最終決戦を終え、これから凱旋だオラァ!って所でございますが、ちゃんとオチを用意しないと私は死にます。
という事で、皆さんのご期待通り、クソみたいな最終回です!クライマックスでふざけないと言いましたが、そんな訳ないでしょう!
またお暇な時にでもお付き合いください。
「かじゅまさぁ〜ん!」
ガバッ!
「いってぇな馬鹿!いま片腕無いんだぞ?!セレナのヒールじゃ止血が限界なんだ!力任せに抱き着くんじゃねぇよ?!」
「だって!だってぇ!!」
魔王城の決戦から1時間。あたし達は近くで待機していたアクア達に合流した。その時にはめぐみんが詠唱を始めていて、再会して最初の会話が爆裂の制止という締まらないものになってしまったが、まぁ、そっちの方があたし達らしい。そうやって今まで通り受け入れてくれるのが、こいつらなりの優しさなんだと思う。
「全く、あんな譲り方では私もダクネスも納得なんてしませんよ。カズマとのことは、これからもライバルです。良いですねセレナ?」
「この状況でも譲ってくれないなんて、恋のライバルは魔王より強敵みたいですね……」
「当たり前です。魔王など、私の爆裂魔法の強さを証明する的の1つに過ぎません!ほら、ここに大量のマナタイトも用意済みです!」
「こ、これはまた……すごい数ですね……」
魔王、残念だがお前に生存フラグは無かったみたいだぞ。数百発の爆裂で塵にならず、せめて勇者との死闘で死ねただけ儲けもんだと思ってくれ……
「しかし、セレナの奪還で魔王と戦闘になるとは……本当に念入りに準備をしてよかったな」
「そうだな。まぁ、それでも運良く勝てただけなんだけどさ……」
そう言えば、記憶が戻ってからのプロポーズは逆ギレで流れてしまったし、そこら辺も仕切り直しになるのだろうか?そう言う事なら、あたしから先手を打っても良いのかな……
「か、カズマさんの腕の件なんですけど、こうなってしまったのは全て私の責任……やはり、ここは嫁いででも一生面倒を見るべきで……」
「『ヒール』!あっ、腕ならもう生えたから気にしなくて良いわよ?」
ウッソだろ?!腕ってそんなニョキって生えんの?!女神のヒールとんでもねぇな?!
「良かったですねセレナ。これでこれからもプリーストが続けられますね!」
「あぁ、カズマのことは気にしないで、セレナは信仰を貫いてくれて良いぞ!」
「お二人とも分かってて言ってますよね?!良いんですねカズマさんの前で腹黒がバレても?!」
「「お前が言うな!」」
嘘バレてた?!
「ったく、お前らこんな時にまで喧嘩すんなよ。募る話はきりがないだろうし、今日はもう帰ろう。俺達の居場所にさ?」
「はい、帰りましょう……私達の、アクセルに!」
………………………………
「サトウカズマ殿、貴君は我らが悲願である魔王討伐を成し遂げた。そして、更には魔王により邪悪に堕とされた女神ウォルバクを元の清く美しき女神に戻し、諜報員として使役されていたプリーストのセレスディナ嬢の奪還にも成功した。両名は魔王の洗脳により幹部として働かされていたこともあり、これは幹部の2名同時の無効化とも言える。貴君の活躍は過去に例のない偉業であり、この場をもって貴君を勇者として讃えたい!」
「いやスゲーなそれ……」「流石に凄すぎないか?」「どれか1つでも英雄モノの功績じゃない……」「それ1日で全部ってどうなってるのよ……」ヒソヒソ
魔王軍との戦いは終わった。あたし達は国王の前に並び、その偉業を称えられている。まぁ、あたし達に都合の良い報告を足したので、ちょっと偉業が行き過ぎている気もするが、結果は同じだし貰っておこう。貴族なんざに持たせても、ろくな事に使わないしな。
「サトウカズマ殿には上級貴族の地位と地位に相応しいだけの領地を。そして、そのパーティーには賞金15億エリスを与えるものとする!良くやってくれた!君達の貢献はこの国の歴史に長く刻まれることだろう!」
「あ、ありが………」
「やった!やったわねカズマさん!15億なんて一生遊んで暮らせるわよ!もういっそアルカンレティアの一等地に家でも建てましょうよ!」
「ちょっとアクアさん!王様の前ですよ?!」
あとアルカンレティアはあり得ないって!
「いや構わないさ。本物の水の女神様の前には、王位など些末な立場でしかないのだからな……」
嘘だろ?!ここに来て国王がアクアを認めたのか?!こんなのが女神って認められるなんて、なんて器がデカイんだ国王!
「以前こちらに降臨されたエリス様に「あぁ見えてちゃんと本物ですから……アクシズ教徒を見てもらえれば分かると思いますので……」と教えていただいたのだ。言われてみれば、アクシズ教徒がアレで女神が普通なはずも無いのかと……」
「あぁ……やっぱり王家も手を焼いているのですね……」
あの異常な軍団には、あたしらも相当手を焼いたもんな……
「取り敢えず今日はお祝いよ!アクセルの1番良い店に行きましょう!貸し切りで皆を招待するの!アルカンレティアのプリーストもちゃんと呼んでね!」
「流石にそれはやり過ぎですよ……テレポート便も安くは無いですし、そこはギルドで適当に……んっ」
アクアの提案に突っ込むあたしの口を、カズマの人差し指が塞いだ。その表情があまりにも悲しそうで、あたしはその先の言葉が出なかった。まぁ、カズマが良いなら何も言うまい。その賞金はお前のものだからな。
「そうだな。やっとアクアが本物だって分かって貰えたんだし、今日は街中を巻き込んで祝ってやるか!金なら沢山あるからな!」
「うん!それじゃ、テレポート便で向かいましょう!今日は朝まで飲むわよー!」
………………………………
「じゃあ、カズマさんの魔王討伐と、アクセルの無事を祝して!!」
「「「「乾杯!!」」」」
アクアの誇らしげな音頭により、アクセルの街ぐるみの宴会が始まった。街中の子供や商人、さらには衛兵隊まで集まってきたのは、多分カズマ達の人徳……ではなく、全額奢りのファンサービスの賜物だろう。取り敢えず人が集まって何よりだ。綺麗所の女性冒険者が居ないのは、まぁ予想通りとしておこう。
「おめでとうございますカズマさん!今後もアクセル冒険者ギルドのお仕事は続けてくださいね!」「お前の先輩として誇らしいぜ!」「おめでとうサトウカズマ!僕も同郷として鼻が高いよ!」
「ありがとう皆!ギルドは辞めないけど無茶なクエストはもうしません!ダストはなんも教えてくれてないけどな!お前は素直にありがとなカブラギ!」
「ミツルギだよ?!最後の最後で君ってやつは!」
魔王を倒したにも関わらず、カズマの友好関係には全く変化が見られない。あんだけ幹部を倒しても変わらない所を見るに、こういうのが信頼で紡がれた関係ってやつなんだろう。ほんの少し羨ましい。魔王軍にはそんなもの無かったからな。
「いやはや、なんとおめでたい!まさか本当に勇者になるとはな!」
「おめでとうございますカズマさん!遂に成し遂げたんですね!」
「本当におめでとう!ごしゅ……カズマくん!」
「お、おぅ……お前らは魔王討伐に対して、そんな屈託のない笑顔で良いのか疑問だけどな……」
このバニル、ウィズ、ウォルバクの反応に関しては、流石に薄情過ぎるような気もするな。魔王ってそんなに信頼されてなかったのか……あと、ウォルバクはまだ引っ張られてんのかよ……
「改めておめでとうございますカズマ。ダクネスと話し合ったのですが、私達の報奨金はカズマに預ける事にしました。今後も一緒なんですから、カズマが責任持って管理してくださいね?」
「あぁ、これからも私達は一緒だ。だから、そんな悲しい顔をするな……」
「めぐみん……ダクネス……」
あぁそうか、アクアはカズマの特典としてここに居るんだ。あいつがこの世界にいる理由を、カズマがその手で終わらせてしまったのか……
「アクア様!魔王討伐おめでとうございます!」「本日は心ゆくまでお楽しみください!」「アクア様、こちらのお酒も是非お試しください!」
「どもども〜!これからも私をよろしくね〜!」
信者に囲まれ、チヤホヤされながら馬鹿みたいに飲みまくっているアクアではあるが、それでも酔いが回っているようには見えない。あいつがこの状況で酔えない理由があるとしたら、そんなの1つしかありえないだろ……
「……帰るのか?アクアのやつ」
「………あぁ、魔王を討伐したから、この世界に残る理由はなくなったよ。だから、あいつがこの世界に居られるのは今夜までだ……」
なるほど、だからこんなに表情が暗いのか……いつも迷惑ばっかりかけられていようが、大切な仲間に違いはないもんな……
「気を落とすなよ。カズマはアクアの導きで魔王討伐を成し遂げたんだろ?きっとアクアは、神様連中にもドヤ顔で自慢するさ。そりゃもうウザいくらいにさ……」
「あぁ、目に浮かぶな……それで、セレナの所にレジーナからクレームが来るんだろ?こんなの天界に返してくるなってさ?」
「エリス様も忙しくなるな……こんな騒がしい先輩が帰ってきたら、きっと気苦労も耐えないだろうさ……」
「そのうち、カズマのところに返品されるかも知れませんね…その時には、笑って家に招いてあげましょう?帰る場所が無いのは、きっと辛いですから……」
「そうだな。ちゃんとあいつの帰る場所を残してやろう。あの駄女神が、いつ追放されても良いようにさ……」
残念だが、きっとそんな事はおこらないだろう。それなら今まで女神なんて続けられる筈がない。でも、そんなあたしの中に浮かぶ当然の推測も、今だけは胸にしまっておこう。アクアが居なくて寂しいのは、あたしだって同じなんだから……
「あっ!セレナセレナ!負けっぱなしだった飲み比べ!今日こそ勝てる気がするからリベンジよ!」
「ですってよ?ほら、介抱役が居なきゃ困ります。最後の一瞬まで、アクアさんの相棒で居てあげてはどうですか?」
「セレナ……そうだな。アクアは、俺の相棒だもんな!」
大丈夫。例えアクアがこの世界を去ったとしても、お前の隣にはあたしが居る。だから、今はアクアとの最後の時間を楽しめよ。今だけは、あたしより優先しても良いからさ……
「さぁ!勝負よセレナ!」
「えぇ、望むところです!!」
でも、勝負とカズマは譲らないけどな!
………………………
「………帰ったのか?」
「あぁ、また必ず会いに来るってさ……」
翌朝、飲み屋の席で目を覚ました時、意識があったのはカズマだけだった。どうやらあたしら全員を酔い潰して、最後の最後に二人の時間を作ったらしい。まったく、素直じゃない女神様だな……
「アクアに、ちゃんと別れは言えたのか?」
「俺と飲んでたら酔いやがってさ?それどころじゃ無かったよ……」
困った表情で普段通りを演じるカズマだが、本当は寂しくて泣きたい筈だ。こういう時こそ、あたしが胸を貸すべきだろう。仲間としても、恋人としても……
「強がらなくて良いって……ほら、あたしの胸に……ん?」
なんかカズマから酸っぱい匂いがするような?と言うか、カズマのシャツが不自然に濡れて膨らんでいて……
「カズマ?ひょっとして……アクアのやつ最後の最後で……」
「あぁ、あいつ最後の最後で人のシャツの中に盛大に吐きやがった……最後くらい美しく終われねぇのかよ……あのクソ女神……」
マジかよ……最後の最後でそれはねぇよ……そりゃ悲しさも半減するわ。なんなら殴り合って喧嘩別れするわ……
「本当に、最後までアクアはアクアだったよ……」
「………カズマ」
でも、だからって寂しくないなんて事はない筈だ。そうなんだろ?アクアと同じで、素直になれないカズマはさ……
「よし、家に帰るぞ。ゲロまみれの英雄なんて、街の連中に締まらねぇもん見せる訳には行かないしな………それに、シャワーを浴びてる時なら、声も涙もわからないだろ?」
「………あぁ……そうだな」
まったく、やっぱり泣きそうなんじゃねぇか……ほんと、最後までお似合いの相棒だったな……
……………………………
「少しは落ち着いたか?」
「まぁ、気持ちの整理は付いたかな……」
「そりゃ良かった。このまま落ち込んでたら皆が心配するからな……」
長いシャワーを済ませたカズマとあたしは、カズマのベッドに並んで寝転んでいる。ほとんど徹夜した後だからとか、カズマを慰める為だとか、理由なんて探せばいくらでもあるだろう。でも、今のあたし達にそんなモノは必要ない。好きな人の側に居るのに、野暮な理由なんて要らない。
「……セレナは、もう何処にもいったりしないよな?」
「あぁ、もう何処にも行かない。あたしの居場所は、カズマがくれたから……んっ」
まるでそうすることが自然かのように、あたし達はどちらともなく唇を重ねた。カズマの心をいつまでもアクアに縛らせてなんてやらない。これからカズマと一緒に歩むのは、これから相棒と呼ばれるのは、このあたしなのだから……
「それでさ……こんなタイミングで求めたら、やっぱり軽蔑する?」
「アクアとの別れの直後だからってか?俺がそんなに繊細な訳無いだろ。それに、我慢してたのはセレナだけじゃないんだぞ?」
「えへへ…そっか…」
似た者同士というのは、どうやらあたし達にも言えることらしい。アクアとの別れは悲しいが、それを理由に欲望が衰える事はないようだ。まったく、本当に節操がないよな。お互いに……
「結婚しようセレナ。ちゃんと籍を入れて、正式に俺のものになってくれ。プリーストは辞めなくても良いってからさ」
「ふふっ、ちゃんとプリーストも辞めてやるよ……そもそも、誰が辞めなくても良いなんて言うんだ?そりゃ書面上拒否はされないだろうけどさ……」
だが、それでプリーストを続けるなんて聞いたことがない。法が許したとしても教会が、表向き神がそれを許さないからで……んっ?
「おい待て?そう言えばシレッとレジーナ様の加護を使ってたよな?あたしは祝福してねぇし、入信書の書き方も知らない筈だよな?」
「そこは本人が認めてくれたからな。セレナを心から大切にしている同志だ。信じないなんてあり得ないだろ?」
「本人って……レジーナ様本人が認めたって言うのかよ?!」
「おう!」
するする
いやいやいや?!それあたしに取っちゃ大ニュースなんだけど!そんなパンツ脱がせながら言うことじゃねぇんだけど?!
「そこら辺の詳しい話はピロートークでしてやるよ。ほら、もうこんなにトロトロじゃんか……」
ぐちゅ…
「そ、それは……だってぇ……」
うぅ…レジーナ様の件は凄く気になるが、そんな硬いの押し当てながら聞くのはズルいだろ……もう、本当に我慢の限界なのに……
「ほら、どっちが先だ?レジーナの話か、こっちが先か……」
「じゃあ……先にエッチしてか……」
「よしきた!」
ズプンッ!
「はぁん!!」
ビクンッ!
あたしが最後まで答えるより早く、カズマの硬いものがあたしの中に押し込まれる。愛撫もなく強引な挿入だと言うのに、情け容赦なく乱暴に……
「ったく、どんだけ期待してたんだ?アッツアツのトロットロにしてさ!」
ぐぷんっ!
「んんっ!な、なんでそんな意地悪な抱き方なんだよ…いつもはもっと優しく……あぁん!」
「勝手に居なくなったお仕置きに決まってんだろ!御神体からもきっちり躾けるように言われてるからなぁ!」
「な、なんでそこでレジーナ様が……あぁん!」
意地悪をされているのは分かってる。でもあたしの身体は、心は、カズマに抱かれているだけで満たされてしまう。例えどんなに乱暴だろうと、もしそこに別に意味が含まれていようと、そんなの気にならない程に、カズマのことが欲しくてたまらない。
「俺は本気で心配したんだからな!二度と離れられないように、マジで子供作ってやるからな!」
「ごめんなさい!もう……本当に離れたりなんて……んんっ!」
弁明しようとしたあたしの唇は、カズマの唇で強引に塞がれた。あぁ、きっとカズマは本気だ。本気であたしの事を心配して、そして本気であたしの事を孕ませようとしているのだ。その言い訳が、あたしの身勝手な行動だっただけで……
「でも良いよ……カズマの子なら産んであげるから……だから、何があっても辞めないで……今だけは……あたしだけを本気で愛して!」
「あぁ!ずっと本気だよ!魔王軍幹部だろうと!ダークプリーストだろうと!俺が本気で愛した女は、ずっとセレナ一人だ!」
あぁ、なんだこの多幸感は……この不器用で乱暴な愛情表現に、あたしは本気で堕ちてしまう。ごめんなさいレジーナ様……もし貴女に会えたら、ちゃんと直接謝ります。あたしは今日、プリーストを辞めますって……
「いや、別に辞めなくても良いわよ?プリースト」
「…………へっ?!」
ちょっ、なんでここにレジーナ様が?!
「ちょっ?!カズマストップ!今は本気でストップ!」
「何があっても辞めないでって言ったよな?良い機会だ……レジーナから本気でセレナを寝取ってやる!」
「ちがっ!プリーストとの同衾は寝取りとは……んんっ!」
「おぉ……あのセレナがメス顔を……これがカズマのポテンシャル……」
カズマのバカ!なんで辞めてくれないんだよ!なんでレジーナ様の前で抱き続けるんだよ!どうしてあたしの身体はこれを拒めないんだよ!もう、これ以上は……
「あぁ!もう駄目……本当にもう……だめぇ!!」
「くっ!俺ももう!」
ビクンッ!ドクンッ!
「私の前でセレナが………これが……これが寝取られなのね!!」
うぅ、何言ってるんですかレジーナ様……違いますから…それ絶対になんか違いますからぁ!!
…………………………
「久しぶりねセレナ?」
「お、お久しぶりです……レジーナ様……」
息を整えて服を着たあたしは、カズマのベッドの上でレジーナ様と向き合っている。何故ここに居るのかとか、どうしてあんなことをしたのかとか色々と聞きたいことはあるが、この状況ではなんて聞けば良いのか分からない……
「感動の再開だろ?ほら、もっと話したいこと話せよ?」
「誰のせいだと思ってんだよ?!レジーナ様の前で思い切り逝かせやがって!あんなの見られて話なんて出来るか?!どう考えてもカズマが悪いだろ?!」
ブンブン!
「おい辞めろ首をガクガクするな。根本原因は全部セレナだろ?」
ガクンガクン!
「だとしても他にやりようがあったよな?!どうしてあんな……」
「それは、私がサトウカズマを支援する条件だったからです」
「えっ……レジーナ様が?と言うか、信者の痴態を見て楽しむ趣味が?!」
どうしよう!まさかここに来て信仰が揺らぎつつあるんだが?!
「か、勘違いしないように!別に痴態を楽しませろなんて条件は出していないわ!セレナへの気持ちを、嘘偽りない本気の気持ちを私に示せと言っただけよ!」
「と言われたので、これはもう本気子作りエッチで良いのではと思ってな!」
ぐっ!
「そのドヤ顔サムズアップを辞めろ!もっと他にあったよな?!そもそもあたしのための魔王討伐で、十分愛は証明できたよな?!」
「「………あっ」」
あっ、じゃねぇよ!魔王討伐をなんだと思ってんだ?!そう言う固有名称のレアモンスターだとでも思ってんのか?!
「ま、魔王討伐なんてお金の為かも知れないじゃない?でも、ラブラブ子作りなら間違いなく愛の証明な訳よ?べ、別に愛を示せとか言ってみたけど、証明方法を考えてなかったとかじゃ無いのよ?」
「絶対に考えてなかったですよね?!」
どうしよう!うちの女神様も結構なポンコツだった!
「まぁまぁ、レジーナ達のお陰で今の俺たちがあるわけだろ?それに、レジーナがセレナの幸福を最優先にしてたのは本当だぞ?」
「そ、それはそうかも知れないけどさ………」
でもそれを理由にするのは流石にズルい。カズマとの幸せな未来の代償なんて言われたら、レジーナ様に逝くところを見られても文句が言えないじゃないか。そりゃあたしだってレジーナ様達には感謝して………達?
「おい待て、達って何だ?」
「えっ?!あぁ……ほら、やっぱりセレナ経由じゃないとあの反則じみた強化にはならなくてさ?女神様の加護を重ねがけしてて………」
あぁ、そう言えばアクアとエリスの神罰の一撃を放ってたな。それも相当な威力で………
「おいカズマ?お前その女神達にナニをした?普通に補助魔法を受けただけじゃ、あのレベルの強化にはならなかったよな?」
「そ、そんな筈ないだろ?!俺のセレナへの想いを後押ししてくれた女神達なんだぞ!心から信じない筈がないだろ!」
「………記憶もないのに?」
「そ、そこは心の力と言うか……理屈じゃない愛の力って言うか……なっ、そうだよなレジーナ?!」
「そ、そうですよセレナ!カズマは浮気なんてしてませんよ!本番はなしだったので安心してください!」
「あっ!馬鹿!」
へぇ、本番は……
「はぁ……ったく、今回はあたしの落ち度が大きいこともあるし、記憶を消したのもあたしの責任だ。あたしのことを覚えてないうちにやらかした事は、全部水に流してやるよ……」
「さ、流石はセレナ!あいつらだったらこうはいかないな!ありがとう!本当にありが………はっ?!この感覚は!」
よし、傀儡化成功!
「水には流しますが、私に隠し事なんてしませんよねカズマさん?それで、レジーナ様には何をしたんですか?」
「いやその……初めて会った時は居酒屋と風呂屋の番頭を掛け持ちバイトしてたこともあり、貧乏なら扱いやすいと金の力で協力を要請しました……」
「ちょ?!何を言うのですサトウカズマ!私は別に貧乏なのではありません!セレナを見守るためにやっていたのです!ついでに馬小屋生活を脱却するために仕方なくで!!ちゃんとセレナの為に協力したと言うのです!」
いや、それは貧乏だし、むしろあたしがついでになってねぇか?
「でも、やっぱりそんな幸薄そうな女神を心から信じることなんて出来ず、セレナとの猥談に興味津々だったのを良いことにチ○コを差し出したら驚くほどに従順に口で奉仕をして、そのまますんなり後ろの穴へ……」
「おぉい!直ぐに辞めるのですサトウカズマ!これ以上私の品位を貶めるのは許しません!違うのですセレナ!私は別に猥談が好きなのではありません!ただ可愛いセレナがどんな生活を送っているか気になっただけなのです!どんな愛され方をされてるのか気になり、つい後ろを許してしまっただけなのです!この身は清らかな処女ですから!」
ドスケベ処女ビッチじゃねぇか……処女判定がカズマと同レベルだし、これがあたしの信じてた女神かよ……
がちゃ
「カズマくん居る?例の旅館経営の件で話があって……あら、やっと顔を見せたのねレジーナ!」
「ウォルバク?!いや、それは確かにその通りなのですが、今来られるとちょっと都合が……」
既にレジーナ様の件でお腹いっぱいではあるが、レジーナ様のこの反応は怪しい。いや、まさか……
「おいウォルバク。お前もカズマに加護を与えたな?何かしらの対価を提示されて、いかがわしい要求をされたんじゃねえのか?!」
「な、何を言い出すのよセレナ!カズマくんは記憶が消えてるのに貴女の事を想い続けたのよ?!それを知ってる私がそんなことするわけ無いでしょ!」
「そ、そう言えばウォルバクはあたし達のこと応援してたんだもんな……疑って悪かったよ……」
そうだよな。こいつは恋愛脳なだけで別に尻軽でもド変態でも無いもんな。あたし、仲間を疑うなんてどうかしてたな……
「まったくよ!カズマくんが浮気に走らないように、定期的に胸で抜いてあげてた私を疑うなんて!セレナってば常識無いのかしら!」
「おいふざけんなこの非常識野郎!それが浮気っていうんだよ?!なんでそれであたしを非常識とか言えんだよ?!」
やっぱりコイツも色々駄目じゃねぇか!ろくな女神が居ねぇぞこの世界!
「浮気じゃないわよ!浮気の定義は性行為だもん!胸で赤ちゃんはできないもん!」
「なんだそれ?!誰がそんなクズみたいな事を……」
「………」プイッ
お前かカズマ……
「………話してくれますよね?」
「む、胸を押し付けながら「セレナと俺を繋ぐためなら何でもする!」って言うからですね……ほら、溜まってると男って浮気するじゃないですか……だから浮気じゃない方法でスッキリさせて欲しいなって……」
えっ、なんだこのクズ?あたしこんなのに惚れてたのか?!欲望に忠実なのは知ってたけども、流石にこれはクズが過ぎる!
「おい待て!まさかアクアとエリスにまでとんでもない要求してねぇだろうな?!国の主神にまで手を出してねぇだろうな?!」
「も、勿論なにも……」
くそっ!傀儡化の効果が切れつつあるから分かんねぇ!でも、流石にこいつもアクアやエリスにまでは……
がちゃ
「ごめんねカズマさん……来ちゃった……」
「あ、アクア?!お前、どうしてここに?!」
いやこれやってる!アクアがそんな恋する乙女みたいな顔するはずねぇし、なんか彼女みたいなこと言ってるし!と言うか再会が早過ぎるし!!
「あ、アクアさん?貴方はカズマさんに何をされたんですか?ひょっとして、カズマさんと関係を……」
「うん……セレナを裏切るみたいで悪いんだけどね……私、カズマさんに初めてを捧げてて……」
嘘だろ?!まさかアクアのやつがここで一番のライバルに?!
「私のファーストキスを捧げたのだから、私はここで責任を取って貰っても良いと思うの……それで、天界の仕事を投げ出して来ちゃったの……」モジモジ
「あっ、お疲れ様ですアクアさん。知ってると思いますがお帰りはあちらです。帰って仕事してください」
「なんでよぉ〜?!」
いやお呼びじゃねぇんだよ!今の状況でチューしたからとかお呼びじゃねぇんだよ!後の不安要素はエリス神だけだが、流石に国の主神が来るなんて事は……
「あら、皆さんお揃いで何をしているのですか?」
本人来ちゃったよ?!しかも普通にドアから入ってきちゃったよ!主神としてそんなお気軽で良いのか?!と言うかここに女神が4人も居るんだが?!
「あ、貴女はエリス様ですよね?まさかとは思いますが、カズマは貴女にまでゲスな事を……」
「い、いえ……ゲスではないですけど……やる気の出ることを言って欲しいと頼まれたのでその……魔王倒したら処女をあげても良いと……」モジモジ
限りなくアウトに近いセーフが来た!まだ手は出してない訳だし、ここは報酬は不要ということでお帰り願うしかねぇ!
「十分ですから!そのお気持ちだけでコイツには十分ですから!今日のところはお引取りください!」
「えっと……でもあの時のカズマさんは私のこと愛したいって……」
いやそれは記憶を消したあたしが悪いんですけども!でも流石に国を敵に回したくないですから!
「記憶が無かったとはいえ、俺は皆に欲望の限りを尽くしてしまった……ごめん!全部俺が悪いんだ!責めるなら俺だけにしてくれ!」
いや何いってんのコイツ?!本命のあたしの記憶が有る無し関係なく、普通に騙してエロい事したのは人としてお前が悪いだろ?!
「か、カズマ……そんなに自分を責めないでください!私も少し魔が差したのです!」
「そ、そうよ!カズマくんの手が忘れられなくて身体の関係を望んだ私にも責任はあるわ!」
おいこらクソちょろ邪神共。お前らそれで神様務まると思ってんのか?!
「わ、私はほら……相棒でずっと一緒にいる訳だし、カズマさんが欲望に負けるのも仕方ないかなって………」
「アクアのキスに関してはマジですまん。全然ステータス上がらなくて、結局他の女神で穴埋めしてすまん!」
「なんでよぉ〜?!」
あっ、流石にこれは可哀想だな……
「それと、エリス様の気持ちは凄く嬉しいんですが、やっぱり俺はセレナが1番大切なんです。だから……」
「だから、私だけ愛してくれないのですか?」
えっ?なにその露骨な上目遣い?!まさかそっちも満更じゃないのか?!
「………女神直々の報酬を受け取らないのはむしろ失礼って可能性ない?」
「ねぇよ!」
くそっ!こんなことになるなら記憶なんて消すんじゃなかったよ!なんで人外にはモテるんだこのクズ野郎は!
「カズマさんの所に嫁げば、お金もあるし間違いなく甘やかしてくれそうですのに……ちぇ…」
いやなんか違った!エリスも実は邪神なんじゃねぇの!
「む、むしろ私としては大歓迎だ!セレナ、要らないならカズマを譲ってくれ!」
「おっとダクネス!私もそんなカズマを受け入れています!セレナが折れたからって、ダクネスのモノにはなりませんよ!」
「べ、別に折れてねぇし!記憶があればあたし一筋だから問題ねぇし!」
というか、いつ来たダクネスとめぐみん!
「おい待て皆!ひょっとしてこれ……ワンチャンハーレムエンドありか?!」
「「「「「「「調子に乗るな!!」」」」」」」
「あ、ごめんなさい…」
顔面ドロップキックから始まったカズマの争奪戦は、女神まで巻き込んで今も続いている。カズマがモテているのか、それともただこんな日常が楽しいのかは分からないが、あたしの日々から孤独と言う言葉は消え去った。今では浮気もしてないし、この生活も悪くないと思い始めている。
……………
「こんな騒がしいやり方にはなりましたが、魔王討伐の願い「セレナが二度と孤独にならないこと」は、しっかりと受理されました。勇者カズマと、その愛する仲間たちに寂しい日々は二度と訪れないでしょう。ところでエリス様、アクア様、早く帰ってきてくれませんか?天使のこなせる書類数じゃないんですよコレ!ちょっ!何が電波が悪いだこら!お二人共バカンス気分で残る気で……切られたぁ!!」
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
元々「女神から寝取る」とか、背教者ネタをやりたくて書いた別連載もこれで終わりです。いや最終話はカズマのクズネタを詰め込んでいたらこんな遅くなりました。ごめんなさい。これでも半分くらい削ったんですが……
ということで、次はウォルバク編をちょこちょこ書いてます。では、またどこかで!