「さて、待ち合わせ場所はここだよ」
「ここだ、って……」
出かける支度を済ませ、街に繰り出してから数分後。僕たち二人は、とあるラブホテルの前にいた。
普通のホテルを模した、どこにでもあるような見慣れた建物。もちろん先輩と一緒に何回か入ったこともある。
「ラブホじゃないですか」
「そうだよ?」
いや、そうだよじゃないが。
「なんでラブホなんです?」
「そんなの、エッチなことをするからに決まっているじゃないか。後輩くんはそんな簡単なこともわからなくなったのかい?」
バカでかいKカップ爆乳をブルンと突き出し、先輩はドヤ顔で胸を張った。
生意気な口のききかたしやがって。ブチ犯すぞ、このドスケベロリ爆乳先輩がよ。
「さ、入るよ後輩くん。中で陽毬ちゃんが待っているはずさ」
「はぁ……はいはい」
なんかもう、抵抗する気力もないわ。大人しく見届人に徹しますよ、今回は。
「たしか、302号室って言ってた筈だよ」
「…………」
受付のいないフロント。甘ったるい香り。エレベーター前に置かれた、サービスらしき数種類の入浴剤。
せっかくなので薔薇の香りとか言うやつを選んで、紙コップに入れて持っていく。安物を使っているとはいえ、入れれば少しはリラックス出来るだろう。
「おーい、何やってるんだーい? 行くよー」
「こういう時だけ行動早いの、なんとかなりません?」
一人だけさっさとエレベーターに乗り込んでる先輩の元へ、駆け足で追いつく。
そのまま扉が閉まり、先輩がボタンを押せば、エレベーターは一直線に上の階へと上がっていく。
(甘い匂い……)
隣に立つ先輩から、甘ったるいメスの匂いがする。
もう飽きるほど嗅いでいるはずなのに、未だにその匂いを嗅ぐだけで心臓の鼓動が早くなる。
「…………」
「お?」
気づけば、横から先輩の身体に手を回して、その豊満なKカップ爆乳を鷲掴みにしていた。
ブラジャーの上からだが、やはりえも言われぬ柔らかさを感じる。
「なんだい後輩くん、我慢できなくなったのかい」
「いや、その……はい」
「ふふ❤正直でよろしい」
ラブホに来ると、否応無しにこれからエロい事をするという気分になって、気持ちの昂りが抑えられなくなる。
先輩のおっぱいの感触、先輩のおまんこの感触、先輩の快楽にとろけた顔──それらすべてを鮮明に思い出して、心臓の鼓動が高まっていく。
「仕方ないなぁ」
先輩が背中に手を回し、ブラジャーのホックに手を掛けた。
パチン、と軽い音がした直後。パサリ、という音と共に、バカみたいな大きさのブラジャーが、先輩の小さな手の中に収まっていた。
「ひとまずこれで我慢したまえ」
たった今まで、先輩のKカップ爆乳を包んで支えていた上質な布切れ。
まだ先輩の香りと体温が残った生温いそれは、まるでオスを誘う食虫植物に似ていた。
「せ、先輩……」
「後でちゃんと返してくれよ。じゃないとノーブラで帰ることになってしまうからね」
たぷん、と胸を張って──胸を震わせて──先輩は意地悪そうに笑った。
ゆっくりと、差し出されたそれを受け取る。手に伝わる重みと温み。それらが更に鼓動を加速させる。
「お、着いたね」
それと同時に、エレベーターのドアが開いた。もう目的の階へ着いてしまったらしい。
意気揚々と飛び出す先輩に続いて、同じく薄暗い通路へ踏み出す。
「さ、行くよ後輩くん」
「すー……はー……あだっ」
「何やってるんだいキミは?」
せっかくなので先輩のブラジャーの匂いを堪能しながら歩いていたら、壁に顔をぶつけてしまった。
おのれ……ブラジャーで前が見えなくなるとか、どんだけおっぱいデカいんだよ。この金髪ぷにロリ爆乳オナホがよ。
「まったく。わたしも大概だが、後輩くんも相当変態だよね」
「それは、まぁ……そうですね」
否定はしない。僕と先輩は、お互いに気持ちいいことが大好きな変態同士だ。
だからこそこうして一緒にいるし、何度も身体を重ねている。まぁ一言で言うならば、めちゃくちゃ体の相性が良いということ。
「あ、そういえば」
ブラジャーを吸っていて思い出したのだが、そういえば先輩とはやってないプレイがあったな。
「先輩、パイズリだけはしてくれないですよね」
「え? あ、あー、そうだったかな……?」
「ずっと疑問に思ってたんですよね。なんでですか?」
自慢じゃないが、チンポのサイズはかなり大きいと自負している。それこそ、先輩の爆乳に挟まれても問題ないサイズであるはずだ。
だというのに、先輩はこれまで一度もパイズリをしてくれたことがない。不思議だ。
「…………」
「先輩?」
先輩は歩みを止めて、その場で立ち止まる。
「……てたんだよ」
「え?」
そうして少し俯きながら、何か言葉を発した。
「れんしゅう……してたんだ」
「練習?」
なんの練習だろうか。なんて、話の流れを汲めば考えなくても分かる。
「パイズリの……練習、してたんだ……ディルドで」
「ああ。だから最近、ディルドが出しっぱなしになってることが多かったんですね」
愛液じゃなくて、唾液でドロドロになったディルドが頻繁に部屋に放置されてる謎が、ようやく解けた。
あれは先輩の練習跡だったわけか。そういえばサイズもかなりデカめのヤツだったし、それなら納得だ。
「でも、練習するくらいなら本番で慣れればいいじゃないですか」
「簡単に言うなぁ!」
だぷん、とおっぱいを派手に揺らしながら、先輩が振り向いた。
ノーブラなせいで、服の上からでもおっぱいの輪郭が丸わかりだ。実にエロい。
「ここはこう、ビシッとパイズリをキメて、後輩くんを腰砕けにさせて、イニシアチブを取るために決まってるじゃないか!」
「あ、まだ自分がエッチで優位に立つこと諦めてなかったんですね」
つい昨日、感度3000倍薬を使って敗北したというのに、懲りない人だな。
でもまぁ、そんな所が可愛らしいのだが。
「そ、そうとも! パイズリは手コキ、フェラチオに続く女性有利シチュエーションだからな! これで後輩くんを骨抜きにしてやるつもりだったのだよ!」
「パイズリに夢を見過ぎでは」
そもそも、そんな気持ちよくないって聞くけどなぁ、パイズリ。
確かに経験則から言っても、あの愛液と本気汁でふわとろになった先輩の極上おまんこには、絶対敵わないだろうという確信がある。
それこそ何らかの薬でも使わないと、先輩の極上おまんこを超えるのは不可能なんじゃないかと。
「そ、そんなこと言ってられるのも今のうちだよ! 見てるといいさ──いずれわたしのおっぱいの中で、枯れ果てるまで射精させてあげるからね!」
「わー、それは楽しみですねー」
いつもの自信満々な様子とは違う、少しだけ不安が見え隠れする声と表情。そんな精一杯背伸びしたドヤ顔をする先輩が可愛すぎて、つい頭を撫でてしまった。
うん、マジで可愛いなこの人。
「あ、頭を撫でるんじゃない!」
「すみません。先輩が可愛くて、つい」
「か、かわっ!?」
可愛いという素直な気持ちを告げただけで、一気に顔を赤くする先輩なのだった。
いやマジで可愛すぎか?
「よしよし」
「う、うぅ〜……!」
ちょっとこれは癖になりそうだな。顔真っ赤にしてる先輩尊すぎる。無限に見てられそうだ。
「せ、せめてそういうのは、セックスしてる時にやってくれないか……」
「分かりました。じゃあ今度は、目一杯イチャラブセックスしましょうね」
「~~~〜っ❤❤❤」
いつもしてるハードなのもいいけど、ひたすら甘く、とろけるようなセックスも実にいいものだ。
最近は全然してなかったし、今度やるときには先輩の耳元でひたすら愛の言葉を囁いてやろう。先輩への果てしない思いを、全部ぶつけてやる。
「さ、さぁ! そうと決まれば、早く陽毬ちゃんの元へ向かおうじゃないか!」
「そうですね」
そういえばここラブホの廊下だったな。いつまでもこんなところで話し込んでたら、流石に他のお客に迷惑だ。
「えっと……あ、あったあった」
先輩と二人、足早に歩いて、すぐさま目的地の前まで辿り着く。
そのまま先輩が指でインターホンを押せば、ピンポーンという音と共に中で何やらバタバタと激しく暴れる音が聞こえてきた。
防音大丈夫なのか、この部屋。
「いらっしゃいませ! せんぱぁ〜い!!」
「おっと」
ガチャリ、と勢いよくドアが開いて、中から小さな人影が飛び出してくる。
黒いウェーブの髪に、ヒラヒラとしたフリルがあしらわれた白いベビードールという、いやらしさ全開の格好。
まるでお伽噺に出てくる妖精みたいな格好をしたそいつは、勢いよく先輩のおっぱいにダイブをかました。
「会いたかったですよぉ、せんぱぁ〜い❤」
「よしよし、陽毬ちゃんは今日も元気だね」
甘い声を出しながら先輩にじゃれつく姿は、まさしく猫と呼ぶに相応しい。
うん……まぁ……こうして外から見てる分には可愛いと思えるのも、猫と同じというか。
「で、なんで北条までここに居るわけ?」
ギラリ、とその瞳が僕を射貫く。
出会って早々、僕はいつものように眼光という鋭い爪で、一之瀬に勢いよく引っ掻かれるのであった。