※この作品はR-18です。

とても都合のいいオナホ先輩   作:九龍城砦

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エロがありません。
※九条先生の外見描写を白髪赤眼(アルビノ)に変更しました。


思わぬライバル

「起きてください、九条先生」

「ん、んぅぉ〜……?」

 

 九条先生の肩を揺すれば、女子力の欠片もない声で呻きながら身体を起こす。

 ちなみに、ちゃんと下着と服は着せた後だ。先輩の為に習得したお着替えスキルが、こんなところで役に立つとは思わなかったが。

 ちなみに。先輩は隣の研究室で、講義に持っていく資料の準備中である

 

「お〜……おお、おはようございます……北条くん」

「おはようございます」

 

 色素の抜け落ちた白い髪を掻きながら、九条先生は大きなあくびをした。

 初めて会ったときから思ってたけど、この人は本当に色素が薄い。だというのに虹彩だけが真っ赤で、まるでウサギみたいな印象を受ける。

 

「あぁ……また寝ちゃってましたか……反省ですね」

「いや、寝るのは別に悪いことじゃないですよ」

 

 むしろもっと寝てくれ。睡眠時間、絶対に足りてないから。

 

「目の下、くま凄いですよ」

「ああ……くま、染み付いちゃってるんですよね……気にしないでください……ふへ」

 

 ふにゃりと笑って、九条先生は照れるように頭をかいた。覇気もない、血色も悪い、生命力が感じられない。

 

 結論から言って、この人はヤバい。

 

 先輩とは別ベクトルでヤバい人だ。研究という篝火に、己の命を焚べて走っているような人なのだ。

 

「そんなくまが染み付くような生活してたら、早死に待ったなしですよ。もっと健康的な生活をしましょう」

「ふへ……北条くんは、優しいですね……」

 

 いや、優しい優しくないとかそういう話ではない。こんな生活を続けてたら、マジで死んじゃうから。

 個人的に知り合いが死ぬのとか絶対見たくないから、こうして忠告してるだけで。

 

「大丈夫ですよ……研究成果を出せない私に……生きてる価値とか、無いですから……ふへ」

「…………」

 

 そしてこのように、この人は闇が深い。強いて言うならブラックホールレベルに深い。並の人間なら、吸い込まれて出てこれなくなる。

 

「ふへへ……ジョークですよ、ジョーク……」

「で、ですよね」

「研究成果を出しても……私に価値が付くわけ、無いじゃないですか……」

「いやジョークってそっち?」

 

 どんだけ自己評価が低いんだろう、この人は。一応、特許を取った薬を何個も開発してるという、めちゃくちゃ凄い人なんだが。

 

「ああ……そういえば今日は、講義がありましたね……名取さんは、どこですか……?」

「名取先輩は急用が入って来れなくなったそうです。代わりに、僕と先輩が来ました」

 

 と、事実をありのまま報告したところ。

 

「え……」

 

 ピシッ、と九条先生の身体が固まった。

 

「……ミントちゃん……来てるんですか……?」

「え、えぇ。まぁ、はい」

 

 いや、そんなこの世の終わりみたいな顔しないでくださいよ。見てるこっちがしんどくなる。

 

「………………………………………………………………………………………………………………………………」

「あの」

「………………………………………………………………………………………………………………………………」

「もしもーし」

「………………………………………………………………………………………………………………………………」

「九条せんせーい」

 

 フリーズしてしまった。肩を揺すっても、目の前で手を振っても反応が無くなってしまった。そんなに先輩が苦手なのか、九条先生。

 

「はうっ……ATGCCATCGATTACG、TACGGTAGCTAATGC……ふぅ」

「なぜ急に塩基配列を羅列したんです?」

「あの並びを想像すると……落ち着くんです……」

「そうですか」

 

 なんかの漫画にそんなキャラ居たな。たしか、数字を数えて落ち着くやつだった気がする。

 っていうか、かなり特殊な心の落ち着け方するんだな。普通にビックリするわ。

 

「それでは……講義に、行きましょうか……」

「大丈夫なんですか?」

「ええ……常に、覚悟は……しています……」

 

 先輩と講義に行くの、九条先生にとっては覚悟が必要なイベントなのか。いったい何したんだ、あのぷにロリKカップ爆乳オナホールは。

 

「準備できたよ、後輩くーん」

「ぴぃっ」

「おや。起きたんだね、クーちゃん先生」

 

 準備を終えたのであろう先輩が、意気揚々と部屋に入ってくる。その姿を見て、九条先生は僕の後ろに隠れてしまった。

 身長的にも年齢的にも大人のはずなのだが……こうして見ると、この場では一番子供みたいに思えてきてしまうな。守護(まも)らねば、って気持ちになってくる。

 

「では早速講義に行こう。時間も迫っている事だしね」

「分かりました」

「は、はひぃ……」

 

 一応すでに──寝てる間に──身支度は整えてあるので、後は直接講堂に向かうだけだ。今日も九条研特製の白衣が、清く輝いている。

 

「あの、九条先生……自分で歩きましょう?」

「ううぅぅ……」

「あっ、いいなー! クーちゃん先生ばっかり! 後輩くん、私は抱っこを所望する!」

「流石に潰れますって」

 

 背中に大学教授を背負い、両手に講義の資料を持ちながら、ほっぺたを膨らませた先輩を連れて、講堂までの道を歩く僕なのであった。

 

 

⭐⭐⭐

 

 

「この化学式は──で、こっちの──と組み合わせると大きな効能が得られる。分かったかな?」

「すみません、質問なのですが──を作る際にはどうすれば良いでしょうか?」

「ああ、そこは──を代用すればいい。こっちの──でも同様の効果は得られるだろうね」

「…………」

「やっぱりワンマンになりましたね……」

 

 教壇に立ち、何故か教鞭を取っている先輩なのであった。何故かめっちゃサマになっている。

 そして、それを隅っこで見つめる人物が二人。言わずもがな、九条先生と僕である。

 

「う、うぅ〜……! やっぱりミントちゃん、キライですぅ……!」

「あ、あはは……」

 

 流石に弁護できないかな、これは。教授の面目を丸潰れにするのは、些かやりすぎだと思う。いつものことだとしても、だ。

 

「むぅ〜……!」

 

 当然のごとく怨めしそうに、ほっぺたを膨らませて怒り顔をする九条先生なのであった。もうすぐ三十路の筈なのに、カワイイが過ぎるな、この人。

 

 

⭐⭐⭐

 

 

「いやー、今日も有意義な講義ができたね!」

「ぷぅ〜……!」

「あの、先輩。後ろ見てください、後ろ」

 

 めっちゃふくれっ面で先輩を睨む先生がいた。普通逆じゃないか、こういうのって。

 

「あー……すまないね、クーちゃん先生。知識を教えられるとなると、つい自制が効かなくなるんだ」

「むぅ〜……!」

 

 両手を合わせて謝罪する先輩と、未だにそっぽを向いたままの先生。こういうのも逆なんじゃないかねぇ、普通は。

 

「許してほしいな。この通りだよ」

「…………」

「むぅ……わかった。わたしに出来ることなら何でもしてあげるよ。だから、機嫌直してくれないかい?」

「……なんでも、ですか……?」

 

 あ、バカ。なんでもするはマズいだろ、先輩。それは悪魔の言葉だぞ。

 

「そうとも。女に二言はないさ」

「……そう、ですか……」

 

 先輩の言葉を聞いて、九条先生はニヤリと不気味に微笑んだ。そして、一瞬だけ視線をこっちに向ける。

 

「…………」

「ん?」

 

 なんでこっち見たんだろうか。なんか、とてつもなく嫌な予感がするんだが。

 

「じゃあ……一つだけ……」

「なんでも言ってくれて構わないよ」

 

 ゆっくりと、焦らすように九条先生が口を動かす。言いづらい事なのか、少しだけ躊躇っているようにも感じられる。

 しかし、それでもハッキリと、僕たちに聞き取れるように、先生は声を上げた。

 

「今夜、一晩だけ……北条くんを、貸してもらえませんか……?」

「──ほへ?」

 

 あまりにもあんまりな──予想の斜め上すぎるお願いに、先輩は素っ頓狂な声を上げてフリーズするのであった。

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