ネタ要因として私の他作文に出しているのですが、絡ませるとなんかめっちゃ面白いなぁと思ってネタを貯めていたら、なんかメインヒロインで1作行けそうと思いこんなかんじです。
ネタ枠作品なのは変わりませんが、エリス至上主義じゃない私の作品にもお付き合いください。
そう、またお暇な時にでも!(笑)
「ぷはぁ……あぁ〜ヤニがうめぇ…あっ、これ最後か……」
王都潜入から一週間。路銀も煙草も底をついたあたしは、城壁の裏で一服していた。軍備と警備体制の調査ということで来たのだが、そろそろ汐時だろう。これ以上の深入りは、流石にリスクが高くなる。
「冒険者カードも見せられねぇし、かと言って目立って顔が割れるのも不味いし、魔王のやつマジで無茶な要求しやがるよな……」
職業ダークプリースト。この世界で多分あたししか居ないこの職業は、名前からして怪しまれてしまうだろう。だが、流れ者が冒険者以外で稼げるはずもなく、だからといってこれは傀儡化を使う程の仕事じゃない。顔バレを防ぐためには、渡された金額で上手くやるしかないのだが……それでもタバコばっかりはやめられない。
「まっ、警備体制が変わるなんてそうそう無いだろうし、軍備は人と物の流れでなんとなくわかる。なら、これで報告を……」
「あぁ!!お姉さんどいて!」
「へっ?……ぶふっ!」
ごしゃっ!
「がふっ?!」
城壁の上から落ちてきたその男は、流れるようにあたしの顔面にドロップキックを決めた。この最低でクソみたいな出会いが、サトウカズマとの運命だったなんて、この時の私は知る由もない。
「「ぐふぅ…」」
どさっ
まぁ、気を失ってたしな…
………………………………
「あれ?ここは……」
顔面に残る僅かな痺れと、体を包み込むフカフカの感触。どうやらここはベッドの上らしい。だが、一体どこのベッドなんだ?
「プリースト相手って……クソ野郎にも程があるだろ……」
「いや本当に事故なんだって…」
「しっかり顔面に反撃食らって、しかも折り重なるように倒れていて……現行犯でなければなんなのですか?」
「本当だから!顔への攻撃は俺にも意味が分からないんだって!信じてくれよ!」
目を覚ましたあたしの前には、土下座する男と、どこかで見たことのある美女が二人……あれ?こいつら女王の側近じゃ……
「おや、目を覚ましたようですよ?どうですか?自分が誰だか分かりますか?」
「えっと……アイリス王女?!」
なんでこんなところに王女が?!
「あ、アイリスは私です!この前入れ替わったばかりなので、その冗談は笑えません!」
「その節は本当にすみませんでした!」
ガンッ!
「あっいえ…眼の前にいらしたので混乱して…と言うか入れ替わりって………」
「あ、そこは解決したのでお気になさらず!」
あたしの前にいるのは、間違いなく王女とその側近だ。だが、この男をあたしは知らない。知らないんだが、これはどう考えてもチャンスだ。なんせ向こうから城に招いてくれたわけだし、取り敢えず造りとか構造はよく見ておこう。
「申し遅れました。私はプリーストのセレナと申します。そちらの方が落ちてきた際に、咄嗟に防壁魔法を張ったのですが……」
「なるほど、それで防壁にぶつかったのはカズマの顔面ということか……」
「ほらな!俺が婦女暴行なんてするわけねぇだろ!」
「カズマ様、あなた間違いなく暴行はしてますからね?普通に牢へは送れるんですからね?」
「………すみません」
駄目だ分からねぇ!こいつの関係だけが全然読めない!側近の二人にこんなに嫌われているのに、なんで王女の隣に居るんだコイツは!
「あの、セレナさん。実はこちらのカズマさんは私にとって兄のような存在でして、出来ることなら穏便に事を済ませたいのです。その……これで……」スッ
『30万エリス』
「勿論です……不幸な事故で彼を牢に入れるなど、神はお喜びになりません……あっ、でも折角なので、これは教会への寄付として有り難く頂きます」スッ
よし、これで煙草を買おう。あと、折角だから少しくらい良い部屋に泊まろう。と言うか、コイツは王女のお気に入りってやつなのか、どこら辺が良いのか分かんねぇ……
「アイリス様!こんな男のためにそのような!」
「お兄様を追い回して捕縛に失敗し、更には城壁の外へ逃してしまっての事故です。これが明るみに出れば、クレアの失態も浮き彫りになるのですよ?」
「そ、それは……返す言葉もございません…」
へぇ、こりゃ幼いからって侮れない姫様だな……
「ありがとうセレナさん…あんたプリーストなのに良い人だな……」
「えっ?プリーストって普通はいい人のイメージなんじゃ…」
「あっ、うちのはアクシズ教のなんで……」
「一緒にしないでいただけます?!」
つうか、あいつらが人里に居ていいならあたしも……いや、駄目だよな。人は異物を受け入れない。異物は異物で群れるしか生きる方法はない。なんども味わってきたじゃないか……
「さて、セレナ嬢。今回は本当に災難だったな。今日は遅いので泊まっていくといい。夕飯も振る舞うので、部屋はこの客間を使ってくれ」
「おいおい。こんな美人プリーストと同室なんて、間違いが起こったらどうするんだよ?」
「貴様はいい加減出ていけ!」
あ、こいつあたしより異物だった。
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「ふぅ、予想外に上手く行ったな…あのクレアって奴が、意外と扱いやすくて助かったぜ…」
夕食を振る舞われたとき、死んでいった人々へ花を、いま戦っている人へ無事を願う祈りを捧げるため……なんて在りがちで安い言葉をいうだけで、今の軍備は簡単に把握できた。だが、城の警備は万全が過ぎる。というのも……
「くっそ!逃がすな!」「アイリス様にだいしゅきホールドなんざ教えやがって!」「まだ何処かに穴があるぞ!ネズミ一匹逃すな!」「一切のスキを作るなよ!」「畜生!痕跡が何もねぇ!」
あのバカ、ほんっとにしょうもねぇ理由で警備レベルを跳ね上げやがる……こんな実践向けトレーニングを繰り返してりゃ、そりゃ練度も上がるわ……
ガチャッ
「ごめんセレナさん…ちょっと匿って?」
「カズマさん…貴方は幼気な少女になんて言葉を……流石にこれはプリーストとして擁護できませんよ?」
「おっと、流石にタダとは言いませんって。ほらっ」
ポイッ
「ちょっ!あれ、タバコ?」
しかもあたしの吸ってるやつ!
「初めて会った時吸ってたでしょ?俺が駄目にした奴を箱で返します。これなら交渉の余地ができますよね?」
「はぁ………貴方は、プリーストが煙草を吸う事を否定しないのですか?」
と言うか、普通渡さねぇだろ……
「何でもかんでも抑圧して我慢とか、神様はそんな狭量じゃないですよ。だって神ですし?器は大きいはずでしょ?」
「……ぷっ、あははは!そうですね。そりゃ誰より懐も広いでしょうね!何と言っても神ですからね!」
あぁ、なんか嫌いになれねぇとは思ってたけど。こいつはきっとあたしと同じタイプの異物だ。嫌な正論言いやがる。
「え?素で笑うとそんなキャラなの?!うわぁ、騙されたわぁ…」
「嘘つけ!少なからずあたしが品行方正とは思ってなかったろ?でなきゃプリーストに賄賂やるから匿えなんて発想は出ねぇよ」
「それでもさっきのが可愛かったじゃん!断固抗議するぞ!」
「受け付けませーん!カズマには特別に、二人きりの時は素で話してやるよ!特別扱いに喜びな!」
「くっ!なんて嫌な特別扱い!じゃあ俺も敬語とか使わねぇからな!」
あっ、なんかすげぇ楽しい。こうして演技もなく同じ目線の奴とダベったのって、魔王軍でも無かったよな……
「構わねぇよ。ほら、お前も窓際に来いって、一本くらい分けてやるから」
「あっ、煙いから良いです」
「いや、ならなんでタバコ買ってきたんだよ……」
あれ?やっぱ分かり会えないか?!
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「お世話になりました。王城を案内して頂けたのはとても貴重な経験でした」
翌朝、予想外な形で仕事が急進展したあたしは怪しまれる前にここを去ることにした。と言っても、城内への侵入は諦めたほうが良いだろう。なにせ、カズマほどの潜入のプロは魔王軍には居ない。まずは工作員の教育が必要だ。
「おう、達者でな!また何時でも遊びに来いよ!」
「貴様も帰れ!これ以上衛兵に迷惑をかけるな!」
こいつ、まだ居座る気かよ……流石にこれ以上の警備体制の強化は不味い……仕方ねぇな…
「カズマさん、折角なのでこの後食事でもいかがですか?貴方がお城に招かれた理由を、ぜひ私にも語ってくださいな?」
「ほぅ…そんなに俺の武勇伝が聞きたいと……」キリッ
うわぁ、殴りてぇ…判断間違ったかな……
「それは良い提案だ!カズマ、是非語ってやってくれ!…………セレナ嬢、お気遣いに感謝する。私共はアイリス様を連れて数日別荘地に行くので、これであいつを酔い潰して逃げてくれ…」
『10万エリス』
「み、身の危険を感じたらそうさせて頂きます……」
そんな金だすような相手なのかアイツは……マジで早まったかな…
「お兄様。名残惜しいですが、やはり人気者のお兄様を独占などできません。ちゃんと魔王を倒して、私を迎えに来てくださいね!」
「おう!任せとけ!さぁセレナさん…行きましょう」(イケボ)
いや、お前には一生かかっても無理だろ…お前ら魔王舐め過ぎだって……
…………………………………
「個室…だと……俺ちょっとシャワー浴びてきた方がいい?」
「なんでだよ!お前は男女二人っきりになったら誰にでも手を出すのか?!アイリス様はどうしたんだ?!」
ったく……これだからお年頃ってやつは、頭ん中ピンクかよ……
「つ、つまり俺だから……なのか……むしろ洗わないほうがってことなのか?!すまんアイリス!お前にお姉ちゃんが出来そうだ!」
「誰にでもってそうじゃねぇよ?!カズマには色々と知られてるだろ?だったら、こっちの方が好都合だろ?」
「そりゃ、お互いの全てを知るなら二人きりのほうが好都合だけどさ……」
「違うっての!お前はあたしにどんな目を向けてんだ?!」
「……ノリが良くて楽しい」
「んなっ?!」
この野郎!分かっててセクハラしてやがったな!
「ははは。そう怒るなって。ほら、高級シュワシュワ買ってあるからさ?飯食ったら一杯やろうぜ?」
「ったく……今回は酒に免じて許してやるよ。あっ!先言っとくけどな?あたしは不真面目だが安い女じゃねぇからな!酒のんであわよくばなんて考えんなよ!」
「分かってるって。流石に神様も寝取りは許容しないだろうからな!」
「プリーストとの同衾を神からの寝取りとか言うな!」
はぁ…マジで良くわかんねぇわコイツ…信仰心とか無いのかよ…
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「へぇ、カズマも一応勇者候補なのか……」
「おう。扱い的にはそうらしいぞ。チートとかねぇけどな?」
「えっ、一番大事だろそれ?!」
程よく酒も入ったあたし達は、互いの身の上話に花を咲かせている。と言っても、あたしは重要箇所を濁しての話だ。魔王軍幹部なんてバレたら終わりだし、通報されても騒がれても困る。
「しっかし、パーティーはポンコツなのに、間が悪く強敵に遭遇するわ。何故かスティールしたらパンツ取れるわ……お前実は悪魔に呼ばれたんじゃねぇか?」
「それを言うなら悪魔のがマシだね!あいつらは契約に厳しいから余計なことしないし!」
「うわぁ……遂に女神より悪魔のほうがマシって言いやがったコイツ…そりゃ信仰心も枯れるわ…」
だが、カズマは脅威でなくともその女神の方はヤバい。もしチート持ちの奴らの遺体を担ぎ込まれたら、あたしらは化け物と連戦することになる。流石にそんなことされたら勝ち目はないぞ……
「その蘇生ってのは無条件なのか?そんなの無条件で使えるなら魔王軍なんて怖くないだろ?」
「規定で蘇生は一人一回らしいぞ?勇者は転生時に蘇生してるから、蘇生は出来ないんだと。俺は特例だそうだ」
「へぇ、神様にも色々とルールがあるんだな……」
しかし助かった。カズマなら何度来ようと問題にはならねぇ。と言うか多分こいつは戦場になんて来ねえ…………来ねぇよな?
「ち、ちなみにだけどよ。カズマは武勲を挙げたいとか思ったりするのか?」
「いやいや、俺はこうして静かに平和を噛み締めて生きていたいんだ。魔王軍幹部とかマジで勘弁だよ」
今飲んでる相手が魔王軍幹部なんだけどな……まぁ、有り難い話だが……
「んだよ。やっぱりお前はあたしと同じだな。見ず知らずの他人のために命なんてかけねぇし、それ程の野心もないみたいだし?」
「そりゃそうだろ?と言うか、そんな気が無かったのにベルディアとハンスとシルビアとバニルを倒すハメになってるんだぞ?もう俺は隠居しても良いはずだね!」
「ははは!そりゃ違いない!もう幹部を半分カズマが倒してりゃ………はっ?!」
いまコイツ、とんでもねぇ事を言ってなかったか?!
「だ、誰を倒したって?」
「ベルディアとハンスとシルビアとバニルだけど?」
嘘だろ?!武勲とか言うから元幹部候補とかの討伐かと思ったら、4人全員コイツにやられたのか?!まさか次はあたしか?!これ誘い込まれてるんじゃねぇのか?!
「ち、ちなみにだけどよ……他の幹部の情報って持ってたりするのか?」
「……知ってたとしても、倒すべき相手じゃないと思ったら、俺はその情報は誰にも漏らすつもりはないよ。戦争の結末がどうなるかより、その子に生きてて欲しいからな」
※ウィズのことです
何これ?!あたし命じゃなくて身体を狙われてんの?!ヤバい!攻撃には復讐できるが、迫られたりしたらデス位しか対抗策がない!でも、あの4人を倒した奴に有効かどうか……
「仕事の時はアレだけど、心根は優しいって俺は知ってるからさ?」キリッ
そのイケメンムーブをやめろぉ!これ絶対に今夜決める気じゃねぇか!まだ出会って一日だぞ?!最弱と見せかけて夜は圧倒的強者なのか?!お前童貞じゃなかったのかよ?!
「そ、そういう事はさ…ちゃんと手順を踏んで…」
「まぁ、実はスキルを教わった先生でもあるしな…ドレインタッチとか…」
「……ドレインタッチ?」
「あっ!いやいや!今のは何でもない!」
あれ?これつまりウィズのことか?あたしの話じゃなかったのか?!いや、でもまだ分からねぇ。というかコイツが分からねぇ。実力も何もかもが未知数すぎるし…………酔わせたら話したりしねぇかな?
「ま、まぁアレだ。飲もう。そんな辛い毎日は呑んで忘れよう。愚痴でもなんでも付き合ってやるからさ?」
「セレナ……ありがとう。それなら下の酒場からもっと買ってくるわ!今日は俺の奢りだ!朝まで飲み明かしてやろうぜ!」
「おっ良いねぇ!気前のいい男は好きだぜ?」
「……えっ?飲み過ぎたら最後まで出来ないかもだけど?」
「そこまで惚れ込んでねぇから安心しろよ。良いから買って来いって」
「くそっ!セクハラに慣れてきたな…」
「そりゃな!」
こんだけ立て続けだとな!
………………………
「やっべぇコイツ。予想の10倍やべぇ奴だった……」
隣で酔い潰れたカズマを尻目に、あたしは報告用のメモをまとめている。ベルディアの弱点を水と看破した洞察力に、的確な連携によりデストロイヤーの破壊した統率力、バニルを騙すほどの狡猾さに、ハンスを倒す際の地形を利用した柔軟性、シルビア相手に未知の魔導具を使いこなす適応力。そして、何よりも警戒すべきは、自らの死も厭わずに勝ちを取りに行く覚悟。こいつは本来なら魔王にさえ届きかねない力を持っている。持っているにも関わらず………
「サキュバス店のゴールド会員で、プリーストのあたしまでエロい目で見る性欲。どの戦闘も巻き込まれただけで、基本的には逃走を図っているやる気のなさ。そして何より、魔王軍だからって理由より、個人的に好きだからとウィズを見逃す甘さ……こりゃある意味救われたよな。お互いにさ?」
コイツは扱い方を弁えれば脅威とはならない。そして、その尖った性能の仲間達も、恐らくコイツなしでは機能しない。つまり、あたしの頭の悪い友人は、取り敢えず始末する必要はないと言うわけだ。
「つうか、殺しても蘇生するとか、死んだあと女神と会話してるとか、殺す方がハイリスクだろコイツ……つうことで、仲良くやろうぜ、サトウカズマ?」
ってことで、あたしも寝よう。折角だから、少しくらい保険をかけてな……
_______________
「嘘だろ…まさか、俺はやってしまったのか……」
翌朝。下着姿のカズマの隣で、あたしも下着で目を覚ます。枕元には軽く湿らせたティッシュを丸めておきリアリティを追求、これはもう完全に事後にしか見えない。
「あっ……カズマ……」
「せ、セレナさん?あの、この状況に説明をしてくれたりは……」
「さ、させんなよ…あたし、これでも初めてだったんだからな…」
と、ここで涙目上目遣い。男が好きなやつ。
「………申し訳ございませんでした!!」
ガンッ!
気持ちの良い土下座を敢行するカズマに、あたしは必死に笑うのを我慢している。この反応はやはり童貞。そんな男がプリーストの初めてを奪ったとなれば、その罪悪感は計り知れないだろう。そして何より、これであたしの事を女として意識せざるを得ない。つまり、あたしもウィズポジションに落ち着く事が出来るわけだ。賢いなあたし!
「こんな最低なことしておきながら、俺にはその時の記憶がなくてさ……でも、セレナが望むなら責任を……んむっ」
そこまで聞いたところで、あたしはカズマの口に指を立てる。悪いがお前と一緒になるつもりはない。つもりはないが、敵対はしたくないってだけだ。悪いが、その罪悪感を利用させてもらうぞ?
「あたし、これでもプリーストだからさ……カズマと一緒にはなれないんだよ……でも、あたしにしたことをちゃんと心に刻んで、これから友達として大切にしてくれるなら、今日のことは許してあげる……」
「セレナぁ!」
ガバッ!
ははは!チョロい!なんてチョロいんだコイツ!これであたしの安全は保証されて、なんなら魔王軍に引き抜くことも視野に入れられる訳だ!可愛いやつだなカズマ!
「…………折角だし、もう一回とか駄目?」
「いや駄目に決まってんだろ?」
いや、やっぱ可愛くねぇわ。
…………………
「それではまたいつか、カズマさん」
「お、おう……またな…セレナ…」
その後、少し気まずいままあたしとカズマは別れた。と言っても、気不味いのはあいつの勘違いなんだけどな。
「もう、何をそんなに固くなっているのですか。お別れの時くらい目を見てくださいよ……昨晩みたいに……」
「ちょっ?!本当に勘弁してください!」
いや〜、この弱みを握ってからはすごく扱いやすいなぁ!有りもしない既成事実を理由に、ここまで動揺するとはな!
「約束したでしょ?友として大切にしてくれるって…」
「あぁ、それは約束するよ。こんなこと無くても、セレナとの時間は楽しかったしな?」
「あら?だから手を出されたのかしら?」
「もう本当に許してください!」
「ふふふっ……それでは、またいつかお会いしましょう。カズマさん?」
「………あぁ、いつかまた。セレナ」
さて、あたしも魔王のところへ帰ろう。あいつのお陰で今回の仕事は大成功だったし、誇らしげに報告書を読み上げてやろう。そして、お姫様と側近から貰ったこの金は、全部自分で使ってやるんだ!
「………あばよダチ公。叶うなら、お前は敵として現れないでくれよ?」
そして、願わくば友としていつか同じ道を行こうぜ。このクソッタレな世界のハミダシ者としてな。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
本作は基本的にヤンキーのセレナがカズマと一足早く出会って色々ある話です。
ネタが多過ぎて取捨選択に時間がかかっておりますが、安心してください。馬鹿な話がメインで重くないですよ。そして、ちょこっとエッチですよ。
ということで、また不定期ですがお暇な時にでもお付き合いください。