(Bパート開始)
ビーッ!ビーッ!
『緊急発進。緊急発進。作業員は、速やかに退避するように。繰り返す。緊急発進。緊急発進……』
警報が鳴り響き、自動アナウンスが格納庫に響き渡る。
「どうなっているんだ!」
「
「強制終了しろっ!」
「ダメです!強制終了コマンド、受け付けません!」
「発信シークエンス、最終段階に入ります!」
「退避!退避ー!」
ガラガラと音を立て、パージされた幾つものホースが落下する。天井のハッチが轟音を立てて開いていく。排出された白煙が、格納庫に充満する。
そして。
「ウォ、オオオオォォォン」
雄叫びの様な音を響かせ、巨大な塊が、ゆっくりと上昇していく。
空へ。
「ふぁ、あ、ん、んぁぁああああっ!!」
何度絶頂させられたか、わからない。
両腕、両足に絡みついた触手によってうつ伏せにさせられたエレナは、尻を高く上げさせられ、ハーン・チョーゥの肉棒に突かれていた。粘液で濡れそぼった制服のシャツとチェックのスカートはすでに引き裂かれ、首元のリボンだけがその名残りだった。ブラはずり上げられ、脱がされた銀のパンツはエレナの右足にクシャクシャになって引っかかっていた。エレナのおまんこはハーン・チョーゥの肉棒から出された精液と、自らの愛液でドロドロになっていた。
「あ、あ、また、班長のおちんぽが、奥まで来てマースッ!あ、そこ、ソコ、ゴリってされるとぉ……っ」
ハーン・チョーゥの肉棒が、エレナの奥、子宮口まで押し入れられる。肉棒が抜けていけば、広がった傘がエレナの腟襞を擦り上げ、突けばまた、亀頭が子宮口にキスをする。
何度も何度も、ハーン・チョーゥの肉棒は、エレナの膣内で抽挿を繰り返し、肉棒の形を膣壁に覚え込ませていく。
「イクイクっ!また、イッくうぅぅぅぅぅぅぅっっっ」
エレナがまた絶頂し、ぴくぴくと高く上げたお尻が震える。しかし、ハーン・チョーゥは
構わず肉棒を出し入れしていく。エレナの豊満な胸は床に押しつぶされ、突かれるたびに形を変える。
「イってる、またイってマス!あ、あ、ひぅぅぅううううっっっ!」
更なる連続絶頂に、だらしなく開かれたエレナの口から唾液が糸を引いて落ちた。
絶頂するたび、エレナの精神は高揚し、溢れる「デタリキ・パゥワー」。その「デタリキ・パゥワー」を触手は吸い上げていく。
「俺も、また行くぞ、エレナ!」
ハーン・チョーゥが何回目かの射精をする。すでに何度も射精させられ、精液で満たされたエレナの子宮から、収まりきらないほどの精液が逆流し、おまんこから溢れた。だがしかし、ハーン・チョーゥの肉棒はまだまだ固いままだった。これぞ『背徳のハーン・チョーゥ』の究極奥義『
ハーン・チョーゥは、エレナを肉棒で貫いたまま、その身体を後ろから抱きしめ、ぐぃっと起こさせ背面坐位の形になる。そしてハーン・チョーゥは二人の部下を呼び寄せた。
「ハッ!」
「お呼びでしょうか、ハーン・チョーゥ様!」
二人の女幹部は、すぐさまハーン・チョーゥの元に現れた。ハーン・チョーゥはその二人にエレナの姿を見せつける。ハーン・チョーゥに抱かれたマイティパンツァーだった小娘の姿を見、二人はそのあられもない姿に、嘲り笑った。
「んふふふふ。あのマイティパンツァーが、無様なものね」
「ハーン・チョーゥ様の肉棒には、マイティパンツァーもメロメロですわね。うふふふふ」
そんな嘲笑も、快感に溺れたエレナには届かない。
「貴様たちも、エレナを可愛がってやれ」
二人にそう言って、ハーン・チョーゥは、床に寝そべり、下からエレナを突き上げていく。両腕に絡みついた触手は、エレナの腕を高く挙げさせる。命じられた二人は、顔を見合わせて、淫靡な笑みを浮かべた。
「宜しいのですか?ハーン・チョーゥ様」
「我らが可愛がれば、毀してしまうかもしれませんよ?」
クスクスと笑いながら、まず『エースオブライバル』が、エレナの胸を揉み始めた。
「フン、前から大きいとは思っていたけれど。こんなに乳首をビンビンにさせて、いやらしいおっぱいね、マイティパンツァー。貴女のお友達もこうされてよがっていたわ、よ!」
広げたてのひらに収まりきらないエレナの胸を揉みしだいていた『エースオブライバル』が、乳首を捻りあげる。
「んぅっ!」
それだけで、エレナはビクンと頤をあげ、反応する。
「ほら、また
自分には無いモノを憎々し気に見て、執拗にエレナの胸を責める『エースオブライバル』。そして『ジョークジョーカー』は横からエレナの耳を舐め、ハーン・チョーゥと結合している割れ目の先に指を伸ばす。固くなったクリトリスを優しく撫でれば、またエレナは喘ぎ声をあげる。
「ハーン・チョーゥ様の、大きいでしょう……?自分がどうされているか、説明してごらんなさい」
『ジョークジョーカー』が耳元で囁くと、エレナは素直に口を開いた。
「は……班長の……ビッグなオチンポにぃ……っゴリゴリって、おまんこを、抉られてマース……っ。何度もザーメン出して、イってるのに、まだまだ固くて大きいオチンポにぃ……おまんこ、覚えさせられてマース……」
「そう、それは気持ちいい事かしら?」
『ジョークジョーカー』が優しい声で尋ねれば、エレナはすぐに答えた。
「気持ちイイ、気持ちイイ、デースっ!ああ、もっと、もっとぉ……」
「ふーん。マイティパンツァーは、ちゃーんとお返事出来て、イイ子ですわ、ね!」
「んあああぅぅぅっっっ」
言いながら、『ジョークジョーカー』は優しく撫でていたクリトリスをギュッと摘まむ。
その鋭い刺激に、エレナはまた、絶頂していた。
ハーン・チョーゥの肉棒の責めに加わり、『エースオブライバル』と『ジョークジョーカー』は、執拗に愛撫し、エレナを何度も絶頂させた。あまりの快感に、遂にエレナは意識を飛ばしていた。
反応がなくなったエレナに気が付き、女幹部たちはまたエレナの事を嘲笑する。
「んふふふふ。もうお終いなの?マイティパンツァー」
「これ以上やったら本当に毀しちゃいますわね。うふふふふ」
ハーン・チョーゥは肉棒を引き抜くと、エレナを再び仰向けにさせ、意識を飛ばしているエレナにまた圧し掛かっていく。
すでに肉棒の形を覚えさせられた膣は、ハーン・チョーゥの肉棒をすんなりと受け入れていく。そして再びピストン運動を開始していけば、エレナはまた、快感に、意識を戻されてしまう。
「アッ!アッ!アッ!アッ!」
奥を突かれるたび、声をあげる。何度もエレナを絶頂をさせた、ハーン・チョーゥの肉棒から精液が放たれた時、エレナは力を振り絞って、ハーン・チョーゥの首に手を回した。
そして、荒い息を振り絞って、エレナはハーン・チョーゥに口を開く。
「ア……愛してるって……愛してるって言ってくだサーイ……班長……っ」
潤んだ瞳で、ハーン・チョーゥを見つめ、懇願するエレナ。何度も犯され、辱められても、彼女の中では、ハーン・チョーゥはやはり、あの優しかった、時に厳しく指導してくれた、そして命を助けてくれた『班長』なのだった。
ハーン・チョーゥはエレナの言葉を聞くと、身体の動きを止め、ニヤリと唇を歪めた。
馬鹿な女め。
「クックック……。愛してる、愛してるぞ、エレナ。ア―――――ッハッハッハッ!」
高らかに笑い、ハーン・チョーゥは再び、肉棒をエレナの奥に突き入れ、出し入れを始める。エレナはまた嬌声をあげた。「デタリキ・パゥワー」が生まれ、吸い上げられる。
心の全くこもっていない班長の言葉に、だが、エレナはうれし涙を浮かべた。
そして身体はハーン・チョーゥの肉棒の責めにまた、快感を得、反応していくのだった。
おっぱいも、クリトリスも、おまんこも、全部、ぜーんぶ、気持ち、イイ、デース……。
班長にも、愛してるって言ってもらえたし、もう、このままでもハッピーデース……。
頭の中は快感でいっぱいで、他の事は考えられなかった。
もう、このまま、気持ちイイ事だけで、いい、デース……。
もぅ、何も、考えたくないデ……ス……。
その時だった。
フィッフィッフィッフィッ!フィッフィッフィッフィッ!
何か警報のような音が鳴り響いた。
「何事か!」
『ジョークジョーカー』が、戦闘員に大声で確認する。
「ハッ!……レーダーにて、基地に接近する飛行物体をキャッチしました!凄いスピードです!」
「撃ち落とせ!」
「ダメです!こちらの攻撃が効きません!着弾します!」
その声と共に。
ズガ―――――――――――ン!!!!
大きな振動が、『巨炎団』の秘密基地を襲った。
基地が揺れる中、エレナは幻を見ていた。
世界警察機構での、班長との楽しかった時間。
厳しかった訓練。
そして、自らの命を捨てて、エレナを助けてくれたあの瞬間。
愛してると、言ってくれた。
だが、しかし。
脱がされかけたエレナの銀のパンツが、ぼんやりと光っていた。その光は、エレナを包みこみ、班長……ハーン・チョーゥの幻を打ち消す様に、強制的に思い出させていた。
親友のミオの事を。そして、『巨炎団』と共に戦ってきた巨大な相棒の事を。
そう。エレナは、無意識の内に叫んでいた。
「ロボ―――――――――――――!!!」
「ロボ、だとっ!?」
ハーン・チョーゥは驚愕の声をあげる。エレナが、マイティパンツァーが、『ロボ』と呼ぶのは一体しか居ない。
『パンツァーロボ』
それはマイティパンツァーにしか操れぬ、巨大ロボットの名前だ。
マイティ―スーツに付属する腕時計型のコントローラーで命令し、『巨炎団』のロボットと何度も戦い勝利してきた、無敵の巨大ロボット。
だが、エレナが『デタリキ・パゥワー』をほとんど失い、マイティ―スーツを装着できない今、『パンツァーロボ』も動くことが出来ない筈。
しかし、通信機から聞こえる戦闘員の声が、その予想を覆した。
「衝突時の煙、晴れます……!ロボです!パンツァーロボが!うぁあああっ!」
ザーーーーーーッ
通信機が壊れたのか、ホワイトノイズだけが聞こえてくる。
先程の震動で触手が外れたエレナの肩を掴み、ハーン・チョーゥは揺さぶり喚いた。
「エレナ!なにをした!『デタリキ・パゥワー』は吸い尽くされているのに、何故、あの巨大なパンツァーロボが動いているのだ!」
ハーン・チョーゥの慌てた声に、エレナはぼんやりと答えていた。
「『班長』でも……知らないコト、あるんデースね……。パンツァーロボは……『デタリキ・パゥワー』では動いてはいないんデース……。パンツァーロボの動力源は……」
なん、だ……と……。
その答えを聞いたハーン・チョーゥは愕然として、肩を掴んでいたエレナから手を離していた。触手も外れ、身体の差さえもないエレナは、ドサッと、地面に崩れ落ちた。
だが、頭を抱えたハーン・チョーゥは、エレナの事など気にしてはいなかった。ハーン・チョーゥはよろよろと立ち上がり、狂ったように笑いはじめた。
「まさか……まさか、あのパンツァーロボが……」
超小型原子炉を搭載した状態で、武器を積み、巨大ロボ同士で格闘すら行っていたというのか。それが事実だとしたら、もし仮にあのパンツァーロボが『巨炎団』の巨大ロボに倒され、その衝撃で原子炉が破壊された後の事を、世界警察機構は考えているのか。
笑いながら、ハーン・チョーゥは落ち着きを取り戻していく。
やはり。『巨炎団』の理想を現実にしなければなるまい。
……我らが『巨炎』様の為に!
破壊音が響き、また建物が揺れた。
「この基地はもう御仕舞いだな。だが、エレナよ、お前だけはここで始末しておく」
そうすれば、あの危険なパンツァーロボも動くことはあるまい。
ハーン・チョーゥは指をパチンと鳴らした。すると、光がハーン・チョーゥを包み、ハーン・チョーゥは『巨炎団』の軍服を身に着けていた。
「覚悟するがいい、エレナ!『背徳のハーン・チョーゥ』最終奥義!『
最終奥義を使ったハーン・チョーゥ。その身体がみるみるうちに、巨大に膨らんでいく。
先程までの引き締まった身体から、更に筋肉が増強され、身体が大きくなっていく。
上腕二頭筋が盛り上がり、袖が弾ける。大胸筋が盛り上がり、シャツが弾ける。
ついさっき着たばかりの服を弾け飛ばし、ハーン・チョーゥが、フンッ!と身体に力を入れれば、固くなった筋肉が衝撃波を生む。衝撃波に吹き飛ばされ、エレナは壁に叩きつけられた。
「これで最後だ、エレナ。……愛していたぞ!」
そう言いながら、壁に叩きつけられたエレナをめがけて、ハーン・チョーゥの太い右腕がうなりをあげる。
壁を崩すほどの轟音。しかし、ハーン・チョーゥの目は驚愕に見開いていた。
「マイティ……パンツァー……」
エレナは……いや、マイティ―スーツを纏ったマイティパンツァーは、ハーン・チョーゥの巨大な拳を、両手でしっかりと受け止めていた。
先程の震動で触手が外れた今、エレナの身体の中には少しずつ、『デタリキ・パゥワー』が回復しつつあった。
そして今まさに、憧れの班長から、改めて「愛していた」と言われ。
高揚したエレナの精神がエレナの中に『デタリキ・パゥワー』を復活させていた。
間一髪。拳が振り下ろされる寸前に、エレナはマイティパンツァーに変身し、その拳を受け止めたのだった。
そう!
ハーン・チョーゥの迂闊な一言が、エレナのピンチを救ったのである!
とぅ!と、ハーン・チョーゥの拳を押し返し、その反動を利用して後方にトンボを切ったマイティパンツァーは、広げた両手を高く挙げ、ビシ!ビシ!っとポーズを取った。
「銀のパンツが正義を包ミ、守れ平和の柔肌デンブ!美少女戦士マイティパンツァー、ただいま参上デース」
最後に自らを抱きしめるようなポーズを取り、ゆっくりとその人差し指で狙いをつけるようにハーン・チョーゥを指さすと、
「正義のパンツが嵐を呼びマース」
決め台詞を高らかに宣言していた。
「待ちなさい、マイティパンツァー!人質が、貴女のお友達がどうなってもいいの!?」
『エースオブライバル』がマイティパンツァーに叫んだ。そして、指をパチンと鳴らすと、先程の雲が現れ、ミオがいる部屋を映し出す。
……そこには、誰も居なかった。壁は破壊され、鉄格子は曲がり。裳抜けの殻とはまさにこの事。
「ちょっと、どういう事なの」
『エースオブライバル』が、後ろに控えていた戦闘員に尋ねる。
戦闘員は、『エースオブライバル』に耳打ちした。
「先程の震動で崩れた壁から脱走したそうです……ですって?そんなの聞いてないわよ!」
……。
沈黙が訪れた。マイティーパンツァーの目は点になった。
「やれーい!」「いきなさい!」
気を取り直したように、『ジョークジョーカー』と『エースオブライバル』は戦闘員たちに命令する。
「「「「KEYYYYYYYYYY!!!」」」」
と声をあげた戦闘員たちが、マイティパンツァーに襲い掛かるが、マイティパンツァーは攻撃を躱し、殴りかかってきた戦闘員の腕を掴んで投げ飛ばし、あるいは同士討ちをさせ、一人、また一人と、戦闘員を倒していく。
だが、順調に戦闘員を倒していく中、突然、戦闘員諸共、マイティパンツァーは吹き飛ばされていた。
「きゃああああっっっ!!!」
ハーン・チョーゥの衝撃波である。味方である戦闘員すら巻き込んでの攻撃に、不意をつかれたマイティパンツァーは、再び壁に叩きつけられていた。
ハーン・チョーゥは素早くジャンプして、拳を叩きつけようとマイティパンツァーに追い打ちをかけた。床を転がり、かろうじて避けるマイティパンツァー。
だが、部屋の隅に追い詰められたマイティパンツァーには、もはや逃げ場は残されていなかった。
「これまでだな、マイティパンツァー」
ハーン・チョーゥが、エレナに止めを刺そうと腕を振りあげた瞬間。
また、地面が震動した。
そしてガラガラと、壁が崩れ落ちる。
「ウォオオオオォォォン!」
崩れ落ちた壁の向こうから聞こえる、雄叫びのような音。
ハーン・チョーゥは、震えた声を搾りだした。
「……パンツァー……ロボ……っ」
そう。マイティパンツァーが追い詰められ、背にした壁は崩れ、ひび割れた壁の向こうに、見えていたのは。
マイティパンツァーを守ろうとする、パンツァーロボの巨大な顔であった。
『背徳のハーン・チョーゥ』を見下ろす、その顔に光るメインカメラは、無表情な筈だが、どこか主人を守るために威嚇しているようにも思われた。
「ロボ―――――――――――――!!!」
「うそっ!いくらパンツァーロボと言えど、この基地の壁を破るだなんてっ!」
エレナがロボを呼ぶのと、『エースオブライバル』が叫ぶのは同時だった。
そう、マイティパンツァーが絶体絶命の危機に陥った時、パンツァーロボは操縦者の無事を最優先させるプログラムにより、通常の50倍以上のパワーで行動することができるのだ。基地を緊急発進したロボは、高速モードに移行し、マイティパンツァーの元へと一直線に駆けつけたのだった。
「ウォ、オオオオォォォン」
ひび割れた隙間に指を入れ、パンツァーロボは壁を抉じ開けていく。
「くっ!」
壁を破壊したパンツァーロボが、その巨体を露わにするよりも早く、ハーン・チョーゥはマントを翻し、後方へと跳び退った。
なんという跳躍力か。『背徳のハーン・チョーゥ』は、一段高い玉座まで一跳びすると、不敵な笑みを浮かべる。
「今回はここで退いてやろう。だがマイティパンツァーよ。次は、うまくいくと思うな。『ジョークジョーカー』『エースオブライバル』。帰還するぞ」
「「ハッ!」」
女幹部二人も、『背徳のハーン・チョーゥ』の横へと跳躍する。
「ハーン・チョーゥ様、逃げた人質は」
「捨ておけ。基地の自爆装置を作動させた。脱出だ」
耳打ちする『エースオブライバル』にそう言うと、ハーン・チョーゥは転送装置を作動させる。
「待つデース!ロボーッ!」
マイティパンツァーはロボに攻撃を命じるが、ロボのパンチが届く前に、3人の姿は忽然と消え失せていた。
先程から、地面が揺れていた。地震とは違う、建物全体が破壊されているような震動。その震動で、囚われていた牢屋の壁が崩れたのを見て、池澤ミオは素早く決断し、牢屋の外に出ていた。
もしかしたら、マイティパンツァーが助けに来てくれたのかもしれない。
でも、このまま待ってちゃダメ。なんとか逃げないと。
ミオは走り出した。『エースオブライバル』がミオの身体を弄るために引き裂き、かろうじて局所を守っているにすぎない、肌も露わになったバイト先の制服姿で。
後ろから、戦闘員の声が聞こえてくる。
「人質が逃げたぞ!」「探せ!」「あっちだ!」
捕まったら、何をされるかわからない。……いや、ナニをされるに決まっている。
必死になってミオは走った。
追手をやり過ごすため、ミオは手近なドアに飛び込む。
視界が開けた。吹き飛ばされそうな風がビュウと吹き、ミオの髪を乱し、身体を揺らす。ミオは思わず、目の前の柵に捕まった。
そこはおそらく、『巨炎団』の巨大ロボの発進口なのだろう、巨大な竪穴のキャットウォークだった。天井の口は開き、空が見える。そして下はと言えば。落ちた事を考えたら、足がすくむ程の高さ。
上へと逃げれば、外へ出られるはず。キャットウォークの先に上へと通じる長い階段を見つけ、ミオは再び駆けだした。
突然、再び地面が激しく揺れた。その振動に足元を掬われ、手摺を掴み損ねたミオは、壁に身体を打ち付けていた。
「きゃぁっ!」
痛みに、ミオは思わず悲鳴をあげる。
「居たぞ!こっちだ!」
声を聞きつけたか、追手の足音が背後から迫る。
立ち上がらなくちゃ……っ。立って……立て、私の足!
懸命に立ち上がろうとするミオに、銃を構えた戦闘員は容赦なく発砲する。
パーン、パーン!
乾いた音が二発響いた。足元に着弾した銃弾は、幸いなことにミオの身体を傷つけることはなかったが、尻もちをついたミオの身体は恐怖に強張り、もはや動くことは出来なかった。
「手間をかけさせやがって……」
そう言いながら、戦闘員は一歩、また一歩と近づいてくる。
いや、いや、と声も出せずに、首を振り、尻もちをついたまま、ミオは後退る。
その時だった。
「パンツィだ、ロボ―――――――デス!」
マイティパンツァーの声が響き渡り「ウォ、オオオオォォォン!」というロボの雄叫びが轟いた。
壁を壊し、巨大なパンツァーロボが現れる。そしてロボの腕が振り上げられ。
プチッと。
ロボの
何かがミオの顔にかかった。
巨大な、そして圧倒的な大きさの、
そしてその巨大なロボの手の下には、真紅の液体が、広がっていた。
恐る恐る、顔についた何かを拭う。拭ったその手に、赤い液体がついていたのを、ミオは呆然と見ていた。
(エンディングテーマ フェードイン スタッフロール)
「大丈夫ですか、ミオさん?」
その巨大な腕を伝って降りてくる、誰かの声が聞こえる。よく知っている、でも、知らない、声。
「きゃっ!」
その声の主は、どうやら足を滑らせ、尻もちをついたようだった。
「もぅ、ワタシったらドジなんだから、デース」
そう言いながら、近づいてくる、良く見知った、でも、知らない、彼女。
「助けに来マシタ、ミオさん」
そう言いながら、血に塗れた手を差し伸べるマイティパンツァーに向かって、ミオは目を見開き、叫んでいた。
「何で……笑ってるの……?ヒトゴロシ―――――――」
(エンディングテーマ終わる。"to be continued"のテロップ)
「却下」
『エースオブライバル』が……もとい『エースオブライバル』役の岸瑛里*1が、机の上に企画書を放り投げた。
ここは特別防衛局、異形生物対策班本部の応接室。
いつぞや対策班で行った、子ども向けのアトラクションショーのイベント*2が話題を呼んだのを受け、エレナが企画書を作ったので、上に提出する前に読んで欲しいと出演者である岸瑛里と樫村奈緒*3のところに持ってきたのだ。
「Why?何故デースか?せっかく『デタリウム・システム』を使って、イメージ写真まで撮りマシタ*4のに……。悪と戦う正義のマイティパンツァー、凄くイイと思いマース」
外国人特有の大きなジェスチャーと共に、エレナは目を丸くした。まるで自分の企画書には全く不備がない、却下されるなんて想像も出来なかった、とでも言うように。
「何故も何もないわよ!こんな破廉恥な……これじゃ、大きいお友達*5向けじゃない!」
瑛里が喚く。
「こんなの、深夜枠だって謎の光がバンバン入って意味不明な映像になって、最終的には「都合により
「それに
横に居た『ジョークジョーカー』……役の樫村奈緒が続ける。
「知恵*6さんからは、そこは、最近のトレンド*7に全力で乗っかってみた、との事デース」
「いやそれは、乗っかっちゃダメなヤツです」
奈緒も頭を抱える。瑛里はさらに捲し立てた。
「いい?マイティパンツァーは、お子様にパンツの大切さを伝えるお子様向けの企画*8なの!
「Oh?ジャパニメーションは昔からこれくらい、夕方から夜のゴールデンタイムで放映してたって聞いてマース。「私と一つになりたい?心も体も一つになりたい?それは、とてもとても気持ちいいことなのよ」*9と、ヒロインたちが裸で出てくることもあったそうデスよ?」
「おかげ様で、お茶の間は凍り付いたわよ!しかもそこから色がついてない原画とかコンテ映像見せられて、最終的には「おめでとう」ってやっぱり意味不明じゃない!大体そんな平成の事を言われても!
「瑛里さん……なんでそんな事、御存知なんですか……?」
呆れるように見る奈緒の視線を、瑛里は気が付かないフリをした。全力で。
「とにかく!却下よ、エレナ。どうせこの企画書を書いたのは知恵でしょう?もう一度、相談してやり直して」
バッサリと切って捨てる瑛里。
「うう、残念デース」
ショボンと肩を落とし。企画書を抱えて、エレナは応接室を出ていった。
扉が閉まり、エレナが離れていくのを確認して。
奈緒は、瑛里に尋ねる。
「で、本音はどうなんですの?」
「あれじゃ、エレナだけが『背徳のハーン・チョーゥ』役の班長と、イイ思いする事になるじゃない。私だって班長と……って何言わせるのよ!」
顔を赤らめ、瑛里はそっぽを向く。
冗談よ、と先程の失言を誤魔化す様に言いかけた瑛里の耳元に、くす、と奈緒は小さく笑い、囁いた。
「だったらこういうのはどうです?最高幹部の傍に侍る幹部二人が、その最高幹部を可愛がって差し上げる……ではなく、最高幹部に可愛がって頂いている設定とか」
は、その言葉を聞き、ハッ!と、奈緒の顔をマジマジと見た。
ドSモードに入っている奈緒の瞳を見た気がした瑛里だったが、そこは華麗にスルーすることにした。
「……いいわね、それ」
んふふふふ。うふふふふふ。
悪の幹部『エースオブライバル』と『ジョークジョーカー』の悪い笑みは、止まるところを知らなかった。
後日、この企画は、改稿に改稿を重ね、原型をほぼ留めない内容になっていくのだが、やはり特撮の企画としては流れてしまう。しかし、別のアニメ会社の目にとまり、アニメーションとしての制作が開始される事となる。
その後も様々な問題が噴出し、深夜枠ですら放送枠がとれず、苦肉の策で、R指定で円盤のみの発表となるのだが、嘘か誠か、原作にあの「叡智の宣告者*10」が絡んでいるという噂がネット上に流れ、異例の大ヒットになった……というのは、また別の話である。
色々解説が必要かなぁと思いつつ、それは後日、活動報告にて。
あ、これまでの話の裏話的な話を、活動報告に記載しています。
よければそちらもどうぞ。
次回はまた別の隊員のお話です。
次週2/18土曜23時に♪