「んぇっ」
とある日の朝。大人しくテーブルに着いていたミント先輩が、顔を顰めて声を上げた。その手には、横向きになったスマートフォン。
何か動画でも見ていたんだろうか。それにしては酷いしかめっ面だが。
「どうしたんですか、先輩」
二人分の料理を手に、キッチンからリビングへ移動する。本日の朝食は、半熟の目玉焼きにベーコン。そして、新鮮なサラダとカリカリに焼いたトーストだ。
いつもと違い、珍しく洋食風にしてみた。たまになら、こういった朝食もアリだろう。
「どうしたも何も……」
眉をひそめて、先輩がスマホの画面を突きだす。
「ほらコレ! 見てごらんよ!」
そこには、オレンジ色の髪をした美少女が映っていた。ふわふわとした短髪は、見るものに活発な印象を与えさせる。
そんな美少女が白の清楚なエプロンをつけ、台所に立つ様はとても絵になっていた。
まぁ、大多数の視聴者はそのエプロンを押し上げる膨らみの方に目がいっているのだろうが。
『じゃ、じゃあ、今日は春巻きを揚げていきたいと思いまーす……そーっと、そーっと……うぁっちゃぁ!?!?!?』
画面の中、美少女は揚げ物を作るのに挑戦しているようだった。
しかし、その手つきはお粗末と言わざるを得ない。あんな高いところから春巻きを油に落としたら、そりゃあ跳ねるに決まってるだろ。
もしかして、バカなのか……いや、ただ不慣れなだけか。そういうことにしておこう。
『はぁ、はぁ……な、なんとか完成しました〜……え、調理はもういいから今度は食レポ? ま、まかせて! それなら大得意だから!』
何とか春巻きを揚げ切ったオレンジ髪の少女だったが、既に疲労困憊といった様子だ。
なんで揚げ物一品作るだけでそんなヘトヘトになってるんですかねぇ。流石に素人すぎるだろ、この子。
『じゃあ次はこれ、食べてみたいと思います! ふわぁ……美味しそう……! はむっ! ん〜! 最っ高!』
小籠包、麻婆豆腐、春巻、エビチリ、餃子、炒飯、肉まん、酢豚、担々麺──おまけにデザートとして胡麻団子と杏仁豆腐まで。
明らかに裏で別人が用意したと分かる料理の数々を、オレンジ髪の少女は美味しそうに平らげていく。実に幸せそうな表情だ。
この子はあれだな、食べることに幸せを見い出すタイプの子だな。健康的でとても好感が持てる。
「四宮果穂のお料理チャンネル……この子が、どうかしたんですか?」
タイトルやチャンネル名から察するに、この子の名前は
先輩以上の爆乳と、眠そうなタレ目がチャームポイントになってる可愛い子だと思うが……それだけだ。先輩が嫌そうな顔をする理由が、まったく分からない。
「この子、わたしと同じ神様だよ」
「えっ」
思わず、声が裏返った。
「まったく、ツァトゥグァのやつ……いつの間にYouTubeなんか始めたんだか」
「神様でもYouTubeやる時代なんですね」
「大方、誰かに唆されたんだろうね……あの子は出不精な上にめんどくさがりだから、人前になんて出ない筈なんだ。ましてや料理なんて七面倒な事、絶対にやらない筈だよ」
「えぇ……」
先輩の言葉と、画面の中の少女が結びつかない。
なんというか、別にめんどくさがりって雰囲気は感じないが。
「しかも、チャンネル登録者10万人を突破してるよ。三日前から投稿始めたばかりなのにね」
「み、三日で10万人って……」
「お料理系のチャンネルは伸びが良いからね」
それにしたって凄まじい伸びだと思うけど。うわ、しかも現在進行系で増えてるし。
画面を確認したら、ちょうど12万人を越えたところだった。恐るべし、お料理系チャンネル。
(うん……でもやっぱり、神様の力を使ってる感じはしないな)
先輩やクトゥルフさん達が力を行使した時のような、あの嫌な感じがまったく無い。おそらく、神様でも人間の作った電子機器をどうこうはできないのだろう。
いや、時間や空間を自由自在に操る方が凄いのは、言うまでもないけど。
つまり、この子は素の実力だけでチャンネル登録者を獲得してる事になる。
「愛される才能ってやつですかね」
「いいや違うね、人気の理由はハッキリしているとも」
苦々しい顔をして、先輩は声を上げた。
確かに、この子が人気な理由は僕でも分かる。
「このおっぱいですよね」
「このおっぱいだとも」
画面の半分以上を占領する、先輩に匹敵する超爆乳。目測だが、Oカップはあるだろう。
強引に包んでいる白エプロンが、ミチミチと悲鳴を上げているようにも見える。
「服の上からでも分かる規格外の爆乳ですからね……そりゃ見ちゃいますよ」
自分のスマホを開いて過去の動画のサムネイルを追ってみると、お料理シーンと爆乳がうまく調和しているのが見て取れる。
どちらも突出しないようにして、色々な客層を取り込んでいるのだろう。あ、登録者が13万人になった。
「この用意周到さ、そしてプロデュース力……おそらく、アトラも一枚噛んでるだろうね」
「アトラ?」
「わたしの知り合いさ。重度のワーカーホリックなんだけど……いったい、どういう風の吹き回しやら」
神様でもワーカーホリックになったりするんだな、知らなかった。
いや、北欧でも鍛冶の神様とか居るし、仕事を司る神様なら不思議でもないのかも。
「ん?」
と、色々と研究、もとい考察をしていたら、先輩が何かを発見したようだ。
動画を何度も巻き戻し、同じ場面をジッと見つめている。
「なるほどねぇ」
突然、したり顔になって笑顔を浮かべる先輩。
前々から思ってたんですけど、その笑顔怖いんでやめてください。めちゃくちゃ冒涜的な感じがするんで。
「後輩くん、スマホを貸してくれるかい?」
「別に良いですけど……」
ポケットからスマホを取り出し、そのまま手渡す。すると先輩はカメラを起動し、先輩のスマホに映った動画を撮り始めた。
スマホのカメラで、スマホの画面を撮影してる感じだ。なんでそんな事してるのかは、全くわからないけども。
「やっぱり、そうだと思ったんだよ❤こんなドスケベな身体、活用しない手は無いからねぇ❤」
数秒後、僕のスマホがQRコードを認識した。どうやら、動画の中に一瞬だけ映り込むように設定されていたようだ。
そのコードによって、スマホの画面に、とある動画が映し出される。
『えーっと、これでいいのかな?』
動画には、先程と同じ姿の四宮果穂が映し出されていた。
しかしキッチンではなく、これから料理をしようという気配も無い。
「なんですか、この動画」
「ふふ❤すぐに分かるさ❤」
先輩からスマホを受け取り、その動画に目を向ける。
『それじゃあ……これから、初めてのおなにー配信? っていうのをやりまーす』
そして、画面に映る四宮果穂が発した言葉に、思わず面食らってしまった。
こんな可愛らしくて明るそうな子から、オナニー配信なんて単語が飛び出てくるとは。
「おそらく、動画内の秘密に気づいた者だけが辿り着ける裏チャンネル❤と言ったところかな❤」
「そんなの、よく見つけられましたね」
「いやぁ❤アトラの事だから、こういう隠し要素は入れてくるだろうと思っただけの事だよ❤見事的中したけどねぇ❤」
先輩は、さっきと打って変わって楽しそうに笑っている。そして画面の中の四宮果穂は、おもむろに服を脱ぎ始めた。
上半身だけしか映っていないのが、余計に想像力を掻き立てられる。
『んしょっ』
白いエプロンに押し込まれていたOカップ爆乳が、どたぷん❤と解放される。
もちろんブラジャーなんて無粋なものは着けている筈もなく、綺麗な薄ピンク色の乳首が丸見えになっていた。
『えーっと、まずは乳首を弄っていきまーす』
明らかにカンペの方を見ながら、四宮果穂は両手を乳首に添える。今まで一度も触られて来なかったことが分かる、小さくて形のいい乳首。
先輩のようないやらしくぽってり膨らんだ乳首や、八尋のソーセージ乳首とは比べ物にならない可憐さだ。
『んしょ、んしょ』
人差し指を乳首の先端に当て、ゆっくりと擦っていく。
おっぱいが大きすぎるから、乳首を弄るだけでも大変そうだ。
『うーん、こんなので本当に気持ちよくなるのかなぁ』
懐疑的な声を上げながらも、その両手は乳首をいじり回していく。
ゆっくりと、小さな快感を積み重ねるように。
『……んー』
すりすり❤しゅりしゅり❤ぷくっ❤コリコリッ❤
『んっ?❤ふぅっ?❤くっ?❤』
乳首を弄り続けること、数十分。
僅かに、四宮果穂の吐息に熱が籠もる。
『えっ❤えっ❤なにっ❤これっ❤』
外部からの刺激によって、乳首はどんどん固くなっていく。それと同時に感度も上がっていき、無知な身体は初めての快楽を味わう事になる。
明るく、可憐な印象を持つ子が淫蕩に性に目覚めていく。綺麗なものが汚されていく瞬間って、どうしてこうソソるのだろうか。
『ふぅっ❤なんかっ❤ちくびムズムズするっ❤❤』
小さな乳首が精一杯に勃起し、充分に感度が高まっても、当の本人は乳首弄りをやめない。
初めての味を知ってしまった食いしん坊が、中途半端なところで止められるわけが無い。
『やっ❤❤あっ❤❤ひぅっ❤❤❤』
実りきった身体が昂っていく。
無知な精神が困惑する。
『ひぁっ❤❤はっあぁ❤❤おっぱいあついっ❤❤❤』
それらすべてを呑み込んで、初めての快楽は極上のメス肉をアクメに導く。
乳首がビクビク❤と跳ねる度に、メス肉はどんどん淫らに熱を帯びていく。
『なにかっ❤なにかくるっ❤おっぱいのおくっ❤はじけちゃうぅぅぅっ!❤❤❤』
メスの本能からか、四宮果穂は自らの乳首を思いっきり捻り上げた。
小さな乳首から、大きな快楽が流れ込んでくる。
『ひゃわぁぁああぁああぁあぁあぁっ!?❤❤❤』
背筋を仰け反らせ、両乳首を引っ張りながら、四宮果穂はアクメした。伸び切った乳房が、実に無様に強調されている。
画面から見切れていて分からないが、きっとおまんこはグチャグチャのドロドロになっているだろう。
「ふふ❤新しいオナホが見つかったようで良かったよ❤」
ニヤニヤと笑いながら、股間に目を向けてくる先輩。そこには、ズボンの上からも分かるほどに立派なテントが張られていた。
こういうところ目ざといんだよな、ホントに。
「さぁ、善は急げだよ❤早速ツァトゥグァの所に行くとしようか❤」
「行くって……どこに居るか知ってるんですか?」
「もちろんだとも❤神様パワーを舐めないでおくれ❤」
そうして、先輩に手を引かれて外へ飛び出した。朝ごはんをそのままに、先輩は裸白衣のままで──って、ちょっと待てぇい!
「いや、服は着てくださいって!」
結局、本格的な出発は朝ごはんを食べ終え、先輩の服を着せてからになるのだった。
なんとも締まらない話である。