「あ、う……」
徐々に意識がはっきりしてきた。ゆっくりと目を開けて体を起こし、あたりの様子をうかがう。
……知らない場所だ。今俺が乗っているところを含め、床にはほぼ全面に絨毯のようなものが敷いてある。いつもの寝室とは違ってベッドはない。その代わり、雑多な道具類が部屋のあちこちに置かれている。
「起きたみたいね」
ひゅっ、と息を飲む。後ろを振り向くと、アリシアが腕を組んで尊大そうに立っていた。
「あ…………あの……」
「こっちに来なさい」
「はい……」
のろのろと這いながら目の前まで移動する。歓心を買おうとして卑屈な表情で見上げていると、突然アリシアが目を吊り上げ怒りをあらわにした。
「ねえ、頭が高いんだけど」
「ふぇ…………?」
「おい、私の話聞いてたか?」
「ひいっ、ごめんなさいごめんなさい!」
般若のようになったアリシアの顔が恐ろしくて、慌てて手をついて頭を下げる
「うぐっ…………」
「はあ……躾がなってないったらありゃしない」
上から足でぐりぐりと体を踏まれる。正直肉体的にはそこまで痛くはないが、心がしんどい。とんでもなく屈辱的な扱いである。
とはいえこの状況から脱するすべを生憎俺は持ち合わせていない。だからこの場でできることは、少しでも怒りを鎮めてもらうためにひたすら謝罪の言葉を重ねることだけである。
「ごめんなさい、ごめんなさい…………」
「……ホントに反省してる?」
「っ、してます! もちろんです!」
俺の返答に満足したのか、アリシアの声が幾分か穏やかになった。
「うん、そうだよね。……じゃあこれからは私の言うこと、ちゃんと聞けるよね?」
「はい!」
「キッチンで寝る前に自分が言ったこと、ちゃんと覚えてるよね? これからは私が満足するまで、毎日一生懸命ご奉仕するんだよね?」
「…………はい」
「……は? 何、今の間は?」
改めて口にされると、自分は何を言ってしまったのだろうかと後悔する。そのせいで返事が遅れてしまった。アリシアの声が一オクターブほど低くなり、俺を厳しく詰問する。それから体を踏む力が一段と強くなる。
「ち、ちがうんです! 誤解です! ちゃんと覚えてますから!」
「……へーえ」
アリシアは俺を馬鹿にしたような相槌を打つと、足を俺の体の上からおろした。それから、冷たい声で俺に命令する。
「じゃあ、そのままの姿勢でお尻を高く上げなさい」
「分かりました……」
言うことに従い、上体は地面に預けた状態でお尻を高く上げる。
アリシアは俺の後ろに回ると、指でヒダを左右に大きく広げて秘部を観察し始めた。
「さすがにまだ弄ってないから濡れてないのか…………ちょうどいい、このまま入れるか」
……え? それはさすがに無理だって! 痛いってもんじゃないぞ!
「あの、それは…………あぎゃ!!!」
「ねえ、なんで私の言うことが聞けないの、ねえ!?」
しかし、素直に命令に従わなかったことでアリシアの逆鱗に触れてしまい、いつぞやのように思いっきりお尻をぶっ叩かれる。
「黙って、私に、犯されてなさい!」
「ぐすっ……すいません……」
……どう足掻いても凌辱される運命に変わりはないのだ。真っ赤になったお尻に腰を叩きつけられるのは、普通に犯されるよりももっと痛い。俺は悲壮な覚悟を決め、体を差し出す。
「どうぞ、ご自由にお使いください……」
「はあ……最初からそうしてればいいのよ。ホント、自覚が足りないわね」
「ごめんなさい……」
「っち」
アリシアは舌打ちをすると、俺の腰をがっと掴んだ。せめて衝撃を少しでも逃がそうと、俺は絨毯を手で手繰り寄せて強く握る。
…………しかし、いっこうにその時が訪れない。不思議に思っていると、後ろからおどろおどろしい空気が漂ってくるとともにアリシアが怨嗟の声を上げた。
「クソ、しまった……! コイツが尻叩くだけで濡れる淫売だってこと、忘れてた……!」
――ああ、今だけはこの淫乱な体に感謝しよう。これで少しは痛くなくなるかもしれない。
「ああイライラする! こうなったら、ボロ雑巾になるまでブチ犯してやる! おら!」
「ぐ…………かはっ!」
太い肉棒がゴリゴリと膣内に侵入する。まだ準備のできていない膣壁が悲鳴を上げる。
「ほら、もっと締めなさい!」
「くぅ……あ“っ、あ”…………」
歯を食いしばり、必死に絨毯を掴んで衝撃を逃がす。それでもなお、凌辱による痛みが体を苛む。
「ふふふ、いい泣き顔ね」
「はあ……はあ……うぅ…………」
「――あ、上ってくる…………ほら、出すよ! 受け止めなさい!」
「あ“…………ん”ん“ん”!!!」
びゅるびゅると濃い精液が子宮を染め上げる。肉棒は子宮口から膣口までをがっちりとふさぎ、一滴も漏らすことなく子種を注ぎ込む。
長い射精が終わった後、ゆっくりと肉棒が引き抜かれる。無理に拡張したせいでまだ穴が閉じずスース―する。それでも一旦は休憩できそうだと、息を整えて体力を回復させる。
「よーし。一旦こっちの穴はいいかな?」
「…………え?」
少し落ち着いてきた俺であったが、アリシアの不穏な言葉に背筋が震える。
――その予想は当たっていた。アリシアは俺の尻穴に肉棒をあてがってきたのである。
「そ、そこは……!」
「うへへ、こっちはどんな具合かなあ?」
今まで散々嬲られてきたが、実はアナルプレイはしたことがない。てっきり、単に不浄の穴に肉棒を入れるのが嫌だからかと思っていたが……
「き、汚いよ…………」
「ああ、それなら心配いらないよ! カエデが気絶してるときに魔法でちょちょいとキレイにおいたからね! えへへ、いつか満を持して使ってやろうとわざわざ取っておいたけど、今日がその時になるとはねぇ……」
「あああ…………」
アリシアがぐりぐりと肉棒を押し付ける。……しかし、指で慣らしてすらいない狭い穴は全くソレを受け入れる気配がない。
そもそも尻の穴は物を出すように作られているのだ。考えてみれば当たり前の話ではある。しかしアリシアは思い通りに事が進まないことが相当腹立たしいようで、怒りに任せてまた俺のお尻を叩いてきた。
「ねえ! なんで私のモノを拒否するの?」
「うぅ……たたかないで…………」
「ほら、さっさと尻穴開いて準備しなさい!」
「ぐす……そんなのむりだよお…………」
「はあ? 何て言った今!?」
「あぅ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………っあ“あ”あ“!!! やだあ!!!」
自分の意思で尻穴を開くとか、そんな曲芸みたいなことできるわけない。だから至極当然のことを言ったまでだが、アリシアは俺が命令を拒んだことがたいそう不服だったらしい。これでもかというくらい叩かれ、お仕置きが終わるころには姿勢を保つことすら困難になるほど体力を消耗していた。
「…………ぁ」
「っち、仕方ない……両手で尻の穴を目いっぱい広げなさい」
「ぅ……」
「ねえ、聞いてる???」
「あぐっ……わかりました…………」
絨毯から手を離し、ひりひりと痛むお尻の肉を左右に大きく広げる。
「よし…………ふん!」
「はっ……はっ……」
入り口付近で肉棒が擦れる感触がする。心なしか、少しずつその巨体が中に入って行っているような気がする。これから訪れる不可避の衝撃を想像し、息が上がる。
そして…………
「かはっ…………あ“、あ”、あ“」
「お、入った入った」
息ができない。必死に口を動かし酸素を求める。もはや手に力は入らず、指がほどけてだらんと床に垂れ下がる。
「いつ手離していいって言った?」
「う“…………」
「聞けよ」
「ん“お”お“お”!!! ま“っ”て“!!!」
肉棒が狭い穴をゴンゴンと突き回す。毎日のように苛め抜かれた前の穴とは違い、後ろの穴は外部からの侵入者を受け止めることに慣れていないため、途方もない不快感と圧迫感が脳を襲う。
「ふふ、コッチの具合もとってもいいわ……」
「ぬ“い”て“! ぬ”い“て”よ“お”!!!」
「…………は? 黙りなさい!」
「あ“あ”あ“あ”あ“!!!」
容赦のない抽送が行われる。最初のうちは突かれるたびに獣のような雄叫びを上げていたものの、途中からは声を出す元気もなくなってしまった。今はただ呻き声を上げて、半ば意識を失いながら劣情を受け止めるのみである。
「え“…………あ”…………」
「あ、出そう」
「…………お“」
「ふう、スッキリしたあ……」
腸壁が熱い粘液で満たされる。しかしそれに憤る気力などもうどこにもない。ただ犯されたという事実だけが頭に残る。
「よいしょ、っと」
尻穴から肉棒が抜かれ、腰からも手が離れる。
支えを失った体が崩れ落ち、俺は精液と愛液にまみれた床にうつぶせになって倒れ込んだ。体のあちこちが悲鳴を上げている。
…………しかし、まだ二回だ。残念だが、こんなもので終わるはずがない。
その悪い予感は的中する。夢の世界に旅立とうとした俺は、背中をぐりぐりと踏まれて強制的に覚醒させられた。
「これで終わりとか思ってないよね? 私はまだぜっんぜん満足してないんだけど」
「う…………」
「しっかり返事しなさい!」
「う“う”う“、わかってます……どうぞ、おすきなように…………」
「へへへ……少しはしおらしくなってきたんじゃない? さあ気張りなさい、それ!」
「ん“あ”あ“!!!」
――それから初めの宣言通り、俺はボロ雑巾になるまで嬲られて。
その果てない凌辱の最後に、あの忌まわしい淫紋を刻み付けられたのである。