「ん」
目をあけたら、見慣れた天井だった。というか、先輩の部屋だった。
「えへへぇ……❤こうはいくん……❤」
そして傍らには、幸せそうな顔で眠る先輩の姿もあった。
窓の外から射し込む朝日に、顔をしかめる。どうやら今の今までぐっすり眠ってしまっていたようだ。
「……なんかいい匂いするな」
部屋の外から、味噌汁のいい匂いが漂ってくる。ぐぅ、とお腹がなった。
激しい運動(意味深)をした直後で、胃袋の中も空っぽなのだ。そんな所に食欲に直撃するような匂いを嗅いだら、腹もなるに決まっている。
「二宮?」
そこで、ようやく気づく。僕たちより一足先に寝ていたはずの二宮が居ない。ベッドの上にも、部屋の中にも姿は見えない。
その事実と、香ってくるご飯のいい匂い。それらの情報を統合すれば、自ずと答えは見えてきた。
「…………」
「んぁ❤」
抱き着いていた先輩を引き剥がし、部屋の入口に脱ぎ散らかしていた服を着る。ついでに先輩の服も畳んで机の上に置いておく。
そうして身なりを整えて、意を決して部屋の扉を開けてリビングへと足を踏み入れた。
「あっ。おはようございますッス、先輩❤」
するとそこには案の定、キッチンに立って料理をする二宮の姿があった。
リビングには、先程よりもより一層いい匂いが充満している。またもぐぅ、とお腹がなった。
「おはよう二宮。早いんだな」
「えへへ、こう見えても健康優良児ッスから! 元気な子供も沢山産める自信があるッスよ!」
「なんの自慢なんだ、それは……」
よくわからない自慢をしながら、二宮は得意げに胸を張る。そのせいで、
そう。なんと今の二宮がしている格好は、俗に言う裸エプロンと呼ばれるものだった。
「もうすこし待っててくださいッス❤あとちょっとでお魚が焼けるので❤」
「おう」
体の前面にエプロンを一枚着ただけの、ハレンチ極まりない格好。
うなじ、背中、尻、ふともも、脚、そしておまんこ。大事な部分が胸と乳首しか隠せていないという、ド変態スタイルだ。
「ふん、ふん、ふふ〜ん❤」
二宮は実にゴキゲンといった様子で、尻を左右に振りながらキッチンの中を移動している。
あっちへパタパタ、こっちへパタパタ。動き回るたびに、立派に実ったデカ乳とデカ尻が、オスを誘うようにぶるんぶるんと揺れ弾む。
「あ、先輩はご飯どのくらいがいいッスか? やっぱり大盛りがいいッスかね?」
「いや、普通でいいぞ。普通で」
大盛りなのはお前の乳と尻だろ、という言葉は呑み込んだ。言ったら絶対に、ご飯より先にセックスする流れになると判断したからだ。
流石に今の状態でセックスはしたくない。感度3000倍の余韻がまだ残ってるし、何より単純に体力がもたない気がする。
「…………❤」
「…………」
だというのに、この後輩はこっちに尻を突き出して猛烈なセックスアピールをしてくる。
見事に育った桃尻と、健康的にキュッと閉じたアナル。その下に鎮座するトロトロおまんこ。
既に愛液で濡れそぼっているそこは、くぱくぱと蠢いてチンポの到来を待ち望んでいる。突っ込んだらめちゃくちゃ気持ちよさそうだ。
「……せ、せんぱぁい❤」
「やらんぞ」
メスの顔で誘惑してくる後輩に、きっぱりとNOを突きつける。
今は何よりもエネルギー補給が大事なのだ。怠ったらマジで死にかねない。
「まずは飯食って、それからだ。お前も腹減ってるんだろ?」
「そ、そりゃあ減ってるッスけど……そこは愛の力でカバーする、みたいな?」
「愛は食えないぞ」
「む〜!」
愛情や友情で腹が膨れることはない。人間は定期的に食べ物を摂取しなければ死んでしまう、悲しき生き物なのだ。
まぁ、二宮はそんな理知的な反論が聞きたかった訳では無いらしく、頬を膨らませて、じっとりとこっちを睨みつけていたが。
いやあの、そのツリ目で睨まれるとちょっと怖いんですけど。こっちが悪いみたいな気分になるじゃん。
「しかし、愛か……」
思えば──二宮が抱いてほしいと言ってきたから、情欲にまかせて抱いてしまったが、二宮がどうして僕に好意を寄せているかは聞いていなかった。
彼女は、どうして身体を許すまで好意的なのか。
僕と二宮はただ単純に、一介の大学の、ただの先輩と後輩という関係だったはずだ。
知らなければならないだろう。二宮が、僕のことをなぜ好きなのか──その理由を。
「なぁ、二宮」
「なんスか?」
「なんで、僕とセックスしようと思ったんだ?」
「ほへ?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で、二宮はこちらを見る。そうして徐々に頬を赤く染めていき、視線を逸らしながらゆっくりと口を開いた。
「それは……まぁ、先輩が好き……だからッスけど」
「僕も二宮のことは好きだ」
「ホントッスか!?」
「ああ。だが、二宮が僕を好きになった理由が思い当たらなくてな……失礼じゃなければ聞いてもいいか?」
「へ?」
またも鳩が豆鉄砲を食らったような顔で、二宮は逸していた視線をこちらに向けた。
「お、覚えてないんスか!? 子供の頃、お嫁さんにしてやるって言ってくれたじゃないッスか!?」
「子供の頃……」
非常に申し訳ないのだが、まったく覚えていない。というか、子供時代の記憶が曖昧で何も思い出せない。
「そ、そうか……そうなのか……」
「ひ、ひどいッス先輩〜! 大学生になってようやく会えたと思ったのに、忘れてるなんて〜!」
「いやすまん。これはマジですまん」
普通に土下座案件だな、これ。
「ま、いいッスけど」
「いいのかよ」
先程の動揺がウソのように、二宮はカラッとした笑顔を浮かべた。
「覚えてないなら、今度はこっちから告白するまでッス! というわけで、アタシのお婿さんになってください、先輩!」
「二宮……」
やだこの後輩、イケメンすぎる。下手な男より男らしいんですけど。
「ダメならセフレでもいいッスよ!」
「急にランクダウンしたな、おい」
「だってー……先輩はミント先輩のこと大好きじゃないッスかー」
「そりゃ大好きだが」
僕のすべては先輩のものだからな。当然だ。
「だから一番は無理でも、二番くらいにはなれればなーって思ったんス」
「二宮はそれで良いのか?」
「もちろんよくないッスよ。あわよくば先輩の一番になりたいッス」
じゃあ、と声に出す前に、二宮は再び口を開いた。
「だから、チャンスを待ってるッス」
笑顔だった。
「ミント先輩から、先輩を奪うチャンスを、二番手に甘んじて待ってるんスよ」
とても綺麗で、とても獰猛な笑顔だった。
「アタシ、こうみえて欲張りッスから」
まるで肉食獣のような、そんな美しい笑みを、二宮は浮かべていたのだった。
◇◆◇◆
「はーい、朝ごはんできたッスよー」
「おぉ、うまそうだな」
先程の奪い取る宣言からしばらくして、二宮お手製の朝ごはんが出来上がった。
焼き鮭、漬物、海苔──そしてご飯と味噌汁という、古き良き和食がテーブルの上に三人分乗せられていた。控えめに言って、めちゃくちゃうまそうだ。
「ふっふーん! こう見えて炊事・洗濯・掃除は一通りこなせるッスからね!」
「流石だな」
「ふっふふーん!!」
めっちゃドヤ顔してる。あと、その胸を張るポーズやめなさい。ムラムラしてくるから。前言撤回して襲い掛かりたくなっちゃうから。
「乳首立ってるぞ」
「立たせてるんスよ❤」
エプロンを押し上げ、その存在を主張する二つの突起。それは二宮が絶賛発情中という事実を、実にシンプルに伝えてくれていた。
いやどんだけセックスしたいんだよ、このドスケベメス豚オナホが。
「そうか……じゃあイタズラされても文句は言えないな」
「んほぉっ!?❤❤」
両手で乳首に狙いをつけ、人差し指と親指で思いっきり摘み上げ、捻り上げる。
それだけで二宮はアヘ顔を晒し、股間から潮を噴き出した。先輩に負けず劣らずのクソザコ乳首だな、コイツは。
「んにぃぃぃっ❤い、いきなり乳首つねっちゃだめッスぅ❤乳首、弱いからぁっ❤」
クソザコ乳首にお仕置きするため、ぷっくりと膨らんだ先端を捻り上げる。それだけでこのマゾオナホは白目を剥き、白く粘ついた本気汁を漏らす。
無様なアへ顔だ。ぶっちゃけ興奮する。空っぽだった身体の奥から、ムクムクと性欲が顔を出す。
「はい、おしまい」
「ふぇ?❤」
とはいえ、流石にここまでだ。いい加減に朝ごはんとしよう。
ねぼすけなお姫様も起きてきたみたいだしな。
「ふぁ、むにゅむにゅ……おはよう、二人とも」
「おはようございます」
「お、おはようございますッス❤」
寝ぼけ眼をゴシゴシ擦りながら、先輩が部屋から出てきた。ご飯と味噌汁のいい匂いに釣られたのだろう。
「んぉ? これは……凛花ちゃんが作ったものだね?」
「よく分かりましたね」
「そりゃあ分かるさ。なんたって凛花ちゃんはエプロンをして……って、後輩くん」
なんでしょうか、先輩。
「凛花ちゃんの太ももから、何らかの液体が垂れているんだが?」
「んっ❤」
「あー……ははは」
どうやら先輩の目は誤魔化せなかったらしい。
僕たちは二人揃って愛想笑いを浮かべながら、そそくさと席につくのだった。