※この作品はR-18です。

この孤独な闇職者に福音を   作:熱心なエリス教

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いつも私の妄想にお付き合い頂きありがとうございます。

関係は掻き回されるだけ面白いと言うクソ理論。ということで、更に関係を酷いことにします。なお、まだ恋人にはなっていませんのであしからず。

と言うことで、またお暇な時にでもお付き合いください。


この奥手な二人にきっかけを

カズマ籠絡作戦。それは魔王軍の天敵、サトウカズマを手玉にとり、あたしに対して無力化することを目的とした作戦であり、上手くやればこちら側に引き込めると言う実に重要な作戦だ。まぁ、こんな童貞拗らせた奴なんて、あたしがちょっと惑わせば余裕で何とでもなると思っていた。思っていたのに……

 

「私、実はカズマさんが気になってて…お金あるし……」「カズマさんって、夜はメチャクチャ上手だって噂が…お金もあるし……」「お金もあるし、家事も出来るし、しかも夜も凄いって聞いて……」

 

「「「どうしたらカズマさんの気が引けますか!」」」

 

「えっと…ではこの恋愛成就のお守りなんてどうでしょう?カズマさんも同じのを持っておりますので、自然と意識するキッカケになると思いますよ?」

 

「それください!」「私も買うわ!」「私は3つください!」

 

「はい。ありがとうございます………やべぇ、地味に競争相手多いなアイツ…理由が金なのが切ねぇけど…」

 

特にクエストもない平日。あたしはギルドで相談所を営んでいる。これは信仰を広めると言う表向きの目的を果たしつつ、街の情報を集めることが出来るじつに都合のよい副業で、魔王軍の活動としても良くやっていた。だが、アクセルでは少しばかり状況が違う。

 

「はい次の方……」

 

「お、お友達が欲しいのですが……」

 

「……またですか?」

 

この平和な街では、訪ねて来るのはこんなのか恋愛相談ばかり、ろくな情報は集まらず、男共のオカズランキングだとか、カズマが地味にモテているとか、カズマのやつがロングヘアー好きとか、そんな要らん情報ばかり集まっている。まぁ、髪は伸ばしてやらなくもないけど……

 

「よぉセレナ。今日も性が出るな?」

 

「か、カズマさん?!そ、そそそそりゃ本職ですし?!ひ、人と話すのは得意ですから?!」

 

「えっ?それ話すのが得意なやつの反応じゃないんだけど……」

 

うるさい!昨日あんな事した癖に余裕ぶりやがって!夢だって割り切れるやつは良いよな!いや、抱かれたとか嘘付いたあたしが言うことじゃねぇけどさ!

 

「こほん……それで、何か御用ですか?カズマさんの相談なら、別に帰宅してからでも受けられるのですが……」

 

「ちょっと急ぎで確認したくてさ。この街に賞金首が居るって噂を聞いたか?」

 

「えぇ、賞金首の居場所を占えないかと言う相談を受けましたよ?顔も名前も不明なのに、何度も騒ぎを起こしている重罪人だとか。流石にそんな好都合な占いは出来ないと断りましたが……本当にそんな方が居るのですか?」

 

そもそも相手の顔が分からないのに賞金首ってのも変な話だ。それじゃ遭遇しても確認しようがない。と言うか、その話を聞いているあたしが賞金首だしな。

 

「それが、今回の件はかなり信憑性があるんですよ。そこで、カズマさんに依頼を出させて貰ったんです」

 

「成程、ギルドからのご指名でしたか……」

 

あたしらの話に割って入ってきたのは、ギルドの受付嬢のルナ。アクセルのギルドではそれなりの立ち位置に居る人間で、コイツが関わると言うのはこの依頼が眉唾でないことを物語っている。あと、こいつも異様に胸がでかい。どんだけ見せ付けんだって服着てる上にスゲーでかい。痴女なのか?

 

「セレナさんはカズマさんのパーティーとは思えない程に良識的で優秀な方ですし、もしご協力頂けるなら特別報酬も用意します。是非、調査にご協力をお願いできないでしょうか?」

 

いや、あのレベルと比較されてもな……まぁ、外面を良くするなら、形だけでも手は貸した方が良いか……

 

「相談所のスペースもお借りしてますし、私に出来ることなら協力します。でも、そこまで情報が無いと……」

 

「ありがとうございます!私もそんなに詳しくは無いのですが、最近王城から宝具が盗まれたそうなのです。その犯人がアクセルに逃げ込んでいるとのことで、その犯人を捕まえたいと……」

 

「王城からの窃盗ですか、そうなると犯人は…」

 

「はい。ギルドも衛兵隊も、銀髪盗賊団の仕業と踏んでいます」

 

銀髪盗賊団。悪徳貴族から盗みを働き、貧しい奴らに与える義賊と言われているあいつらか……あたしも存在は聞いたことがあるが、それがなんでアクセルに?

 

「しかし、銀髪盗賊団の活動範囲は、基本的に悪事で私腹を肥やす貴族達の居るエリアです。アクセルはダスティネス卿の庇護下に入ってからと言うもの、そのような犯罪は殆どなく、ここを訪れる筈が無いと思うのですが……」

 

「それが、盗まれた宝具の入れ物には追跡の魔法陣を書いていたらしく。その最後の反応がこの街なんです。なので、取引をするならここでは無いかと、王都から検察官の方が派遣されていまして……」

 

「うげっ…それもう嫌な予感が……」

 

えっ?なんでカズマが嫌がるんだ?そこは普通あたしみたいなのが嫌がるところじゃ……

 

バターン!

「サトウカズマさん!ここに居ますか!」

 

「はいぃ!!」

 

ギルドのドアを勢いよく開け放ったのは、三角メガネの性格キツそうな女検察官。こいつは王都でも評判の凄腕で、名前は確か……

 

「セナさん!お疲れ様です。お早い到着ですね」

 

「えぇ。友人にも会えるので少し張り切ってしまいました。カズマさんがギルド側の協力者とのことで、今日からご協力お願いいたします」

 

「お、お願いします…でも、出来たら大声で名前を呼ぶのは勘弁してくれると……トラウマがあるので…」

 

「あっ、すみません。カズマさんの名前を呼ぶ時は、ついついこんな感じになってしまいまして……」

 

そうだ。このセナって検察官にカズマは死刑にされかけたんだよな。それで良く協力するよなお前……

 

「それで、俺に頼みたいことってなんですか?」

 

「カズマさんには、秘密裏な捜査をお願いしたいんです。私では目立ちますし、そういった小細工が得意だと思いまして。また、もし犯人が実力行使で来た場合には、護衛もお願いしたいと考えております」

 

「小細工が得意と思われているのは切ないですが…自分の街の平和のためですからね!喜んで協力させて貰いますよ!」

 

「はい。よろしくお願いします!」

 

一見朗らかに見えるカズマと検察官だが、あたしにはどうもカズマが無理しているように見える。カズマの性格からすれば、自分から首を突っ込むのはおかしい。と言うか、自分を死刑にしようとした女に関わるのは普通じゃない。

 

「おいカズマ。なんでお前がこんなのに協力するんだよ?あたしみたいに外面良くしたいわけでもないなら、普通に断ればいいだろ?」(小声)

 

「ばか!これで断ってめぐみんとかダクネスに話がいってみろ!あいつらが首を突っ込めば、間違いなく俺が損をするだろ!」(小声)

 

いや、流石にそんな馬鹿な………いや駄目だ。もうそんな未来しか見えない!誰が関わってもろくでもない結末しか予想出来ない!

 

「それに、銀髪盗賊団は魔王軍に手を貸したりしない。だから、盗んだのが銀髪盗賊団なら、その理由を確認したい」

 

「……そうかよ。まぁ、それならあたしが手を貸してやるよ。面倒見て貰ってるしな?」

 

「あぁ、それはスゲー心強いよ!」

 

よしよし、これで外面だけでなくカズマの信頼も獲得できたな。上手くやれば宝具の奪還もできるし、この仕事は受けて損はないな。

 

「初めましてセナさん。私はセレナ。今はカズマさんのパーティーへ仮加入しております。お世話になっている街のため、私もお手伝いさせてください」

 

「ありがとうございます。では、一応確認をさせてください。今回奪われたのは魔王軍との戦いにも使える宝具でしたので、一応魔王軍の関与も考えられます。お二人は魔王軍の関係者ではないですよね?」

 

「「あっ、それは勿論です!」」チーン

 

あっ、やっべ。そんな魔導具あったな!

 

「…………今のは、どっちに反応したのでしょうか?」

 

「カズマさんは、既に魔王軍幹部をあんなに倒しているお方です。もはや悪い意味で関係者なのではないでしょうか?まぁ、関わっていたとしても、相手は亡くなっているでしょうけど?」

 

「お、おぉ!そういうことか!確かに敵対したり交渉したりしてるもんな!他人じゃないよな!相手は死んでるけど!」

 

よしよし、カズマは察しが良くて助かるな。多分反応したのはあたしもだが、これなら疑われることはないだろう。ウィズは間違いなく死んでるからな。

 

「相手が死んでいると言う点に反応なし……なるほど、以前のあれもそういう意味でしたか…」

 

「いや〜俺もなるべく戦いたくないですからね。出来ることなら平和に済ませたいじゃないですか?俺は博愛主義者(チーン)なので……」

 

いや、お前なに余計なことしてんの?馬鹿なの?

 

「………すみません。もう一度良いですか?」

 

「我が身可愛さに、戦いたくなかっただけです……」

 

「はぁ……変な見栄を張らないでくれますか?」

 

「……す、すみません」プルプル

 

うん。これはダセェわ。これにやられたアイツラが浮かばれねぇわ。

 

「セレナさんの方も魔王軍とは無関係という事で良いですか?」

 

「私は、魔王軍に心臓を刺されてここに来たんです。無関係とは言えませんが、出来れば追求しないでくれると……」

 

「そ、それは配慮が足らずすみません!なるほど、それでアクアさんの居るパーティーに居るのですね」

 

今だけは、あの暴走した馬鹿に感謝だな。この事実があれば、魔王軍の関係者と疑われることはないだろう。だが、アレだけの治癒力を認められているのに、なんで女神と信じてもらえないのかねアクアは……

 

「では、早速ですが本題です。これからお二人には指定の場所から情報を集めて頂きたいのです。その場で逮捕できるのが理想ですが、そちらは衛兵に通報でも結構です」

 

「それなら、最初から衛兵が動いたほうが確実な気がするのですが……」

 

「残念ながら、彼らに目立つなと言うのは少々無理がありまして………なので、あなた方への依頼は秘密裏に行っています。もし衛兵に捕まっても、その場では助けられませんのであしからず」

 

なるほど、あえて衛兵を囮にしてあたし達で裏をかくと……最初から衛兵に情報を渡さない辺り、この検察官はマジで頭がキレるようだ。警戒しておいた方が良いな。

 

「しかし、丁度男女お二人なのは助かりました。今回の取引先はここなので、男女二人だと好都合です!」

 

「へぇー、そんな場所が……えっ?」

 

ここ、ご休憩メインの宿なんじゃ……

 

「やります!ヤラせてください!」

 

「ちょっ?!カズマさん!なんか文字おかしくなかったですか?!」

 

お願いされてもヤラせねぇよ?!

 

……………………………

 

「ったく。二つ返事でオッケーしやがって、あたしがプリーストなの忘れたのかよ……」

 

「良いじゃんか。変装用の服も経費で落ちたし、そのロングヘアーのカツラも似合うしな!」

 

「そ、そりゃどうも……」

 

カズマの無責任な承諾により、あたしはカズマと一緒にご休憩専門の宿に向かっている。確かに防音の面では優秀だし、取引する連中が異性なら悪くない取引現場だ。まぁ、あたしらがそこに行くのは、流石にちょっと恥ずかしいが……

 

「いらっしゃい。泊まりで?休憩で?」

 

「あ、えっと……」

 

立地から見て、取引に使われる可能性が高いのは一番奥の203号室だ。そうなれば、隣の202を希望したいが、この店主が仲間の可能性を加味するなら、何とかそれっぽい理由が欲しい。と言うか、やっぱり変装しててもカズマとここに来るのはメッチャ恥ずい!

 

「取り敢えず休憩で……あの、二人の思い出の部屋が202号室なんですが、この部屋は空いてるかしら?」

 

「思い出?こんな宿にそんな大層な思い出なんてあるのかい?」

 

くっ、やはり疑われるか……こんな宿の部屋には、違いなんて無いだろうし……

 

「彼女が俺のテクに失禁しながら絶叫アヘ顔ダブルピースした記念の部屋が202なんだ。ここなら派手に鳴かせても問題ないと思ってさ……隣の部屋に迷惑なら、別の部屋でも構わないぜ?」キリッ

 

「「えっ…」」

 

何いってんのコイツ?!宿屋の親父が凄い顔で見てんだけど?!え、この子がそんなことになるの?って顔で3度見されてんだけど?!カズマはあとで覚えとけよ!

 

「い、いや…そういうのはお互い承知でやってる宿だからな…酷く汚さねぇなら構わねぇよ…」

 

「悪いな親父。隣の部屋にも謝っておいてくれ……」

 

これ、もしあたしの正体がバレたら真っ先に二人をぶっ殺してやる!街から逃げる前にお前らの存在は絶対に消してやるからな!

 

…………………

 

「さて、取り敢えず部屋には入れたし………先にシャワー浴びてこいよ」(イケボ)

 

「うるせぇ!お前ただソレ言いたいだけだろ?先ずは盗聴の準備だ。あたしらの目的を忘れんな!」

 

カズマのセクハラという名の機転により、あたし達はなんとか宿の部屋に潜入できた。防音設備は万全だと言うが、それでもコップを壁に当てれば十分に音は拾えるだろう。あとはターゲットを待てば良い。まぁ、それまでは気になる話でもしていよう。

 

「なぁ、銀髪盗賊団のクリスの件だけどよ?」

 

「い、いやいや無いわ〜!クリスが銀髪盗賊団とか無いわぁ〜!セレナってば何いってんの?」

 

ふむ、ここだけ見ると上手く隠している気がするな。だが、あたしに隠し事なんてさせねぇよ。

 

「隠すなよ。あたしに嘘が通じると思うのか?全部見せあった相手だぞ?」

 

「くっ……ち、ちなみに何処で気付いた?」

 

「今だけど?」

 

「カマかけやがったなこの野郎!」

 

うん。あたしお前のそういうとこ好きだぞ。でも、割と確信あったけどな。

 

「馬鹿、普通に考えりゃ分かるだろ?お前が銀髪盗賊団を庇うとして、身の回りに銀髪なんてクリスしか居ねぇだろ?しかも盗賊だし」

 

「ぐっ!そこはクリスの人の良さで疑わないと思ってたんだけどな……」

 

「甘いな!情報の精査に必要なのは証拠と根拠だ。人となりなんてなんの宛にもならねぇよ!」

 

「それプリーストから聞きたくなかったわ!善良代表みてぇな顔してるくせに!」

 

「職業で人となりは決まらねぇよ。お前自分のパーティー忘れたのか?」

 

「くっ!ぐうの音も出ない正論を……」

 

まぁ、それ言うとお前みたいな駆け出し職業が一番違和感あるけどな……

 

「安心しろよ。あたしには国の正義よりカズマの都合のほうが大事だ。クリスが犯人だとしても、ちゃんと理由は聞いてやるよ」

 

「マジかよ……やっぱりお前最高だよ…」

 

「ま、まぁ?あたしは全てにおいて良い女だからな!」

 

奪ったのが使えそうな宝具なら、シレッと盗むつもりなのは言わないでおくが!

 

バタンッ

「おっ!隣の部屋に人が入ったな」

 

「いやここ建付け悪いな…あたしらには好都合だけどさ…」

 

「ふふふ、先にドアに細工しといたんだよ。相手の行動が先読みできるようにな?」

 

「マジかよ…そこまで周到にやるか?」

 

「いや、万が一セレナの甘い声を聞いていたら気付かない可能性が……」

 

「万が一にもねぇわ!」

 

ったく!こいつマジで襲ってきたりしないだろうな……

 

「おい、例のものは入手したんだろうな?」

 

「えぇ、仕事は完璧にこなすわ。まさか王都からの盗みとは思わなかったけどね?」

 

「おいおい。これいきなりビンゴじゃねぇか……あのセナって奴はマジで優秀だな…」

 

壁の向こうから聞こえてくる会話は、まさしくあたしらが求めていたモノそのまんまだ。後は盗んだものを確保して、決定的な証拠を突き付ければ良い。

 

「それにしても、なんでこんな宿なのよ……私、色仕掛けは使うけど軽い女じゃないのよ?」

 

「そう言うなよ。いくら衛兵でもこんな所に突撃はしてこねぇからな。しかも防音もバッチリだぜ?」

 

「なぁ、これ少なくともクリスじゃねぇよな?あれで色仕掛け出来るとは思えないし、声もこんなに色っぽく無いし……」

 

「だとしてもその言いぐさは辞めてやれ。女として惨めになるから……」

 

カズマから見ても色気無しって言うのは、あたしとしては吉報だ。だが、そうだとしても流石にその言いぐさは可哀想だろ……

 

「あら?そう言えば、隣はとんでも無い淫乱カップルだと聞いていたのだけど。随分と静かね?」

 

「そういやそうだな?ま、まさか!衛兵のまわし者が潜んで居るんじゃ?!ちょっと覗いてくる!」

 

これは不味い!まだ証拠がないのに戦闘になるのは避けるべきだが……いや、考えてる時間はないな!

 

「カズマ!この状況を誤魔化すにはこれしかない!抵抗するなよ?」

 

「へっ?セレナ何を?!」

 

ちゅう〜

「んんっ?!」

 

この状況を誤魔化すのなら、実際にイチャ付いているところを見せるのが手っ取り早い。と言う事で、それっぽい演技を求めたのだが……

 

「んっ…ちゅぷっ……くちゅっ……ちゅる……ぬるっ……んんっ」

 

こいつ、キスへの反撃が本気過ぎる!馬鹿じゃないのか?!お前これ演技で許されるレベル超えてるからな!と言うか、驚いてから反撃に転ずるまでが早すぎるからな?!

 

カチャッ

「えっ凄っ?!キスだけでメス顔させてる?!あっ!いや…えっと…お邪魔しました……」

パタン

 

くそっ!また黒歴史が増えたじゃねぇか!

 

「ぷはっ……誤魔化せたかな…」

 

「はぁはぁ…お、おぅ……監視を続けるぞ…」

 

うぅ…濡れた下着が気持ち悪い……この馬鹿、本当に変なとこ器用過ぎるだろ……いや、でもここで狼狽えたら主導権なんて握れねぇし、ここはクールにいかないと……

 

「と、取り敢えず盗聴に戻んぞ……何を盗んだのか、確実に把握したいしな……」

 

「そうだな……ヤバいアイテムなら、殴り込みも考えないとだもんな…」

 

そう思ってるなら、そんな熱い眼差しでこっち見んなよ……

 

「それで、これで私の欲しいアイテムが作れるのよね?」

 

「あぁ勿論だ。この王家に伝わるマタタビがあれば、お前さんの望む猫にモテモテになる薬が作れるぜ!」

 

……………はい?

 

「聞き間違いじゃ、無いよな?」

 

「聞き間違いって事にしてくれねぇかな……ここまで来てマタタビはねぇよな……」

 

つか、なんでそれがチートアイテムなんて扱われるんだ?普通のマタタビを濃縮とかすれば良いだけだろうに……

 

「でも、なんでこんな箱に入ってたのかしら?魔法陣は壊したけど、そこまで厳重に守る必要は無いような……」

 

「いやいや、猫の獣人を一発で発情させて交尾中毒にするって言われてる薬だぜ?そんな適当に扱うと、近隣の猫が全部ここに……」

 

ニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャー

あれ?なんか外が変に騒がしいような……

 

「……おいメリッサ?お前、まさかこれに触ったのか?」

 

「えっと…偽物だと困るから、近所の猫に軽く嗅がせたのよね?」

 

「まさか、濡らしたなんてことは…」

 

「猫が可愛すぎて、手汗が少々……」

 

「馬鹿か?!匂い移りしたら3日は取れないぞ?!こんなに猫が集まったりしたら……」

 

もし衛兵がアイテムの内容を知ってたら、間違いなく踏み込んでくる流れだろうな。

 

「衛兵だ!ここに神器を盗んだ不届き者がいる!悪いが部屋を改めさせて貰うぞ!」

 

うわぁ……これあたしら必要なかった奴じゃん……

 

「悪いけど私は逃げるわ!貴方も上手くやりなさい!」

 

ぴょんっ!

「あっこら!ふざけんなよ!」

 

「ごめんねぇ!猫ちゃんたち今は駄目なのぉ!」

 

窓から逃げていった女は、集まった猫に追跡されている。こんな宿に一人で居る男は怪しすぎるし、これでこの件は解決だろう。あたしらは……

 

「……なぁカズマ。深くは聞かないが、お前取り調べ受けたら無事で済むのか?」

 

「…………済むと思うか?」

 

あぁ、これに関しては私も同意だ。でも、公的権力がキスで誤魔化せるとも……

 

「おい…これは演技だからな……勘違いするなよ…」

 

ドサッ

「えっ、セレナ?なんで俺を組み伏せて……」

 

「うるせぇ…あたしは下で鳴かされるなんてご免なんだよ……良いから、素直な声で鳴いとけよ…」

 

ぐちゅっ

「ちょっ…そこは…くぅ!」

 

カズマのズボンをずり降ろし、下着の上に腰を落とす。いくら衛兵でも真っ最中の奴に声なんてかける筈が無い。そして、数分でも良いから時間を稼げば、真犯人はとっ捕まるはずだ。

 

「本気に、すんなよ……んっ!」

 

ずちゅっ…ぐちゅっ……

「あっセレナ!……これ…熱くて…ヤバ…うぅ」

 

「ばかっ!名前は出すなぁ……はぁん!」

 

カズマの硬くなったモノの上、下着越しに押し潰すように腰を動かす。経験は無いが、これならきっと衛兵も騙せるはずだ。下着はスカートに隠れて見えず、動きはまさに本番そのもの。あとは、あたしらの演技次第で……

 

「ばか……硬くし過ぎ……これは演技で……んんっ!」

 

「はぁはぁ…無茶言うなよ…こんな、トロトロにしてる癖に……」

 

あっ、ヤバい!カズマの熱くて気持ち良い……

 

「演技だから……んっ…声は出せよ…」

 

「くっ!こんなの、我慢できるかぁ!!」

 

ガシッ!

か、カズマに腰を掴まれた?!不味い…これ、多分演技じゃ済まない事に……

 

ずちゅっ!ぐちゅっ!

「んんっ!ばか!そこ激し……あぁ!」

 

「こんな可愛い声と顔見たら無理だって!下着越しなのに気持ち良すぎるし!」

 

カズマの硬いもので割れ目を擦られ、下着はもうただの濡れ布巾になっている。あぁ、布越しでこんなに気持ちいいとか、こいつどんだけ上手いんだよ……

 

ガチャ

「衛兵だ!少し話を……し、失礼しました!」

 

パタン

あぁ、きっと衛兵が帰ったことにもカズマは気付いていない。ただ無我夢中であたしを抱こうと腰を振って、ドンドン息を荒くしている。こんなに真剣に愛されたら、女は疼くに決まってんじゃんか……

 

「だめ……腰がもう…立ってられない…んっ!」

 

どさっ

あたしは徐々に身体を起こすことも億劫になり、遂にはカズマの上に倒れ込んだ。あぁ、こんなに本気であたしを抱きたいなんて、愛されるって悪くないな……

 

「ごめんセレナ!もう、俺止まれそうにない!」

 

「んっ!良いから出しちまえよ……今更遠慮なんて要らないだろ…あたしで、童貞捨てたんだからさ……」

 

「そんな事、言われたら……くぅっ!」

 

「んっ!あ、熱いのが……」

 

びくんっ、ぴくっ、とくん…

あたしの言葉がトドメになり、カズマは情けない顔で下着の中に射精した。溢れ出る精液が太ももを濡らす熱くて不快な感触も、このカズマを見ながらだと、存外悪くない感触に思えるから不思議だ。

 

「ふふっ……演技しろって言っただけなのに、なに勝手に腰振って射精してんだよ…この変態…」

 

「くっ…だって、セレナが可愛過ぎる反応するから…」

 

「まぁ、我ながら名演だったとは思うけど…それで犯されたらたまったもんじゃないぞ?」

 

「……ごめん。それに関しては本当にごめん」

 

「ふふっ…もう、しょうが無い奴だな……大目に見るのは、今回だけだぞ?」

 

あぁ、何という征服感。ここまで完璧な力関係を見せ付ければ、あたしたちの上下関係はもう確定したと言っていいだろう。カズマ籠絡計画は、これで完了だな……

 

「さて、早く身なりを整えてここを出ようぜ?検察官に報酬を貰って、今夜は部屋で酒でも……」

 

ぬちゅっ

「あの、セレナさん?なんか今演技では出せないような音が出たような……」

 

「演技です」

 

「いや、明らかに生暖かくて滑った感触がですね?」

 

「それはカズマさんのです。興奮して沢山出たんですね?」

 

「いやこの量出たら死ぬんですが?!」

 

うるさいバーカ!そうだよあたしのだよ畜生!

 

「なんだよ変態!あたしで童貞捨てたくせに!」

 

「その台詞万能じゃないから!俺がドキドキするだけだからな?!」

 

コンコン

「あの、もうお時間なのですか…あと、流石にお声が大き過ぎるかと…」

 

「すみません!直ぐにでます!」

 

「ちなみに大きかったのはこっちの……ぶふっ!」

 

ぱぁん!

「黙ってろ馬鹿!本当に直ぐに帰りますから!」

 

こうしてあたしたちの熱い夜は終わった。結局馬鹿な口論で幕を閉じたからなのか、カズマとの関係は何も進展せず、ただサキュバスのやつが儲かっただけだった。

 

……………

 

「くそっ!なんて脚が速いんだあの女は!!」「と言うか猫が邪魔すぎる!」「踏むんじゃないぞ!猫に罪はないからな!」

 

「ごめんねぇ!今は撫で撫でしてあげられないのぉ!!」

 

ニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャー

 

ちなみに、猫の大群に追われていた女盗賊は、あの状況で逃げ切ったらしい。色んな意味でヤバいヤツだったらしい。




最後までお付き合い頂きありがとうございます。

あっ、まだ付き合ってませんよ?ここまでしてますがまだ「仲間」です。そろそろ他の子達が割って入りますが、そう簡単にはくっつけない!

相変わらず不定期ですが、またお暇な時にでもお付き合いください。
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