ダンまちはもっと肌色が多い方がいいと思うんだ。 作:黒のトビ
ヘスティアさんは処女神
これは事実
未調査区域の温泉で起こったハプニング、後に「リトルガネーシャ事件」もしくは「白いファイヤボルト事件」と女性陣の中で呼ばれることとなる出来事。
衝撃的体験をしてしまった彼女達の、地上に戻ってからの物語である。
【ヘスティアの場合】
ヘスティアは処女神である。
その名の通り、生まれてこの方一度もそういった行為を致したことがない。
結婚したこともなければ、異性と付き合ったこともない。
気の遠くなる程の年月を生きてきた神であるが、そのほとんどをぐーたらして生きてきた、まごうことなき駄女神である。
そんな駄女神でも、少しは物の道理というものを理解している。
裸を見られるのは恥ずかしいということ。
他人の嫌がることはしてはいけないということ。
そして――――男の子の大切な所を了承なしに触ってはいけないということ。
「ベルくぅ~ん。」
情けない声を上げながら扉を叩くヘスティア。
固く閉ざされた扉の向こう側には、己の愛する
可愛らしい顔を見せてくれることも、優しい声をかけてくれることもない。
普段のベルからは考えられない反応だが、それも仕方のないことだとヘスティアは思う。
ベルがこうなってしまった原因は自分にあるのだ。
ヘスティアはそれを自覚していた。
というよりも、これまでのベルの態度で強制的に自覚させられたと言った方が正しい。
温泉を出てからずっと、ヘスティアはベルに無視されていた。
気まずさもあり、積極的にではないが、それでも気合を入れて話しかけたのだが、ベルは反応を返してくれなかった。
その態度にショックを受けるヘスティアだったが、自分よりもベルの方がよっぽどショックを受けていることはわかっていた。
なにせ温泉で自分はとんでもないことをしでかしてしまったのだ。
見てしまったのだ。
触ってしまったのだ。
揉みしだいてしまったのだ。
愛するベルの
温泉でベルの【ガネーシャ】が丸出しになった時、当事者たるベルを除けば、そのことに一番遅く気が付いたのはヘスティアだった。
華麗に階層主を退治したベルの雄姿に見惚れ、腕に抱き着き、その感触に悦に浸っている間にベルの水着が溶け落ち、中身が露わになった。
ヘスティアがそのことに気が付いた時には、ベルの【ガネーシャ】は周囲の女性達の注目の的となっていた。
最初こそ、露わになった【ガネーシャ】の可愛らしさに歓声を上げたが、すぐに周囲の女性達の視線が【ガネーシャ】に集まっていることに気が付き、とある感情が込み上げてきた。
ベルの大切な部分を見ていいのは家族である自分だけ、という独占欲だ。
独占欲に突き動かされて、ヘスティアの思考は暴走を始める。
とても可愛らしいベルの
自分はベルの【ガネーシャ】を見て惚れ直した。
ならば、このままベルの【ガネーシャ】を見続けたら、今はそんな気のない彼女達もベルに惚れてしまうのではないか。
いや、間違いなく惚れてしまう。
これ以上、
そんな普通に考えたらありえないと言えるような思考パターンであるが、暴走したヘスティアにとっては、これこそが真実であった。
故にヘスティアは、暴走した思考のままに暴挙に出た。
一刻も早く、ベルの【ガネーシャ】を彼女達の視線から逃さなくてはならない、という思いから、咄嗟にベルに飛びついた。
そして、その手でベルの【ガネーシャ】を隠そうとして、思い切り鷲掴みにしたのだ。
その時のヘスティアには、ベルの【ガネーシャ】を触っているという自覚はなかった。
なにか小さく柔らかいモノに触れたという感覚はあったが、それが【ガネーシャ】だということには気が付いていなかった。
それなりの経験があれば形状などで気が付いたのかもしれないが、ヘスティアは処女神であり、そんな経験は皆無であったし、なんなら実物を見たことすらほとんどないといった筋金入りだった。
だからこそ、無遠慮なまでの揉みしだきになってしまった。
もし、この時点でベルの反応に気が付いていたら、その後に起こった大事件は未然に防げていたのかもしれなかったが、残念なことに、ヘスティアはベルの【ガネーシャ】を隠すことに必死になっていたため、まったく気が付く様子はなかった。
男の子の【ガネーシャ】は、刺激を与えることによって
当然のことながら、ヘスティアが揉みしだいたことで、ベルの【ガネーシャ】もしっかり【レベルアップ】を始めていた。
己の手の中で【ガネーシャ】が形を変えているというのに、ヘスティアはそのことにすら気が付くことはなかった。
次第に揉むから握るに動作が変わっていたにもかかわらずだ。
いくら、ベルの【ガネーシャ】が最大サイズでもやや小振りでしかないと言っても、ヘスティアのニブさは駄女神の称号に相応しいと言える。
結局、ヘスティアがベルの【ガネーシャ】の形状変化に気が付いたのは、ベルが【ガネーシャ】の先端から、勢いよく【ファイヤボルト】を発射した後であった。
手の中で【ガネーシャ】がビクンッと大きく震えた衝撃で、正気に戻ったヘスティアが見た光景は、ベルの【ガネーシャ】が【ファイヤボルト】を放った決定的瞬間だった。
ヘスティアはその光景を生涯忘れることはないだろう。
先程見たモノよりも膨れ上がり、今まで感じたことのない硬い触感となった【鼻】。
剥き出しになった綺麗なピンク色の先端。
そこから吹き出して、綺麗な放物線を描いて宙を舞う【ファイヤボルト】。
そして、一仕事終えて己の手の中で縮こまり、柔らかくなっていく【ガネーシャ】。
その全てを余すことなく憶えている。
正直な所、何故【ガネーシャ】が大きく膨らんでいたのか、何故固くなっていたのか、先端から放たれた【ファイヤボルト】は何なのか、知識に乏しいヘスティアにはほとんどが未知のモノであった。
それでも、理解したこともある。
今己が触れているモノが、ベルの大切な部分であると気が付いて顔を赤くしたりしたし、泣き出してしまったベルを見て、自分がナニかとんでもないことをやらかしてしまったと顔を青くもした。
当たり前のように、ヘスティアはベルに対してとてつもない罪悪感を覚えた。
それは
帰って来て早々、寝室に引き籠ってしまったベルに対して、扉越しに何度も声をかけたヘスティアだったが、返事はない。
ベルの怒りは相当のモノだと感じたヘスティアは、一つの未来予想に辿り着く。
もし。
もしだ。
今回のことが原因となって、ベルが――――自分の眷属をやめたいと言い出したら?
「うぅ~。ベルくぅ~ん。」
生まれてこの方、感じたこともないような恐怖にヘスティアは震える。
身体が震え、自然と眼に涙が滲んでくる。
もし万が一にもそんなことになってしまったら、自分は間違いなく天界に帰るだろう。
そう思い詰めてしまうほどに、彼女はベルを愛していた。
愛するベルに自分は何をすべきなのか。
何をすればベルに謝罪の気持ちが伝わるのか。
恐怖に染まる頭で必死に考える。
そして彼女の脳裏に一つの回答が浮かび上がる。
それは、神友であるタケミカヅチから教わった、極東の謝罪の最上級形態。
すなわち――――土下座である。
これこそが謝意を伝えるに最も適した行動だと、タケミカヅチが言っていたことはよく覚えている。
なにせ自他ともに認める――いや、本人は認めていないが――れっきとした駄女神だ。
土下座を実行したことなど一度や二度ではない。主にヘファイストスに対してが多かった。
温泉でも自然と行ったほど、体に染みついた行動と言える。
しかし、それだけで本当に自身の気持ちがベルに届くのだろうかと、僅かに疑問が浮かぶ。
これはヘスティアが土下座を多用した為、彼女の中でその価値が低くなっていたことが原因であろう。
「う~ん……。」
しばし頭を悩ませるヘスティア。
裸を見て、【ガネーシャ】を触ってしまった謝罪なのだ。
並の謝罪では足りないだろう。
ベルに対して行ってしまった行為に、並び立つほどの謝罪でなければならない。
「そうだっ!」
素晴らしい閃きが舞い降りた。
これ以上ない案だとヘスティアは自分の考えに酔う。
「よしっ!」
気合を入れて準備をし、土下座の体勢をとる。
そのままベルが扉を開けて出てくるのを待つ。
たとえそれが何時間かかったとしても、ヘスティアは土下座を続けるつもりだった。
これこそが、ベルに謝意を伝える最上の行動だと信じているからだ。
「……ZZZ」
その体勢のまま眠りに落ちてしまうのも、ヘスティアのヘスティアたる所以なのかもしれなかった。
ベルが扉を開けた時、思わず止まってしまったのは仕方のないことだった。
足元でヘスティアが土下座しているのだ。
一瞬では理解できない状況だろう。
しかもその状態のまま眠っているのだ、理解しろという方が無理だ。
「神様?大丈夫ですか?」
ヘスティアを案じたベルが肩を揺すって声をかける。
ヘスティアが何時からこうしているかはわからなかったが、もしずっとこうしているとすれば、自分が眠っていた時間を考えると、かなりの時間このままだった可能性が高い。
今の時期、寒さを感じる気温ではないが、薄着のまま廊下で眠れば風邪をひいてもおかしくない。
心優しいベルがヘスティアを心配するのは当然のことだった。
「……うぅん。」
体を揺らされたヘスティアの意識が覚醒する。
その時、ベルはある違和感を感じた。
それはヘスティアの格好についてだった。
土下座中のヘスティアは、体を折り曲げているため大部分が隠されている状態だ。
最初こそ混乱してよく見ていなかったが、混乱が収まった今、普段との差異が浮き彫りになってくる。
いつものヘスティアは、背中の大部分が露わになっている服を着ているため、背中が見えているのはいつも通りだ。
しかしそれでも、肩の部分に服の袖が見えないのはおかしいし、横乳も普段よりも肌色の部分が多く見えている。
極め付けには尻だ。
その形のいい尻は、普段は服に覆われているはずなのだが、今ベルの視界には、肌色の桃の割れ目の始まりが見えてしまっている。
「ベル君?」
ベルがそのことに疑問を感じていると、ヘスティアが体を起こした。
まだ頭がぼんやりしているらしく、焦点の合っていない目を擦っている。
「…………ベル君っ!」
ようやく焦点の合った目で、ベルの姿を認識したヘスティアが歓喜の声を上げる。
引き籠っていたベルが出てきて、顔を見せてくれたことがとても嬉しかったのだろう、輝かんばかりの笑顔をベルに向けている。
「…………!」
笑顔を向けられたベルは、それに対して反応を返さなかった。
口をパクパクと開閉し、顔を真っ赤にして絶句していた。
「どうしたの、ベル君?」
首を傾げるヘスティアに対してベルは――――
バタンッ!
つい先ほど出てきたばかりの寝室に飛び込んで、扉を勢いよく閉めたのだった。
「ちょっ!?ベル君!?ベルくぅ~ん!!」
急にまた引き籠ってしまったベルに驚いたヘスティアは、ドンドンと扉を叩いて声を上げる。
扉を開けようにも、中で押さえつけられているのか、一瞬隙間が開いては閉じるを繰り返すだけで、中には入れない。
寝室に飛び込んだベルは、全体重をかけて扉を塞ぎながら、扉の開けようとするヘスティアに叫ぶ。
「神様!まず服を着てくださいっ!!」
そう、土下座していたヘスティアは一糸纏わぬ姿だったのだ。
ただの土下座では許されないと考えたヘスティアは、より上位の謝罪として――――
全裸土下座を敢行したのだった。
ヘスティアの裸体を見るわけにはいかないと寝室に逃げ込んだベル。
そして、逃げ込んだ理由はもう一つあった。
ヘスティアが起き上がった時に露わになった、隠す物が何もない、巨大でありながら垂れる気配のない形の良い乳房。
ゆさっゆさっと音が聞こえそうなほどに大きく揺れたその両頂には、美しいピンク色の突起がツンと見てくださいと言わんばかりに自己主張していた。
視線を下にずらせば、怠惰な生活をしていたというのに、それを感じさせることのないきゅっと括れたウエスト。
股間には一切毛が生えていない恥丘があり、一本のスジが僅かに見えていた。
あられもない女神の姿を見たベル。
先程までベルが行っていた行為を考えると、そうなってしまうことは自然なことだった。
いや、ついさっき行ったのにまたすぐにそうなってしまったのは、若さのなせる業と言えるのかもしれない。
扉を塞ぎながら、ベルは視線を下に向ける。
そこには――――
ヘスティアの裸身に反応し、再びテントを形成する自身の股間があった。
ベルが再びヘスティアの前に姿を現すには、いましばらくの時間を要した。
その後、何とか股間のテントを処理して、ヘスティアと謝罪の応酬を終えたベルは、ヘスティアと共に、世話になった人達に挨拶周りに出かけた。
その時、女性達のほとんどが、一瞬ベルの股間に視線を向けたことで、ベルがまた落ち込むこととなった。
ただし、唯一そういった視線を向けなかったアスフィに、大人の女性だと、ベルがちょっとときめいた。
ヘスティアは嫉妬した。
次でラスト。