見えざる帝国で働く下っ端男の娘滅却師がバンビエッタの性奴隷にされるお話 作:清姫
それと、週間ランキング一位を取る事が出来ました。
これも一重に、読者様のスケベ力があってこそ。
これからも、宜しければ当作品を読んでもらって、カチカチにしてもらえれば幸いです。
誤字脱字はご容赦を。
では、どうぞ。
戦い。
生まれてこの方、戦う所か喧嘩すらした事のない僕には、何からすれば分からず、ならばと図書館に来て『戦い』に関して調べてみた。
「―――このタイミングで新たな力が......なるほどなるほど」
初めて見たが、最近の本と言うのはここまで見やすくなっているものなのか、司書の人におすすめされて見てみたが、勉強そっちのけに楽しんでしまった。
「成程。文字だけでなく絵を組み合わせることで、より分かりやすく、より正確に伝える事が出来る訳だ。―――よし」
この本によれば、戦いに勝つにはまず、『師匠』を見つけることが大事らしい。
幸いなことに、星十字騎士団やバンビエッタの他に多数存在している。
それこそ、ジゼルやキャンディスなんかもそうだ。
何も、一人で抱え込み、独学でやる必要はない。
分からないのなら、分かる者に師事を仰げばいいのだ。
よし、目標は定まった。
本をそっと閉じ、よいしょ、と両手に本の山を抱え受付に返却すると、意気揚々と図書館を後にした。
「それにしてもマンガと言う本は凄いな」
「無理」
「.......何でですか!? 友達じゃないですか! 友達は互いに高め合い、途中に敵同士になってでも最後には仲良くなるって本に書いてましたよ!?」
「しらんがな」
やるべきことを早速実行しようとやってきた食堂。
時刻は昼を少し過ぎた頃。
この頃に、ジゼルは良く来ることを知っていた為、見つけるのは訳なかった。
しかし、期待していた回答とは遠く。
「いやいや。エッテちゃんボク腐ってもバンビちゃんの側近だよ?」
と、至極全うな訳を述べながら、足をバタつかせ、パフェを頬張っている。
「......あ」
最悪だ。
「他の三人に頼んでも、多分無理だと思うなー」
「う......」
出鼻をくじかれた。
いや、諦めるのはまだ早い。
ここにはまだ他の星十字騎士団がいる。
「そうそう、エッテちゃん。今
「......」
「そんな不快そうな顔しないでよ。争いだって立派な娯楽、貴重なストレス発散方法。陛下が争い事が嫌いだから、鍛錬ってことでたまーにしかないんだけど、大体皆、賭けたりしながら観戦してるって感じなんだ。今回は結構集まったみたいだし、賑やかになっちゃうかな」
スプーンを此方に向け、そう言うとコップを勢い良く傾け、中のコーラを流し込むと『だから』と続ける。
「誰かに能力の使い方教えて貰うなら早くしないと、あっと言う間にボロ雑巾になっちゃうぞ?」
『エッテちゃんなら出来る』とかなんとか言っておいて、何とも無責任な......。
一言文句でも言ってやりたい気分だが、ジゼルの言う通り、時間がない今ゆっくりしている余裕はない。
「分かりました」
「頑張ってー!」
それから、僕は人伝を頼りに、他の騎士団の人を探した。
『O』ドリスコール・ベルチの場合。
「アァッ!? 知るかそんなもの!」
相手にすらされなかった。
『F』エス・ノトの場合。
「あ、あの!」
「......ナに?」
「ひっ! ―――かくかくしかじかなので、どうか私に聖文字の使いかたを教えて......貰え......ません、でしょうか?」
怖い! 怖い! 怖い! 怖い!
「......」
ゆっくりとした足取りで、こちらに近づき無表情な鉄面皮で見下ろす。
僕はと言うと、こっちから頼んでおいて大変失礼な事なのだが、見た目が怖すぎて、身体を丸め、涙目で震えている。
「何デ僕に?」
「え、と......あの、星十字騎士団の人だから」
「......」
怒らせてしまったか?
それにしても、怖い。
怖すぎる。
己の生存本能により、意識しなければ後ろに下がってしまう。
黙ってしまったエス・ノト。
せめてもの礼儀と、プルプルと足を震わせながら踏ん張りながら青い顔で涙を流す僕。
「―――イイ「ごめんなさい! 今の話は忘れて下さァァァァいッ!!」
何か言ったような気がしたが、最早声を聴く事もままならない程疲弊してしまい、大粒の涙を浮かべながら、星十字騎士団の団員の証である滅却師十字の純白の外套をはためかせ、その場から逃走したのだった。
「............」
残ったのはエス・ノトただ一人。
依然として表情は変わらず、動きは乏しいが、何処か心悲し気な雰囲気を醸し出していたのだった。
『C』ペルニダ・パルンカジャスの場合。
「○○■■と言う訳でして、どうか私に滅却師としての戦い方を教えてくれませんでしょうか?」
「......」
全体を外套で覆われた異質な形の人物。
「あの。ぺルニダさん?」
「............」
へんじがないただのしかばねのようだ。
いや、ふざけている場合じゃない。
「い、いかがでしょうか?」
「..................」
「ぺ、ペルニダさん? ペルニダさん?」
恐る恐る、近づき、目の前で両手を振る。
外套の中から見える二つの眼光は、微塵も反応を示さず、寝ていると言われれば信じてしまうほどで、全然動きを見せてくれない為、どんどん胸の内の不安が大きくなっていく。
「何か、あの、何か反応してくれませんか?」
「......」
一拍おいて、右に身体をずらすと、ノソノソと僕の横を抜け進んで行ってしまった。
分かっていると思うが、期間は一週間。
本当に時間がないのだ。
「ぺ、ペルニダさん!!」
目をギュッと絞り、勇気を振り絞って、去って行くペルニダに向かって制しの声を上げる。
すると、ピタ、と動きが止まり、またノソノソとこちらに身体を向けた。
「......アタラシイ......シュテルンリッター......キタイシテル......」
そう言い残し、今度こそ去って行ってしまった。
「あ、ありがとうございます。―――って! 違う! ペルニダさん!」
『I』
「君がマリエッテか?」
「はい? はい......そうですけど」
見つける前に向こうから話しかけて来た。
「僕は蒼都。仲良くするつもりはないが、名前は覚えておいてほしい」
「私は「ああ、名前は良い。知っているからね」......」
「他人の争いに首をツッコむ気はないが、一人を多人数で痛めつけるのは見ていて気持ちのいいモノじゃない。君は一体何をしたんだ?」
「えっと? 何の事ですか? 話が見えてこないのですが......」
蒼都の突き放すような言動に、イラっとしながらやや棘のある言葉を返す。
「『マリエッテに何も教えるな』そう言われたよ」
「ッ!?」
「あの様子だと、僕以外にも触れ回っているだろう。―――話を戻すけど、僕は弱いモノいじめのような争いは嫌いだ。誰にも教えて貰えなかったら僕の所に来るといい。基礎ぐらいは教えて上げよう」
そういって、返事も聞かずに去って行った。
「......」
怒りで、蒼都の言葉が途切れ途切れしか聞こえなかった為、大まかにしか理解していない。
バンビエッタ。
何て卑怯な真似を。
一言言わなければ気が済まない。
怒りの足音をならしながら、バンビエッタの自室へ向かう。
「―――もう! なんで! 開かない! の!」
扉と格闘すること数秒。
鍵がかけられ、外に出ているのが分かると、踵を返し、憎き相手を求め、辺りを探し回った。
そして、建物内を行ったり来たり、しらみつぶしに探していると、上級役職の者が使う食堂に彼女は居た。
「卑怯者!」
彼女の前まで進むと、両手で勢い良くテーブルを叩き、声を荒げる。
「何よいきなり」
青筋を浮かび上がらせ、睨みを利かせる僕に冷静に言葉を返した。
「一週間と言いながら、妨害するなんて!」
「知らないわよそんな事。単にエッテに人望がないだけでしょ? あたしのせいにしないで」
そう言いながら、怒りを露にする僕を気にする様子もなく、ナイフとフォークを使い、気品すら感じる程の所作で食事を続ける。
そんな姿が、僕の言葉を全く意に介していないようで、より一層むかついた。
「元から嫌いでしたけど、もっと嫌いになりました。もう顔も見たくありません!」
「そう? あたしは貴方が好きよ」
「もう、知りません!」
顔をそっぽ向けると、『覚悟しておいてください!』と何とも小物っぽい科白を吐き捨て、直ぐにその場を後にした。
この時、マリエッテは頭に血が上り正常な判断が出来ない状況にあり、自分自身でも今何をしているのか、本当に理解しているのか分からない状態に陥っている。
今のマリエッテは言うなれば暴走列車。
何をしでかすか分かったものではない。
そんな、暴走列車マリエッテが向かった先は、普段用がある者しか立ち入らない場所。
限られた者にした進む事は許されず、勿論、その資格がマリエッテにあるかどうか怪しい所である。
他の所と違い、等間隔で憲兵の警備が配置されており、星十字騎士団でなければ直ぐに呼び止められ事と次第によっては捉えられてもおかしくない。
そんな、厳重な場所。
しかし、そんな事は気にしている様子もなく、そのままズカズカと進む。
探せる所は粗方探した。
見つけた団員には、大体聞いた。
でも、ダメだった。
なら、もう選択肢は一つしかない。
コンコン。
「誰だ」
大きく細かな装飾が施された扉の向こうから流麗な低い美声が聞こえて来る。
「マリエッテ・マリリージェです!」
重々しく扉が開き、広い空間が見える。
それは、支配者に相応しく、豪華な内装。
家具は最低限で、神秘的な静謐なる空気が周囲に漂っているのが感じられた。
「何の用だ?」
平坦な表情の金髪の美青年。
星十字騎士団の団長。そして、見えざる帝国に於いて陛下に次いで権力を有している
ユーグラム・ハッシュヴァルト。
「ハッシュヴァルト様。陛下は?」
そう、彼が向かっている場所は見えざる帝国の頂点に立つ存在、全ての滅却師の祖であり王。
ユーハバッハの住む部屋だった。
最早、正気の沙汰とは言えないその行動。
愚行と言っても、あまりあるその蛮行は、マリエッテのぶっ飛んだ思考回路の前では全くどうでも良い事。
星十字騎士団の誰かに教えてもらう→探せるだけ探したけど誰も引き受けてくれない→今、この場所にいる騎士団員はバンビエッタのせいで引き受けてくれないだろう→じゃあ、最後に居るところが限定されていてかつ、騎士団員に引けを取らない人物に頼んでみよう→陛下の所へ行こう。
このように、生まれて初めてと言って良いほど、頭に血が上ると言う現象を経験したマリエッテはいわば無敵の人と化しており、それが例え、指先一つで存在事消滅させることが可能な、言葉を交わす事すら恐れ多い、天上人であるユーハバッハであっても、今の彼には関係のないこと。
「まずは何の用か言え。話はそれからだ」
「陛下に稽古をつけて貰おうかと思いまして」
「......」
謎の静寂が部屋中に充満した。
端に控えている、給仕の者は全員『は?』と言った感じの表情を浮べ、僕を見つめ。
何時もは表情を崩さないハッシュヴァルトですら、驚愕を露にしている。
「陛下に稽古をつけて貰おうかと思いまして」
聞こえていないのかと思ったマリエッテは、もう一度はっきりとした口調で言った。
「......」
しかし、なおハッシュヴァルトは驚いた顔を崩さず固まっている。
「陛下に「何度も言わなくても聞こえている」......すみません」
顎に手を当て、塾考すると、再び視線をマリエッテに向けた。
「正気か?」
その言葉には『本気で稽古の為だけに陛下の自室に乗り込んで来たのか?』や『通常は数度の段階を踏んで、それでも非常識な行動だと分かっているのか?』などの問いが込められていたが、バンビエッタとの戦いにしか頭にないマリエッテには、言葉の意味そのまま受け取り、元気よく頷き『はい!』と答えた。
口を開き、また閉じ、開きを繰り替えし、何か言おうとするハッシュヴァルト、最後には額に片手を宛て出来の悪い子供を叱るように、ゆっくりとしかし、口調は強く話をはじめた。
そして、その瞬間奇跡は起こった。
「―――ハッシュヴァルト」
「は」
「通せ」
「かしこまりました。―――こっちだ」
「はい!」
重厚なややかれた声が聞こえるや否や、表情は一変。
無表情に切り替わり、僕を奥へと通した。
そこには、玉座に座るユーハバッハが、外を眺めている。
「要件は聞かせて貰った」
「なら! 「だが、それは叶えることは出来ない」......ッ!」
視線は外に向けたまま、話を続けた。
「お前は、ここに来て日が浅い。故に知らないだろうから、教えてやろう。......私は争い事は好まん。争うと言うものは、愚者が行う、凡そ生産性のない、無意味な行為。故に、私はあらゆる戦闘行為を嫌悪している。それが、例え、それが身内同士の諍い事であっても、だ......。―――さて、それを踏まえてもう一度問うとしよう......」
―――お前は争う術を学ぶ為に、私の所へ来たのか?
ユーハバッハの圧に宛てられ、給仕達は青い顔になり、ハッシュヴァルトですら僅かに自身の主から目を背ける程。
しかし、マリエッテは先のバンビエッタの言い合いに於いて、怒りにより頭の神経が焼き切られており、またもや言葉のまま受け取り、再び、元気よく『はい!』と答えた。
重々しい雰囲気のユーハバッハに対して、真っ直ぐな明るい瞳で、いっそ清々しいまでの快活の良い、歯切れの良い言葉を飛ばす。
明らかに、両者の纏う雰囲気に差異が存在しており、それを見た誰もが困惑すること必至。
実際、ハッシュヴァルト含め、この場にいる誰もがそう思い、更には近衛兵の一人が『何が起こっているんだ?』と吐露する程だ。
「陛下と同じく、私も争いは嫌いです。痛いのは嫌ですし、皆不幸になるのも嫌です」
「ほう......なら、平和を愛するものが、戦いの術を学ぼうとするのは矛盾しているのではないか?」
唾を飲み込む音が鼓膜を震わせる。
マリエッテの者でない、他の誰かの音だ。
依然として、ハキハキとした声で、背筋を伸ばし、口を開く。
「私は夢想家ではありません。現実主義者です。―――平穏とは真の強者にのみが与えられるもの。強い者だけが、平和な世を築き上げることが出来る。そう、私は思っております」
そう、力が無くては守ることも出来ない。
身を守る『盾』だけではなく、襲い来る者を倒す『剣』を持たねば、永遠に真の平和と言うモノはやってこないのだ。
『そうか......』そう言い残し、会話が途切れる。
後ろ姿しか見えない僕には、陛下が何を考えている事は皆目見当もつかない。
これで、断れたら、いよいよ後がなくなってしまう。
頬に汗が伝うのを感じる。
運命の判決が下るのを今か遅しと待っていると、遂に陛下の口が開いた。
「―――マリエッテ。お前の考えは分かった。だがしかし、答えは前と変わらず否だ」
「......」
思わず身体の力が抜けてしまう。
絶望。
これから、どうやってバンビエッタから勝とうか、少ない知識で考えを巡らせ始めた。
だが、陛下が「しかし」と言葉を紡いだ瞬間、己の思考は霧散した。
「それは、親である私が、子供同士の戦いに出張るのは些か大人げないからと言う理由によるもの。―――これより、一週間。毎日昼の一時間に限定してハッシュヴァルトを師として付ける。鍛錬の場所もこちらで用意しておいてやろう。これならば、マリエッテの『平穏』を摘まみ取る機会を得るのに十分だろう」
「......ッ!! あ、ありがとうございます陛下!」
勢い良く頭を下げたものだから、帽子が床に落ちる。
それを、拾い上げ、両手で胸に抱く様にして持と、礼儀度外視に再びユーハバッハに礼を言うと。たったったっ、と小走りに部屋を後にした。
滅却師なら今の光景を見た瞬間、卒倒してしまうモノが出て来る筈。
十人中十人が『無礼者だ』と断言し、まず間違いなくユーハバッハの顰蹙を買うだろう。
しかし、今回は何故か、何も起こらなかった。
「陛下。良かったのですか?」
幼少期より、ユーハバッハの下に仕えて長いハッシュヴァルト。
そんな、彼でも今回の主の提案は異質に見え、思わず問を投げかけた。
「何がだ」
「あれ程の寛大な対応。何か、思うことでもと......」
「―――ただの気まぐれだ。あれ程愚直なモノは、今までになかった。それに対しての気まぐれ、ただそれだけだ」
後方に控え、頭を下げていたハッシュヴァルトにはユーハバッハが僅かに口角を上げていることに気が付いていなかった。
「やった! やった! やったー!」
近衛兵の目も気にすることなくルンルン気分で、ステップを踏みながら、外套を揺らす少女。
あまりに激しく動くものだから、はためいた外套から揺れるスカートが見え、更にそのスカートもギリギリの所まで舞い上がり、そこから健康的な太ももが露になる。
その、太ももから発する色香は絶大で、普段、冷徹に職務を全うする近衛兵の視線を一点に集め、一瞬であっても『警備する』と言う意識を『彼女を見ていたい』に変える程である。
これも、一重にマリエッテが開花した
「今日ははご馳走だ! 奮発しちゃおっと!」
マリエッテが自身の行った無謀さに気付き、吐くまで後一時間。
評価してくれれば執筆速度が上がります。
してくれないとそこそこになります。
マリエッテをTSする能力(切り替え可)をもたせて良いと思う?
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YES
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NO