お忘れの方も多いと思いますが、あいつ魔王軍の諜報員なんですよ。えぇ、彼女候補とかではないです。違うんです。そろそろ籠絡とかして魔王軍に入れたいんです。って感じでウォルバクにも伝えましょう。
またお暇な時にでもお付き合いください。
「ふ〜ん……ポーションの流通ルートがこっちで、食料の補給路がこっちのルートなのね……」
「そうだ。だからこの橋を事前に落としておけば、補給線を断つことが出来る。この遠回りの山道じゃ馬車は使えないから、橋の修繕までまとまった物資は届かないだろう。逃げ道が残されているから無茶な抵抗はしないだろうし、この砦を落とすならこの方法が間違いないな」
少し奥まった飲食店のボックス席。あたしはコーヒー片手にウォルバクへの定期報告を行っている。今までは風呂の中で延々と話していたが、地図などの資料で説明することの重要さを説き、ついに話し合いの場を切り替えたと言うわけだ。別に風呂が嫌いって訳じゃないんだが、色々と思い出すので今は辞めてほしい。なお、情報漏洩の対策は魔法で万全。流石はウォルバクだな。
「良いわ。これでこっちの求める情報は十分よ。それじゃ、後は……んっ」
ゴクッゴクッ
「ぷはぁっ!じゃあ、愛しの彼とどうなったか聞こうじゃない!」
「うん、なんで今シュワシュワ一気した?お前、まさかあたしの報告を恋バナ感覚で聞いてたりしないか?」
「そんな訳ないでしょ?ただ、戦略なんて真面目な話は喉が乾くでしょ?………それで、もうチューくらいしたのかしら?」キリッ
「やっぱり恋バナ感覚で聞いてんじゃねぇか!」
こいつ、こっちがどれだけ真剣に取り組んでいるか分かってねぇな?!
「良いじゃない!恋の成就が戦力増強になるんだし、セレナだって嫌いじゃないから身体張ってるんでしょ?ほら!お姉さんに話してみて!もうチュ~したのか話してみて!」
「面倒くせぇ酔い方しやがって!別に恋なんてしてないし、キスだって、そんなに騒ぐことじゃねぇだろ……」モジモジ
「えっ?したの?!へぇ、恋愛は奥手なタイプと思ってたけど、少しはそう云う経験があったのね?」
「いや、カズマが初だけど……」
「…………えっ?」
いや、だってずっとプリーストだし……
「ま、まぁ……確かに最初は抵抗もあったけどさ……でも、いざしてみたら全然大したことなかったし、そんな騒ぐほどの事でもなかったって言うか……」サワサワ
カズマが望むなら、たまにさせてやらなくもないかな〜と思ったりもするし?
「唇噛んで指で触ってる……それ絶対にキスの感触を思い出してるじゃない!完全に浸ってるじゃない!これで恋じゃないって本気で言ってるの?!」
「はっ?!いやこれは……ちょっと唇が乾燥してて……」
「乾燥?!今まで塗ってなかった保湿性の高いリップクリームまで塗ってるのに?!」
くっ!酔っていても無駄に観察眼が鋭いなコイツ!本当に面倒くせぇ酔っ払いだな!
「いや、これはカズマが作ってくれたから使ってるだけで……別にキスしたくて塗ってるとかじゃ…」
「あ〜、これは魔王に報告かしら?セレナの報告は穴だらけで、裏切りの可能性があるって言わなきゃかしら?」ニヤニヤ
「お前もう間違いなく楽しんでるよな?!」
くそっ!アクアにバレると困るから傀儡化出来なくて、魔王に疑われると困るからウォルバクの恋バナに付き合うって……この世界にはろくな女神が居ないな!!
「確かに疑われるのは困るし、お前にだけは正直に話す……だが……」
ガシッ
「あっ!私のシュワシュワ!」
ゴクッゴクッゴクッゴクッ…
「ぷはぁ!話してる時の遮音魔法は絶対に途切れさせんなよ!詳細を他の奴に言うのも禁止だからな!あと、酔わなきゃ話せないからおかわり貰ってくる!」
「良いわね!それなら私もおかわりするわ!あとおつまみも追加しなきゃ!」
畜生!やっぱり恋バナ感覚じゃねぇか!
…………………………
「で、ファーストキスはどんな感じだったの?やっぱり彼から強引に迫られたりしたの?」
「まっ…まぁ?カズマがどうしてもって求めてきたから、大人の余裕で応じてやったって感じだな!」
※媚薬でムラムラして自分からいきました。
「うそっ?!セレナがそんな大人の余裕を?!」
酒の力で気分が大きくなると、先程まで何を恥じていたか解らなくなる。こうやって人は後悔を重ねるのだろうが、こいつの目的はただの娯楽だ。それなら、適当でも盛り上げたほうが効果的だろう。
「そう言えば、彼のトラウマはどうなったの?まさか、身体まで許したなんて……」
「許してねぇって……あたしはそんなに安くねぇし、プリーストとして清いままだ」
まぁ、ほんのちょっと抱かれる気にはなったけど……
「へぇ……それじゃあ、結局どうやって解消したの?本当にギリギリだったって聞いてたけど……」
「あぁ、もう限界だって情け無く泣きついて来たから、足で踏んで躾けてやった」
※泣き付かれるどころか自分からいきました。
まぁ、踏んだって程雑でもなかったし、何なら結構頑張ってた気もするけどな……
「えっ、足って……彼ってそんな特殊フェチなの?!」
「どうだろうな?翌朝他の3人に踏まれたら怒ってたから、フェチと言うよりあたしに踏まれたのが嬉しかったんだろ?まぁ、あたしの下僕なんだから当然か……それで何度も射精してたしな…」フフン
「射精って……あ、足で男の人を逝かせるなんて……それは流石に上級者過ぎないかしら……」テレテレ
おや?恋バナには食い付く癖に、こういう話は苦手なのか?いや違うな。これは羞恥のせいで積極的になれないだけで、なんなら一番前のめりで聞いている。それなら、こっちを中心に盛り上げてやるか……
「男ってのは単純なもんだからさ。女に触れられただけで、結構簡単に反応するのさ。まぁ結果、足であたしの貞操が守れたんだから、安いもんだろ?」
※効果には個人差があります
「で、でも流石に足でしたら痛いんじゃないの?一番の弱点部位なんでしょ?」
「あぁ、弱点だからこそ、優しくしてやれば簡単に気持ち良くなる程に敏感なのさ……まぁ、女の喜びも知らない女神様には、ちょっと解らないかな?」
※お忘れなきように伝えておきますが、セレナもバリバリ処女です。
「な、なによ!セレナだって処女なのは同じでしょ!女の喜びなんて知らない癖に、変なマウント取らないでよね!」
「……ふっ」
「な、なによ…その余裕の顔は……」
あぁ、これは中々に気分が良いな。長い年月を生きてきた女神が知らないことを、あたしが知っているという優越感はな!
「あたし、カズマに口でされたからさ……女の喜びは知ってるかな……」
「えっ?付き合っても居ない男にそんな事を……と言うか付き合ってもハードル高いプレイじゃない!」
「結ばれてなくても、尽くすことが最上の喜びって事もあるのさ……おっと、恋人が居たことない女神様には、これも難しい話かな?」
「わ、私にだってアーネスとホーストが居るもの!健全で忠実な配下がちゃんと居るのだから、そんな不健全な関係は知る必要も無いもん!」
へぇ?そんな顔を真っ赤にして張り合うのか?随分と可愛らしい女神様だな!
「そんな反応して良いのか女神様?魔王にいい感じに報告してくれるなら、それがどんな感触か詳細に教えてやるぞ?気になってるんだろ?男の舌の感触が……」
「ふぇ?!ちがっ…そんなの……私は……」
おーいい顔だ!図星だろう、このムッツリ女神め!そんなエロい身体して、性欲が無い筈がないからな!
※これはセレナの偏見ですが、女神にも性欲はあります。
「そっちの話になってからの方が、熱心に話を聴いてただろ?誰にもバレずにその知識を得るチャンスは、今しか無いかも知れないぞ?」
「わ、分かったわよ……魔王には良い感じに伝えるから……どんな感じか教えなさいよ……」
「よし、交渉成立だな!」
取り敢えずこれで、また刺される心配はなくなったな!
………………………………
「なんて、安心したらこれかよ……」
「なー」
翌日の朝、ウォルバクと取引をした筈のあたしの元に、手紙を咥えた猫が飛んできた。まぁ、飛んで二階の窓を叩いたコイツは、猫というか化け物と言うか、色の違うちょむすけにしか見えない。ひょっとして、アークウィザードにはこの猫が流行っているのだろうか……
「えっと……『サトウカズマの危険性を確認するため、と言うかそこら辺が全然記憶に残っていない為、いっそ使い魔を派遣します。この子に見せたものが私にも見えるので、クエストに連れて行ってください。追伸、邪魔はしないので、二人の寝室で寝かせてあげてください』…って結局出歯亀かよ!」
そもそも寝室は別だっての!まぁ、カズマが如何に脅威か伝われば、この作戦の重要さも伝わるだろう。後はこの猫をなんて説明するか……
「それを何とかするのもあたしの仕事か……来いよ猫助!お人好しの馬鹿共を紹介してやる!」
「なー」
まぁ、あたしの事は全然疑ってない奴らだしな。受け入れてもらうのは簡単だろう。後は、あいつらの力を如何にして猫助に見せるかだけ考えればいいさ…
………………………
「駄目よ!元居た所に返してきなさい!」
うん、まさかここで躓くとは想定外だわ。なんであたしが良くて猫が駄目なんだ?化け物っぽいからか?先住がいるからか?
「アクアさん女神様じゃないですか……そこは小動物に慈悲の心をですね?」
「絶対に無理!こんなトンデモナイ生き物……痛い痛い!なんで私にだけメッチャ噛むの?!」
「「キシャー!」」
「この品種、何故かアクアには懐かないんだよ…おぉ、二匹でチームプレーして女神狩りを…」
「カズマさんも見てないで助けて!」
使い魔って賢いからこういう任務に使われると思ってたのに、なんか凄い勢いでアクアを噛んでいる。いや、まさかウォルバクとアクアに因縁でもあるのか?そもそも、アクアが信者以外と上手くやれてるイメージないしな……
「こらっ!駄目ですよ猫助。アクアさんを食べたらお腹を壊しますよ?」
「ちょむすけも、アイツは美味くないって分かってるだろ?」
「いや他にも駄目な理由あるでしょ?!」
仕方ない。ここは他のメンバーから籠絡するか……
……………………………
「うぅ……結局飼うことになってるし……こんなに身綺麗なんだから、何処かの飼い猫なんじゃないの……」
アレから全員で話し合ったが、猫助反対はアクアのみ。ついでに猫助がアクア以外に露骨な可愛いアピールなんてするもんだから、むしろアクアを捨てるほうに話が進んで、結局アクアが折れた。と言う事で、思惑通りコイツを連れてのクエストに来たわけだ。
「仕方ないだろ?俺にめっちゃ懐いてるし、博愛主義者としては見捨てられないからな!」
「なー!」
「本当に人外にはモテますよね……なんなら、猫助はオスなのでは?」
「おいやめろ。俺のトラウマを掘り起こすな」
うん、やっぱりこいつらには警戒心ってもんがない。あたしが言うのも何だが、羽生えてて火を吹く猫が増えたら何かしら疑え……と言うか一匹めを受け入れた時も何かしら疑うなり調べたのか?
「お前たち、猫の話より警戒をしろ!そろそろミノタウロス共の縄張りで……」
「なぁー!!」
「おっ?猫助もいい勘してるな!『猛毒』『狙撃』!」
バシュッ!
「ぶもぉぉぉ?!」
藪の中から突如として姿を表したのは、人間の身体に牛の頭 をした化け物、ミノタウロス。だが、その奇襲の雄叫びは即座に断末魔へと変わった。その巨体でカズマの千里眼と敵感知を掻い潜っての奇襲は、流石に無理があるからな。でも、アサシンの猛毒とか必殺は覚えて欲しくなかった。上手くやると、魔王でも危ない技ばかりだし……
「きたきた!正面から7頭!先頭は頼んだぞダクネス!」
「任せろ!」
ガァン!
カズマの成長に呼応するかのように……いや、多分真相は性癖の暴走だと思うんだが……より強固になったダクネスがミノタウロス3頭の突進を身体で受け止める。ミノタウロスの角と、ダクネスの身体がぶつかる音がもはや金属音なのだが、そこは気にしたら負けなんだろう。残りの4頭も足を止めて唖然としているし……
「『パワード』『スピードゲイン』『プロテクション』!カズマさん、お願いします!」
「任せろ!4連『狙撃』!」(イケボ)
スパァン!
ついでにあたし達の関係の発展からか、カズマは遂にあたしに触らずとも以前の化け物じみた強化を受けられるようになった。相変わらずその理論は分からないが、効果はミノタウロスの頭蓋骨を射抜ける程なので、間違いなく破格の性能だ。一瞬足を見てから増幅されるので、多分足でされたのがまだ有効なのだと思う。
「追加で支援魔法よ!更に群れが来てるわ!皆、しっかりやりなさいよね!」
「ナイスだアクア!後は水を使ってぬかるみを作れ!機動力を奪いながら、飛び道具を使いそうな奴には水で妨害を入れろ!」
「任せて!」
また実に今更の改善だが、アクアは戦場から逃げなくなり、常にカズマと一定の距離を保つようになった。これは特訓の……と言うか単独行動する獲物を真っ先に狙う狼系モンスターとの戦闘をトラウマになるまで繰り返すことで、無理矢理教え込ませた生存戦略だ。だが、アクアとダクネスの成長など、そんな大した事ではない。一番の急成長を遂げた化け物は……
「よし行ける!ダクネス、そいつらすっ転ばして戻れ!めぐみん!準備は良いな!『テレポート』!」
「任せてください!『エクスプロージョン』!」
カッ!
空を覆い尽くすような巨大な魔法陣から、まばゆい閃光が地上へ降り注ぐ。今までの瓦礫を吹っ飛ばすような爆発はもう起こらず、ただそこにあるものが瞬時に蒸発していくのだ。もはや頭がおかしいなんて言葉じゃ片付かない。この目の前の光景は、世界の終わりさえ思わせる程の純粋な破壊だ。
「なぁ、見てるかウォルバク……これであたしの仕事の重要性が分かったろ?これが……こいつらが……魔王討伐に最も近いパーティだ……」
まぁ、こいつら育てたの若干あたしな気もするから、成長までの過程は報告しないけど!!
………………………………
「信じられない……まさか、こんなパーティが存在するだなんて……」
翌週の報告会に来たウォルバクは、ことの重大さを理解したのか酒を注文して居なかった。まぁ、それも無理は無いだろう。あの戦いを見れば、嫌でも真剣に取り組みざるを得ないだろうからな。
「あぁ、やっと脅威の共有が出来たな。このパーティの危険性って奴がさ?」
「………危険性?」
あれ、なんかちょっとすれ違ってる?
「あぁ〜!ミノタウロスを即死させるのは凄いわ!うん!凄い凄い!最前線には沢山居るけど……」
「そういやお前は勇者候補が溢れる最前線勤務だったな……そりゃ比較対象もエグくなるか……」
あれ?なら信じられないってなんだ?
「そんなことより!なんでこれで誰も彼女じゃないの?!誰が妊娠しても不思議じゃないわよ?!これ恋敵が強すぎるわよ?!」
「いやそっちかよ?!他の危険要素が沢山あるだろ!あの爆裂魔法とか見てたよな?!」
「………猫の目って、明るいのに弱いのよね……」
「お前……なんで使い魔を猫にした?」
お前に一番見て欲しかったのそこなんだが?!
「仕方ないじゃない!使い魔召喚すると無条件でアレになるのよ!あとなんでセレナの濡れ場がないの?!それを楽しみに見てたのに!」
「楽しみにすんな!そんな関係が急展開する状況が頻繁にあってたまるか!あっ、いや待て?あたしのって事は、他の奴らはなんかあったのか?!」
「うん、金髪の子が影で彼にキスしまくってたし、めぐみんが夜這い未遂もかけてたし……」
「……おい待て、それちょっと詳しく!あたしがあんだけ色々してそれは最低だろ?!」
「えっ?!やっぱり陰では色々してあげてるの?!ちょっと店員さん!シュワシュワとオツマミまだですか?!盛り上がりそうなんで急いでくれます?!」
くそっ!真面目に聞く気になったと思ったら、ただ店が混んでただけかよ!いや、でも今は口を軽くしてくれたほうが良い!あたしの見てない所でカズマが何してるか、教えてくれるのはコイツだけだからな!
「あ、セレナも頼んどく?酔って忘れたい事実もあるかもよ?」
「頼まねぇよ!実態把握は諜報員の基本だからな!」
「わぁ!絶対に私怨入ってるのに凄いプロ意識ね!」
さぁ、裏でどんなことしてるか知らないが、あたしはそれも含めて手玉に取ってやるからな!!覚えとけよカズマ!
……………………………
バタァン!
「ちょっ?!どうしたセレナ!なんで寝室に殴り込んできた?!しかも、なんかまた目が怖い事になってるんだけど?!」
「うるさい!全部カズマが悪いんだろ!」
ウォルバクからの情報を精査したあたしは、遂にその異変の原因に辿り着いた。裏でダクネスがカズマにキスをせがむのも、めぐみんがカズマのモノになろうとするのも、実は以前からあったことだ。だが、実際にキスに応じてしまうのも、ベッドへの侵入を許してしまうのも、その原因はカズマの変化によるものだった。
「いや、本当に何があったんだよ!せめて説明をしてくれって!」
「お前、最近サキュバス店に行くの辞めたよな?それで二人のアピールを拒めなくなってきてるよな?!」
「うっ…もうそこまでバレてんのかよ……いや、それはまぁ…そうなんだけどさ…」
カズマの事を1週間観察していたウォルバクが、毎晩カズマの部屋であたしが来るのを待って居たらしい。当然あたしはそこには来ず、来たのはキス魔になったダクネスと、あわよくばを狙っためぐみんだけ………だが、それ以上にあたしが気になったのは、カズマが1週間外泊して無いという事実の方だった。こいつはサキュバス店に通う時、間違いなく外の宿を使うからな。
「優柔不断な癖に潔癖ぶるなよ!それで二人の色仕掛けに流されるとか、誠実ぶってソレは最低だぞ?!」
※彼女もメイン戦術は色仕掛けです。
「最低は酷くないか?!俺はこれでも、セレナに気を使ってだな?!」
「は?そこでなんであたしが出てくるんだよ?」
まさか、抜いたらレジーナ様への信仰が薄れるとかそんなのか?別に大丈夫だろ?散々抜いても数時間で戻るんだから……
「セレナが言ったんだろ!自分が好きなのにアルラウネとかサキュバスにさせるのかって!お前が嫌がるってわかったら、そんな所に行ける訳無いだろ!」
んっ?あたしそんなこと……
……………
「前にカズマはあたしが好きって言ったよな?それなのにアルラウネに咥えさせて、しかもこの状況でサキュバスに抜いてもらおうとしたり……本当はエロけりゃ何でもいいんだろ?」
……………
あっ、足コキしながら言ったわ!あちゃ〜、アレが根本の原因かよ……
「ばっ、馬鹿じゃねぇの?!あれはカズマを楽しませる為に言っただけで、別にそこまでマジで考えなくても良いだろ……」
「でも、セレナが俺のこと考えながらインキュバスに抱かれてたらって考えたら、スゲー嫌だったから……」
あっ、ヤバい。カズマの言ってることは不快感からすれば当たり前の事なのに、むしろ今更気付いたのかって叱り付けるべき話なのに……あたしのために人生の楽しみを我慢してるって思うと、なんか込み上げるモノがある。多分、嫁が妊娠したからってタバコを箱ごと捨てた男みたいな感覚で……
※皆様は既にご承知の事実と思いますが、彼女はとてもチョロいです。
「た、確かにプリーストとしては、カズマがサキュバスに現を抜かさなくなったのは喜ばしいことだけどよ……でも、それで我慢出来なくてめぐみんとかダクネスを傷付けたら最低だぞ?そこら辺わかってんのかよ?」
「わ、わかってるよ……でも、やっぱりサキュバスとセレナを知っちゃったから……一人でしても全然イケなくて……」
あぁ本当だ。ズボンにすっごいテント張ってる。こんなのサキュバスに与えるなんて、間違いなくプリーストとしては見過ごせないよな……だから、これは仕方ないことなんだよな……
「仕方ないなカズマは……ほら、サキュバスに貢ぐ予定だった金もだせよ……」
「ちょっ?!こんな辛い思いしてんのに金の方も没収は酷くないか?!流石にそれは渡したくないぞ!」
「いいから出せよ。カズマのここを救えるのは、もうあたししか居ないんだろ?」
「へっ…いや、でもそれは流石に……前回のだって凄く後悔したし……ここで踏まれたらベッドが凄いことになっちゃうし……」
あぁ、その獣みたいな眼光と息遣い。やっぱりお前が本気で抱きたいのはあたしなんだな。飼い主に餌が貰えなくて、ついついつまみ食いしちゃっただけなんだな。だったら……
「それでも、下僕の面倒は飼い主の責任……そして、迷える子羊を救うのはプリーストの責任ですよ…ほら、お布施があれば、救いを与えてあげますよ?」
「あっ…ソレは……その……お、お願いします…」
「はい…いい子です…」
たまには、ご褒美が無いと駄目だよな?
最期までお付き合い頂きありがとうございます。
私が今更こんなシーンを勿体ぶる意味は全く無いのですが、文字数のせいです。ごめんなさい!
という事で、今後の展開は予想のとおりです。また不定期ですが、お暇な時にでもお付き合いください。