ダンまちはもっと肌色が多い方がいいと思うんだ。 作:黒のトビ
ベルくんは思春期。
そのとおり。
未調査区域の温泉で起こったハプニング、後に「リトルガネーシャ事件」もしくは「白いファイヤボルト事件」と女性陣の中で呼ばれることとなる出来事。
衝撃的体験をしてしまった彼女達の、地上に戻ってからの物語である。
【ベルの場合】
ダンジョンから帰ってすぐ、ベルは
扉に鍵をかけ、ヘスティアが入ってこれないようにして、普段ヘスティアと共同で使っているベッドに潜り込んだ。
毛布を頭まで被り、全てを忘れようとするかのように目をぎゅっと閉じる。
コンコン。
「ベルくぅ~ん」
扉の向こうから小さく扉を叩く音と、普段の溌剌とした姿からは想像できない程に弱弱しいヘスティアの声が聞こえてくる。
いつものベルであれば、そんなヘスティアの声を聴いたら間違いなく心配し、すぐさま扉を開け放ち、駆け寄っていただろう。
しかし、ベルはヘスティアの声に反応することはなかった。
はっきり言えば、ベルはヘスティアを無視していた。
それはダンジョンから帰還中から、今までずっと続いていた。
正確には、ダンジョンの未調査区域の温泉から出た後からずっとだ。
地上に戻るまでの間、気まずそうにしながらも度々話しかけてくるヘスティアに一切の反応を返さなかった。
ベルは一言も発することなく、ただ歩いているだけだった。
モンスターとの戦闘も、全てアスフィ達が担当して、ベルは戦うことなく俯いていただけだった。
むしろ、ベルに戦わせるわけにはいかないと言わんばかりに、女性陣が積極的に前に出て戦っていた。
そんなベルの状態を心配して、温泉の奥で起こったことを何も聞かされていないヴェルフが何かと気にかけてくれていたが、それにも碌な対応を返すことができなかった。
何かを察したらしいヘルメスがにやけた顔でベルや女性陣を見ていたが、アスフィに殺気交じりにかなり本気で殴られて、怯えながら沈黙した。
ベルは態とヘスティアを無視した訳ではない。
戦闘に混ざらなかったのも、戦うことを放棄したためでもない。
それは誰もがわかっていた。
故に、ベルが何もしていないことを責め立てる者は一人もいない。
では、何故ベルは何もしなかったのか。
答えは単純。
そんな余裕が無かったためだ。
ベルは温泉で、生まれてから今までで一番衝撃的と言える出来事を体験した。
大事件がベルの頭をかき乱し、精神を落ち込ませ何もできない状態に追いやっていたのだ。
その出来事とは何か――――。
見られてしまったのだ。
多くの女性達に。
自身の秘するべき
露わにしてしまったのだ。
知り合いの見目麗しい女性達の目の前で。
反応させてしまったのだ。
ヘスティアの指で撫でられたことで。
女神の手の中でビンビンに
出してしまったのだ。
アスフィの、リューの、命の、千草の、ヘスティアの見ている前で。
【ガネーシャ】の先端から【ファイヤボルト】を発射してしまったのだ。
思い出すだけで、羞恥で顔に熱が集まり、じっとしていられなくなり、ベッドの上でゴロゴロと転げながら体を捩る。
ベルは己の【ガネーシャ】が小振りであることを理解していた。
幼い時分、村にいたころに同年代の子供たちと水浴びをしたときに、比べっこをしたときには、そのグループ内での順位は下から数えた方が早かったし。
エロいことに関しての知識は無駄に豊富だった祖父にも、もっと大きくならないとハーレムなど夢のまた夢だと言われたこともある。
幼かったからか、祖父にも詳細な性知識を教え込まれたわけではないものの、大きい方が良い、被っているのは良くないいうことくらいは理解していた。
故に、ベルにとって【リトルルーキー】なモノを異性に見せるなどということは、決してしてはいけないタブーであった。
ましてや、それを【レベルアップ】させて、目の前で【ファイヤボルト】を放つなど、想像することもできないようなことだ。
しかし今回、そのタブーを犯した。
タブー以上のこともやった。
もはや取り返しがつかない程に、完全にやらかしたのだ。
ベルが人目を憚らず泣き出してしまったことも、おかしくなことではないだろう。
そんな想像すらしないような大惨事を体験した、14歳の少年が受けたショックは、余人には計り知れない。
敬愛する女神を無視してしまっても、危険なダンジョン内で無防備になってしまっても、それは仕方のないことなのだ。
そんなどん底な精神状態でダンジョンから帰還したベルは、そのまま寝室に引き籠ったのだった。
ベッドの上で横になっていたベルが不意に目を開ける。
ぼんやりとした頭のままボーっと天井を眺める。
どうやら自分はいつの間にか眠ってしまっていたようだ。
今日の出来事を考えれば、それも当然だろう。
ベッドに潜り込んだ時点では混乱もあり自覚はなかったが、極度の疲労から目を閉じてしばらくすると気絶するように眠りに落ちてしまったのだ。
帰還時と比べてすっきりとした体の状態から見て、結構な長時間眠ってしまっていたことを自覚する。
十分な休息をとったことで、心も落ち着いたのか、眠りにつく前の混乱も大分収まっていた。
まだ羞恥心などは残っているものの、ヘスティアを無視せずに話をすることもできるぐらいには平静を取り戻していた。
ヘスティアがやらかしたことについては、いまだ思うことはあるものの、心優しいベルは、すでに半ば以上許してしまっていた。
マイナス方面の感情が長続きしないというのがベルのベルたる所以だろう。
無視してしまって神様に悪いことをしてしまったと、罪悪感を抱いたベルがヘスティアに謝罪しようと上体を起こした時、それに気が付いた。
ベルが下に目を向ける。
そこにあったものは。
控えめながらもズボンを押し上げてテントを張り、自己主張をする自身の【ガネーシャ】であった。
寝起きの男の生理現象としての【レベルアップ】だ。
ベルも起きた時にそうなっていたことは当然一度や二度ではない。
一緒に寝ているヘスティアにバレないようにするのに、毎回苦労している程である。
そのテントを暫しの時間見つめるベル。
そしてそれが何なのかを理解した瞬間。
ベルの顔がボッと火が付いたかのように赤くなる。
別に【レベルアップ】してしまったことが恥ずかしかったわけではない。
いや、【レベルアップ】自体も恥ずかしいは恥ずかしいのであったが、今回はそれが直接の理由ではない。
ではその理由は何か――――。
ベルは思い出してしまったのだ。
この状態になった【ガネーシャ】をみんなの前に晒してしまったことを。
一度収まった羞恥心が一気に吹き返してくる。
「あぁぁぁぁぁぁ…………」
再びベッドに倒れ込み、赤くなった顔を両手で覆い、呻き声を上げながらゴロゴロと転げまわる。
ベルの脳裏に浮かぶ光景は、露わになった自身の【ガネーシャ】。
そしてそこに、もはや無遠慮と言える程に熱い視線を向ける女性達であった。
ぼんやりとした記憶ながらも、彼女達の視線が物理的な力を持たんとばかりに自身の【ガネーシャ】に突き刺さり、その全貌を目に焼き付けていたことは覚えている。
そんな羞恥の記憶を消し去ろうとするように頭を振り、別の光景を頭に浮かべる。
そして浮かんできた記憶は。
温泉でヘスティアを押し倒した時の光景だ。
衣服を溶かすお湯の中に身体を沈めるヘスティアは、その水着のほとんどを溶かし、豊満な身体を露わにさせていた。
お湯から浮かび上がる巨大な乳房は、隠していた水着を溶かされたことで、秘めるべきその先端をも露出させていた。
片方はギリギリ先端を覆い隠す水着が残っていたものの、葉っぱで隠されていたは方は美しいピンク色の先端を露わにし、その突起をベルの眼前に晒していた。
また下半身は、肝心な部分こそ隠れていたものの、女神がその恥部に毛を生やしていないことがわかるほどには見えてしまっていた。
「――――!?」
浮かんできた記憶に、さらに顔を赤く染め上げるベル。
股間の【ガネーシャ】が、先程よりも硬さを増したことが感じられた。
こんな光景を思い浮かべてはいけないとばかりに強く頭を振る。
自分も神様にとんでもないことをしていたと思い出し、ヘスティアに対する罪悪感が増し、やらかしに対する蟠りが減った。
次に浮かんできた光景は。
水浴びを覗いてしまった時の光景だ。
ヘルメスに唆されて、女性たちが水浴びをしている湖に落下したベルが見た光景は、多くの女性達の裸体であった。
すぐさま裸身を隠す者もいれば、一切隠さず見せつけて来る者もいた。
自身の主神であるヘスティアを筆頭に。
ロキファミリアのティオネとティオナは性に奔放なアマゾネスということもあってか、ベルの前でも恥ずかしがることなくその裸体を晒していた。
二人ともアマゾネス特有の褐色の肌で、姉のティオネは豊満な、妹のティオナは控えめな乳房を、その先端の赤みがかったピンク色の突起まで丸出しにしていた。
そして、特にベルの記憶に焼き付いているのは、想い人たるアイズの裸身だ。
恥ずかしそうに片手で胸を隠すことで、わりかし豊かな胸が押し潰される光景や、もう片方の腕で股間を隠していても、その端から頭髪と同じ金色の毛がはみ出してしまっている光景が鮮明に思い出される。
「――――!!?」
陸に打ち上げられた魚の様に、ベッドの上でのたうち回る。
股間のテントは、もう限界まで膨らみビンビンになっている。
考えまいとする度に、反比例するように次々と肌色過多な光景が浮かんでくる。
今やベルの頭の中はピンクなアレでいっぱいだ。
当然、股間の反応が収まる気配など微塵もない。
こんな状態でヘスティアの前に出ることなど出来るわけがないのだ。
万が一にもこれを見られてしまったら、敬愛する女神に変態だと軽蔑されてしまうかもしれない。
もしかしたら、ベルの元気が出たと喜ぶかもしれないが。
ともかく、一刻も早くこのテントを何とかしなければならないのだが、ベルにはこの状態をどうにかするだけの知識が足りなかった。
普段は時間経過で収まっていたのだが、それを待っているわけにはいかなかった。
ベルが眠ってしまっている間、ヘスティアをほったらかしにしてしまっているのだ、すぐにでも顔を出し謝りたかった。
未だ収まることなくズボンを押し上げている股間を眺めながら、どうするべきか悩むベル。
いい案が思い浮かばず、何とはなしに股間のテントを撫でてみる。
「あっ……」
ベルの股間に小さな快感が走った。
それは、規模こそ違うものの、温泉で起こった事件の際に感じた快楽と同じものだった。
その瞬間、ベルの脳裏に自身の【ガネーシャ】を撫でる女神の指の触感と、それが齎す快感の記憶が蘇ってきた。
何を考えているのかと、その記憶を振り払おうとした時、ふと思い出した。
快感の末に【ファイヤボルト】を解き放った後、【ガネーシャ】が縮こまっていった様を。
ベルは羞恥に染まる頭で考える。
本当に自分でアレを行うのか、やってしまってもよいのかと。
とても気持ちがいいものでありもう一度したいと思う心が己を誘惑するが、どこかイケないことをしてしまっているんじゃないかという感覚が、ベルの衝動を押しとどめ、すぐさま実行しようとはならなかった。
真面目なベルは、理性と本能の狭間で思い悩む。
ベルはしばしの間、両手で目を押さえながら黙りこくる。
寝ころんだまま長らく思い悩んでいたベルが起き上がる。
そして、ベッドの縁に腰を下ろして、一瞬決意するかのように目を閉じて、ズボンに手をかけ、そのまま下着ごと足元まで一気にずり下した。
プルルンッ!
ペチンッ!
飛び出てきたのはもちろん、ビンビンに【レベルアップ】した小振りな【ガネーシャ】だ。
勢いよく飛び出た【鼻】が腹を叩く。
ベルにとっては見慣れた部分であるはずだが、一瞬、本当に自分の身体の一部であるのかわからなかった。
ここまで硬く膨れ上がった状態になっているのを見るのは、自身のモノながら初めてだったのだ。
嘗てない状態のその部分に少し戸惑ってしまったが、意を決して手を伸ばす。
普段よりも大きさを増したことで掴みやすくなった【鼻】を握り、もう片方の手で【顔】を撫でまわす。
性知識に乏しい為か、その動きはたどたどしく、それでもヘスティアの指の動きを思い返しながら自身のモノを弄っていく。
最初の方こそ覚束ない動きであったが、その動きはどんどん洗練されてゆき、すぐにリズミカルに【鼻】を上下にしごき上げるものへと変わっていく。
知識こそなくとも、男の本能から最適な動きを導き出したのかもしれない。
「あっ……はぁっ……!」
手の動きは更に加速していき、それに合わせて、ベルの口から艶のある吐息が零れ出す。
【ガネーシャ】からの快感が、ブレーキを忘れさせ、アクセルを全開にさせる。
もうベル自身でも止めることができないくらい、止める気が起きないくらい、快楽に飲み込まれていた。
自身の【ガネーシャ】の奥から、ナニかが込み上がってくるのを感じる。
上下の動きに合わせて見え隠れするピンク色の先端からも、透明な雫が漏れ出ている。
急激に快感が高まってゆき、最高潮に達する瞬間――――。
剥きっ!
【レベルアップ】してなお、【ガネーシャ】の大半を覆っていた皮を引っ張り、ピンク色の先端を剝き出しにさせた。
【ガネーシャ】がビクンと跳ね上がり、ベルの背筋を電気のような快楽が走り抜ける。
「――――っ!」
それと同時に、ピンクの先端から【ファイヤボルト】が勢いよく飛び出した。
放たれた【ファイヤボルト】は宙を舞い、そのまま床へと落ちていく。
発射の余韻を感じながら、ベッドに倒れ込むベル。
荒い息のまま、【ガネーシャ】を中心に、身体の中に残留する快感に身をゆだねる。
股間の【ガネーシャ】も、一仕事終えてその体積を徐々に萎ませ、いつも通りの可愛らしいサイズへと戻っていった。
そのまま、丸出しになっている下半身を隠すことなく、ベッドの上で息を整えながら、人生二度目の【ファイヤボルト】発射を体験したベルは思う。
温泉でヘスティアの手によって、発射した時の方が気持ちよかった――――と。
確かに自分の手で刺激した時も、十分な快感を感じることはできた。
自分の今までの人生で感じた快楽の中でも、上位に位置する程だ。
しかし、あの時感じた快楽には及ばなかった。
温泉の時と、今の状況で違いは何であろうか。
すぐさま思い浮かぶのは2点。
自身の手で刺激したか、ヘスティアの手で刺激されたかの違い。
そして――――ギャラリーの有無である。
そこまで考えて、ベルは自分の考えが恥ずかしくなり、それ以上に自身に呆れた。
仮にそれらが快感の差の原因だったとしても検証することなどできないのだ。
ヘスティアにもう一度自身の【ガネーシャ】を触ってくださいなどと言えるはずもないし、女性陣に【ガネーシャ】を弄るので見ててくださいなどと、死んでも言えない。
そんなことを言ったら最後、自身の評価は地に落ちるどころか、地の底に埋まるだろう。
女性達からゴミを見る目で見られてもおかしくない。
それになにより、【ガネーシャ】を見られるのは恥ずかしい。
発射したことで賢者の時間に入ったのか、愚にも付かないが浮かんでくる頭を切り替え、ようやくベッドから立ち上がる。
足元に包まっていたズボンを引き上げて、丸出しのままだった【ガネーシャ】も下着の中に収める。
ズボンのテントもなくなり、外に出ても問題なくなった。
そのまま、ヘスティアに謝罪に行く――――のではなく。
床を汚している【ファイヤボルト】の掃除を始める。
適当な布で【ファイヤボルト】をふき取り、床に跡などが残っていないことを確認し、ヘスティアにバレないように布を洗濯するために部屋を出る。
臭いはどうしようもないので、扉を開けっぱなしにして自然と薄れるのを待つしかなかった。
ヘスティアに気付かれないことを祈るベルであった。
扉を開けて部屋を出たベルは、思いがけない光景に立ち竦んでしまう。
そこには予想もできないものがあった。
一瞬、それが何なのか理解できなかったが、理解が及んだ瞬間、ベルの思考が止まってしまった。
扉を開けてすぐの場所にヘスティアがいたのだ。
それも視線を下げないと見えないところにいたのだ。
ヘスティアは廊下の床に座っていた。
いや、正確には――――
土下座していた。
更には――――
土下座したまま眠っていたのだ。
毎回思うのだが、ハーレム系の思春期の主人公ってどう処理しているのだろうか?