿ですわ」

 

 そんな光景を作り出している自覚のないまま、美少女と化したツァトゥグアはアトラック・ナチャが居た場所に目を向ける。

 そこには、セーラー服を纏った黒髪の古風な美少女が立っていた。

 

「あれ、アトラも人間になってる?」

「フフフ……この方が話しやすいかと思いまして」

 

 蜘蛛形態の時と同じく、怪しい笑みを浮かべるアトラック・ナチャ。

 しかし、美少女がするだけで不気味さよりも美しさが勝るのは、どういう原理か。

 

「いきなり人間の身体にするなんて、何するつもりなの?」

「なに、簡単な事ですよ」

 

 手に持ったスマートフォンを操作し、アトラック・ナチャは告げる。

 

「これからあなたには──大食い系ユーチューバーになって配信をしてもらいます」

「ゆーちゅーばー?」

 

 リアルで人間の肉体を得た邪神が、ユーチューバーとなって人間社会に進出する──V(バーチャル)ユーチューバーならぬ、R(リアル)ユーチューバーとして。

 いや、それ普通のユーチューバーやん……とツッコむものは、この場には存在しない。

 

「大食いってことは、食べ物いっぱい食べてもいいってこと!?」

「フフフ……ええ、もちろん。人間よりも美味しい食べ物を、お腹いっぱい食べさせてあげますよ」

「やったー!」

 

 子供のようにはしゃぎ、ブルンブルン❤と爆乳を揺らしまくるツァトゥグア。

 彼女はまだ知らない。この先の未来にて、一人のオスに抱き潰されて、無様なメス豚お嫁さんオナホにされてしまうという事を。

 

「さて、ではさっそく地上に行きましょうか」

「おー!」

 

 美少女の肉体を得た二人の神格は、意気揚々と地上へ侵攻を開始する。

 それがどのような結果をもたらすか、知る者はまだ誰も存在し得ないのだった。

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